日本関連

日米首脳会談、岸田首相とバイデン大統領が在米軍司令部の再編を発表か

Financial Timesは25日「日米は1960年に締結した相互防衛条約について最大のアップグレードを計画している」「日米は4月10日の首脳会談で在米軍司令部の再編を発表する見込みだ」と報じており、日本政府は「4つ星指揮官(大将)の常時駐留」を要請しているらしい。

参考:US and Japan plan biggest upgrade to security pact in more than 60 years

4つ星指揮官の常時駐留については米議会が反対しているらしい

4月10日に予定されている日米首脳会談についてNikkei Asiaは18日「日本をAUKUSに招待するためバイデン政権が英国やオーストラリアと協議中」「4月10日の日米首脳会談で日本招待(先端技術の開発分野に限定)を発表できることに期待している」と、毎日新聞は23日「日米がT-4後継機を共同開発する方向で調整を進めている」「4月10日の日米首脳会談で共同開発に関する合意を発表する見込み」と報じていたが、今度はFinancial Timesが「日米は1960年に締結した相互防衛条約について最大のアップグレードを計画している」と報じた。

出典:USINDOPACOM Photo By MCC Shannon M. Smith インド太平洋軍司令官のジョン・アキリーノ海軍大将

在米軍司令部の構造は相互防衛条約を締結した当時とあまり変化がなく、統合幕僚監部が自衛隊と在日米軍の調整を行うためには東京から6,200km離れたハワイ、つまり19時間も時差があるインド太平洋軍司令部(在日米軍への指揮統制権限をもつ上位の司令部)とやり取りを行わなければならず、東日本大震災時に自衛隊を指揮した折木統合幕僚長も「普段から意思疎通を行っている在米軍司令官ではなくインド太平洋軍司令部と調整しなければならないのは不便だ」と指摘。

日本政府も「自衛隊と在日米軍の緊密な連携のため、もっと多くの作戦権限を在米軍司令部に与えるべきだ」と求めてきたが、Financial Timesの取材に応じた関係者は「4月10日の日米首脳会談で岸田首相とバイデン大統領は在米軍司令部の再編を発表する」と述べているものの、どの様なアプローチになるかは決まっておらず、日本政府が求めている「4つ星指揮官(大将)の常時駐留」については議会が反対しているらしい。

出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Cole Pursley

上院軍事委員会のジャック・リード委員長は「(日本が求めている4つ星指揮官について)将来的に必要な時がくるかもしれないが、今のところは現在の指揮統制で十分対応で出来ていると思う」と述べ、Financial Timesは「新たな統合任務部隊を創設して太平洋艦隊に所属させる(太平洋艦隊の4つ星指揮官が日本で過ごす時間が増えるらしい)というアイデアをバイデン政権は推進している」と報じている。

関連記事:バイデン政権、限定的なAUKUSへの日本招待について英豪と協議を開始
関連記事:日米はT-4後継機を共同開発する方向で調整、自衛隊だけでなく米軍も採用?
関連記事:米国人アナリスト、なぜ日本は日本を守る米軍の準備を妨害するのか?

 

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Marine Corps photo by Cpl. Tyler Andrews

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コメント

    • たむごん
    • 2024年 3月 26日

    米軍の上級大将常駐、指揮系統の改善は、兵器購入よりも抑止力強化のコスパがいいと言えます。

    軍隊は、究極の官僚機構ですから、カウンターパートナーに権限がある事は重要ですね。

    34
    • 774rr
    • 2024年 3月 26日

    首脳会談を前に盛り上がってきたね

    練習機の共同開発
    在日米軍の再編
    オーカスへの日本参画

    他にまだ出て来るかな?
    米軍艦艇の修理とかそんなハナシもあったけど
    建造まで日本でやらせてくれないかな

    19
      • nachteule
      • 2024年 3月 27日

       建造と一言で言っても何の受注目指すの?ひゅうが以上ならJMU対応になりそうだし潜水艦だと、原子力かつ大型艦船建造が川重と三菱重工の建造サイクルに与える影響は無いのか?JMUと三菱でもがみ型を大量生産しているし新型補給艦建造の話もある。

       ドッグのサイズや空き具合考えないと安易な受注はできない。

      2
    • 黒丸
    • 2024年 3月 26日

    米軍の大将の総人数が法的に定められているなかで
    新たに対中国専用に1人欲しいとなると、スタッフ含めて用意が大変だろうし
    地理的に空軍か海軍が中心になる可能性が高いので、陸軍との調整が必要になり
    党派を超えて議会内での調整が大変なので、米国の選挙結果でどうなるかわからないが
    とりあえず日本側としては手を打っておこう、という考えなのかな。

    10
    • 通行人
    • 2024年 3月 26日

    まずは大将に寿司を好きになってもらわないと。

    12
      • ギブ・メルソン
      • 2024年 3月 26日

      大丈夫、日本には和牛がある!

      4
      • kitty
      • 2024年 3月 26日

      「大将の寿司 台湾事変編」ですか。

      8
      • のー
      • 2024年 3月 27日

      王将じゃダメですか。餃子美味いです。コスパ良好。

      1
    • 匿名希望係
    • 2024年 3月 26日

    臨時対応とかの場合は、在日米軍基地にするだけでも違う気はする

    •  
    • 2024年 3月 26日

    これほどまでに日米同盟の重みと、連携強化や機能強化への焦燥感を感じるのは初めてですね
    議会には何とかアメリカ最大の海外拠点を重視して頂きたいものです

    22
    • 折口
    • 2024年 3月 26日

    在日米軍司令部への権限付与については日本側の専門家でも一部慎重な意見があるそうです。日米連携の円滑化に資するという点では一致しているものの、方面軍であるインド太平洋軍隷下の組織である在日米軍には朝鮮半島からフィリピン海までをまたぐ広大な領域で米4軍+自衛隊の指揮統制を行えるほどの能力はなく、将官の椅子を格上げしても司令部体制を変更しない限りはまたすぐ天井にぶつかるとか。まぁそれは先の話だと思いますが、米軍軍人が日米連携に苦言を呈する場合は日本側の問題の指摘に終始しがちで、このような米国側の官僚的な問題に光が当たるのは良いことだと思います。

    33
    • ネコ歩き
    • 2024年 3月 26日

    昨日付け読売新聞記事『在日米軍、司令部機能を強化へ…「統合作戦司令部」創設の自衛隊と連携促進』が分かり易いですね。
    横田の在日米軍司令部は、日米共同訓練の監督や日米地位協定の運用等に権限が限られていて、第7艦隊や沖縄の海兵隊部隊等の指揮権、日米の共同訓練や演習の立案等はハワイのインド太平洋軍司令部が担っています。
    2024年度末に予定される自衛隊の「統合作戦司令部」創設に合わせ在日米軍司令部の権限を強化し、合同演習・訓練の計画立案、自衛隊統合作戦司令部との調整や情報共有、物資調達等の権限を与える案が検討されているそうです。
    スタンドオフ防衛力が機能するには米軍との情報共有と指揮統制が当面必須なので、相互運用性の向上のためにも首脳会談後の共同文書に日米の指揮統制枠組みの見直しを明記する方向とのことです。

    6
    • 匿名
    • 2024年 3月 27日

    正直、何を交渉してもトランプ復帰で全部白紙に戻るのが目に見えてるからなぁ
    このタイミングで首脳会談とかやったところであんまり意味なくない?

    5
      • DEEPBLUE
      • 2024年 3月 27日

      バイデン民主党にはどうにかする自信があるのでしょう

        • 匿名
        • 2024年 3月 27日

        むしろ(米)民主党的には首脳会談の成果を選挙の宣伝材料にしたいまであるんじゃない?
        となると日本に対しては厳しい条件を押し付けて来そうだけど…

    • たな
    • 2024年 3月 27日

    欧州メインだった対ソ時代と違って、対中はどう考えても日本付近に司令部ある方が有利だもんな
    その認識をまずは日本政府、ひいては有権者達も持たないとな

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