バフムート方面のクリシェイフカを巡る戦いは「高台陣地の争奪戦」から「集落内の戦い」に移行しており、ロシア側情報源は「ウクライナ軍がクリシェイフカの南に位置するアンドリーフカにも接近している」と報告している。
ロシア軍はウクライナ軍の反撃で失ったクピャンスクやリマンの再占領を本気で考えている可能性がある
ロシア側情報源(Рыбарь)は23日「ロシア軍がオリホヴォ・ヴァシリフカ方向で反撃を試みたものの進展はなく、敵はアンドリーフカに向けて前進し、クリシェイフカに隣接する高台から集落内に侵入してロシア軍と交戦した」と報告しており、視覚的にもウクライナ軍兵士がクリシェイフカに隣接する森林地帯=ⒶにHMMWVで移動する様子が確認されている。
ロシア人が23日に定義したグレーゾーンは集落内に大きく食い込んでおり、アンドリーフカ方向でもウクライナ軍は大きな前進を見せているため、クリシェイフカを巡る戦いの主導権はウクライナ軍が握っている格好だ。
但し、ロシア軍はスバトボ方面のコバリフカやカルマジニフカ付近からゼレベツ川(川幅は非常に狭い)を渡河、対岸で足場築いてハルキウとの州境に迫っている。さらにライホロトカからもゼレベツ川の対岸にロシア軍が進出しているらしい。
ウクライナ軍が何処で敵の前進を食い止めるのかは謎だが、この地域は他の地域と同じように森林地帯が点在しているため、ロシア軍がオスキル川まで前進するには「メートル単位の戦い」を強いられる可能性が高く、短期間でどうにかなる問題ではない。
それでもロシア軍がゼレベツ川を渡河したというのは驚きで、ウクライナ軍の反撃で失ったクピャンスクやリマンの再占領を本気で考えている可能性がある。
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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
クルスクのドイツ軍のように、ウクライナ軍の南部攻勢がなっていないか注意深く見ています。
クルスクの戦いは、攻勢正面が止められただけでなく、別方面(オリョール)が突破されました。
ウクライナ軍の東部戦線が、そうならないのか注目しています。
ウクライナ経済の復興を考えた時に、アゾフ海のアクセス消滅、黒海のアクセス制限は致命的になります。
ウクライナが、ラオスやモンゴルなどのように、内陸国に転落していくことを意味するからです。
ウクライナ経済は、製造業・鉱物資源・小麦などの農作物は、海運ルートを生かして輸出してきました。
オデッサ方面は確保していますが、ロシア軍が戦争経済や戦後復興を見据えて、オデッサのインフラ攻撃を本格的に行い始めているのではないでしょうか。
線路の規格を標準軌にすれば、といつも思っています。
広軌のままだと、ロシアから攻め込まれた時に不利だし、
西側国家とのつながりも弱いでしょう。
ウクライナからロシアに攻めて行くつもりもないでしょうし。
今時点では、西側からの援助は、ウクライナとの国境で
鉄道貨車から下ろして車両輸送しているのでしょう。
これは、コストがかかりすぎでは?。勿体無いです。
大陸国家での輸送はやはり鉄道でしょう。コストは海運に匹敵します。
米国だって、軍の重装備はたいていトラックではなく鉄道と聞いています。
広軌から標準軌への敷き直しはそれほど手間ではないでしょう。
ウクライナポーランド間の輸送は荷台を外して載せ替えているそうです。
標準軌への移行は5月に発表されていましたね。先月には日本の新幹線システムにも興味を示しているみたいな報道が。
ご教授ありがとうございます。
なるほど、ですね。
それも大変な手間だろうと想像します。
取り外し可能な荷台が必要でしょうし。
オデッサ攻撃は単純にクリミア大橋を攻撃したドローンの母港だったとかなのでは?
輸出合意の船が通れるよう、機雷網に穴があったのは確定な港ですし
他の港が有力ならそっちにも大々的に攻撃してるでしょうし
ウクライナ軍の北東部の防衛がスカスカなのでしょうね
バフムト方面から兵力を引き抜かせるための陽動の可能性も捨てきれませんが、放置するのはマズいので対処せざるを得ないと思います
それにしてもロシア軍側に防衛だけでなく別方面で突破を狙えるだけの兵力・機甲戦力が十分にあるのでしょうか?視覚的証拠が出てこないと何とも言い難いですね
この地域はロシアからの補給がしやすい一方で、ウクライナにとっては大都市へのアクセスが悪く、人口密度も低く、大規模な軍を維持するのに向いていない土地なのでしょうね。
自立性の高い軍隊と言えども、水道や電気、道路などのインフラは当然、都市部のインフラを活用した方が効率が良く、ウクライナ軍が大軍を配置しようとするのはかなりの負担になるかと思われます。
なので、西側視点で見れば呆気ないほどに、アッサリと撤退する可能性も十分にあるかと思われます。
督戦隊とまでは行かないまでも渡らないと兵も指揮官もやばいのかも?ただ定着される前に楔を打ちたかっただけなのかも知らないけど
現状、ロシア軍が北東戦線の中央に大規模な攻勢作戦を企図できるような戦力比では無いとは思いますが。
攻撃が行われている地区は、「行政区画ルハンシク州」の中で昨秋に奪回された地域なんですよね。
意図としては敵軍の牽制・吸引と政治的オーダーの達成が目標ですか。
ロシア・ウクライナ双方ともに戦車などの攻勢に使う兵器の損耗が激しい以上、しばらくはWW1並の泥沼消耗戦が続きそう…
多くの人命を損失してモグラたたきを繰り返したい理由はなんなのでしょうね?
そりゃウクライナ側は追い返す為に仕方ないでしょうけど、ロシア側には一体何の理由があるのか不思議でなりません。
ウクライナ視点では、ロシアに奪い取られた地域(ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国、クリミア共和国)を奪還する戦争なのに対し
ロシア視点では西側に奪い取られた地域(ウクライナ全土)を奪還する戦争なんですよね
ロシアは感情論としては、ウクライナやベラルーシのことを国家(ソビエト連邦、ロシア連邦など)ではなく
国家に属する構成共和国(ウクライナソビエト社会主義共和国、ロシアソビエト連邦社会主義共和国など)や連邦構成主体(チェチェン共和国、トゥヴァ共和国など)程度の存在としてみている
チェチェン共和国の武装勢力がロシア連邦から独立しようとしたから鎮圧したという紛争がありましたが
今回も、ロシア領ウクライナ地方の武装勢力がロシア連邦から独立しようとしているから鎮圧しようとしている
その武装勢力に西側が支援していて許せないくらいにしか思ってない
自分たちがウクライナという国を侵略している加害者だなんて認識はなく、西側にロシア領ウクライナ地方を侵略された被害者だと心の底から思ってるのがロシアですね
だから損失なんて気にせず何が何でも奪還するってのがロシアにとっての理由
ウクライナ全土を奪還するまでロシアは止まれない
ロシア自身がウクライナを国家として承認していたわけですから滅茶苦茶な感情論ですけどね
自国の自治区に大使館を設置してたんですかって話になる
ロシアを応援している人で内戦呼ばわりしている人がいますが、西側にもそんな人がいるんだから、ロシアからすれば感情はそうなるんでしょう
おそらくですが、ウクライナに供与のクラスター弾、結構効果的では?
クラスター弾うんぬんより、弾不足が解消されているのかも。
クリシチウカの露軍の兵力が薄いのが謎。
ここが堕ちたら市内防衛が不利になると思うのだが。
ここを守備することに固執しているようには見えないのよな。
砲火力ではロシア軍優勢だが兵力はウクライナ軍が勝っている。
マニューバ防御してるなら次の防御線はどこに設定してるんだろうか。
もう後ろがないように思うが。
クリシチウカは空挺旅団が防衛しているようだし防備が薄いと言う事はないかと
リマン方面から増援を入れていると言う話もありますしまだまだ激戦が続くんじゃないでしょうか
おっしゃるように、ロシア軍のクリシチェフカの兵力は薄いですね。
第4ライフル旅団という装備的には2線クラスの部隊がずっと守っていて、最近に空挺部隊やチェチェン軍が増援されましたが、いずれも大隊レベルのようです。旅団レベルの増援や交代はありません。
ウクライナ軍は最初は第28旅団が攻撃して撤退、次に第3と第4突撃旅団が2ヶ月ほど攻撃して、最近さらに第22、第24旅団や砲兵や、一部情報では国境警備隊や鉄道警備隊も投入されているようです。
もちろん兵力は全体としてロシア軍側が少ないのですが、要地とされるのに、このクリシチェフカの兵力も薄いのはなぜか? ロシア軍側の考えとしては、
1.クリシチェフカ攻撃のウクライナ軍は兵力が多いが、歩兵の突撃が主で砲撃で対処できる。
2.クリシチェフカを一時的に失っても、砲撃でウクライナ軍をクリシチェフカから撤退させられる。
3.クリシチェフカを失っても、東部は面で広く確保しており、バフムトは包囲(補給困難という意味)されるわけではない。(バフムト戦の後期のウクライナ軍は西側の1本の農道の補給道しかなくてもかなり頑張っていた)
特に3が強いのではないかと思います。そして現に、第3突撃旅団や第5突撃旅団は無理な攻撃でかなり損耗しているのではないかと。ロシア軍はクリシチェフカの確保よりも、ウクライナ軍を削れればいいと考えているのではないか。
私のこれまでの観察では、わりとロシア軍は冷静な戦いをしています。(南部でポポフ少将が解任されたのもそう)
しかし、クリシチェフカのウクライナ軍は、かなりの砲を集めており、ロシア軍の第4ライフル旅団が退却してもおかしくないと思います。
そうなると、ウクライナ軍の宣伝効果はあると思います。(このウクライナ戦争では宣伝戦がかなり重要です)
まあロシア軍としては優先的に確保したいのは、クリシチェフカの町自体ではなく、T0513号線道路だと思いますが、仮にT0513号線道路が遮断されたとしても、バフムトへの補給はM03号線道路や、T0504号線道路を使ってできるわけであり、バフムトへの補給が苦しくなるというわけでもありません。
つまりあまり重要でないからそれほど重視していないとも言えるでしょう。T0513号線道路が確保できていれば、バフムトの状況はあまり変わりません。果たして鉄道警備隊まで投入して占領しなければならない町でしょうか?
鉄道警備隊の突撃とかなら、二線級の第4ライフル旅団で十分という判断かもしれません。鉄道警備隊相手に精鋭部隊を使うのは惜しいということでしょう。
なるほど、冷静なご意見ですね。
おっしやるやうに幹線道路だけでもそれだけあり、農道や未舗装の道路を含めると東側からの補給を絶つのはかなり難しいでしょうね。
ところで鉄道警備隊というのは、一部にそういう情報(動画)があったのですよ。なかなか分からないですね。しかし、国境警備隊はたぶん参加していると思います。
バフムトは、ウクライナ側が割りと政治的に執着している面があると思います。
クリシチェフカもウクライナ軍は、第45砲兵旅団と、たぶん第26砲兵旅団と第43砲兵旅団を投入しているようです。実質の戦力はわかりませんが、クリシチェフカはかなり砲撃されているとのロシア兵側からの情報もあります。
旅団の出入りだけを見ると、キルレシオ1vs7以上でロシアの第四ライフル旅団が無双してることになるのですが、さすがに高所を取っているとはいえ出来過ぎですね。
これは、結局、第四ライフル旅団は「観測しかしていない」んですね。高所の歩兵は深く掘って入念に偽装した壕の中に潜んで、平野を進軍してくるウクライナ部隊の情報だけを後方に知らせる。
そして実際の火力投射は全部後方の砲兵やヘリや航空機が行っている,というシステムですね。
で、こんなモグラを高い砲弾で叩いてもラチが明かないので。ウクライナはかなり前から高所の観測隊を叩くのではなく,直接後方の砲兵を叩く戦略に切り替えています。
結果。
この第四ライフル旅団は、とてつもない激戦地にいながら「意外に撃たれないで済む」という不思議なエアポケットの中にいるわけですね。
戦後に無敵の部隊として伝説になりそう
問題は戦後を迎えられるかだが
これもまた冷静なご意見ですね。
実は、大局はおっしゃる通りと思います。
過去のバフムトの戦いも、近郊のロシア正規軍の戦いはおっしゃる通り、砲撃とミサイルとかでしたね。それで、ウクライナ軍は延べで既存の30個旅団くらいかが大なり小なりな損耗を受けましたね。
バフムト市街とその周辺を受け持ったワグネルが異質で、これは勇敢なウクライナ軍のような戦い方をしていましたね。
ですから、クリシチェフカの第4ライフル旅団の背後にも、ロシア正規軍の砲兵が控えているのはおっしゃる通りです。そして、その砲兵が実はロシア軍の主力なんですね。
それでクリシチェフカの近くの標高215とか220とか230くらいの高地をウクライナ軍の第3や第5突撃旅団が奪取すると、砲撃で撤退させられるわけです。第4ライフル旅団が白兵戦で奪い返すわけではなく、おっしゃるように無双の部隊でもありません。
ただ、第4ライフル旅団も長く守っているし、わりに激しい砲撃をされているので、退却してもおかしくないは思います。そうなると宣伝的には、クリシチェフカのウクライナ軍の勝利ですね。
現実的な議論をすれば、ロシア・ウクライナともに一進一退でこれ以上ロシア側の支配地域の大幅な拡大も見込めそうにないけど、プーチンはどこまでやるつもりなんだろね。もっかいハリコフ占領したいってくらいの野心もありそう。
どこまでやるというより時間はロシアに有利に働くからこのまま防御に徹するだろう。
ウクライナ軍が壊滅するまではバグラチオン攻勢はしてこない模様。
ウクライナ側は自前じゃないので読めませんが、ロシアとの対比でいえばより不利になるかもという程度ではないかと。
どちらかといえば、時間はどちらにも不利に働くでしょう?
資源を買いたたかれて、資材をぼったくりで買わされて、作った兵器でウクライナの土地を耕して自国民とウクライナ人の血肉を肥料にする作業を長く続けて良い事などありますかねー?