インドネシアのプラボウォ・スビアント国防大臣はタイフーン購入交渉のためオーストリアを訪問すると報じられている。
参考:Prabowo to visit Austria to talk about possible Typhoon jet fighter deal
ついにオーストリアとのタイフーン購入交渉に望むインドネシア、その裏でトルコと何を話し合うのか?
これまでの経緯をおさらいしておくと、インドネシアは韓国と第4.5世代戦闘機「KF-X」を共同開発中で同機を50機前後調達することを約束、同時に米国からF-16Vを導入すると言及したり、フランスを訪問すればラファール調達にも関心があると語るなど何が本命なのか良くわからない状況が続いていたが、今年7月にオーストリア空軍が運用中のタイフーンを購入したいと同国のクラウディア・タンナー国防大臣に宛に書簡を送り関係国を驚かせた。

出典:Marek Olszewski / CC BY-SA 3.0 オーストリア空軍のタイフーン
オーストリアはタイフーンを15機導入したもの1時間あたりの飛行コスト約1万5,000ドル(約160万円)を捻出することが難しく、同機を売却して運用コストの安価なグリペンに置き換えることを検討していたため、インドネシアの提案はオーストリアにとって非常に魅力的だ。そのためタンナー国防大臣はインドネシアの申し出を受け入れて「タイフーン売却協議に応じる」という内容の書簡をスビアント国防大臣に送ったと先月6日、オーストリアメディアが報じている。
これを受けてインドネシアのスビアント国防大臣はオーストリアを訪問するので「タイフーン購入交渉を行いたい」とオーストリア側に要請したらしい。
スビアント国防大臣は武器調達や国内防衛産業への支援を要請するため今月15日から米国、フランス、ドイツ、トルコを訪問する予定で、この機会を生かしてウィーンを訪問(今月20日前後)する用意があるとオーストリア側に伝えており、本格的なタイフーン購入交渉を行いたい意向を示している。果たしてオーストリア側が唐突な協議の要請に応じるのかは不明だが、スビアント国防大臣の海外訪問の日程には興味深い点がある。
インドネシアは今月4日、未払いになっているKFX開発費に関する話し合いの場で、韓国と追加導入契約を結んでいる209/1400型潜水艦のキャンセルを持ち出してきたと韓国メディアが報じており、これは今回訪問するドイツとトルコが関与している可能性が高い。
そもそも韓国から209/1400型潜水艦を調達する契約は前任の国防大臣が実行したもので、スビアント国防大臣は「韓国から導入した潜水艦はシンガポールが導入予定のインヴィンシブル級潜水艦(218型SG/AIP機関搭載)より性能が劣る」と現行の潜水艦調達計画に不満を漏らしており、ドイツとトルコが売り込んでいるAIP機関搭載の214型潜水艦に興味深々だ。

出典:Republic of Singapore Navy / CC BY-SA 4.0 インヴィンシブル級潜水艦
トルコは韓国が持っていない214型潜水艦の海外輸出用ライセンスをドイツから与えられており、スビアント国防大臣をトルコに招待(2019年11月と2020年2月の2回)してAIP機関を搭載した214型潜水艦を見学させるなど売り込みをかけている。しかもトルコ側は214型潜水艦の現地生産まで提案(=要するにドイツの了承を得ているという意味)しており、現行の潜水艦調達計画に不満のスビアント国防大臣にとっては当然、魅力的な提案に映るだろう。
勿論、トルコ訪問はインドネシアと共同で推進中の中型戦車プログラム(Modern Medium Weight Tank:MMWT)などを話し合うためだろうと推測されるが、国防大臣に就任後1年間で3回目の訪問(内2回は214型潜水艦を見学)となると肩入れしている214型潜水艦に関する協議を行う可能性が非常に高い。
さらにトルコは開発中の第5世代戦闘機「TFX」の潜在的な輸出先に国教もしくは国民の大半がイスラム教を信仰している国(マレーシア、インドネシア、パキスタン、バングラデシュ、カザフスタン)をターゲットに挙げており、韓国のKFXではなくトルコのTFXに乗り換えることを提案していても不思議ではない状況だ。
以上の理由から、海外訪問からスビアント国防大臣が帰国すると再び韓国のKFXや209/1400型潜水艦に動きが出てくるかもしれないと管理人は予想しているが、韓国側もスビアント国防大臣の動きに神経を尖らせているため国防大臣がインドネシアに帰国するまで気が休まらないだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Bundesheer Fotos / CC BY-SA 2.0
あの()南朝鮮すら手こずらせる相当ヤバい国、やはり我が国は深入りしない方が良いね。スビアント国防相個人もかなり問題のある人物らしいが…
韓国の場合は、アメリカの技術を迂回経路的に供与してくれる約束破ってるから、ある意味残当と言うか。
勿論だからと言って、インドネシアが信用できる国だとは欠片も思わないけれど。
インドネシアはキムチ臭い輩と戦闘機を共同開発していたはずだが・・・。
まあ、タイフーンの方がいいよね
あの国も、国際約束さえ平気で破り背信を繰り返す連中を相手にする苦労を思い知れば良い。
そもそもKFXがF-16以上だと言い張る根拠が何もないといいますか・・・。
F-16V並みって、なかなかのもんですよ。
下手すると旧式化しつつあるF-2以下になる恐れもあります。
元々は韓国で運用してるF-16A/BやKF-16と比較して、性能は同等以上としてたと思うんですよ。
いつのまにか韓国のマスコミと国民の中で勝手に比較対象が変わっちゃっただけで
インドネシアはパーム油で動く潜水艦を造るべき。
トルコへの支払いはどうせパーム油だし。
オーストリアにも?
KFXもパーム油エンジンを積むべき。
単純な疑問だけどパーム油で戦闘機でなくても車とか動かせるのかな?あまりにもアホな質問だけど。
一応適切な処理をすればてんぷら油のバイオディーゼルのように使えるのではないか?
バイオ燃料で航空機を飛ばしている例もあるので出来なくはないが、専用の精製プラントを用意しなければならないし、やる価値はどこまであるか……
パーム油はバイオディーゼルとしての使用は可能なようです。
しかし航空燃料としては・・・・。
植物油では出力が足りないのではないのでしょうか。
トルコとインドネシアと韓国って面白い組み合わせだな
東西どっちの味方なのかはっきりしない国々の集まりか
結構こじれる案件かと思ったが割とトントン拍子なのか?
戦闘機攻撃機ジャンルだけでアメリカ製ロシア製イギリス製ブラジル製韓国製でゴチャゴチャしてるのインドネシア空軍に
更に欧州製まで突っ込むとかインドネシア整備兵今から震え上がってそう
プロヴォさんだから、整備効率なんて考えてないに一票。
これかこじれさせるんじゃないかな?
意外と鉄道とか見ると整備スキルあるんで、侮れません。
運用できそうなところもありますよ。
KRLジャボタベックのこと言ってるんだろうけど、あれJRを筆頭に日本の鉄道事業者による数年前からの技術支援があったからなんとか維持できてるんだよ
> 今年7月にオーストリア空軍が運用中のタイフーンを購入したと同国のクラウディア・タンナー国防大臣に宛に書簡を送り関係国を驚かせた。
「購入した」になっちゃってますよ。
そりゃ驚くわ。
あらリップサービスかと思ったら本気で導入するのね
にしてもKFXェ・・・調達数減らすどころか4.5世代はお腹いっぱいだからいらんと言い出しそう
ひょっとしてKFXは死ぬのでは?
金銭的には厳しいだろうが、一応国内需要があるから死にはしない
キャンセルの可能性があるのはKFXのインドネシア版IFXですね。
韓国へは負担金の15%減額と導入予定数の大幅削減を要求してますが、今のところ事業撤退を示唆してはいません。
支払済の負担金分以上は部分的にでも技術移転を確保しようてことかと思います。
インドネシアは戦闘機の国内開発技術基盤確立を目指していると見えますので、多機種小数導入もその辺の意図があってのことかもしれません。
言ってみれば公共事業だからねぇ
F16の更新として150機、F5の更新で100機前後、さすがにないと思うが40年ごろに退役するF15の更新で50機。
国内だけでも250~300機ほどの需要があるから、30年代になっても初号機がロールアウトできていないとかにでもならない限り潰れることはないはず。
トルコからいきなり無人機を購入しそうで、ちょっとどうなるか楽しみ。
韓国を困らせるとか置いといても、インドネシアにはオーストリアとの取引もドイツトルコチームとの進展もうまみが大きい
騙すか騙されるか、騙しあいコンビなんですから、逃げ切ったほうが勝ち
まだ何も決まっていない。驚愕のオチがあるかもしれない。やっぱりF-35Aとか()。
ついにオーストリアにも魔の手が。
日本は鉄道関係で色々と痛い目を見たから他人事とは思えないですよね。韓国との騙し合いは別に何とも思わないけど…。
オーストラリアの明日は如何に!?
と言うのもあるけど、海上自衛隊の潜水艦(たいげい)進水したけど記事にしないの?
オーストリアのタイフーンってトランシェ1でしょ。
今更対空戦闘しかできない単能機を買って何に使うんだろうか。
まぁ戦闘機なんてそんなものかもだけど。
ドナドナドーナードーナー
タイフーンのーせーてー
ドナドナドーナードーナー
政治が揺れる
KFXはアメリカ産航空技術の密転売ですから話が拗れて当然の展開
米帝企業様に発注した「純韓国産」ジェット機が一機完成した程度で世界最先端のステルス機の自力製造が可能になるなら
中国も露西亜も、アメリカ自身も新規開発で悩んだりしません
で、持て余した中古の押し付け合いでネシアが勝つかどうかですが……どうでもいい話ですわ……
この潜水艦なんて本家のドイツを差し置いて、もろ安売りで売り込んだ事例やなぁ。
いつもどおりその後は安物買いの銭失いになってるし。
まあ既に実績上げている既存の機の方が無難ではある
まあ、仮想敵国はオーストラリアだし、さほどの戦力はないので好きなものを買えばいいとは思う。
第3世界の元リーダーだしw、米ロ双方に欧州合わせてミックスするのも色々情報取れて好かろうとは思う。一時期は東独の艦隊が引っ越したのかと思うくらい艦船持ってたし、ある意味インドネシア軍伝統ともいえる。