オーストラリアメディアは30日、独自の誘導ミサイルを国内で生産するための計画をモリソン首相が31日に発表すると一斉に報じ始めた。
参考:Australia to produce its own guided missiles as part of billion-dollar defence manufacturing plan
参考:Australia launches $1 billion missile plan
10億豪ドルの費用を投じて国内に誘導ミサイル生産施設を立ち上げるオーストラリア
オーストラリアは中国の脅威に対応するため今後20年間でミサイルや誘導兵器の開発・調達に1,000億豪ドル(約8.4兆円)を費やすと見込まれており、独自に開発した誘導ミサイルを国内で迅速に生産するための施設を設立するため10億豪ドル(約840億円)を投資する計画らしい。
この生産施設は海外の防衛産業企業と共同で運営される予定でレイセオン・オーストラリア、ロッキードマーティン・オーストラリア、BAEシステムズ・オーストラリア、コングスベルグなどがパートナー候補に名乗りを挙げており競争入札によって提携相手を選定する計画だと豪メディアが報じている。
オーストラリアが国内で生産する「独自の誘導ミサイル」が何なのかについては現時点で明かされていないためモリソン首相の発表を待つ必要があるが、豪州は米国と空気呼吸式の極超音速に関する技術開発を共同で行う「サザンクロス統合飛行研究実験(Southern Cross Integrated Flight Research Experiment:SCIFiRE)」や詳細不明の長距離攻撃ミサイル開発を発表しているため、これらのミサイルを国内で生産するための布石である可能性が高い。
補足:サザンクロス統合飛行研究実験はオーストラリアと米国が15年前から研究に取り組んでいた「極超音速国際航空実験(Hypersonic International Flight Research Experimentation:HIFiRE)」を発展させたもので、オーストラリアと米国は2007年から2016年までに複数回の極超音速実験を行い音速の5倍以上の速度域で操縦・管制制御システムに関する大量のデータ収集、スクラムジェットでマッハ8まで加速することにも成功して極超音速飛行に関する基礎技術を確立させている。
因みに新しいミサイル生産施設は今後20年間で400億豪ドル相当の価値(輸出を含む)と約2,000人以上の新規雇用を創出することができるとメリッサ・プライス防衛産業担当大臣が言及しており、国内の経済や雇用対策の側面もあるのだろう。
果たしてオーストラリアが国内で生産する独自の誘導ミサイルとは何なのか?
もし長距離攻撃ミサイルだけでなく極超音速ミサイルも輸出OKなら世界で初めて「極超音速ミサイルの輸出に言及」したことになるので世界中から注目が集まるのは確実だが、シンプルに今後20年間でミサイルや誘導兵器の開発・調達に約8.4兆円も資金を投じる部分に管理人は驚いている。
関連記事:オーストラリアが独自の極超音速兵器を開発、今後10年間で国防分野に約20兆円投資
関連記事:オーストラリア、数ヶ月以内に極超音速ミサイルのプロトタイプ試射を実施
※アイキャッチ画像の出典:public domain B-52の翼下に懸架されたX-51
ちゃんと回収できる目算があるんだろうね
それは近未来の世界が軍事的緊張の時代に入るという厳しい予測の上に成り立つこと
こちらは目先の景気動向以外に政府の将来への展望って聞かないな、何にもないのかね
むしろ採算は度外視で国内で安定して調達出来る基盤を作るための先行投資だと思うぞ、前からノウハウを蓄積して他国依存から脱却したい考えは見えてたし、その意義はある。
予定から考えて中国やロシアとかじゃなくてより近い脅威に対しての布石だろうね。
弾道弾の具体的な種類や射程や速度が出ないと何とも言えないと思う。年間4200億円の研究費はソニーやデンソーと同程度で微妙な感じ。
日本の次期戦闘機開発にかかる予算や約4兆円で開発期間が約15年だから年平均約2500億円ぐらい。これも微妙な感じなんですかね?
あなたのコメントって大概微妙ですね。弾道ミサイルなんて一言も登場してないですけど記事を読んでからコメントしてます?
防衛省の研究開発予算は2020年度で1676億円ですよ?
オーストラリアはミサイルや誘導兵器の開発・調達だけで年平均4000億円近く突っ込むと言っているのに何が微妙なのか良くわからない。
ソニーやデンソーの年間研究開発費が幾らなのか知りませんが、仮にあなたが言うように4000億円台なら防衛省の研究開発予算こそ微妙なのでは?
オーストラリアの国と軍の規模を考えたら相当な投資だけどな
自衛隊と比べると判る
何が微妙なのか詳しく言わないと・・・
ニューデール政策ですね
鉱業、林業(ユーカリの植林、紙資源としての販売)は隆盛だけど、重工業、軽工業は振るわない、自動車産業も撤退したからねえ。
なので、国内産業の育成は「軍事産業」って事なんでしょうねえ。
だけど、無茶、賃金が高いし、すそ野の部品がらみの会社は無いってが現在のオーストラリア・・・
ユーカリの大規模植林が豪州で頻発してる山火事の原因なのよね。ユーカリは揮発性の引火性ガスを放出する、で落雷で引火。
正直に言いなさい、ロイヤル・ウィングマンに積んでインドネシアまで特攻させる長距離攻撃兵器だと…
つい先日台湾も長距離ミサイル増強をするとニュースで見かけたし、環太平洋は本格的に長距離ミサイル乱舞の時代になってきたな
自衛用極超音速長距離誘導弾の開発を急いで欲しい
いそげー!バスに乗り遅れても知らんぞー!(チラッ)
既に極超音速誘導弾や島嶼防衛用高速滑空弾の開発はやってるぞ
高速滑空弾は現状出てる情報だと極超音速ではなく超音速どまりかもしれないが
豪州政府は、いずれは中共軍と摩擦を起こすと読んでいるのだろう。
ただ、時間をかけても自力防衛しようとする豪州の前向きな意気は称賛したい。
中国もそうだけども、オーストラリアの仮想敵はインドネシアでは?
歴史的に対インドネシア用長距離攻撃能力の確保を重視していて、これがモノになればやっとF-111退役の穴を埋められる形になるのかな(アタック級からは目を逸らしつつ)
インドネシアの戦力では、対中国と対オーストラリアの二正面はムリでしょう。
中国がインドネシアにちょっかいを出している今は、オーストラリアにとって
対インドネシアでのガス抜き期間になるかと。ただ、中国は南太平洋諸国にも
進出しているので、オーストラリアは中国とぶつかる確率の方が高そうだ。
ぶっちゃけトルコと共同開発という名目で開発・製造拠点を引っ張ってきた方がマシなんじゃないかと思う
工業製品は車やバイクすら、ほぼほぼ20年で倍の値段になるから妥当な設定ではないかと思う。
ってか20年前に買ったマイナーチェンジしかされてない同じ車種のバイクの新車価格が今や倍以上に上がってて工業製品のインフレすげーなと感じてる。
バイクの場合は需要が減っていってるから利益出すためにどうしても単価が高くなる傾向にある
あと排ガス規制やABS対応とか義務付けられているからそういうのも装備しないといけないしね
原付なんかメーカーが売れないし規制に対応できないから販売止めるって言いだしてるし
アジア各国が開発を急ぐのは現状ミサイルが一番コスパ良さそうだからかな?
ロイヤルウィングマンが日本のF-35やF-三でも使えれば良いのに。
そうりゅう型とバーターはどないだっ?
「バーターでどないだ」って言われると英語の「バーター(barter、交換取引)」じゃなくて業界用語の方の「バーター(束)」っぽい(個人の感想です
ドクトリンでわざわざ中国海軍が拡大して空母持ってくれたから超音速ミサイルで歓迎するね!て文脈ですね。
オーストラリアに日本の対艦ミサイル開発持ちかけてもよささう