Nikkei Asiaは最近「日本をAUKUSに招待するためバイデン政権が英国やオーストラリアと協議した」「日本が招待されるのは枠組み下で行われる先端技術の開発に限定される」と報じたが、ここでも日本のサイバーセキュリティ能力が問題視されている。
参考:AUKUS weighs Japan’s participation in defense tech development
AUKUSへのパートナー国招待については米豪間で意見の相違があるものの米国は前向き
米英豪が締結した防衛協定「AUKUS」の核心的な部分は「機密性が高い技術や情報の共有」にあり、米英による豪州の原潜取得支援に加えて「極超音速ミサイル技術」「極超音速ミサイルに対する防衛技術」「サイバー技術」「AI技術」「量子技術」が共有事項に追加され、各要素に関する作業部会の立ち上げや開発に関する協力などが話し合われている。
Nikkei Asiaは最近「日本をAUKUSに招待するためバイデン政権が英国やオーストラリアと協議した」「4月10日の日米首脳会談で日本招待を発表できることに期待している」「米英豪は日本にAUKUSへの加盟資格を与えたり、オーストラリアの原潜取得事業に日本を関与させるつもりはない」「日本が招待されるのは枠組み下で行われる先端技術の開発に限定される」と報じたが、AUKUSへのパートナー国招待については米豪間で意見の相違があるらしい。
米国務省の高官はNikkei Asiaの取材に「AUKUSへのパートナー国招待についてオーストラリアは消極的だ」「新しい国を招待すると技術共有の枠組みが複雑になって開発が遅れると懸念している」「そのため日本の参加や参加時期は確定していない」と指摘が、同時に「先端技術の作業を中断せずイノベーションを継続する方法はある」「結局のところ(AUKUSへのパートナー国招待は)政策上の決定だ」とも述べ、米国は日本の招待に前向きな姿勢を見せた。
但し、Nikkei Asiaは「AUKUSへの参加範囲や規模が限定的だったとしても、日本は機密技術や防衛情報を守るためサイバーセキュリティを強化しなければならない」と指摘し、米国務省の高官が「(サイバーセキュリティ強化について)日本はやるべきことが残っていると誰もが認識している」と述べたと報じている。
因みに国際戦略研究所は2021年6月に発表した報告書の中で「日本はFive Eyes(機密情報共有の枠組み)との連携国で強力な経済力を備えているにも関わらずサイバー分野や安全保障面での能力が低い」「日本独自のサイバー能力は発展途上でパートナー国に依存している」と結論付け、日本をインド、インドネシア、イラン、マレーシア、北朝鮮、ベトナムと共に「最もサイバー能力が劣ったグループ=Tier3」に分類して注目を集めた。
さらにFinancial Timesは英伊日の次期戦闘機開発が浮上した2022年11月「日本には米英に匹敵するセキュリティ審査システムがなく、英国の防衛産業界は完全な情報共有が日本と可能なのか疑問視している」と指摘、同紙が言及したのは「機密情報にアクセスできる人間の調査や資格制度(機密性の高い研究や開発に従事する人間に求められる資格)」のことで、これに匹敵する制度がない日本と情報共有を行うのはリスクが高いという意味だ。
Washington Postは2023年8月「人民解放軍が日本で最も機密性の高いシステムに侵入していることを米国家安全保障局が2020年秋に発見した」「この事件は衝撃的なほど深刻で米政府高官が東京に駆けつけて指摘するほどだった」「日本は問題の改善に取り組むのではなく問題の風化を望んでいた」「そのため2021年になってもハッカーの侵入が続いていた」「米国は問題を解決するためチームを派遣したものの日本はネットワークへのアクセス許可に抵抗感があった」「米国の役割を助言に限定することで双方が妥協した」と報じ、日本と情報共有に関するリスクが現実のものになっている。
日本人にとって気分の良い話題ではないかもしれないが、この手の話題で「日本のサイバーセキュリティ能力は信頼できるのか」という言及は定番化しており、仮に改善が行われていても一度ついてしまった不信感を払拭するには時間がかかるだろう。
関連記事:AUKUSの協力範囲が拡大に焦るカナダ、技術や情報の共有から取り残される
関連記事:強力な信号諜報機関がない? 英シンクタンクが日本のサイバー能力を最下位に分類した理由
関連記事:英メディア、次期戦闘機の共同開発は新たな日英同盟に発展する可能性も
関連記事:衝撃的なほど深刻な事態、中国が日本で最も機密性の高いシステムに侵入
※アイキャッチ画像の出典:Photo by Chad McNeeley
いっそアメリカや西欧からサイバーセキュリティの専門家をお雇い外国人として招聘すれば?
明治の先人がそうしたようにさ。
日本側システムに人民解放軍が侵入しているのを検知した米側高官がわざわざ来日して日本の防衛大臣に警告したものの、日本は対処しなかったという件があります。
今回の記事でもリンクになっている衝撃的なほど深刻な事態…というここの過去記事で取り上げられています。
過去記事のコメント欄では米側の協力を仰いで問題解決に努力すべきという意見には米側にバックドア仕込まれるに違いないから不可という意見を強く主張するものがありました。
多くのハートが付けられて賛同受けているようです。
市井の人でもこうなのですから、政府関係者はなおのことセキュリティ改善のため他国の協力など受け入れる決断は難しいでしょう。
他国の協力を受けるリスクは決して小さくない分野ですが、必要なら受け入れるよりないと私は思っています。
情報セキュリティとは幾分違いますが、兵器を他国から買うのも供給体制の維持問題や製造元から配備状況の漏洩リスクを背負い込むことです。だからといって国産する技術か費用か供給網を用意できない時に第5世代戦闘機要らないとか迎撃弾要らないとかにはならないはずです。
高次元の国産化を望むのは分かりますが、いくらか漏れることは甘受しまた漏らす相手を選びながら技術蓄積を進めるのが適当な道だと思います。
人口減の中では技術蓄積を進めても追い付けるのかは謎というのはありますが。
何言いたいのですか?
私のような市井の人間には良くわからないです。
招聘するどころか向こう様がわざわざ足を運んでご指導してくれようとしたのに手の内見せるのすら嫌がった、ってのが現状です、という話かと。
ポーランドから暗号のスペシャリストを招聘して100年
ラッパーじゃあるまいに、韻を踏むのは願い下げたいね
情報通信機器製造の中核であるソフトウェアの完全な国産化が出来ない時点で、技術提携している国の企業に機器への内部侵入に必要な合鍵を握られているようなもですから難しい問題ですね。
機器に物理的に裏口を組み込まれるか、ソフトウェアに裏口を設けられるか。
結局のところは自分達の情報の保全は機器の設計・生産・使用に至るまで自己完結能力が無ければ不可能です。
それか、重要な情報を完全にアナログにして隔絶し、「口から発する言葉の揮発性を利用した」口頭で伝達するしか究極的には難しいですが、情報が漏れる時は人から漏れるので「完璧」は、この世で不可能ですね。
変なプライドはいらん。
現実を直視しないといつまでも課題は克服されないんだよ。
政府も霞ヶ関も国会も無駄にプライド高過ぎ。
ファイブ・アイズのようになるのか注目したいと思います。
三沢基地や沖縄基地などに傍受施設があると言われていますが、日本は入れて貰えないまま今に至る訳ですし。
いやあ…まだ時期尚早じゃないかな。
スパイ防止法を整備して、スパイを一層して、セキュリティ強化して、他諸々…
が済んでから日本を入れるかどうか議論始めても遅くないよ。
他国からのサイバー攻撃を「防げない」ではなく「気付けない」レベルだから
ホントどうしようもない
むかし私が経験したケースですが、MELCOとMHIが原子力関連の仕事を中国に提供することを請け負っていました。当時は中国の危なさがあまり知られていなかった頃です。当時は決められている情報の範囲が決められていたのですがMHIの下請けのラップトップパソコンが盗まれました。下請け氏がきちんと扱っていたのに、睡眠薬をもられており、もちろん警察には伝えたものの出てくることはありませんでした。
そもそも中国向けの仕事を受けるべきではないということを実感したものです。
なんで仕事で守秘義務ある内容を話してるのですか?
だから情報がガバガバの国民ですね
三菱重工技報にクリーンにされた情報は掲載されていました。
おっそうだな。War Thunderで戦車を機密情報を流す中国人やイギリス人、Discordに機密情報を流す元空軍州兵に比べたら低レベルだよな。
訂正∶
✕War Thunderで戦車を〜
◯War Thunderのフォーラムで戦車の〜
なんやねんその、限定的な閣外からの協力、みたいな言い回しは
サイバーセキュリティでいうと行政レベルではNISTをベースにしたガイドライン広めようとしたり色々と頑張ってるよ
民間の意識は残念ながら…
>色々頑張っている
技術者は養成途中、いつになるかも枠組みも出てこない、なのに目的がイマイチ霞んでる機構や団体はどんどん設立
頑張る方向が明後日の方向なんですよね、統幕以下に至ってはサイバー戦と電子戦の区別もついていない御仁も控えておられますし
信用は無いのでしょう。それをつべこべ言っても仕方ないでしょう。
AUKUSとQUADに関わる以上、避けては通れないでしょう。
地道に努力して信用を積み上げるしかないのでは。
ちょうど明日の19日の衆院本会議でセキュリティークリアランス制度の国会提出が行われるね。これがすんなり通ると良いが。
野党が間違いなく邪魔してこようとするだろうが、集団安全保障とかに比べて話題性が低いから、それほど妨害はしてこないかな。
立憲、共産、れいわ、社民はセキュリティークリアランスについてとにかく反対らしいけど
何のことかよくわかってないのか、裏金問題のことしか頭にないのか全然興味なさそう
この期に及んで反対してる連中はもうあちら側と見られても文句言えませんね…
政治と経済と軍事に日本人を関わらせないようにすればいい。日本人はこの世に必要ない
中国が人民解放軍の枠外で民兵(所謂藍軍)の万単位の増強をしたり、技能学生を動員に組み込める体制を十万人体制で構築しています。
韓国ならポリテク大学加盟校をコアにしたシステムと動員の構築、それに技術研究と法整備が2年足らずで完成してますし
台湾に至っては官(行政府)、軍、学、民(企業)の4社連合での総力戦です。
我が国がやってる事ってどうも小手先ばかりで長期ビジョンもリソース確保、技術的問題点の解決算段さえも曖昧だし。
自衛隊の情本も国内左派(沖縄の左派運動を見るに靖国万歳なメンバーが紛れ込んでる時点で本当に左派なのかすら怪しい)にはご執心だけど、肝心要の情報保全は人員も実働数百人、身内の失態には激甘なくせに、外部(一般大学や企業)はおろか他の公的機関さえも蚊帳の外。
これじゃだめでしょ、進むどころか退化してますって。
いつも通り謎の上から目線ですよね
白人同盟に名誉白人扱いで末席に入れてやるって感じでしょうか 御冗談を
そもそも欧米のセキュリティなんてザルもザルです
白人は少数化し、これからはインド人、中国人、中南米人が国民の主流になっていき、軍人にもなったりします
そうした急造の移民たちが国家機密を守るインセンティブが働くわけもなく、小金を得るために軍事機密を敵国に売り続けるわけです
まあオバマもスナクもカマラハリスも非白人だし…
まあ確かに・・・
元々は白人国家同盟みたいなのが、本国の政治的安定性がアレでブレブレですよね
まあともかくです 欧米の日本への評価って多分人種差別も入ってるのかもしれませんが
凄い低評価つけてきますよねw結局これが本音なんですよ
自分に対して見下してる組織へ入るのはろくな結果になりません
モノ作りで食ってきた国なので、目に見えない物には金を使わないんですよ。
日本製の基板ソフトがパッとしないのも、そういう文化が遠因と思います。
ソフトではゲームや自動車制御なんかは割と頑張ってますが、あれは消費者に見えるからですね。
サイバーセキュリティは目に見えないので。
高い給料払って人を雇おうとしない。その道の世界でトップのエンジニアを雇おうと思うと、毎年億単位の出費になります。
結果、ノーガード戦法になってしまう。
外圧で変えていくしかないだろう
セキュリティーと聞くと技術的な感じがするが、日本はサイバー的な防御力はそこそこの能力があるとNTTの方がおっしゃっていた。
ただ、その上の政治家や大臣がハニトラにはまっている親中議員(与野党含めて)だから、法律等の仕組みが上手くなるはずが無い。
非常に残念だ。また、その新中議員も共産党や社民党、立憲は言うに及ばず、自民公明などにも存在しているので、排除が難しい。
でもJ-20、31はF-35,22関連の情報をハッキングで得て、開発されてるんでしょう?
武器として物になっている以上、情報漏えいでシャレになっていないのはアメリカじゃ、、、
体感だけど日本はサイバーセキュリティについては「盗られたんじゃ仕方ない」、とか「イタチごっこが目に見えてるから疲れるようなことはしたくない」、みたいなところがあるような気がするかもする
「風化を望んでいる」とか本邦黒船来航の頃から本質変わってないなぁ
個人的には北朝鮮が劣っているグループに分類されているのは驚き。サイバー攻撃の方は時折話題になったりもするので。