英軍のパイロット養成に使用されているHawk T2は稼働率低下やエンジン問題で飛行時間の制限に直面しており、英国防省は最近「Hawk T2の退役時期は2040年」「2024年後半に後継機検討のための調査を開始する」と明かした。
参考:MoD confirm Hawk T2 jet to leave service in 2040
参考:RAF investigation into Hawk T2 replacement to deliver in 2024
参考:Over half of the Hawk T2 training fleet unavailable
交換時期が2040年頃ならAERFLEXも候補の1つに入ってくるだろう
英軍のパイロット養成はBabcockとLockheed Martinの合弁会社=Ascent Flight Trainingに委託されており、同社は英軍から提供された機体(Prefect T1、Texan T1、Hawk T2、Phenom T1、Juno HT1、Jupiter HT1)を使用して2008年からパイロット養成しているものの、戦闘機パイロット養成に提供しなければならない飛行時間の減少に苦しんでいる。
Ascent Flight Trainingは契約に基づき「Hawk T2×28機で年9,200飛行時間=年43人分の高等訓練の機会」を提供しなければならないのに、同機の稼働率が低下しているため過去4年間の平均飛行時間は5,545時間(2019年~2022年に高等訓練過程を卒業できたのは年平均23人)に過ぎず、エンジン寿命に影響を及ぼす損傷も2022年に発覚したため、Hawk T2の飛行時間は年1,700時間に制限されている状況だ。
エンジン問題を解消するには3年ほどかかると見積もられているため、イタリア空軍とLeonardoが運営する国際飛行訓練学校(IFTS)へのパイロット派遣を2023年5月に発表している。戦闘機提供を主導してきた英国がウクライナ人パイロットに初級飛行訓練プログラム(Prefect T1による飛行訓練のみ)しか提供しないのは、Hawk T2を使用した高等訓練を提供する余剰能力がないためで、英国防省は問題を抱えたHawk T2の運用を2040年まで続けると発表している。
Today, during the #AeroSpacePowerConference, signed the
Technical Arrangement between #ItalianAirForce and #Raf for the training of British pilots at the International Flight Training School #IFTS, training reality born with the collaboration of @Leonardo_live pic.twitter.com/hii5RSo3AT— Aeronautica Militare (@ItalianAirForce) May 13, 2023
英国防省は最近「2024年後半にHawk T2後継機検討のための調査を開始する」と明かしたが、これは後継機調達に必要な情報収集(コストやスケジュールを見極める材料)なので、直ぐに後継機プログラムが立ち上げられるという意味ではない。
英国防省がHawk T2の後継機に独自モデルを持ってくるのか、市場で入手可能な機体(M-346、T-50、T-7A)を持ってくるのかは不明だが、交換時期が2040年頃なら英AERALISが提案している独自の高等練習機「AERFLEX」も候補の1つに入ってくるだろう。
因みに英国防省は議会の質問に答える形で「クイーン・エリザベス級空母は2069年末までに退役予定」「45型駆逐艦は2038年末までに退役予定」「83型駆逐艦は2030年代後半に就役予定」「Crowsnestは2025年までに完全運用能力を達成する」と明かしており、クイーン・エリザベス級空母のために開発したCrowsnest Merlin HM2は2029年に退役予定で、早期警戒能力は無人システムに引き継ぐ予定だ。
追記:英国防省は「3月11日時点でHawk T2の16機が訓練に使用できない状況だ」と議会に報告した。
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※アイキャッチ画像の出典:John5199/CC BY 2.0 DEED
こういうのを見ると第二次大戦の時一年で何万って戦闘機とパイロットを養成して「消費」していった時代がいかに狂っていたのかわかるなあ
イギリスが標的曳航専用機を1000機以上生産して、デファイアントみたいに性能を見限られた機種を回してたのを岡部いさく先生がネタにしてたのを思いだします。
戦後2〜30年の恐竜的進化の時代もいかれてた
もし議会や政府上層部がその時代感覚で兵器開発を考えてるんなら、現場との乖離は半端なさそうだね
クイーン・エリザベス級は予定通り50年使うんですね
でもその半分は修理改修の為にドック入り、なんてオチでは無い事を願いますが
練習機で思い出しましたが、「T-4後継は日米共同開発」の続報がありませんね、やはり飛ばしだったのでしょうか…?
もしかして:練習機も日英共同開発
…そんな余裕はないかぁ…
それなら素直にM-346の味変で済ませるのが吉じゃないかなぁ。一応「日英伊共同開発」という体にして。
最近はどこもかしこも練習機の話題が多いですね
何で一斉に困りだすのだろう?
西側の場合はおそらくF4,F15,F16,F18あたりの傑作機の誕生が絡んでそうな
上記のシリーズに対応してカリキュラムも一新
それに応じた練習機も最新のものをとなって各国が一斉に調達
Fシリーズがメガヒット、以降はパッとしないけど特に大きな問題もないしこのままでいいか
練習機も古いけどそこまで困ってないし・・・
気が付いたら20~30年経過して一斉に設計寿命と
なんか家電が一斉に壊れ始めるみたいな感じ
んで現在T50が売れてるのは単純に設計が新しくて今のニーズに合ってるからじゃないかなと
1970年代の電子レンジと2000年代の電子レンジじゃ使い勝手とか全然違いますし
高等訓練や機種転換訓練に使用している複座型の第四世代機が
30年代から一斉に退役するからでしょうね。
新型が登場する時期、そして実際に皆が購入する時期が大体同じだから、
寿命が尽きるのも大体同じくらいになる感じ
アルファジェットもそろそろかも…
AERFLEXのインテイクの小ささに不安を覚える…
>交換時期が2040年頃
爆轟式パルスジェットとか固体酸化物燃料電池+電動ダクテッドファンを動力源にすればかなり安価な練習機が作れるかも。飛行機の構成部品で最も高価かつ整備に手間が掛かるのはタービンエンジンだから、これさえ激安に出来ればシャヘドドローン並みの低価格航空機も夢ではない。
出来たとしてそれでいったい何の訓練するんです?
飛び方覚えるだけならターボプロップの初等練習機で十分なんですよ
JAXAのホームページで「2050年頃の旅客機の想像図」というものがあり、機体は垂直安定板付き全翼形状、動力は「過給機付き固体酸化物燃料電池+電動ダクテッドファン」となっている。旅客機の動力に使えるということは時速900kmぐらいは狙えるということです。まあMRJのような標準的旅客機ですら開発失敗する日本がこの様な革新的機体を実現できると思えないが。
時速900kmが実現可能なら中等練習機の動力として使用可能で、ダクテッドファンはジェットエンジンに特性が近い。固体酸化物燃料電池は炭化水素系燃料の使用も可能だが、高温作動のため起動に時間が掛かるのが今のところ難点。
爆轟を利用した推進機関は現在アメリカ軍で研究が進んでおり、爆轟の制御さえできれば軸流圧縮機が不要の単純かつ高効率なエンジンが実現できる。
>MRJのような標準的旅客機ですら開発失敗する日本
良く知らない事を知ってるように語ろうとしても、これじゃあなぁ
サムネのHawk T2という機体を始めて知ったが、この機体の造型とてもいいわぁ
組んでて楽しそうだからハセガワあたりで1/72スケールモデル出してくれないかな
1/32スケールならあるらしいけどサイズが大きすぎる…
Airfixという会社が1/72でhawkT.2を出しているらしいよ。新品在庫がネットの市場にはなかったけど
もしくはレベル社のT.1を頑張ってT.2に改造するかだろう(機首、方向舵、主翼、コックピットに違いがあるからすごい大変だろうけど)
ハセガワはレベル社の製品を輸入販売しているし、タミヤもイタレリ社の製品を輸入販売しているからね。国内では絶望的だろう……
追記
BAe System hawk100 1/72で調べたら、Airfix社の物でT.2にほぼ近い形のものが出てきた
これは新品在庫があるが、レベル社のT.1より少し高い
(hawkT.2はhawk100のイギリス採用モデル(Mk.128))
「今更練習機の国産など無意味」とコメする人がちらほら居ますけど、こういう状況を他国でも見せられると、練習機の国産能力担保は大事なんじゃないかと思いますねぇ。
もうM-346あるからとかT-7Aの就役間近(?)だからとかGCAPの開発が始まるとかの理由で「タイミングが悪い」という話なら分からなくもない(同意はしない)けど、「今更〜無意味」とする理由は全く分からないですね。
練習機っていつでもアビオニクスとハードポイントの増設で軽戦闘機に改修できるようになってないのかな
練習機ベースの軽戦闘機ってぼちぼちありますよね
安くするためにハードポイント削っていたりするぞ
できる機体もあります。
「できる様にしておく」だけでもコストが掛かるので使うつもりがない機能はない方がいいかと。
日本の場合200機とかの導入になるので1機1億の余剰コストでも200機分で200億、F-35が機体だけなら2機買えちゃうお値段ですからね。
そう言うのって実際は、軽戦闘機を作りその武装を外して練習機として使いまわしてる、ともいえるわけで…
ある意味無駄とも
>「Crowsnestは2025年までに完全運用能力を達成する」と明かしており、クイーン・エリザベス級空母のために開発した>Crowsnest Merlin HM2は2029年に退役予定で、早期警戒能力は無人システムに引き継ぐ予定だ。
ということは、早期警戒ヘリでの運用は2029年までで、それ以降はあの「黒いお椀」をつけた無人機が警戒するってことか?
無人機でも着陸時は横向きで離陸後に下向きになるギミックが採用されていたら、「さすがイギリスだ」と拍手したい。
(まぁ、発着艦のバランス悪くてムリか)
Crowsnestに搭載されるレーダーのサイズならオスプレイに乗っけられそう。E7みたいな平板型レーダーならオスプレイに問題なく搭載できそうだが何故作らないのだろう。「VTOL早期警戒機」なるものがあれば大型揚陸艦を保有する海軍に売れそうな気がするが。
※一部の界隈で熱狂的に支持されるオスプレイを出来る限り擁護してみました。
AERFLEXって主翼やエンジンなど主要パーツをモジュール化された機体だそうですね
はやく実機をみてみたい(順調なら来年初飛行)
素直にM-346持ってきた方が楽では?