米国関連

米メディア、ステルス戦闘機F-22が中国のJ-20に空対空戦闘で敗北すると予言

米国のMilitary Watch Magazineによれば、米中のステルス戦闘機同士の空対空戦闘において中国のJ-20が米国のF-22を粉砕するだろうと予言している。

参考:F-22 vs. J-20: Why China’s Mighty Dragon Stealth Fighter Would Crush the Raptor in a Air to Air Combat

中国のJ-20は米国のF-22を空対空戦闘で粉砕?それでも一方的に中国優位にはならない理由

中国のステルス戦闘機J-20は第4世代のJ-11Bを、米国のステルス戦闘機F-22は第4世代のF-15Cを置き換えるため開発され、両機の主な任務は空対空戦闘で敵機を圧倒し制空権を確保することだが、両機には決定的な違いがある。

中国のJ-20開発プログラムは現在も進行中で生産ラインも稼働し続けているが、米国のF-22開発プログラムは10年以上前に打ち切られ生産ラインは2009年をもって閉鎖されたため、既存機に対するアップグレードプログラムしか持ち合わせていない。

この違いは時間が経過すればするほど大きな違いと作り出すことになる。

中国のJ-20は2000年代のコンピュータシステムをベースに開発され、レーダーやデーターリンクなども比較的新しい技術で構築されており、米国のF-35も採用している電子光学分散開口システム(Electro-Optical Distributed Aperture System:EO-DASのこと)も取り入れられているが、1980年代に開発が始まり1990年代のコンピュータアーキテクチャに未だ依存しているF-22を大幅にアップグレードするには多額のコストが必要になる。

出典:Public Domain F-22のコックピット

しかも中国のJ-20プログラムは進行中なので、今後も最新のアビオニクスを積極的に統合してくことが予想される。こうなるとプログラム自体が終了しているF-22にとっては状況が悪くなるばかりだ。

ただしJ-20用の搭載エンジン「WS-15」開発は予定通りには進んでいないため、現時点での空中機動性はF-22に劣るかもしれないが、これも時間さえかければ解決(F-22と同等もしくは上回る)するだろうとMilitary Watch Magazineは指摘している。

さらに中国が2010年代に開発した長射程空対空ミサイル「PL-15」は、米国のAIM-120Dの性能を上回っているためJ-20とF-22の戦闘性能に大きな影響を及ぼすと見ている。

Author:emperornie / CC BY-SA 2.0 中国のJ-20

結局、F-22がJ-20よりも優れているのは、J-20がカナードを採用したためF-22よりもステルス性能が低いと言われている部分だけだが、新型エンジン「WS-15」が実用化され推力偏向ノズルを採用するようになれば、J-20のカナードが廃止される可能性もあるため、今後もF-22優位が続くとは限らないと警告しているが、これは米国にF-22しかステルス戦闘機がない場合の話だ。

確かに双発機のJ-20にウェポンベイの兵器搭載能力では負けるかもしれないが、2000年代のテクノロジーを多く採用し空飛ぶコンピュータと呼ばれるF-35はJ-20と同様に開発が継続中で、今後の発展性についても十分可能性のあるプラットフォームを持っているため、中国に大きな遅れをとっているわけではない。

さらに言えば、米空軍は双発タイプと予想される次世代戦闘機の研究開発中で、中国との長射程空対空ミサイルギャップを埋めるため開発中の新型空対空ミサイル「AIM-260」の試射も来年に予定されており、初期運用能力の獲得は2022年を予定している。

J-20対F-22という見方をすれば確かにF-22は時間が経過するほど不利になるかもしれないが、米中のステルス戦闘機を総合的に比較すれば、一方的にどちらかが優位だということにはならないのではないかと管理人は見ている。

ただし、新型空対空ミサイル「AIM-260」や次世代戦闘機の開発が長期化したり失敗するようなことがあれば、中国優位説も説得力を持ってくるだろう。

 

※アイキャッチの出典: dreamnikon / stock.adobe.com

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コメント

    • 匿名
    • 2020年 2月 22日

    カタログデータでしか比較できない昔のオーディオマニアのような米メディアだな。
    コンピュータがどうのと言ってるがそんなものは関係ない、F-22はJ-20を100Kmの距離から発見してアムラームを発射するだけで勝てる、逆にJ-20は10Kmまで接近してもF-22を発見できない、これでどうやって勝つんじゃ。
    湾岸戦争当時のM1A2とT74以上の差があるぞ。

    1
    • 湾岸戦争の時はM1A1とT-72(ダウングレード版)だったのだが。

      • 匿名
      • 2020年 2月 22日

      >湾岸戦争当時のM1A2とT74以上の差があるぞ。

      湾岸戦争当時のエイブラムズ戦車の主力はM1A1。A2が登場したのは2003年のイラク戦争終結後から。
      それとソ連戦車に「T74」と言うMBTは存在しない。T-72の誤記だと思う。

      • 匿名
      • 2020年 2月 22日

      RCSが、F-22の0.0001㎡クラスに対して、J-20の0.1㎡クラス。
      J-20のレーダーを過剰に見積もっても、
      F-22によるJ-20の最低探知距離112km
      J-20によるF-22の最低探知距離50km
      PL-15の長射程を活かせない探知距離の短さで、仰る様にJ-20は一方的に狩られる立場ですね。

      エアフレームを作り替えないと届かない程のギャップでしょうから、J-20後継機まで脅威になり得ないかと。
      言い換えると、J-20のアップデートに注力してくれてたら、F-22は対中国だと当面は安泰ですね。
      もしかしたら、そのための記事なのかな?

      1
      • 匿名
      • 2020年 2月 25日

      お前が一番カタログデータでしか判断できてないよねw

      1
    • 匿名
    • 2020年 2月 22日

    要はこのままだとマズイからもっと予算あげてって記事かな
    F22の電子機材の古さは元関係者から
    「F22はハッキングに強い。なぜならシステム更新用の機器を中国は持っていないからだ!(古すぎる為ネット更新不可)」
    ってネタにされるレベルだからOS周りで最新機種に追い抜かれるのは当然の流れ

    1
    • 匿名
    • 2020年 2月 22日

    生産されてから年数が経っている上に生産中止された機体ですからね。そりゃいつかは越えられるでしょう。管理人さんのおっしゃる通りで比較対象がおかしいと思います。

    • 匿名
    • 2020年 2月 22日

    もっとF-22に金をよこせというステマでしょう。

      • 匿名
      • 2020年 2月 22日

      ただ、誰がそれを望んでいるのですかね?
      LM的には、F-35とF-16Vのバックオーダーで当面はお腹一杯。
      米空軍の方は、デジタル・センチュリーシリーズに代表される次世代機開発に金を掛けたいでしょうし。

    • 匿名
    • 2020年 2月 22日

    F-16AからF-16Vのように中身は別物レベルの改良を加えれば
    いつかはJ-20がF-22を超える日がくるとは思うけどさ。
    J-20ってそこまで素性の良い機体とは思えないので早い段階で諦めて新型機開発に移行するんじゃないかな。

    • 匿名
    • 2020年 2月 23日

    いやいや、元記事がMilitary Watch Magazineってところでもう…

      • 匿名
      • 2020年 2月 23日

      あまり詳しくないのだがMilitary Watch Magazineというものはそんなに信ぴょう性が低いのか?

      2
    • 匿名
    • 2020年 2月 24日

    あまり知られてないようだけどステルス機は本当にステルスモードになると自機からレーダー波も出さない
    後方の早期警戒機から情報を受け取って作戦行動する
    レーダー波出してたらステルスの意味がない
    中国の打撃群にはこの後方の早期警戒機とのデータリンクが米国ほど充実しておらず単純に戦闘機だけの性能比較だけでは情報が少な過ぎる

    •  
    • 2020年 2月 25日

    あり得んな。予算取りキャンペーンとしか思えん

    まず米国機の前に師匠のロシア機に追いつけよ。話はそれからだ

    • 匿名
    • 2020年 2月 25日

    F-22に関しては特別なハンガーまで用意するようなステルス性能に極振りした機体ですので、買った負けたの話の前に予算とか議会の承認とか空軍の都合などの国内事情で退役する方が早いんじゃないかと。
    航空機に載せられるサイズのミリ波レーダーとか出てくれば話は違ってくるんでしょうが‥

      • 匿名
      • 2020年 2月 25日

      レーダー方程式から探知可能距離は波長の平方根に比例なので、波長の短いミリ波は元々不利な上、
      酸素や水蒸気による共振吸収のピークもそこら辺に在るので、
      長距離の探知が必要な軍用航空機レーダーには不向きだと思います。

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