タイのBangkok Post紙は31日、空軍がF-5Eを更新するためF-35A調達を検討していると報じて注目を集めている。
参考:Air force eyes F-35 stealth jets
タイ空軍はF-5Eの後継機に調達コストが値下がりしたF-35Aを希望、ただし実現するかは微妙か
Bangkok Post紙の説明によると空軍は30年以上運用を続けてきたF-5Eの老朽化に伴いメンテナンスコストの高騰と安全性のリスク増大に直面しており、ナパデージ空軍司令官は「これを交換するため調達コストが8,200万ドルまで値下がりしたF-35Aが最良の選択肢に浮上した、空軍導入済みのグリペン最新モデル(グリペンE?)を調達するには8,500万ドルの費用がかかるため我々が手がF-35Aに届かないということはなく、米国との交渉次第では7,000万ドル強まで調達コストを下げることも可能だ」と述べたらしい。
さらに司令官はオーストラリア空軍とボーイングが共同で開発中のロイヤル・ウィングマン(忠実なる僚機という意味)についても関心を示し「F-35Aとエア・チーミングに対応したロイヤル・ウィングマンを一緒に運用すれば戦闘効率の向上とコスト削減が両立するだろう」と予想しているが、問題は「中国との関係」を問題視してUAEへの売却を差し止めているバイデン政権がタイへのF-35A売却を容認するかどうかだ。
タイもUAEと同様に国内5G網構築で中国のファーウェイと協力関係にあり、タイ陸軍やタイ海軍は中国から少なくない量の装備品(VT-4、VN-1、039A型潜水艦、071型揚陸艦、ナレースワン級フリゲート、チャオプラヤー級フリゲートなど)を調達しているため、この辺りの関係をバイデン政権に問題視されると政治的にF-35Aの調達には手が届かないことになる。
ただ中国との関係を問題視して西側唯一の第5世代戦闘機売却をブロックすると米国の首が絞まり中国が笑う=つまり米国が武器供給を通じて一定の影響力を保持していた友好国の多くは「中国(ファーウェイ)との関係断絶」を望んでおらず、こういった友好国のF-35A導入希望を拒絶するとロシア製や中国製の第5世代戦闘機導入に流れるは明白(米国の影響力が低下して露中の影響力が上昇するという意味)で、特にロシア製のチェックメイト導入には米国の対ロシア制裁発動のリスクが伴うため「中国との関係を問題視すればするほど中国製J-31に人気が集中する」という皮肉な構図が出来上がってしまう。
ロッキード・マーティンに対外有償軍事援助(FMS)の顧客向けにカスタマイズされたF-35の開発契約(4,905万ドル)を国防総省が今月27日に授与したため一部の海外メディアは「中国との関係を維持したい国向けのカスタムバージョンを開発するのではないか?」と予想しているが、契約額が4,905万ドルと少額なため2018年に契約したイスラエル向けのF-35I開発作業を今後も継続する追加契約説、燃料移送効率が高いブーム方式をF-35Bに対応させることを希望するシンガポール空軍説、F-35Aにプローブアンドドローグ方式対応を希望するフィンランド空軍説など様々な憶測が飛び交っている。
もしカスタマイズされたF-35の開発が中国との関係を維持したい国向けのカスタムバージョンならタイ空軍のF-35A導入は実現するかもしれないが、そうでないならタイ空軍はF-35Aの代わりとなる第5世代戦闘機を「米国以外」の国から調達することになるだろう。
関連記事:中東・アフリカ仕様? 米国が対外有償軍事援助向けにF-35カスタムバージョンを開発
※アイキャッチ画像の出典:U.S Air Force photo by Airman 1st Class Jacob Wongwai
流石にタイには高価すぎる気がするんだけど…
というか導入できたとして東南アジア軍拡時代に入っちゃうんじゃ?
いやまあ、中国の膨張に伴うある種の流れってのはわかるけど、それにしてもよ
東南アジア諸国も着実に経済力をつけてきてるから、
だからこそ、F-35も金額的に手が届く範囲まで来たともいえる
政治的にはいまのままじゃ無理だね…
果たして10年前に中華製第5世代機が拡散、米国製第5世代機を駆逐する可能性が現実的になる
なんて誰が予想出来ただろう
少なくともそんな事言ってる奴は1人も居なかったね
??
中華製5世代機は中国でしか運用してなくね?
駆逐はしてないだろ。
日本語は正確に使おう
「可能性が現実的になる」は「まだ実現していないが全くありえない話ではなくなった」意味合いなんだから、そこは 正 確 に 読み取ってあげてほしい感。
「米国製第5世代機に【迫る】」とかならまだしも「【駆逐】する」だと可能性すらおよそ非現実的だと思うけど。
タイ王国ならいずれ欲しがりそうだなとは思っていました。
インドシナの盟主にして、欧米と対立要因の多い東南アジアでは数少ない世俗的かつ欧米と歩調を合わせてくれる国ですし、ここで原則論を持ち出して輸出規制してしまうのも考えものですね。
とはいえタイは軍の一部兵器は既に中国製(それも小銃や野砲レベルではなくデータリンク可能な戦車など)だったり、国内に目をむければ軍によるクーデターが恒例化しているなど不安要因もあることはあるんですよね…。
米政権のアジア重視にインドシナが含まれているのかどうか、注目ですね。
どうにもバイデン政権の人権に基づく武器輸出の制限が余計に足かせになってるようにしか見えない
単純に対中対露を標的にすべきだと思うし正直トランプの方が外交上手だったと思う。
上手、下手というより、理論先行で現実が見えてない。
商売人だけあって、トランプ氏は何がアメリカの利益になるのかはよく考えてたと思う。
利益の中身について意見が異なる人も少なくなかったようだけど。
トランプが対ロシア制裁法に署名してトルコ、インドネシア、インドなんかにS-400やSu-35を買うなと圧力をかけ始めてるからトランプとバイデンがやってることは同じだよ。
普通の国が許容できる維持費では無いので余程の見栄っ張りな国でもない限り採用は行わないだろう。採用国も調達は必要最低限の数量しか行っていない。中露でそれなりのステルス機を開発済なのでそれを採用するのがおりこうさん。
F-35を運用しタイ!
座布団1枚持ってて!
チャクリナルエベトでF-35Bを運用しタイ。
退場、だな。
そこはユーロファイタータイ風で
EF-2000T:ユーロファイタータイ空軍仕様
老朽化したF-5Eの後継機として導入された。
関係者の「タイでファイターときたらムエタイだろう」との発言から、「ムエタイ仕様」の通称がある。
これにちなみ、当機種のパイロットはムエタイ選手の呼称である「ナックモエ」と呼ばれることになった。
中国の戦闘機導入のために「F-35購入を断られた」実績作りじゃあないかね。
F-5の代わりならJF-17でも良いのでは。と思ったが、マレーシアが何を導入するかによるかで変わってくるかな
流石にアメリカも売らないのでは?タイは中国と仲良すぎなので、F-35でJ-20辺りと模擬戦闘しちゃうでしょう、機密漏洩待ったなし!!でしょう、と思わせておいて・・実際には売るのかな?
参考
リンク
どうしても西側製の機体が欲しいならKF-21を買えばいいんじゃないの
韓国の兵器を貶めたいわけじゃないけど冗談だろうけどそれだったらインドのテジャス選ぶほうがまだ良いくらい…
まだ出来てもいない、下手したら頓挫しかねないものの方がいいってのは理解できない。
完成する頃にも西側の戦闘機と言えるのかどうか…
次はベトナムが購入希望出すのかな
しかし、こんな話が出てくるようになると、ステルス機というのは運用や維持の問題を除けば、十分に「安い」兵器になってきているんだよなと実感出来る
結局、高級なのは中身の電子機器とかなのだから、機体そのものは4.5世代機と大差の無い値段でしかないと
電子機器をケチってしまうと今や視程外から一方的に狩られるから、昔のレーダも無い機銃と短AAMのみのF-5の様な「軽戦闘機」の価値が激減して、結果F-16Vとかが「ロー」の下限クラスの位置づけとなり(結果グリペンE/Fも高騰)、F-35という「ハイ」との価格差が小さくなっていると