海上自衛隊は、令和元年度自衛隊観艦式に参加する予定だった中国海軍の昆明級(052D型)駆逐艦10番艦「太原」と日中親善訓練を実施したと発表した。
参考:海上自衛隊 自衛隊観艦式への参加のため訪日した各国海軍との訓練について
2011年12月以来、8年ぶりに実施された中国海軍との親善訓練
10月14日に予定されていた令和初の「自衛隊観艦式」は台風19号の影響で中止になってしまったが、日本へ派遣された各国の海軍艦艇との共同訓練が実施されたと海上自衛隊が発表した。
海上自衛隊との共同訓練を実施した国は、豪州(日豪共同訓練)、カナダ(日加共同訓練)、英国(日英共同訓練)、中国(日中親善訓練)の4ヶ国で、その中でも特に注目したいのは豪州海軍のホバート級駆逐艦と、2011年12月以来、8年ぶりに実施された中国との親善訓練(3回目)だ。

出典:海上自衛隊 日豪共同訓練の様子、手前が護衛艦あたご、奥が駆逐艦ホバート
豪州海軍のホバート級駆逐艦は、スペイン海軍が建造した「アルバロ・デ・バサン級フリゲート」の設計を流用し建造され、あたご型護衛艦と同じ「AN/SPY-1D(V)」レーダーが搭載されたイージス艦だ。豪州海軍はこのホバート級駆逐艦を3隻(3番艦は就役前)しか保有しておらず、恐らく豪州海軍にとって「虎の子」の1隻だと言っても間違いなく、日本に寄港したのも恐らく初めてだ。
中国は自衛隊観艦式に参加すること自体が初めてで、今回「令和元年度自衛隊観艦式」参加のため派遣した昆明級(052D型)駆逐艦の10番艦「太原」は、固定式のフェーズドアレイレーダーを搭載し「中国版イージス艦」と呼ばれた蘭州級駆逐艦(052C型)の改良型で、フェーズドアレイレーダーの問題点(放熱問題)解消やシステムの改善を施し防空能力を向上させた中国海軍の中でも新しい艦艇に属する。
中国メディアは今回の自衛隊観艦式(中止)参加について、日本と領土紛争が続く中、軍事レベルで関係改善を行う一貫として艦艇派遣を決断したと報じており、海上自衛隊との日中親善訓練も「軍事レベルでの関係改善」をアピールするための措置だと思われる。
但し、日中親善訓練の内容については護衛艦「さみだれ」との無線を用いた通信訓練程度に留まり、豪州やカナダと実施した戦術訓練や対潜戦訓練などと比べると内容は非常に薄い。
補足:日英共同訓練も日中親善訓練と同じ訓練内容だったが、これには訓練に参加した英国海軍の艦艇が「エコー級測量船(3,740トン)」だったため、戦術訓練や対潜戦訓練が行えなかったという理由がある。
それでも、やらないよりは「マシ」なのかもしれない。
※アイキャッチ画像の出典:海上自衛隊 日中親善訓練の様子
結構な進展だとは思いますけどね
経済人としては軍事的緊張には何のメリットもありませんからデタントは万々歳です
もっともこの程度の関係改善など簡単に吹き飛びそうな国際情勢ではあるので楽観は全くできませんが
中国はどんなに友好ムードでも平気でひっくり返してくるから信用ならない。
油断すると痛い目みるから、用心して親睦を深めると良いと思う。
共産党の理論と戦略を学べば、平和も経済も政治的勝利のための過渡的手段にすぎないと分かりますよ
平和ボケしてないで、やがて来る時に対応すべく備えましょう
経済関係で国際関係がなんとかなると信じるボンクラさんは、耐震構造にしておけば地震は来ないっていう本末転倒な妄想してるのと同じですから
先日の台風お見舞い垂れ幕といい、これだから韓国と違って中国は厄介。
裏表なく全力で日本たたきする韓国と違って、内心どう思っていても表向きは関係を保とうとしてくる。