日本政府は海洋進出を強める中国を念頭に護衛艦8隻輸出が噂されているインドネシアと外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開催、予想通り両国が防衛装備品・技術移転協定に署名した。
日本の防衛産業にとって未知数なのは顧客のインドネシア海軍が使用している環境に護衛艦自体を統合出来るのかどうか
読売新聞は日本政府とインドネシアが護衛艦輸出に関する協議を行っており輸出候補に「もがみ型護衛艦」が挙げられ契約総額は3,000億円規模に達すると昨年末に報じていたが、具体的な輸出交渉(インドネシア側に装備品の詳しい性能を開示)を行うためには日本とインドネシアの間で安全保障・防衛分野における協力強化に基づき移転される防衛装備品や技術の取扱いに関する協定(防衛装備品・技術移転協定や秘密軍事情報保護協定など)を結ぶ必要があった。
インドネシアも今回の協議で日本の防衛装備品を輸入するのに必要な法的な枠組みについて進展するかに注目していたが、30日に開催された両国の担当大臣による外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)で防衛装備品・技術移転協定に署名が行われたと日本の外務省が発表、これでインドネシアへの護衛艦輸出交渉が本格化すると見られる。
ただ今回の案件はイタリアやフランスといった競合相手がいる上、日本が不慣れな技術的・現地建造がセットになっているので今回の協定署名はゴールではなくスタートに過ぎないので過度の期待は禁物だ。
特に日本がインドネシアへの輸出を推進している「もがみ型護衛艦」には米国製の武器、英国製のガスタービンエンジン、ドイツ製のディーゼルエンジンなどが採用されているため第三国への輸出許可が降りるのかも不透明だが、それ以上に日本の防衛産業にとって未知数なのは顧客のインドネシア海軍が使用している環境に護衛艦自体を統合出来るのかだろう。
武器を輸出するということはインドネシア軍の指揮管制システム(C4I)に護衛艦のシステムを統合する必要があり、インドネシア海軍はフリゲート艦は欧州製でフランス製の艦対艦ミサイル「エグゾセ」や艦対空ミサイル「VL MICA」を使用しており戦闘管理システムにはオランダ製の「UniMACs 3000」を採用しているため同じものを統合して欲しいと要求があっても不思議ではない。
恐らくこのあたりの対応は技術力というよりも経験やノウハウの部分なので輸出経験の少ない日本の防衛産業にとってはチャレンジしてみるしかなく、輸出の盛んなイスラエルの武器やシステムは予め異なる国や企業の兵器などを統合するためオープンアーキテクチャを採用して顧客の要求に応えられる構造なので柔軟性が高く、これはイスラエル製兵器の訴求ポイントにもなっている。
今回の護衛艦輸出が成功するのかは謎だが、仮に失敗しても得られた教訓を活かして輸出に対応できるような装備品開発のキッカケになれば十分お釣りが来るだろう。
関連記事:日本とインドネシアが閣僚協議を開催、護衛艦輸出に向けた法的枠組みについて協議か
※アイキャッチ画像の出典:Hunini / CC BY-SA 4.0
インドネシアか…
高い勉強代にならんといいが。
今回は授業料を払うつもりなんでないの
南朝鮮とのKFXとのゴタゴタが思い出される……
高速鉄道ですでに…
いや、そもそも日米豪印のクアッドで中国に対抗しようとしているときに、オーストラリアの仮想敵国のインドネシアに日本が武器輸出ってどうなんだ?あと10年くらいでインドネシアはGDPでオーストラリアを抜きそうだし、オーストラリアとしてはインドネシアの脅威は中国並みなんじゃないかと思うのだが。
個人的にはそこが心配。
予めきちんとオーストラリアと話がついているなら問題無いが、多分話ししてないんだろうな…
それとこれとは別物でしょう
インドネシア(ASEAN)も潜在的にはクアッドのサブサポーターと目されてるわけだし
お互い仮想敵国とは視てるけど、アルゼンチンとブラジルみたいに軋轢は殆ど無いような。
民主主義国同士では小競り合いはあっても侵略戦争みたいな事にはならんやろうね。
今後もインドネシアが民主主義国であり続け、オーストラリアが白豪主義に戻らない限りは
深刻にならないと思う。
それに、インドネシアをハブり過ぎて中露の枠組みに入られる事の方が西側自由主義圏にとっては危険。
だからモンキーモデルを提供し続けて、軍事クーデターとかが起こったら国が破滅するように
塩梅をうまくして協力し続ける方が良いかも。
>仮に失敗しても得られた教訓を活かして輸出に対応できるような装備品開発のキッカケになれば十分お釣りが来るだろう
最後の段落にすべて集約されてる。失敗してもいいから、チャレンジしてほしい。
失敗したらマスゴミや野党がここぞとばかり騒ぎ立てて、輸出自体が難しくなるかもしれない
大丈夫だ。成功しても文句つけてくるから
躓く覚悟での一歩って感じだ
目の前の小石にビビっていては先には進めん
契約まで行っても、箱としての艦体だけ輸出して、中身はすべて欧米機器という面白からぬ可能性もあるが、それでも造船業への救済と経験値にはなるから。
あまり悲観せずに前に進みたい
これからコツコツ輸出していって20年後ぐらいには産業を名乗れる規模に成長できれば・・くらいのペースの話だしね
いきなり大儲けなんてのは不可能で、とりあえず今は大損したり技術流出さえしなければ大成功だと思って進むしかないよな
販売実績が欲しいのだろうけど、もうちょっと商売相手は選んだ方がいいと思う。
巡視船ならともかく、自国でも使う護衛艦ならなおさら。
欧米への武器輸出なんて自前で調達するから不可能だよ。それ以外で相手を選べと言われても、何処なら気が済むの?
そうでもないで。アメリカの計画中のコンステレーション級みたいに、先進国間でもコスパが合えば輸出は成立してる。アジアならインドネシア以外にもフィリピンとかマレーシアとかODAで巡視船を輸出してた国は結構あるしね。
いや、そのコスパが大問題でしょう
鉄道の件で勉強したろ
もがみ型をそのまま輸出するのではなく一回り小さい船を輸出するのでは?
リンク
戦闘システムもフランス系統だと思ってたけど、オランダなのか。
信用ならないから唯でさえ面倒くさいのに、更にクソめんどくせーな。
というか、QUADでオーストラリアと連携するのに、オーストラリアの仮想的であるインドネシアへフリゲート艦売ったら、
オーストラリアの対中国の予備戦力が減らないかちゃんと議論してるのか?・・・・。
インドネシアとオーストラリアの関係は今安定してるしそんな事言ったら他の欧米諸国インドネシアに防衛関連装備売りまくってるんだけど‥
他の人も含めてインドネシアは信用ならないとか言ってるけどさどこなら輸出してもいいと思ってるのかな?
基本的に欧米は防衛産業維持のため自国やNATO諸国の枠で調達するし、日本だって少子高齢化で国力が弱って来ていて今後も経済的に持ち直すことはない、防衛産業を支える企業自体が撤退や現状維持が難しくなってきてるって現状を認識した方がいいと思う
あと信用ならないって言うけど第三世界の国は兵器含めてあれがスタンダードだからなれた方がいい
欧州はインドネシアと直接的な利害関係がないという大前提が抜けてる
実際、欧米も利害関係の問題で輸出しない国はいくつもある、特にドイツはやたらとその手の制限をかけたがる
さらに、アメリカだってインドネシアに最新技術や兵器は売却してない
そういう事情も考えずに語られてもな
日本もFFMでなくもっと機密殿低い装備なら別にいいんじゃないかと思うが、最新兵器を売るほど信用できる国でないのは確か
インドネシアの立場では、中国に国力的にはっきりと敵対する事も出来ず、かといって味方をする気にもなれず、って状況
つまり中立に近い(状況次第では中国側に立つ)のだから、当然信用度も微妙になるわな
インドネシアが主力にしてるオランダ製の、シグマ級軽フリゲート/コルベットはコスパや使い勝手がよくて割と売れてるからなぁ。
イタリアもガスタービンはLM2500では?🤔
オーストラリア軍のIFF探知したら発砲できないプログラムとか組み込めないの?映画の中だけか?
真っ当に対決する気の無い輩(誰とは言わん)が、“金の力”で勝利を盗っていくんじゃね?
さてどうなるか…まぁどっちに転ぼうと経験にはなるから成果0にはならないか
本当に金を払ってくれるのか不安は残るが・・・。勉強代にはなるか。
でもこれで勉強になるということは、今までのUS-2やそうりゅう、P-1、C-2の輸出失敗やFPS-3の輸出成功でまったく学んでいなかったことに。
だってインドと輸出に関する協定を結んだのは去年なんだから、今までの輸出話は表面上のもので具体的な交渉なんて行われていないに等しい。
何その0か100かみたいな極端な発想・・・
一つ疑問なのは今回インドネシアにもしもがみ型が売れたとして、オーストラリアとの関係は大丈夫なのか?
今はだいぶ関係改善してるとはいえオーストラリアの仮想敵国なわけだろ?
しかもオーストラリアはクワッドの一員でもある上に唯一F-3を買ってくれそうな相手じゃんか
日本はオーストラリアよりもイスラム圏であるインドネシアを取るのか?それとも二枚舌をやるの?
インドネシアは現在クアッドプラスの位置づけで、クアッドに引き入れたい相手じゃないですかね。
その文脈があるからこそ、日本が技術供与までするような話になってると思います。
当然オーストラリアもそこは呑んでるでしょう。
対中包囲の文脈がなきゃ、こんな手癖の悪い国、相手にしないと思います。(笑)
この輸出はインドネシアに中国陣営に行かれないようにする為の牽制の1個でもあるわけだから、将来的にどっかでオーストラリアと敵対する為に中国陣営に回るようなら日本はその艦の整備やアップデートしてやらんよという脅迫するんだろう。
で、実際にその時にその脅迫内容を実行するかと言えば、日本はインドネシアより米豪の声というか圧力を優先して聞くと思う。
とは言え日本のそんな脅迫なんてどうでもいいレベルにする勢いの質と量で中国は代替艦をインドネシアによこすだろうからこの日本の脅迫はほとんど意味無さそう。
同じクワッドのアメリカも両国に売り込んでるし、それ以外ならフランスや韓国もやってるからな、どっちかと言うとどう国内産業に投資してくれるかが重要だよ。ただ単に完成品をくれるんじゃなくて売った相手の国で組み立てるとか
米国も次期戦闘機としてF-15EXやスパホBlock3を提案していますし
ステルス機等の豪軍の優位を脅かす高度先端装備でなければ問題ないという判断では。
逆に考えるんだ。
インドネシアに艦艇売って、それを抑えるためと言ってF-3を買わせればいい。
ロシアも対立するインド中国双方に武器輸出してるし、古くは中東戦争のころはアラブもイスラエルもミラージュ戦闘機飛ばしてましたよ
そんなこといちいち気にしてて商売はできませんから。
こっちは売るだけ、誰といがみ合うのかは向こうの勝手だから。
武器輸出系は圧倒的手遅れ感が拭えない。
勿論やらないよりはよっぽど良いんだけど。
せめてソ連崩壊に合わせてもう30年早ければなぁ・・。
自衛隊すら酷い差別弾圧で、隠して生活する時代だったしありえんけど
あの当時に売れる物ってあったか? よくて88式対艦誘導弾ぐらいか。90式は要らんだろうし
ソ連崩壊と同時に一気に、世界的な軍縮の武器余り現象が起きてるから、日本の武器輸出の可能性はほぼ無い
ちょうどあの時期に起こった湾岸戦争やユーゴ内戦のおかげで、余った兵器の始末が出来たと言うと批判されるかな
>日本が不慣れな技術的・現地建造がセットになっている
三菱は知らんけど、もがみ型造ってる三井は中国とかに合弁でドック造って現地建造したり、同じく海外建造に力入れてる常石や川崎と提携したりしてるから、三井は現地建造には慣れてるほうではないのか。
それとも民間船と軍艦では輸出や現地建造のノウハウが別物だから、いくら民間船を海外で造ろうが軍艦の海外建造には役に立たないってことか。
契約や運用に民間船舶以上に役人と軍人が口を出してくるから、
その対処が軍用艦艇の輸出では独特になっちゃうのかも。
昔だったら技術移転とか考慮しなくてもよかったのにね。
今は買い手の方が力がある、ってことかな。
インドネシアが相手だと、日本の技術を吸取って、金ははらいませんとか言い出しそうだ。
それに、日本の技術機密を裏から第三国に流出させそうだ。
インドネシアは軍事機密の管理能力が甚だ低そうなので、イマイチ信用できない。
インドネシアは離島も多いので、人員も少なく監視可能なもがみ型は性能上は相性良さそうですね
インドネシアで現地製造できないならもう諦めたほうがいいかもしれんね