日本関連

台湾有事に備え日米が共同作戦計画の草案を策定、南西諸島に米海兵隊のHIMARSが展開か

台湾有事に備えるため日本と米国は共同作戦の草案を作成したと共同通信が23日に報じており、これを引用する形で海外メディアも一斉に報じ始めた。

参考:Japan, U.S. draft operation plan for Taiwan contingency: sources
参考:Japan, U.S. draw up plan for any Taiwan emergency -Kyodo

来年1月に台湾有事に備えた共同作戦の策定を開始? 奄美大島、宮古島、石垣島の3島に米海兵隊展開を想定か

来年1月に予定されている外務・防衛閣僚会議(2+2)で日米両国は「台湾有事に備えた共同作戦の策定を正式に開始することで合意するだろう」と共同通信は報じており、現在検討されている草案では台湾有事の兆候が確認されると米海兵隊が南西諸島(奄美大島、宮古島、石垣島の3島が有力候補)に臨時の基地を設営して高機動ロケット砲システム「HIMARS」を展開、自衛隊はHIMARSの弾薬や燃料輸送などの分野で米軍の後方支援にあたる予定らしい。

中国は台湾の武力統一を実行に移す際に中国海軍の艦隊を台湾の東側海域=つまり太平洋(フィリピン海)側に展開させ台湾救援のため派遣される米海軍の艦隊を足止めする可能性が高いといわれており、米海兵隊が南西諸島のHIMARSを展開するのは太平洋に抜ける中国艦隊の水上艦艇を阻止するためだろう。

出典:U.S. Marine Corps photo by Lance Cpl. Jennifer E. Reyes米海兵隊が装備しているHIMARS

HIMARSが使用する地対地ミサイル「MGM-140 ATACMS(射程300km)」は2016年にシーカーのアップグレードを実施して海上を移動する目標への攻撃にも使用できるようになり、ATACMSの後継として開発が進められている「プレシジョン・ストライク・ミサイル/Precision Strike Missile」は最終的に射程が700km~800kmまで拡張されているため、米海兵隊が導入を進めている地対艦ミサイル「ナーヴァル・ストライク・ミサイル/Naval Strike Missil(射程185km/選択する飛行プロファイルによって変動)」よりもカバーエリアが広く南西諸島に展開すれば効率的に太平洋へ抜ける中国艦隊を抑止できるだろう。

補足:2023年に初期作戦能力の獲得が予定されている初期タイプのPrSMは射程500km程度で海上を移動する目標への攻撃に対応していない。さらに艦艇への攻撃に対応するのはマルチモードシーカーが組み込まれる2025年、射程が700km800kmまで拡張されるのはもっと後の話だ。

ただ日本政府の関係者は「もし台湾有事の際に南西諸島へ米海兵隊が展開すると中国軍の攻撃対象になるため、展開した先の島民も命の危険に晒されることになる」と語り、このような計画を実行に移すには日本国内での法改正が必要になるとも共同通信に明かしている。

さらに臨時基地の設営は「中国軍と台湾軍の衝突を放置すれば日本の平和と安全が損なわれる」と日本政府が判断した場合に限られるらしい。

お知らせ:読者の方にとって煩わしいとは思いますが、今後コメント欄に書き込むためには投稿者の名前(ニックネームでOK)とメールアドレスの入力が必須になります。

 

アイキャッチ画像の出典:U.S. Marine Corps photo by Lance Cpl. Christian Ayers

韓国、フィリピン海軍が調達するコルベット艦2隻を現代重工業が約570億円で受注か前のページ

引く手あまたの中古戦闘機、クウェート空軍のF/A-18C/D取得に名乗りを挙げたマレーシア次のページ

関連記事

  1. 日本関連

    戦後初の防衛装備品輸出に暗雲? 新型コロナの影響でレーダー「J/FPS-3ME」輸出交渉が停滞

    日本にとって戦後初となる国産防衛装備品の輸出交渉が新型コロナウイルス「…

  2. 日本関連

    F-15J改修に手間取る日本、J-11BへのAESAレーダー搭載を開始した中国

    中国の瀋陽飛機工業集団が国産のAESAレーダーを搭載した第4.5世代戦…

  3. 日本関連

    自民党総裁候補も日本の原潜導入に言及、実際に導入する上での課題や問題点

    オーストラリアの原潜導入を受けて自民党総裁候補も日本の原潜導入に言及し…

  4. 日本関連

    ベトナムに感謝、エンジントラブルに直面していた海自P-3Cが無事帰国

    ベトナムの協力で、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処に派遣されていた…

  5. 日本関連

    米メディア、日本の進める第6世代戦闘機開発計画は欧州の計画より実現性が高い

    米国のミリタリーウォッチは28日、日本独自の第6世代戦闘機(次世代戦闘…

  6. 日本関連

    岸防衛相、自衛隊機が敵領空内に侵入して攻撃する選択肢を排除しない

    衆院予算委員会 第1分科会に出席した岸防衛相は「自衛隊機が相手領空内に…

コメント

    • 匿名
    • 2021年 12月 24日

    自衛隊で支援攻撃は今の所射程距離の問題等で現実的じゃないからね……巡航ミサイル完成と敵地攻撃能力うんぬんが解決しないとね

    10
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      2010年代初めにATACMSを買おうという話はあった(ちなみにHIMARSはMLRSを小型化したやつなので発射機は元々ある)

      2
    • 匿名
    • 2021年 12月 24日

    ウクライナ「台湾!台湾!台湾!どいつもこいつも台湾!なぜだ!なぜ奴を認めて俺を認めねぇ!」

    11
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      ウクライナ危機を使ってEUは自身の自律性を高められたり出来んのかね

      6
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      なんにも無い大平原の真ん中の国と、ユーラシア大陸を塞ぐ列島の国とでは、相対的に後者のほうが事前に抑えておく価値が高いからね。
      前者は攻めてきた方も守りづらいから、取り返せば良いとも言えるし。

      11
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      ウクライナ「この開発に成功すればお前の戦力は2倍になる…ん!?間違ったかな?」

      3
    • 匿名
    • 2021年 12月 24日

    沖縄を中心に米軍が展開することを予想して、中国海軍は海南島に大規模な基地を作ったのかな
    あそこからならバシー海峡から太平洋に出られるし、フィリピンの戦力は弱小で米軍基地はなく同盟も弱い
    沖縄方面は陸軍や空軍のお仕事として弾道弾や巡航ミサイルにお任せになり、対艦ミサイルは無駄になるのでは

    1
    • 匿名
    • 2021年 12月 24日

    この展開に反対する政治家や著名人、学者は必ず実名で記憶しておき、実際に台湾有事の際は一丸となって追及し、詰腹を切らせるようにしたい。こういう運動をする事で、いわゆるお花畑もしくは売国者が続かないようにする予防ともなる。

    39
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      お花畑のお笑いなとこは、外国とはすべては話し合いで解決できるから兵器は必要ない論法
      そのくせ日本人どうしでの意見一致すら1度もできたことがない(笑)完全な破綻論理
      だからといって反対意見を封殺するような詰腹論とか誰も支持しないから
      ちゃんと相手を説得できないならばお花畑と同程度

      28
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      言論統制かよ
      恐ろしいな

      21
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      じゃあ展開に賛成してる人間は自分も自分の息子も徴兵されて最前線に志願するかちゃんと名前を覚えとかないとな。
      中国の内政問題になんで日本人が命かけなきゃいけないんだよ。
      やりたいやつだけ国籍捨てて義勇軍でいけや日本国民を巻き込むな。

      13
        • 匿名
        • 2021年 12月 24日

        そうだね、前線に出る気のない奴が戦争あおるとか最低の卑怯者だからね、ちゃんと名前確認して詰腹だなw

        8
        • 匿名
        • 2021年 12月 24日

        そこまで台湾に知らん顔はしたくないが、ここで威勢の良いこという奴が実際に台湾のために命をかけるのか、とっても疑問
        というか口先だけでしょ?
        そんなのでよくヒトに詰腹だの言えたこと
        笑止千万

        18
        • 匿名
        • 2021年 12月 24日

        逃げ回っても未来が無いのも事実だけどね。シン・ゴジラでもそうだったでしょ。抑えられるときに犠牲を惜しんだ結果、東京に核兵器を落とすかどうかの瀬戸際まで追い詰められたという。
        台湾問題が単なる内政問題では無くなってるから、みんな困ってるわけだし、そもそも開戦した時点で、勝者はいないんだから、開戦させないようみんなでハッタリをかましてるという。

        9
        • 匿名
        • 2021年 12月 24日

        台湾有事が中国の内政問題???

        19
        • 匿名
        • 2021年 12月 24日

        > 中国の内政問題

        ダウト

        15
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      アホな事言うなうよ反対する意見があって当然だし、国民としてなり配備先住人の権利はガン無視ですか。流石に日本トップクラス基地負担の所に更なる負担押し付けるとか。

      現地民でないなら日本全国に配備して届くミサイル開発して自分の所にも是非にとか言うべきだろう。

      15
    • 匿名
    • 2021年 12月 24日

    この手のミサイルシステムも
    スカッドみたいに実際やる時はダミー車両も走らすのかね

    1
    • 匿名
    • 2021年 12月 24日

     台湾有事って、戦域が台湾領域か沖縄までみたいに思っている人が多いけど、台湾領内で自衛隊が人民解放軍と交戦したら日本全土が戦域になるんじゃないかと思うんだけど、どうなんだろうか?

     米軍はハワイ・グアム・米本土に攻撃が向かないように大陸には攻撃しないような気がする。 ハワイ・グアムが攻撃されたら米軍も大陸に反撃はするだろうけど、そこから全面核戦争までの歯止めはあるんだろうか不安だ。

     

    3
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      アメリカは経済制裁だけで軍事介入はしないんじゃないの?
      NATOでもなければ安保条約があるわけでもないし。
      当然日本も軍事的な介入しないはず、っていうか絶対したくないだろう。
      中国も手出しされない限りあくまでも国内の問題だとして
      台湾以外には一切手出しはしないと思う。
      だからアメリカも日本も戦火には巻き込まれないだろう、多分。

      2
        • 匿名
        • 2021年 12月 24日

        ロイター通信の予測だとガッツリ介入するようですがね
        リンク

        11
        • NKG
        • 2021年 12月 24日

        日・米とも介入したくはないだろうけど、日・米とも台湾とはいわゆる「歯と唇の関係」だから介入せざるを得ない
        介入できないケースは台湾側が下手を打った場合やクリミアのように住民側が望んでるような体裁を整えられた場合

        13
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      中国海軍は黄海から日本海に出るには、対馬海峡を渡らなければならない。
      そして、中国軍はオーストラリア軍とインド洋方面から来るかもしれない海上戦力(米軍・欧州軍)を警戒しなければならない。

      弾道ミサイルが日本のどこかしらに飛んでくる可能性はあるが、中国軍に限っては九州・沖縄周りで戦闘が起こるだろうが、ぶっちゃけ台湾を取るという目標のために、無駄に戦域を広げる必要はない。
      (ロシア・北朝鮮・韓国が行動を起こす可能性は別として)

      10
    • 匿名
    • 2021年 12月 24日

    西南諸島の防衛強化はごもっともだが
    壱岐対馬や五島列島の防備が不足しているぞ
    こちら側も防衛強化を日米共に強化してくれ

    14
      • DEEPBLUE
      • 2021年 12月 24日

      対馬は「一応」敵国じゃないからねえ基地の回り買い占めているのが

      3
    • 匿名
    • 2021年 12月 24日

    台湾有事→石垣、与那国と可能なら宮古島も占領

    中国政府発表:戦闘域保護の為一時的にこの地域を保護してるので後で必ず返すので戦闘域には近寄らない事
    なお敵対行為があればミサイルぶっ放すから手出し無用、あと戦闘域離脱のための住民の輸送には最大限協力しますので
    港や空港を空けとくように!

    統一後:あの地域は元々台湾の一部、それより日本政府は琉球問題について真摯に向かい合う必要がある

    まあアメリカ軍が動かないか動けない状態前提ね

    11
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      非武装にしてたらそんぐらいやるわな。武装してても、コマンド部隊が秘密裏に上陸、島民を人質にして無力化すると言われてるし。

      8
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      水面下では日米中国で、台湾有事の際の戦闘区域を話し合いか探り合いしてるんじゃないか、ボーダーラインの設定な
      いずれの国も、台湾のために全面戦争まで突入するのは避けたいはず
      とわいえ、台湾の軍事的併合を座視するとその後は日本が標的にされる日が来ることは確実だからね

      6
    • 匿名
    • 2021年 12月 24日

    10年前は俺はハゲないし台湾有事なんて夢物語だろと正直思ってましたが、世の中はすごいスピードで変わるんだね。
    10年後はどうなっているのか・・・。

    わかっているのは俺の生え際防衛線は今も指頭を繰り広げているということだけ。

    9
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      頭部戦線異状あり(泣)

      28
      • くらぅん
      • 2021年 12月 25日

      カミが去った地は焼け野原

      2
      • くう
      • 2021年 12月 25日

      カミが去った大地は焼け野原

      2
    • 匿名
    • 2021年 12月 24日

    生物兵器と化した米兵がオミクロン無償強制配布中

    2
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      沖縄県民だがガチで笑えない

      7
    • 匿名
    • 2021年 12月 24日

    国内事情があるとはいえ、西へ東へフラフラしたのが不味かったね。

    4
    • けいちゃん
    • 2021年 12月 24日

    ミサイルの調子も悪くなってきた。

    1
    • 折口
    • 2021年 12月 24日

    今年度から始まった米海兵隊の組織再編で戦車と火砲が廃止されて代わりに主役になるのがこのHIMARSと車載型NSM(Naval strike missile)らしい。
    有事に際して想定される中国軍の初撃やその後の中国軍の機動展開に対して自衛隊が「一度退避してから奪還」を基本としているのに対して、Air Sea Battleにおける米海兵隊のドクトリンは「中国軍より先に島しょ部に展開し、地対艦/地対地ミサイルで列島線を封鎖する」のが基本戦略だそう。敵の制海権下の小島に自分から取り残されるなんて、ジャーヘッド精神を体現したような戦い方で頭が下がるが、その後方支援に自衛隊も含まれてるんだなぁ。彼らを運ぶための小型揚陸艦を米軍が開発中だけど、日本側も同種の艦を使うのか、自衛隊はどの段階で海兵隊の支援をするのかの詰めはこれからかな。東シナ海の戦いの輪郭が見えてきましたね。

    4
    • マンゴー
    • 2021年 12月 25日

    このニュースはGardianにも転載されていて、海外でも注目されているようだ

    • 匿名
    • 2021年 12月 25日

    石垣宮古に射程300kmで水上機動目標を子弾ボムレットで面制圧できるエイタクムズ展開ってのは台湾防衛戦を支援する戦術ミサイルという事だろう
    既存エイタクムズで水際戦闘支援をして射程500km超える新型PSMでは中国本土も射程に入りもはや戦略兵器
    本来はこれを対艦用のNSMで防護するべきだけど陸自がミサイル部隊を配備するので不要という事なのだろうか

    • hiroさん
    • 2021年 12月 25日

    中国に対してどこまで効果があるかは分からないが、抑止力の一端にはなるだろうから、可能な策は講じないとね。
    一方で「沖縄を戦場にはさせない」とか怪しい人達が蠢き出してきたけど、本気だったら中国に対して申し入れるべきだろうに。

    1
  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 欧州関連

    再掲載|導入自体が間違い?タイフーンを導入したオーストリアの後悔
  2. 米国関連

    本当に笑えない、米空母ジェラルド・R・フォードを苦しめるエレベーターの呪い
  3. インド太平洋関連

    日米からのオファーがない? 韓国空軍、日本のF-35整備拠点利用を否定
  4. 欧州関連

    再掲載|英海軍の闇、原潜用原子炉の欠陥と退役済み原潜の処分費用
  5. 日本関連

    着実にレベルアップを果たす日本の対潜哨戒機P-1、2020年度から「能力向上型」…
PAGE TOP