アルツァフ共和国(旧ナゴルノ・カラバフ自治州が独立国だとして名乗っている国家名)出身でナゴルノ・カラバフ紛争に参加した兵士が語った動画がFacebook上にアップされて注目を集めている。
参考:A facebook live from one of our Hero soldiers.
アルツァフ共和国視点から語られるナゴルノ・カラバフ紛争の真相
動画の内容はアルメニア語で語られているので何を言っているのか分からないのだが、彼が語った内容を要約した英語文を読むとアルツァフ共和国視点でアゼルバイジャン軍に何故負けたのか見えてくる内容(個人の視点なので全体を全て網羅している訳ではない)なので非常に興味深い。
彼が語ったアゼルバイジャン軍に負けた理由は大きく分けて3つある。
1つ目はアルツァフ共和国軍では2016年頃から無人航空機(UAV)の脅威(恐らくシリアやリビアでUAVが敵装甲車両を葬ったこと)を認識していたが今回のナゴルノ・カラバフ紛争が発生するまでの4年間、特に対策をとってこなかった点。
2つ目はアルツァフ共和国軍は25年以上、攻めてきたアゼルバイジャン軍を撃退することのみ特化=防衛しかしてこなかったため安心してアゼルバイジャン軍は攻撃することに専念することができ、そこから幾つも教訓を学ぶことが出来た点。

出典:航空万能論GF管理人の手書き
3つ目はアルツァフ共和国軍はアゼルバイジャン軍がラチンから幹線道路に沿って首都ステパナケルトに侵攻してくると想定(青矢印)して防衛線を構築、そこに強力な装備をもった部隊を配置して待ち構えていたのだがアゼルバイジャン軍が南(赤矢印)から森や山を超えて侵攻してきたためシュシャを7日までに失ってしまった。そのためシュシャ陥落時に首都ステパナケルトには300人の守備隊しか配置されておらず降伏を受け入れざるを得なかった点。
※アゼルバイジャン軍がシュシャ陥落を宣言したのは8日、アルツァフ共和国がシュシャ陥落を認めたのは9日、アルメニアは停戦協定に署名直後までシュシャでの戦闘は続いており「軍を信じろ」と言っていた。
余談だがアルツァフ共和国軍には多くの市民がボランティア=志願兵として参加したが、その多くは配属先の地形や状況を詳しく説明されないまま送られたため、残念ながら戦況に何の貢献もできないままアゼルバイジャン軍に包囲され戦死、さらにアゼルバイジャン軍の侵攻ルートを読み間違えたため戦闘にすら参加できなかった兵士が多くいたらしい。
あと興味深いのはアルツァフ共和国の防空網が何故崩壊したのかについての話だ。
彼がいた部隊の指揮官は「アルツァフ共和国の防空網はハチも通過できない」と言っていたと証言しており、実際に彼の部隊はアゼルバイジャン軍のUAVを撃墜したこともあると話しているが、防空システムは結局破壊されてしまったと言っており、彼はアゼルバイジャン軍の陽動作戦(恐らく複葉機のAn-2を無人機に改造して飛ばしてわざと撃墜させて敵防空システムの位置をあぶり出した作戦)に引っかかって防空システムの位置を晒してしまったのが原因だろうと言っている。

出典:Dmitriy Pichugin / GFDL 1.2 An-2
最後に彼は今後の選択肢としてアルメニアとアルツァフ共和国は指導者と政府の人間を入れ替えて平和維持軍とアゼルバイジャンに対して軍事行動を起こして敵を追い出すか、アルメニアと協力して次の戦争に備えるかの2つを挙げており、彼は「どんな国で生きる人生でも涙を流さなければならない瞬間がある」と語り後者を選ぶべきだと主張しているのが印象的だった。
どちらにしてもアゼルバイジャン軍の侵攻ルートを正確に予測して、装備をもった部隊を配置をシュシャに配置していたら結果は違っていたのだろうか?恐らく補給路が絶たれた絶望的な戦闘が長引くだけで、最終的な結果は同じだったのではないかと管理人は思っている。
参考:アルメニア軍が負けた理由、アゼル軍による補給路狙いとシリア内戦の教訓軽視
※アイキャッチ画像の出典:YouTubeで公開された動画のスクリーンショット
敗北から学ぶべきは多いけど、ちと遅かったな
挽回の機会とか望めまい
アルメニアという国の歴史を考えるとまだ頑張りそうな感じ、
あとアゼルバイジャンも割と脇が甘い国だから、まだ判らんです。
防御力にステータス全振りした結果、本来防御に回すべきリソースまで極限に突っ込んだ攻撃力マシマシ国家がお隣に爆誕すると…
……、正直このブログ見ながらアルメニアはこれまで何してたんやと心の底で小馬鹿にしてました、ごめんなさい、いや本当にごめんなさい
専守防衛の弱点を見せられた気がしますね
既にAn-2が前線を飛んでいる時点でアウト
小国で航空戦力がなかったから仕方がないが軍事大国だったら接近前に戦闘機がスクランブルして打ち落としてなければならない
アルメニアの航空戦力って以下のとおり(ウィキペディアで申し訳ない)だから、
多数の無人機相手にどうすることもできないよね。
戦闘迎撃機MiG-25 x1
攻撃機Su-25K x9
教育・戦闘攻撃機Su-25UB x1
教育・訓練機L-39 x4
教育・訓練機Yak-52 x16
輸送機Il-76 x2
輸送機Tu-134 x1
多目的攻撃ヘリMi-24 x12
多目的ヘリMi-8 x11
多目的ヘリ(空中指揮所)Mi-9 x2
このSU-25のうちの1機がジョージアから盗んだ奴?
やっぱ次はお手軽な迎撃・要撃ドローンの開発だな
このお粗末さからして下手したら志願兵の中には初の実戦で初めで銃を持った人も多そう
展開早すぎて訓練時間なんかとってる暇無かっただろうしなぁ…
そもそもこんな感じの紛争地域で訓練て概念があるのか怪しいけどね
民兵みたいの集めて行進させても全く足並みすら揃わんのがザラでしょ
まるで39年の某国みたいだなぁ
どちらかといえば専守防衛(笑)国家の末路ですかね。
同じ目に合わないよう敵国のリソースを防御に割かせるための装備が必要ですね。
ここの管理人さん、少なくとも英語と朝鮮語は理解できるようですが、流石にアルメニア語は無理か…
ナゴルノ・カラバフ紛争におけるアゼルバイジャンの動きついては、以下のサイト記事が詳しく纏めている。
アゼルバイジャンが途中で停戦に合意した理由や、ロシアの思惑についても言及している。
ナゴルノ・カラバフ紛争総括
アゼルバイジャンはなぜ中途半端な停戦に応じたのか?
リンク
・アゼルバイジャンは紛争の完全解決(ナゴルノカラバフ全域奪還)してしまうと次は国民の不満がアリエフ独裁体制に向けられる。
・ナゴルノの残ったアルメニア占領地域(同地区中心部)も実質ロシアの手に落ちたし、ロシアは何だかんだアゼル領内の進駐にも成功。
・アルメニア領内にナヒチェバン(アゼルの飛び地領)とアゼル本国を結ぶ回廊建設も決定。ただし軍事利用禁止。おまけにこの回廊はロシアが管理。
うん。何だかんだロシアが色々と影響力を掻っ拐ってるな。次はここに食い込もうとするトルコとの綱引きが新たな火種フラグだけど。
今回の敗北を機にナゴルノ=カラバフで暮らしてきたアルメニア系住民の中から抵抗組織が生まれてきてもおかしくないと思う。
トルコやアゼルバイジャンはもちろんのことロシアや同じアルメニア政府をも標的にするテロ組織ね。
民族浄化に正当性与えてどーする
今すぐ戦うか準備を整えてから戦うかの2択しか頭にありません
この地域で恒久的な平和なんて無理だと分かる良い記事ですね
君はどこかの戦場に行きなさい、いますぐに
アルメニア人の本心を鋭く切り取っている記事を褒めてるだけなのに急にどうしちゃったの?
それ鋭いのか?いかにも無責任なギャラリー丸出しだよ
アルメニアやアゼルバイジャンに責任のある立場の人がここに来るわけ無いだろ
※アルメニア兵個人の感想です は草
一番の原因は周辺国の攻撃力の変化に対応できなかったアルメニアの指導者たち、女の子とよろしくやっていたはずの若者達が何の準備もなく一切の抵抗も出来ずに命を失うのは何とも悲惨すぎる。
はいアルデンヌの森
記事の途中でそう思ったです。
本当にあれとそっくりなんだよね
防衛線を直接攻撃はしてこない、必ず迂回するだろう
そこに砲兵火力と機動戦力を投入して逆襲する
かつてのフランス軍も同じ事を考えていた
そこを空飛ぶ砲兵、今回は無人機によって逆襲戦力を無力化されてしまった
天候が悪化したので機甲戦力で反撃しようとするところもバルジの戦いそっくり
ひょっとしたら25年じゃなくて70年ほど防衛戦訓練してたら何とかなったかもしれない
「2つ目はアルツァフ共和国軍は25年以上、攻めてきたアゼルバイジャン軍を撃退することのみ特化」
そう言えばユーラシア大陸の極東に在る島々も防衛特化型の軍備だったような。
少なくとも陸自は逆襲の訓練もしてるぞ。
肝心の国民は「上陸されたら負け」とか寝言言ってるけど。
結局は国家戦略の所で思い込みや視野狭窄、ロビーを過信しすぎたことでアルメニア指導部が適切な戦略を描けなかったから負けたと言う事ですよね
極東のとある島国も国家戦略のミスは取り返しがつかないということを第二次世界大戦で学んだはずなのに防衛特化~の戦略をとり続けてると取り返しのつかないことになっちゃうぞ♥️
ボランティアの正しい語義のくだり、要る?w
某戸田奈津子がvolunteerをボランティア軍とか訳した事件があって…
ドイツ軍「こんにちわ」
フランス軍「どこから来たんだうわぁーー」
アゼルバイジャン軍「こんにちわ」
アルメニア軍「どこから来たんだうわぁーー」
NHK集金人「こんにちわ」
ワイ「どこから来たんだうわぁーー」
NHKの集金は有能だった??
専守防衛戦略の欠陥が明らかになるな、日本も参考にしなくては
敵基地攻撃力がどれだけ大切かよく分かる記事だね
アゼルバイジャンの侵攻が周到な作戦と準備のもとに実行されたてのが分かる話ですね。
アルメニアとアルツァフ共和国の注意をラチンに誘引し、可能な限りシュシャ奇襲部隊の進撃を秘匿し続けるのが作戦成功のキモだったわけです。アルメニア側の防衛計画を把握した上での作戦でしょう。
立て続けの記録的停戦破りもアゼルバイジャン軍司令部からすれば必然だったのかと。
アゼル側が有力な空中強襲部隊を保有していればもっと短期で集結したかもしれませんね。
こういう動きっていうのはアメリカやロシアは衛星でつかんでしたんでしょうか?
一貫して、アゼルとアルメニアが、民衆レベルで憎みあってるとか無いから。あくまで政治家、国家間の問題。ここの書き込み、引きこもり軍ヲタの妄想が酷いから指摘しとくね、
此度の敗者が単に戦争は嫌って話をしてるのに、愛国心だの領土紛争だの、手前どもの抱えてる国際問題に被らせて援用しないようにね
アルメニアに行ったことないのがまず問題だよ君らは
意味がわからないがとにかくすごい負け惜しみだ
それでは反論ですらない
とっくにトランプ死んでるし
この程度がわかんないじゃ(笑)
痛いね君は
これがわかんないのか
笑い
>アルメニアに行ったことないのがまず問題だよ君らは
行ったことがないので教えてください。
お互いの民族感情というやつはどんな感じなんでしょうか。
平和のためにアゼルへの妥協を支持してるアルメ人は2017年の調査では8%
アルメ人と友情が築けると考えるアゼル人は2009年の調査では1%
アゼル人と友情が築けると考えるアルメ人は2009年の調査では30%(※近年はさらに減少傾向)
アゼル人と商売できると考えるアルメ人は2009年の調査では35%、2015は17%
専門家「多くの人々は復讐を望んでおり戦争で問題を解決したいと望んでいる」
リンク
世論調査:多数派はカラバフがアルメニア共和国の一部になることを望んでいる
https://armenian.usc.edu/poll-majority-wants-karabakh-to-be-part-of-republic-of-armenia/
2010年に8人で争われるチェス世界チャンピオン挑戦者決定戦がアゼルで開催予定だったがアルメ人選手の試合は国外で行われる段取りだった
数十年来の両国関係を考慮した結果である
(大会の開催場所は後にロシアのカザンに変更)
リンク
> 一貫して、アゼルとアルメニアが、民衆レベルで憎みあってるとか無いから。あくまで政治家、国家間の問題。
これが君の妄想じゃないならソースをくれ
皆さんがご高説をお待ちですよ。
とりあえず句読点の使用がひどいのでその点をご注意ください。
マンガやアニメと現実の区別のつかないヲタが
民衆レベルでの戦争を語るから笑える
これ、日本にとって対岸の火事案件ではないわ
専守防衛してればいいだろって結果がこれだからな
平和のためにアゼルへの妥協を支持してるアルメ人は2017年の調査では8%
アルメ人と友情が築けると考えるアゼル人は2009年の調査では1%
アゼル人と友情が築けると考えるアルメ人は2009年の調査では30%(※近年はさらに減少傾向)
アゼル人と商売できると考えるアルメ人は2009年の調査では35%、2015は17%
専門家「多くの人々は復讐を望んでおり戦争で問題を解決したいと望んでいる」
リンク
世論調査:多数派はカラバフがアルメニア共和国の一部になることを望んでいる
リンク
2010年に8人で争われるチェス世界チャンピオン挑戦者決定戦がアゼルで開催予定だったがアルメ人選手の試合は国外で行われる段取りだった
数十年来の両国関係を考慮した結果である
(大会の開催場所は後にロシアのカザンに変更)
リンク
> 一貫して、アゼルとアルメニアが、民衆レベルで憎みあってるとか無いから。あくまで政治家、国家間の問題。
これが君の妄想じゃないならソースをくれ
この記事防衛省の人間共に見せてやりてえな