オーストラリア軍は自衛隊が参加している豪米二ヶ国間演習「タリスマン・セイバー」の様子をホームページ上で公開しており、第2高射特科群の隊員がショールウォーターベイ演習場で03式中距離地対空誘導弾の実弾射撃に取り組む様子を見ることが出来る。
過去敵対していた両国の兵士達も、現在では肩を並べて戦う方法を共に学んでいる
自衛隊は豪米二ヶ国間演習「タリスマン・セイバー(7月22日~8月4日)」に過去最大規模の人員と装備を派遣中で、豪軍は同演習の様子をホームページ上で随時公開(タリスマン・セイバーだけではなく他の演習も同様に公開している)しており、同演習に参加する陸上自衛隊の様子も多数公開されている。
1枚目:ショールウォーターベイ演習場で03式中距離地対空誘導弾の実弾射撃に取り組む第2高射特科群の隊員
2枚目:03式中距離地対空誘導弾の実弾射撃に向けてランチャーに誘導弾を装填する第2高射特科群の隊員
3枚目:03式中距離地対空誘導弾の発射準備を行う第2高射特科群の隊員
4枚目:03式中距離地対空誘導弾の実弾射撃に備えて指揮所に入る第2高射特科群の隊員
5枚目:日本では中々お目にかかれない03式中距離地対空誘導弾の素晴らしい写真
6枚目:広大なショールウォーターベイ演習場に佇む03式中距離地対空誘導弾と第2高射特科群の隊員
7枚目:広大なショールウォーターベイ演習場に佇む03式中距離地対空誘導弾
8枚目:ショールウォーターベイ演習場で発射された03式中距離地対空誘導弾の様子
因みに陸自はタウンズビル演習場で実施された米海兵隊と豪陸軍の共同演習「サザン・ジャッカルー(6月22日~7月13日)」にも普通科中隊と特科中隊を派遣しており、豪国営放送のABCは「仮想の敵陣地に対するオーストラリア陸軍の攻撃を支援するため、自衛隊の砲兵部隊(特科中隊のこと)が実弾射撃を実施した。日本軍がオーストラリア軍のために火力支援を行ったのは歴史上初めてのことだ」と報じている。
演習に参加した陸自の指揮官は「ここまで広大な演習場は日本にない」と、豪陸軍のニースル中佐(第7旅団第6機械化大隊)は「両国間に歴史的な経緯があったとしても、共通した地域課題に直面しているため万全の態勢を整えておきたい。この課題に対する共通理解が両国の結びつきを強くさせている」と、ABCも「日本の演習場は長距離射撃が行えるほど広くないため、自衛隊の砲兵部隊にとって広大なタウンズビル演習場での実弾射撃は貴重な機会だった。かつて大日本帝国は強大な敵だったが、今日の日本はオーストラリアにとってかけがえないのパートナーだ」と指摘したが、同時に日豪間には課題も存在するらしい。
第7旅団のマイケル・セイ司令官は「両国の相互運用性を高める上で最大の難関は『言語』だ。例えばオーストラリア軍の砲兵システムは『デジタル』だが日本の砲兵システムは『アナログ』なので、運用方法や使用言語に関するニュアンスの違いを両者が理解しなければならない」と、ABCも「日本は戦後70年以上も平和主義的な憲法を維持してきたため実戦経験がなく、自衛隊は米軍や豪軍の経験から教訓を得ることに頼っている」と指摘した。
ただニースル中佐は「両国の若い兵士達は異なるパートナーとの協力関係を受け入れるのに好意的だ。我々は自衛隊との協力を本当に歓迎しているし、自衛隊も我々にとって最もキツイ仕事の幾つかに手を挙げて応えてくれた」と述べており、ABCは「過去敵対していた両国の兵士達も、現在では肩を並べて戦う方法を共に学んでいる」と記事を締めくくっている。
#ICYMI || Seven partner nations conducted a live-power demonstration at Shoalwater Bay Training Area, QLD – testing the capabilities of a US HIMARS, Republic of Korea K-9 self-propelled howitzer, Chu-SAM & M-777A2 towed artillery systems 💥 #TalismanSabre2023 #StrongerTogether pic.twitter.com/HyPsehjxfk
— Talisman Sabre (@TalismanSabre) July 24, 2023
追記:タリスマン・セイバーの公式アカウントに03式中距離地対空誘導弾の発射シーンが(一瞬だけ)映る動画が登場
関連記事:豪軍、陸自が12式地対艦誘導弾の実弾射撃をタリスマン・セイバーで実施
関連記事:日本の水陸機動団、タリスマン・セイバー19に参加
※アイキャッチ画像の出典:出典:Defence Australia SGT Andrew Sleeman
1枚目の第2高射特科群の隊員たち、皆さんすごくいい顔してる。特に左上の人。
どれもこれも良い写真でグッとくる。
かつての仇敵が手を組んで戦うのが熱すぎる
Zガンダムのアムロとクワトロかな?
>> 日本は戦後70年以上も平和主義的な憲法を維持してきたため実戦経験がなく
平和なのはありがたいけれど、平和を維持するための経験が足りないのは困るというジレンマ
どんどん国際共同演習で吸収してもらいたい
仇敵ってWWW2の時だけど、
WWW1で第三特務艦隊を、ANZAC連絡航路の護衛を担当するため、シドニーに派遣
遣米支隊はオーストラリア海軍を含む艦隊とともにアメリカ西海岸からメキシコ沖で活動してるから
味方→敵→味方の敵視を辿ってるんで当てはまらないと思うけど。
一回ならtypoかなあと思いましたが、World Wide Warとかそういうジャーゴンがあるのですか?
いつか、それこそ終戦後100年もした、ウクライナとロシアもこういうふうに肩を並べられるような幕引きをしなければならない。もちろん最適解は今のところ誰も持ち合わせてはいないのだろうが…
ロシアとウクライナの関係は、日本と韓国の関係なので難しいですね
韓国が日本にだけ憎しみを持つ理由は、中国や米国は格上の国、日本は格下の国という思想を持っていて、格上から支配されるのは許せるけど格下に支配されるのは許せないという感情から来ていますが、日本と韓国の場合はそもそも韓国が格上だったことはあるのかって疑問があるのに対し、実際に格上だった歴史があるのがウクライナ
9世紀から13世紀のキエフルーシ時代は、ルーシ文化圏においてその名の通り、ウクライナ地域のほうが中心地の都会で、ロシア地域は僻地
いつの間にか力関係が逆転して田舎だったロシア側から支配されるようになる
それが不満のウクライナ側はロシア側が弱った時に独立、ロシア側が力を取り戻したらまた併合されるの繰り返し
これが数百年続いてる
ロシアがこんな損失出してまでウクライナに執着する理由は、キエフルーシの後継者であるロシアが、キエフルーシの地である現在のウクライナを支配すべきだと思ってるから
モスコビアの話は、ルーシ(ロシア)ってキエフルーシの後継者であるウクライナのほうでは?僻地モスクワの田舎者どもはルーシじゃないんだからモスコビアと呼ぼうというところからきてる
出来の悪い兄ウクライナと出来の良い弟ロシアが、キエフルーシの後継者争いし続けてる状態
数百年続いてる争いを今後の100年で和解させるのは難しい
国同士の文化的優越感や劣等感は、それこそ数世紀レベルで続きますからね。
問題なのはそんな思想を基に、国連憲章誕生後の安保理常任理事国が本当に武力侵攻をやらかしたこと。
>ロシアとウクライナの関係は、日本と韓国の関係なので難しいですね
何ともイヤな話だけど、スッと腑に落ちてしまいました。まぁ宇露どちらが日本でどちらが韓国とも言えませんが、一般論として他人の間柄より身内同士の方が圧倒的に拗れやすいというのはある。
しかも、その身内扱いと言うのは片方の主観にも左右される。
極端な話をすると、相手から一方的に“出来の悪い身内扱い”をされて、普遍的でも何でもない「身内ルール」を押し付けられ、それを拒絶するとヘソを曲げられる…と言うことが普通にあるわけで。
韓国の日本に対する態度なんて、その最たるもんですからね、情念が凄くムワッと来る感じの…
最後から2枚目の写真
集合写真なのに何がどうなっているのかよくわからない(もちろん良い意味で)。迷彩の重要さがよくわかりますね。
見るべき人が見たら何点付けるんやろうな、カモフラージュは奥が深くて自然界に無い物の徹底排除と人間の認識を妨げ、先入観を利用する方法で完璧に近い物になるからね。結局そこまでやっても肉眼や普通の光学カメラを騙せるだけで、サーマルイメージャーとかでばれる事もあるからマルチスペクトル・カモフラージュまで行かないとかなりの生存性は確保出来ないと言う。
自衛隊の演習見て昔と変わらないカモフラージュしているなら程度が落ちる物をずっと続けていると危機感を抱いた方が良い。せめてレンジャー資格にスカウト技術の習得ぐらい追加したってバチ当たらないだろう、そうでもしないと陸上で装備が同レベルの防衛任務で敵に圧倒出来ない。
面白いですね。
また向かって右が自衛隊で左が豪軍ですが、パッと見た時に豪軍の方がより背景に溶け込んでいるように見え、オーストラリアの植生に合った迷彩なのだなというのがわかります。
>第7旅団のマイケル・セイ司令官は「両国の相互運用性を高める上で最大の難関は『言語』だ。
>例えばオーストラリア軍の砲兵システムは『デジタル』だが日本の砲兵システムは『アナログ』なので、
>運用方法や使用言語に関するニュアンスの違いを両者が理解しなければならない」
ちょっと気になったんだけど、これは自衛隊が無線音声で目標指示している、と言う意味なのだろうか?
まあ、元々海外に展開して共同運用する前提ではない物を持っていったわけだから仕方ないのか。
今後はこの辺りを考慮した物を開発していかないといけないんでしょうね。
一応自前の火力支援システムは持ってるし総火演でも実演してはいるが
19式がデジタル化されてるからFH70をどんどん置き換えていくしかないね。
金があればだけど
持ち込んでる機材がFH70みたいだし測量して評定して・・・みたいなアナログな事してるんじゃないかな
言語に基づく「指示」の質の違いを指してるのだと思います。
日本語では「〜を行え」と求める結論だけを一言で済ませますが、他言語では過程を一つ一つ指示します。
日本語は良い意味で臨機応変、悪い意味で再現性の低いアナログ思考、他言語は良い意味で再現性の高いデジタル思考、悪い意味で画一的で融通の効かないと言えましょう。
他言語を使用する人と交流が深ければ上記に気付けましょうが、恐らく日本人だけとしか交流が無いと上には気付きもしないでしょうな…
アナログであれば、前線の部隊からの砲弾デリバリー依頼に応じて実際に砲撃を行うまでのリードタイムが遅そうですよね。
戦場の電子化でスピードが速くなってる中でリードタイムが他国より数分遅かったら致命的になりそうです。
一応、シェアTOP企業から売り込みは受けているみたいですよ。電子戦対策の最終兵器がアナログという意見も有りますが、無線機はデジタル化してEW対応にしておかないとウクライナ戦争始めた時の電子戦非対応のロシア陸軍状態(ロシア電子線部隊の活動大幅縮小)に・・なのでデジタル化はしているか途中か、飛行機と同じで退役が近いのはそのままにしてあるのかも?
参考
4CI
リンク
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パッシブレーダー
リンク
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あ~、FH70持って行ってたんですね。なるほどです。ご教授有難うございました。
あ~、FH70持って行ってたんですね。納得です。ご教授有難うございました。
敵は強大な妨害能力があるので”アナログ”で撃てないと後悔する事になるぜ
まぁ、米豪共に出来るからいいけど。現地指揮官が装備更新おそくね?って感想が出たんだろうね
ウクライナ義勇兵を指導したアメリカ軍教官も義勇兵がドローンを利用したデジタル射撃しかできないため慌ててアナログ射撃を教育したと書かれてましたね
写真から今回使われた03式は(改)の方じゃないのか
旧型はずんぐりしてて可愛らしい
第2高射特科群と言う時点で部隊で使用しているそのものでは無いと思うが使い慣れた初期型を使用するのが普通だろうし、あんまり余所の国がいる所で最新型使いたくないんじゃないかな。やるならマクレガー辺りで米軍の庇護下で最大難易度でテストしたいのが本音だろうし。
10数年前に1年ほどオーストラリアに留学してた時に日本軍収容所を観光した事あるけど太平洋の日本軍の半分くらい豪軍が撃滅した!みたいなニュアンスで説明されてて驚いた記憶
強大な脅威を前に些細なわだかまりを超え
団結しつつある日豪だが
そこはどことなく根の部分の反日が見え隠れする。
そして対する相手は外国人から見たら違いのわからない
黄色人種というね
なかなか難しいよね
BS1スペシャル 密着 自衛隊“ミサイル防衛のリアル” 初回放送日: 2023年3月5日
ウクライナ侵攻や台湾情勢の緊張により注目される「ミサイル防衛」。巡航ミサイルを迎撃する陸上自衛隊の専門部隊に密着。アメリカでの訓練で見えた「防空のリアル」とは?
密着 自衛隊“ミサイル防衛のリアル でググったらYOUTUBEに上げられてるのが全編見れる
貴重な03式中samの訓練見れたけど酷かった
1日目、評価班が電源車から電源が来ないトラブルを仕掛けてどう対処するか見る
2日目、レーダーに映る敵機と民間機の中から敵機を撃墜する模擬戦闘やってが、敵機が山陰に隠れたり2機が密着して1機に見せかけたりして、結局対処出来ずに撃墜出来なかった
3日目、デコイ飛ばして03式中samで撃墜する訓練やったけど、標的近づいたのに今度は本当に電源が入らず復旧するまで40分待ってもらってから撃墜してた
自衛隊の練度はどうなってるんだ
新設部隊で初めてのアメリカでの訓練ならこんなもんじゃない?
最初から完璧を求めてるのか知らんけど自衛隊全体の練度がどうこうと気になる内容じゃなかったけど
動画見てないからコメントの内容を鵜呑みにたという前提だけど
いずれの課題もアメリカで初めて云々は無関係では
純粋にその部隊の運用が未熟だったということ
自衛隊全体の練度は知らん
〉〉日本は戦後70年以上も平和主義的な憲法を維持してきたため実戦経験がなく、自衛隊は米軍や豪軍の経験から教訓を得ることに頼っている
豪軍に言うほどの実戦経験があるのか…?
特科の自動化と効率化は諸外国の友軍と連携するためにも必須だな…自国で完結すればいい時代は終わったようだ