日本経済新聞は14日、首相就任後初の外遊に出発する菅首相が訪問先のベトナムで防衛装備品輸出に関する協定に署名すると報じている。
ベトナムと結ぶ「防衛装備品・技術移転協定」の中身は?
日本政府は現在、ベトナム、マレーシア、インドネシア、インドの4ヶ国に防衛装備品の輸出を図るため防衛産業企業や総合商社と連携して売り込みをかける方針で、今月中にも総合商社と契約を結んで対象4ヶ国の国防計画や装備調達等に関する情報を収集・輸出可能な装備品の選定に着手する予定だが、来週予定されている菅首相のベトナム・インドネシア訪問に合わせてベトナムと防衛装備品輸出に関する協定に署名すると報じている。
日本とベトナムが締結する協定の名称は「防衛装備品・技術移転協定」で、この協定は日本で生産された防衛装備品を輸出するための法的な枠組みだと日経は説明しており、輸出する防衛装備品はベトナムの要望を踏まえて検討すると言っているが、日本側としては国産の哨戒機P-1や輸送機C-2を売り込んでおり、フィリピンへの輸出が確定した三菱電機製レーダー(固定式警戒管制レーダーJ/FPS-3MEと移動式レーダーJ/TPS-P14ME)も有力な輸出装備品候補らしい。
なかなか興味深い内容であるが、管理人的には今だに詳細が明かされない日本が約束したベトナムへの「軍艦建造技術の移転」が気になるとろこだ。
日本は今年3月、山崎統合幕僚長がベトナムを訪問した際にベトナム側に「軍艦建造技術の移転」を約束しており、このニュースはベトナムメディアだけでなくジェーンズ・ディフェンス・ウィークリーを含む多くの海外メディアが「日本が軍艦建造技術をベトナムに移転」と大きく報じていため、全くの誤報ということは無いだろう。
ただ日本メディアはベトナムへの軍艦建造技術の移転について報じておらず、防衛省や統合幕僚監部もベトナム側に移転を約束した「軍艦建造技術」が何なのかについて一切説明していない。

出典:海上自衛隊 三井E&S造船が建造した護衛艦「ふゆつき」
また上記とは別件だが、マレーシアに拠点を置くT7グローバルの子会社で造船事業を手掛けるT7マリーンと三井E&S造船は今年9月、ベトナム海軍や沿岸警備隊向けの艦艇建造に関して提携(提携期間は3年+オプション1年延長)したと海外メディアを中心に報じらており、こちらの動きも気になるところだ。
果たしてベトナムに対する防衛機器輸出戦略の全容は如何なるものなのだろうか?特に隠すような問題でもないので国民に向けてきちんと説明してほしいところだが、ベトナムと同様にインドネシアとも協定締結に向けて交渉が行われており、あのプラボウォ・スビアント国防大臣を日本が相手にするのかと思うとゾッとする。
しかし、海外市場に進出するための通過儀礼としてスビアント国防大臣のような相手との交渉も経験(輸出に結びつくかは別問題)しておけば、日本にとって良い経験になるのかもしれない。
関連記事:日本、ベトナムに対する軍艦の建造技術移転や自衛隊との関係強化で合意
関連記事:三井E&S造船、マレーシア企業と提携してベトナム海軍の艦艇受注を狙う
※アイキャッチ画像の出典:航空自衛隊 C-2輸送機
日本の巡視船に自国のOPV輸出を滅ぼされた連中は戦々恐々としているだろうな
滅ぼされた国(笑)ってどこよ
この話の背景には、米国の意向も含まれているでしょう。
日本‐台湾‐ベトナムのラインで、第一列島線にチャレンジするペンタゴンの戦略は、西沙諸島でのFONOPで表明済み。
ベトナムがクアッド構想に乗ってくれば、この動きは加速するでしょう。
日本はシーレーンと島嶼を護らねばならないし、米国は西太平洋を護りたい。
呉越同舟はベトナムのほう
アメリカに対して含むところの大きさは、表沙汰にしないだけで消えるものではありません。
80年代以降、隣接する中国を侵略国家と見なして緊張関係にある背景を察してください
ベトナム自身が生き延びるに必死なのです
アメリカは色々と国際問題を作ってるからなぁ。
今は良くても後で悔やむことも、、、
近年になって、日中国交正常化の裏側が漏れて来ましたが、中国側に戦争被害への恨みと補償要求があったのを、共産党指導部の判断で封印して交渉に臨んだようです。
当時の中国にとっての宿敵はソ連邦であり、その対策として真意を隠して日米との接近を図ったとのこと。
いまベトナムが中国対策で米国に接近してても、真意はわかりませんよ
スビアント…(笑)
しかしガースーは外交も意外とよくやってるなあ…
昨日の今日で締結されるものでもないし、これも安倍政権時代に始まった遺産だと思うよ。
菅外交が本格的に見えるのは来年以降じゃないかな。
やはり安倍ちゃんは偉大。
問題は価格の折り合い。経済発展を続けるベトナムにすら日本製は安くない、競合相手はロシア兵器だな。
極めてハードルは高いが、有償無償の武器供与まで検討しないと目玉品目の輸出にはおぼつかない
ベトナムの兵器は旧式が多く更新時期のようですので期待しても良さそう、兵器輸入はロシア、イスラエル、ベラルーシからが多いそう、船以外でバッティングしない物?ですかね??
陸自は随分前からベトナム軍にトレーニングを行っているし、米国はベトナム海軍に沿岸警備艇などを無償供与している。日本まで伝わって来ないのが残念だが、ベトナムではよく報道されている。もちろん、中国を意識した報道をしている。
(だから、日本ではニュースに乗らないのか?)
日本にとって売りやすいのは輸送機のC-2だが
それはベトナムに必要なのだろうか。
C-130のほうがベトナムでは使いやすいのでは
ベトナムって結構でかいですからね、南北長1650km、これは九州から北海道の直線距離に匹敵する長さです(国土面積比は日本の9割程度
C-2は長大な飛行距離を持ちますが、自衛隊においても大半の任務は国内な訳でオーバースペックかというとそうは言い切れないんじゃないかな?と思います
現状お高い値段なのでそういう意味ではC-130の方が妥当かもしれませんが
共同運用する国から買うか売るかするのが一番いいんですけどね。
アップグレード計画のコストも馬鹿にならんので。
本記事と関係ありませんが、昨日無事に進水式を迎えた新型潜水艦「たいげい」についての記事を期待しています。本艦が竣工される2022年に潜水艦22隻が整うらしいですが、心配された乗組員の人数や練度は問題無いのか気になります。
ただ自衛隊の装備は日本の領域、日本製に特化する装備がが多いから、他国バージョンにしようにもその余地があるのかね?
逆にアメリカや欧州の装備が東南アジアの湿気にどこまで耐えられるかという問題があるから日本特化は有利に働くかも
輸出に慣れた欧米兵器と、カタログデータのみしか見えない国産との比較は見たい
企業には良い経験になるよ
日本の兵器(に限らず工業製品全般)はむしろカタログスペック外の部分に力入れてる感じだけどな。
特に温度湿度への耐性は怨念すら感じる。
防衛関連に関しては日経は産経新聞レベルのことも多いんでC-1だのP-1は違うでないの?
メインは管理人さんも言ってる 艦船関連なんでは?
30FFMみたいな艦艇の建造支援という名目の現地生産とか
30FFMなら潜水艦のような絶対他国に漏らせないような機密も少ないだろうし、対機雷戦と艦砲射撃が活用できる低強度紛争を重視したコンセプトは南シナ海に面する東南アジア諸国には一定の需要があると思うが国内価格で1隻500億って安くはないし、輸出となると難しそうですね。
売り込むとか輸出っていうよりも支援がメインな気はするな
ODAの援助のもと日系メーカーが進出したのと同じで、建造支援を名目に日本製の兵器軍を普及させたいのかも
まずは船舶でしょうね。 巡視艇レベル
ベトナムは対中包囲網において重要な国だからな
東南アジアって海上に勝手に基地作られてるのにあんま対中包囲網の乗り気じゃないっぽいのか?
乗ってくれそうなのベトナムくらいしか無いような
日本人からは見えにくいが、他国からすると中華は超大国すぎて対峙を避けたい空気が強いんですよ。
あとはどの国でも華僑が一定の勢力あるから、反中で盛り上げるにも国内政策とのバランスが必要
いくつかは華僑弾圧や追放やった歴史もあるが、それはうまくない
なんかなぁ…東南アジア諸国ってどこも賄賂が効く政府で良い顔して日本に集ってくるけど
風向き変わったらあっさり裏切りそうで不安だわ
在日ベトナム人とか犯罪ばっか起こしてて中韓人と民度変わらんて印象しかないしな…
対中包囲網で取り込んでるつもりでいつも通り金だけしゃぶられて終わりにならんといいなぁ
インドネシアはやめておけーーー!
同意します。
新幹線の調査図面のオトシマエ—! と次期大統領への種まきで良いのでは?
一方の豊富な実戦経験を持つベトナムは、自国の地政学的機雷戦の重要性を理解してると思います。
よって仮想敵国への隠匿の為、機雷戦建造技術の移転は公表されてない??
あと、潜水艦の救難支援艦ですね。
華々しくなら10式戦車の輸出とか、T-4(AT=4?)のライセンス製造の輸出とかですね。
「非武装」「非攻撃」とかいう訳の分からん縛り設けてる限り売れんと思うけどな
売られる方からしたって迷惑千万だろそんな使い難い装備
何を言ってるんだ君は、巡視船の非武装縛りはODAを用いた供与だからだろ
武器輸出には関係ないよ
お前こそ何言ってんだ
日本の防衛装備輸出は非攻撃兵器限定ってこのサイトでも何度も取り上げてんだろ
そういう建前は国外に通用しないだろ、
いままで何を学んできた?落第
日本で作らなければいいのでは?三井が実例を挙げてるでしょう、技術移転ですからね、つまり日本企画品の海外生産です。
南シナ海に面するASEAN諸国への軍事協力は同海域でのシーレーン防衛に係わる国際戦略の一環です。
ベトナムやインドネシアとの「防衛装備品・技術移転協定」締結は、日本が当該国の防衛能力・対中牽制能力強化を支援する法的枠組の大前提になるものです。
山崎統合幕僚長の対ベトナム「軍艦建造技術の移転」約束が事実なら、それは先にベトナム側からの要望があってのことでしょう。三井E&S造船の動きはそれを前提としてのものかもしれません。
同社は31中期防中に4隻取得予定の哨戒艦受注に非常に積極的ですが、防衛省が当面の技術移転対象としているのは同艦種の可能性が高いのではと想像しています。
ウオッチャー界隈では
ベトナムには中古のP-3Cを売却するのではないかと言われていますね。
中古品輸出っていいですね。
以前ドイツの哨戒機のときにおなじことを書き込みましたが、
「アメリカ製なのでアメリカの許可が必要なのでは?」と教えていただきました。
そこのところがうまくいくとすんなりと進むかもしれません。
こういうところから始めるのが良いのかもしれませんね。
どちらかというと日本の友好国ベトナムでも
金額や機密保持的に中古のP3と巡視船輸出が精いっぱいじゃないかな
それに追加で90式戦車としお級の潜水艦を。
これに89式長魚雷を積めば中国の艦船は南シナ海に出てこれなくなる、販売でなくリースでもいい。
日本も機密で無くなった枯れた技術だけで設計した輸出用の兵器を作った方がいい、このやり方なら技術漏洩などの心配も無くなるし価格競争力も出る。
枯れた技術で輸出用を再開発、ってもそれなりに開発費掛かるから
それ売れなかったらどーすんの?って話になるんだよね。
アメリカみたいに輸出専用モデルの開発ってのはなかなかハードルが高いと思う。
やれるとすれば「国産装備でハイローミックス展開してローを売る」なんだけど
日本は「数を増やす」のにうるさい奴らがいるからロー導入しにくいんだよね…。
新規導入する「哨戒艦」は正にローですよ。
想定任務に必要十分な排水量と兵装で纏め必要数を配備という計画です。
任務の分担適化でDE更新の全体予算を抑えつつ隻数を増やす腹積もり。
兵装をモジュラー式にするという噂もありますし輸出には適していると思います。
ベトナムに最新の護衛艦やレーダー機器を輸出するのはよろしくないのでは?
中国とは仲が悪いとはいえどこかの国の「核の傘」に入ってるわけではないだろうから、核使用をちらつかせて本気で脅してくれば従わざろうえない。その場合は技術が中国に流れる可能性がある。
ベトナムとの防衛協力は重要だが輸出するのは中古品や技術的にそれほど高度でない装備品に限定すべきだ。
すんごい重箱の隅で申し訳ないですが「従わ ざる を 得 ない」ですよ。
これね。
発音聞く限り「ざる・おえない」だと思ってる人も結構いそう。
ご指摘ありがとうございます。学がないのがばれました。
言うたってベトナムも共産国だしね
社会体制が違うから用心して当たるに越した事はない
出来ればあまり関わらん方がいいわ
ベトナム人民空軍は基本的にスホーイ製戦闘機とミグ製ヘリの編成でイロコイとC-295Mが異色に見える状態ですね
この編成でC-2は性能過多になるので✖ 本命は中古のP-3辺りでしょう
90式や10式を輸出して…というのは流石に駄目でしょ
両方とも日本の第一線級の戦車だし、10式に至っては西側で唯一の第4世代戦車だという意見もあるのに…
M1エイブラムスやレオパルド2、T-72・80・90みたいに頻繁に改良モデルが出せるなら別だけど、自衛隊じゃそうにもいかないわけだし…
日本も他国のこと言えないけど、情報漏えいのリスクが高すぎない?
やるなら74式を(技術構築も兼ねて)各種追加装甲の装備及び足回りの油圧簡略化とかを施したモデルをむしょう提供とかのほうがいいと思うけど、魅力が全然無いのが難点か…
製造技術込みなら悪くないかも? 中国も全部が全部最新式ではない。二線級なら74式でも数会わせになるしインドなら自前の戦車あるけどベトナムはまだたいしたの持ってないから役に立つと思う。90式なら出してもいいんじゃないかなぁ。ライン動かせるのは大事だし、むしろ90式の中古を出して日本は新車に入れ換えるでもいいかも? 潜水艦や戦闘機ほど致命的にはならないだろうから陸戦兵器は積極的に出していいと思うんだけどなぁ。
今のご時世に戦車もってってもなぁ
ベトナムが欲しいのは海向けだと思うわ
中国の99式(T-80モドキ)に対抗出来る戦車も必要なハズですけど日本のそのまま持込みのでは無く現地生産で90式ベースのベトナム仕様戦車を希望してくればアリでは、UAV、UUVの共同開発、生産とかの方が面白そうですけど、ベトナム次第では?
一応T-90の導入が決まってる・・・筈。
ただ、大量の、しかも多種類の戦車をT-90だけで置き換えるかどうかは知らない。
基本的に防秘指定の装備は移転できません。
90式も10式も装甲の素材や構造仕様は防秘ですね。特にセラミック複合装甲は出しません。それを変更したモンキーモデルは、それこそ「軽いから防御力は低い戦車」になってしまいます。
記憶違いかもですが、P-1移転は欧州へはP-1ベース機共同開発の提案じゃなかったかと。
様々なケースはありますが、日本の防衛装備移転事案は戦略的防衛協力を念頭に置いています。
ベトナムの軟弱な地盤で90式が役に立つとも余り思えないけどね
山岳地帯からデルタまで幅広い地質の国ですから、いちがいには。
米軍だってパットン戦車を走らせてたし