海上自衛隊は10日、岡山県玉野市で建造されている新型護衛艦「30FFM(3,900トン型護衛艦)」の進水式を今月19日に行うと発表した。
参考:新型護衛艦、19日に進水 コンパクト、省人化―海上自衛隊
今後の護衛艦設計に省力化を取り入れる試金石的存在の新型護衛艦「30FFM」が今月19日に進水
この新型護衛艦「30FFM(3,900トン型護衛艦)」は従来の護衛艦とは全く異なる設計思想と運用思想に基づいて開発された艦で、艦種を示す記号も新しく「FFM(多機能護衛艦)」と称されている。
この30FFMは船体をコンパクトにまとめることで建造費用(約470億円)を抑え、省力化技術を採用することで従来の乗組員の約半分(90名)程度で運用が可能だ。さらに運用にあたる乗組員も艦に固定配属するのではなく「クルー制」を導入することで艦艇の運用効率が高まると予想されており、警戒任務などで任務が増大する一方で人手不足に悩む海自にとっては待望の新型艦と言える。
勿論、新設計の護衛艦なので実際に運用してみないと本当に機能するのかは分からないが艦艇の省力化については日本が遅れている分野の一つで、最も水上艦艇の省力化が進んでいるのは欧州の海軍だ。
30FFMに近い大きさの艦艇で比較するとフランスとイタリアが共同開発した多任務フリゲート(FREMM)は定数108名の乗組員で運用されており、英海軍の32型フリゲート(2027年頃就役)は最低80名から運用可能で、こんごう型護衛艦(満載9,485トン/定数300名)の大きさに匹敵するドイツ海軍の次期フリゲート(満載9,000トン~1万トン)は定数114名の乗組員で運用できるほど省力化が進んでいる。
勿論、能力や装備などが異なるためどちらが優れているという話ではないが、確実に欧州の海軍は艦艇の省力化を「特別」なものではなく一般化しており、現役艦の中で特に省力化が進んでいるのは英海軍のクイーン・エリザベス級空母(満載6万7,600トン)だろう。
満載約10万トンのニミッツ級空母は艦の運用に3,200名も必要で航空要員をあわせると5,000名を超える人員が必要なるが、満載6万7,600トンのクイーン・エリザベス級空母は約700名で艦の運用が可能で航空要員をあわせても1,300人程度で運用可能だ。
フランスが計画している満載7万トンクラスの次世代空母もクイーン・エリザベス級空母並の省力化を達成する見込みで、満載4万3,000トンのシャルル・ド・ゴールと同じ約1,600名程度(航空要員込)の人員で運用可能になると言われている。
第二次世界大戦で本格的な海戦を経験した日本や米国などは艦が損傷した場合のダメージコントロールを理由に艦艇の省力化に消極的な傾向が強いが、人手不足は先進国に共通する現実的な問題なのでコレを避けて通ることは難しく、海自なりの妥協点を模索しながら日本独自の省力化を進めるしか無い。
そのためにも省力化思想を取り入れた海自初の30FFMがどこまで設計通り機能するのかが、今後の護衛艦設計に省力化を取り入れる試金石になると言えるだろう。
因みに今月19日に進水式を迎える30FFMは2番艦で、長崎で建造されている1番艦はロールス・ロイス製ガスタービンエンジン「MT30」の試験時に脱落した部品を吸引して損傷(修理済み)したため、工事の進捗が遅れているらしい。
※アイキャッチ画像の出典:防衛装備庁 / CC BY 4.0 3900トン型護衛艦(FFM)
人間不足でダメコンとか無理でしょ、欧州は被弾したら即退艦と割りきってるのか(笑)
実戦から遠ざかった欧州ネイビーから緊張感が抜けてるとしか
洒落にならない緊張関係抱えてる海自が真似て良いのかい
人手不足は短期的にはどうやっても解消できないから、しょうがない
欧州ネイビーはNATOで米海軍におんぶ抱っこですからね。だからこそトルコが増長してきたといえます。
むしろ隔壁閉鎖する時に人員確認の手間が減ってダメコンに有利って話もありますね
ダメコンは「試験艦あすか」で完全無人化の実験をしたというニュースを見た事があります。
確か、外壁が破壊された区画のハッチを閉じて閉鎖し、重心を挟んで反対側の区画も閉鎖の上で注水して水平に戻すという作業を完全自動で行う実験をやったと記憶しています。
>ドイツ海軍の次期フリゲート(満載9,000トン~1万トン)
バーデン・ヴュルテンベルク級「呼んだ?」
損傷しても目立たぬよう最初から傾けているのだ
ドイツの周到さを見習え_
浸水発生で艦が水平になる次世代ダメコンの可能性も
艦の省力化について。
日米は3交代制で、1艦あたりの乗員数は多くなる傾向にある。
一方、2交代制の国の艦は、省力化が進んでいるように見える。
てな話を呼んだことがあるが、根拠および真偽は不明
2交代制は、乗組員の疲労蓄積による能力低下が激しく、長期任務には向かないらしいですね。
帆船が現役だったくらいの昔は2交代制で乗員は大変だったらしいね、3交代制になってからはだいぶ楽になったそうだ。
3交代、2交代っていう勤務体系の話には、何直でまわすのかって直(クルー)数の話を確認しないと総数の話としては不十分。
例えば3直2交代と、3直3交代では人数は同じ。長時間勤務後に長時間休むのか、短時間勤務を繰り返すのかって話。24時間稼働させる工場なら4直3交代が普通。これは週に2休みを取らせる必要と、休みの曜日を少しずつずらして不公平をなくすため。
艦艇の勤務だから少々違うとは思うけど、2交代だから3交代だからというのは眉唾じゃあ?基本的に4直は必要だと思う。
サムネイルの画像にはVLSは描かれてないけど、防衛装備庁のFFMの紹介には「垂直発射装置1式」って書いてあるんですが
どっちが正しいんでしょうか?
毎度お馴染み、後日装備。
VLSは、イージスアショア分(6基)とFFM12隻分(24基)の共同一括調達として令和2年度に予算要求されましたが、FFM分は全額査定されました。
令和3年度は概算要求にも上がっていないので、恐らくですがアショア代替の新型イージス艦の分と一緒に要求されるのかと思います。
1艦当たりのVLS所用数を再検討するとかで、調達が延期されたんですよね。
確か開発中の新艦対空誘導弾も搭載予定だったハズなので、コイツが1セルに何発入るか未確定のため、必要セル数決められずに遅らせたのかなと思ってます。
艦橋と5インチ砲の間に、四角い区画が描かれているけと、これがVSLなのでは?
Mk41VSLは4セル×2列が基本ユニットです。16セルの場合4×4の正方形の並びにできます。
艦橋前の四角がVSLですね。
画像の解像度が低いので分かり難いですが、なんとなくハッチの分割線が見てとれます。
VSLって管理人さんも以前別の記事で誤字ってた事あった気がするけど、VLSですよね??
VSLって言う場合もあるんですか??
指摘通り”VLS”ですね。失礼しました。
一番艦が機関故障で遅延って、榛名ちゃんの時は…(以下自粛)。
この船体規模なら魚雷もらったらダメコンもクソもなく沈むしミサイル貰っても戦闘続行が難しくなるだろうからダメコンをある程度妥協するのは合理的と言えば合理的
諦めて総員退艦にせよ、それまでの時間稼ぎと安全な退避に必要なのはマンパワーと思うけどな
船のシステムが先に死んでる状態で、人間以外の誰が人間を逃がせるんだよ
フォークランドんときの、炎上する駆逐艦やら魚雷食らった巡洋艦の教訓が風化されとる
魚雷1本を受けても轟沈しない最低限のサイズが満載5000t級と聞く
FFMは満載5500tと聞くので、被雷しても轟沈だけは防いで脱出の時間を稼ぐといった感じになるのだろう
そう考えれば、主機関がMT30x1基でシフト配置ではない理由が分かる
今後建造されるDDXや、アショア代替となる追加イージスだと、主機関はMT30x2になるのだろうか?
5000トン以下は棺桶かい
乗組員が気の毒な
5000トン以下の艦艇が魚雷くらうと一発で船体が圧し折れるか、衝撃で転覆する可能性がある。
他の事情もあるだろうが
魚雷一発で沈まないように5000tという意味なんだけどな
昔より魚雷が高性能化してるからね。仕方ないね。
省力化に優れた欧州の艦艇が有事にどうなったかヘルゲ・イングスタッドに聞いてみよう
人件費節減と称して後方支援能力まで削ったらどうなるか、ダメコンは単に個艦レベルの話ではない
ノルウェー海軍のイージス艦(満載5,121 t/定数120名)は
石油タンカーと衝突して沈んだよ。
乗員が多くても結果は変わらなかったかも知れないけれど。
日米の主力艦には大洋のド真ん中での戦闘を想定したダメコンを期待したいですね。
欧州はダメコンに割いてる人員も惜しいと割り切ってるんでしょう。
なぜ日本側はこれほどまでに戦闘艦艇を作っているのか?戦争でも起こす気なのか?アジア諸国は疑念の目で日本を見ていると思われる
独裁政治と反日の3ヶ国だけだろ、勝手に増やすな
なぜ中国側はこれほどまでに戦闘艦艇を作っているのか?戦争でも起こす気なのか?アジア諸国は疑念の目で中国を見ていると思われる
軍拡は軍拡を呼ぶので
あと自衛隊の装備で他国を侵略するのは無理だから
なぜならば、中国海軍の異常な増強に(最低限の)対応をしないといけないため。
中国の艦艇数は754隻まで増え、(アメリカ超えを目指して)どんどんガンガン建艦中。
日本は、ミサイル艇や補助艦艇までかき集めて、ようやく137隻。
全然 少なすぎる。
軍事力の極端な不均衡(日本が弱すぎる状態)は、(戦争が起きやすくなるという意味で)平和を損なう。
せめて、中国の1/3くらいはフネの数が必要だが、1/5にも満たなくてヤバいのが現状。
※艦艇数は「令和元年版 防衛白書」の資料編を参照しました
日米安保が機能する前提の「最低限の」軍備でこれだけ必要ということです。
先日の菅・バイデン電話会談でまず確認したのが「尖閣諸島が日米安保対象であること」から察して下さい。
近い将来の中国の軍事的脅威に日本一国で対抗するのは無理があります。当面は中国の脅威を共有する陣営の協力体制を構築し牽制していくのがベストかと。
一対一で順次潰し取り込んでいくのが中国の戦略でしょうから。
中国が対抗したいのがよりにもよってアメリカ、というのが日本の悩ましい所。
中国と韓国が国民毎滅びれば軍備の増強なんてしなくて済むんですけどね。
周辺国の軍備が増強しているので最低限度の実力の維持のために
造ってるんですよ。
最低限度の実力ってのは周辺国の状況によって変化するので。
韓国の大邱級も試験時に部品脱落して、1基のMT-30は本国送りになってますね。 何かあるのかな?
(試験航海中、港湾での故障では無く、MT-30単体での地上試験で)
ちなみに、30FFMはMAN社のデーゼルとのCODAG(低速時:ディーゼル、高速時:MT-30+ディーゼル いずれも減速機で連結)、大邱級はCODLOG(低速:電動機、高速:MT-30+電動機 電動機はオフラインのディーゼルで発電した電力で回す)
電動機=モーター
CODLOGは
ディーゼル発電機を主電源にしたモーターで巡航して(モーターのみ)、
高速航行時にはガスタービンエンジンに切り替える(ガスタービンのみ)システム
だったと思いますよ。
yes
上の人が書いてる高速時にガスタービンと電動機で回すのはCODLAGだね
CODLAGであれCODAGであれ回転数の違う機関を合力して回す”A”の構成は技術的に難しいので動力機械に強いメーカーでないと採用しにくい
逆にCODOGやCODLOGのような低速と高速時で完全に別々の機関を回す”O”の構成は技術的に簡単だが重量効率は著しく悪化する(高速時に低速用のディーゼルが遊ぶので)
大邱より1.6倍も巨大なFFMを30ノットで動かそうと思ったらMT30一基のみで高速することになるDOGやDLOGではまず無理だろう
低速時と高速時で、機関を切り替えるタイプは、切り替え前に機関をスタンバイさせないとならず、スタンバイさせるタイミング判断が難しいらしいですね。
護衛艦みたいな超が付く程面倒な船は作れない小さな造船所で働いていますが、主機関の搭載はかなり厄介なものです。種類がちょっと違うだけでそりゃもう大騒ぎですよ。ましてや最新型ですからさもありません。
人数減らしたらダメコンが…てコメントが多いけど、少子化で更に人員が減る中で艦数維持するためには省人数化も仕方ない気が
艦の数減らしても要求される役割が減る訳じゃないから残った艦の負担にもなるし…
医官が乗務してないのに人力でダメコンとか、ありえない
怪我人だけの話かよw
米海軍も本来なら100人で動かせる15000tの駆逐艦が主力になるはずだったんだけどな
まぁ言うて4000tの船に300人乗っていた大戦期の秋月と比べると7000tの船を200人で動かしてる今のあきづきはトン当たり人員が1/3近くまで減ってるんで今後も欧州ほど極端にはやらないようにしつつも自動ダメコンやロボット技術の進歩に合わせて少しずつ進めていくのだろう
絶対値よりも同時代性の方が重要な指標ではある
結局、VLSは後日装備なのかどうなのかと
何セルなのか知りたい
取得価格低減のため、アショア分(6基)とFFM12隻分(24基)が一括して令和2年度に予算要求されましたが、査定されて流れてしまいました。
令和3年度の概算要求には上がってきていません。
新型イージス艦の仕様が確定してから、まとめて要求されるのでないかと想像します。
FFMの搭載数は2基16セルで、ASROC12発、ESSM16発(クワッドパック)と思われます。
噂のA-SAMじゃないのか。
イカロス出版のJ’SHIPSの2020年12月号(最新号)の最初の方のページに建造中の30FFM(2番艦)の空撮写真が掲載されています。
その写真を見ると艦橋の前にVLS用と思われる開口部があります。
その開口部は中心線から左舷側だけに空いており、右舷側はカバーがかかっていて開口部があるか分かりませんでした。
左舷側の開口部の形状は正方形に近い長方形ですので、VLS用のスペースを32セル分用意して左舷側の開口部に16セル分のみ後日装備、キャパシティは32セル分とかの可能性が高いように思いました。
いくらダメコンしてもレーダーやら主要部分が壊れて反撃できなくなったら追加の対艦ミサイルでさようならだしなぁ。そこら辺の割り切りが必要だろう。ダメコンを重要視したところで現代艦は装甲が紙であることに変わりはないのだから。
急速な沈没への防止対策と延焼防止対策が乗員の命を救うわけで、ダメコンといっても結局は浸水区画の限定と消火設備なんですよね。
戦闘時には予め区画閉鎖を行い遠隔無人化を可能にするとか、確実に機能する自動消火装置を装備するとか、ダメコンの考え方も現在・将来の想定ダメージと連動し変化して然るべきです。
FFMに適用される命名則が気になります
河川名かな?
「海上自衛隊の使用する船舶の区分等及び名称等を付与する標準を定める訓令」にFFMが反映済です。
別表第2で護衛艦枠に種別されていますが、新規の名称基準は無く、DEを継承し「河川名」が有力そうですね。
ちなみに同別表で艦番号は「1から」とされています。
海自と海保の関係が悪かった時代は、お互い無頓着に命名をやってたんですが、最近は重複する名前を避けるように配慮しています。
海自では「~りゅう」「~げい」という潜水艦が登場し、海保には「れいめい」「しゅんこう」という聞き慣れない名前のヘリ巡が生まれています。
河川名は500t型PMと被るので微妙かも知れませんね。
そういう点からは海自草創期に使われた樹木目のリバイバルもあるのでは?と思います。
海自と海保で艦船名が被ってるケースは「護衛艦○○」「巡視船○○」とコールしてるらしいです。
上記訓令では「鳥の名、木の名、草の名」がPGに割り当ててあります。PGは哨戒艦に更新されますので木の名、草の名はそちらに割当てられるかもしれませんんね。
型艦名どうなるんだろ。
2番艦の名称が型艦名になるのか、型艦名も発表して1番艦の名前わかっちゃうのかw それとも…
命名式で使われる「自衛艦命名書」は「本艦を○○と命名する、日付 防衛大臣△△」としか記載が無いですね。
型艦名は公表しなくても問題無い書式ですから1番艦の艦名は進水・命名式まで分からないと思います。
担当者は昔の金剛型の時みたいに同時建造して競合より進水が遅れたからって自殺したりするんじゃないぞ?
誰もそこまでやれとは言っとらんからな?
命名式も執り行われましたが、1番艦が出来上がるまでは「くまの」ではなく「3,900トン型護衛艦」呼びみたいですね
ネームシップ命名式までは「3,900トン型護衛艦くまの」と呼称するということです。
1番艦が「○○」と命名後は「○○型護衛艦くまの」になるわけです。
このクラスの船で「ダメコンが~」と言われてもねえ