インド太平洋関連

引く手あまたの中古戦闘機、クウェート空軍のF/A-18C/D取得に名乗りを挙げたマレーシア

マレーシアの国防副大臣は議会の質疑応答で「クウェート空軍から退役するF/A-18を取得したい」と述べたため注目を集めている。

参考:Malaysia keen on buying Kuwait’s Hornet fighter jets

果たしてマレーシアはチュニジアとの争奪戦を制してクウェート空軍のF/A-18C/Dをゲットできるだろうか?

マレーシア空軍の戦闘機戦力は過去、米国製のF/A-18D×8機、F-5E/F×14機、英国製のホーク208×13機、ロシア製のSu-30MKM×18機、MiG-29×16機で構成され、2015年頃にF-5E/FとMiG-29の後継調達計画が持ち上がったものの予算不足の影響で計画が頓挫し後継機が決まらないまま両機は退役、そのため軽戦闘機のホーク208、練習機のホーク108やMB-339CMの後継機に視界外戦闘能力、空中給油能力、超音速飛行といった高度な能力を備えた航空機を要求、この戦闘訓練機/軽戦闘機(FLIT/LCA)プログラムにはテジャスMK.1A、MiG-35、FA-50、M-346FA、JL-10、ヒュルジェットが提案されている。

出典:РСК «МиГ» MiG-35

つまりF-5E/FとMiG-29の後継調達に失敗したマレーシア空軍は「ホーク208/ホーク108/MB-339CMの後継機に練習機としてだけではなくF/A-18DやSu-30MKMを補完できる高度な能力を併せ持った航空機」を調達することで減ってしまった戦闘機戦力を補填したいと考えているのだが、マレーシアの国防副大臣は議会の質疑応答で「クウェート空軍から退役するF/A-18を取得したい」と述べたと報じられている。

クウェート空軍は保有するF/A-18C/Dの後継機としてF/A-18E/Fとタイフーンの導入を進めているのだが、退役するF/A-18C/Dは比較的状態が良好なためチュニジアが関心を示しており、上記の話が事実ならクウェート空軍のF/A-18C/Dを巡ってマレーシアとチュニジアの争奪戦が繰り広げられるという意味だ。

出典:Public Domain クウェート空軍のF/A-18C/D

マレーシア空軍はF-5E/FとMiG-29の退役で戦闘機が12機以上不足していると言われているが、マレーシアの国防副大臣は「クウェート空軍からF/A-18C/Dを33機調達したい」と述べているため不足する戦闘機戦力の補充以外に部品取りとしての利用を考えているのかもしれない。

因みにオーストラリア空軍から退役するF/A-18C/Dはカナダ空軍が部品取りとして取得することが確定、F-35A導入の代わりに退役が進む西欧諸国のF-16にも関心を寄せる国が複数(実際にルーマニアがノルウェーからF-16を取得するために動いている)あり、英空軍から退役が決定したタイフーン・トランシェ1にはギリシャが関心を示すなど中古戦闘機の処分先は引く手あたまの状況(必ずしも戦力としてという意味ではない)だ。

果たしてマレーシアはチュニジアとの争奪戦を制してクウェート空軍のF/A-18C/Dをゲットできるだろうか?

関連記事:マレーシア空軍の軽戦闘機入札にインド、ロシア、韓国、イタリア、中国、トルコが応じる
関連記事:ルーマニアがノルウェーから中古F-16取得を発表、1機あたりの導入コストは約18億円
関連記事:ギリシャ、2025年までに退役する英空軍のタイフーン・トランシェ1取得を検討

お知らせ:読者の方にとって煩わしいとは思いますが、今後コメント欄に書き込むためには投稿者の名前(ニックネームでOK)とメールアドレスの入力が必須になります。

 

※アイキャッチ画像の出典:Public Domain

台湾有事に備え日米が共同作戦計画の草案を策定、南西諸島に米海兵隊のHIMARSが展開か前のページ

実戦配備が遅れていた米空母フォード、遂に兵器運搬用エレベーター問題が解決次のページ

関連記事

  1. インド太平洋関連

    ロッキード・マーティン、タイ空軍のF-35A調達話は公式のものではない

    ロッキード・マーティンの関係者は「タイ空軍がF-35Aに関心を示してい…

  2. インド太平洋関連

    FMS契約の不備? 豪州、事故で失った電子戦機「EA-18G」賠償要求叶わず

    オーストラリア空軍(以下、豪空軍)は昨年、エンジン火災によって導入が完…

  3. インド太平洋関連

    印中国境衝突、各国がインドの要請に応えて武器の緊急引渡しに応じる

    インドは国境地帯での軍事的対立が長期化することに備えて、ロシアや米国な…

  4. インド太平洋関連

    インドネシア空軍、戦闘機の導入候補はラファールとF-15EXに絞られている

    インドネシア空軍の総参謀長は22日、Su-35調達計画を正式に破棄して…

  5. インド太平洋関連

    インドネシアの真意は? ラファール導入契約が失速してF-16V導入が前進?

    米国のロッキード・マーティンはインドネシアにF-16V(block70…

  6. インド太平洋関連

    中国の潜水艦に狙いを定めたインド、対潜哨戒機「P-8I」追加導入に動く

    西側陣営と急速に関係が悪化している中国だが、今度は中国の潜水艦にとって…

コメント

    • 匿名
    • 2021年 12月 24日

    日本は護衛艦もそうだけど、何も中古で売ろうとしないよね。
    維持費も年々高くなるだけなのに使い潰してるし、最後には解体費用もかかる。
    なんか得することあるんだろうか。
    さっさと売っぱらって、次の装備品の足しにしたらいいのに。
    この間のオークションみたいにさ。

    7
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      退役するCH-53Eを部品取り用途で米国に販売してますよ。

      7
        • 匿名
        • 2021年 12月 24日

        逆にそれだけなんですかね。
        少なすぎな気がしますが。

        13
          • LSgt
          • 2021年 12月 24日

          F-15SJは全機米国に売却じゃないっけ?
          100機くらい売ることになるからそれなりの数だと思うけど。

          1
            • 匿名希望
            • 2021年 12月 24日

            アメリカは自前でもっているからあるとしたらイスラエルかサウジアラビアでは?
            というか空自の後期導入機の予備パーツにまずは使うと思うんだ

            2
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      主砲などの装備を使いまわすから、いい値段で売れないんじゃない?(武器輸出規制もあるかも)
      ただ、DDをフリゲート、DEを哨戒艦に転用するんつもりなら、主要兵抜きでも買ってくれる国があるかもね。
      船体だけなら海自は他国と比べて丁寧に使ってると思うから、艦齢の割には状態がいいかもね。

      6
        • 匿名
        • 2021年 12月 24日

        他国より丁寧と思うのは何故…?

        22
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      武器輸出三原則があったからしょうがない
      アメリカ相手に売却するのが例外扱いだっただけ
      見直しが入ってまだ10年も経ってないしな

      5
        • 匿名
        • 2021年 12月 24日

        もう10年経ったとも言えますよ。
        あと何年経ったら、日本は変わるのでしょうか。

        13
          • 名無し
          • 2021年 12月 24日

          有事が起きれば1カ月で変わるかも知れないが何もなければパートナー相手への売却くらいか

          2
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      売却以外にもフィリピンにTC-90の貸与や退役して余ったUH-1の整備部品の譲渡を行っている
      これがレーダーの売却にも繋がった
      最近は退役装備品を割と有効活用してる

      8
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      ベトナムに巡視船用の中古船舶を供与してましたね

      1
        • 匿名
        • 2021年 12月 24日

        いや、売却の話なんですがそれは、、、

        7
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      中古護衛艦を売ることそのものは二束三文だからお金で言えば足しにはならんかもしれんけど、もがみ型の売り込みかける時おまけとして付けるとかはできると思うんよね
      欧州はそうやって受注競争に臨んでるし

      11
    • 匿名
    • 2021年 12月 24日

    >まだ10年も経ってない

    >もう10年経ったとも言えますよ。

    言えないだろwwwwwwwww
    まだちゃんと覚えてないなら無理して日本語で書かなくていいんだよ?w

    5
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      個人の主観だからどちらも言えると思う
      10年経ったのは同じな訳だし

      15
        • 匿名
        • 2021年 12月 24日

        君からしたらまだ10年しかってだけっしょ
        もう10年経ったと感じる人もそりゃいるわ

        6
        • ネコ歩き
        • 2021年 12月 24日

        横からですが、
        そもそも防衛装備移転三原則が策定されたのは2014年4月なんで、
        「まだ10も経っていない」は正しいが「もう10年経った」は間違った認識。
        会話として正しい返答は「もう7年経ったとも言える」ですよ。

        14
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      取り敢えず落ち着こうね。

      8
      • 匿名
      • 2021年 12月 24日

      見たくないことは、全部外国人がコメントしていると考えるんですね。
      変に煽って楽しいですか?

      16
    • 匿名
    • 2021年 12月 24日

    ちなみに、チュニジア空軍は近代化に取り組んでいて戦闘機と練習機を更新する予定です。
    T-6Cが来年10月から引き渡され、練習機のSF.260とL-39を置き換え。
    現在の戦闘機勢力はF-5Eが12機のみで、後継には F/A-18C(元クウェートの中古)•F-16V•JAS-39•L-39NG が検討されています。
    F-16Vでの更新する可能性が高いらしいですがコスト面で交渉難航中のもよう。

    仮にF-16Vの計画がコストが原因で頓挫しているとしても、中古のF/A-18では維持コストも含め大して安くならない気がしますが…どうなるんでしょう?

    3
      • 名無し
      • 2021年 12月 24日

      西側の新品ローがグリペンかFA50しかない・・・

        • 匿名希望
        • 2021年 12月 24日

        グリペンもローとはいえんし。

        5
    • 新・にわかミリオタ
    • 2021年 12月 24日

    コメント欄の仕様、変わった?

    1
      • 774rr
      • 2021年 12月 24日

      コメント欄で喧嘩する人が目立ってたからやいね。。。
      抑止に繋がるとは思わないけど

      7
        • 新・にわかミリオタ
        • 2021年 12月 24日

        少し残念ですね。

        1
        • F-774
        • 2021年 12月 25日

        ID表示もした方がいいのに

        7
    • 全てF-35B
    • 2021年 12月 24日

    ボーイングは、レガシーホーネットの延命サービスで稼ぐべきじゃないかな。
    これで時間を稼いで、F-15EXやF/A-18E/Fを売り込むか、X-32の廉価版を開発するかしないとね。

    2
      • 匿名希望
      • 2021年 12月 24日

      そして高騰へ

      • 名無し
      • 2021年 12月 25日

      西側拘りでF35アウトな国って一部の途上国くらいだしF15FX買えそうな国はラファール買うよね

        • 全てF-35B
        • 2021年 12月 25日

        クウェートがダメだから、かなり厳しいのでは?

          • F/A-117
          • 2021年 12月 31日

          いっその事モンキーモデルなF/A-18E/Fを作ったらどうなのだろう?
          何でもかんでも最新にアップデート・マルチロール化!でなく、アプデは既搭載機器の必要分だけ、搭載兵装用のアプデは行うけど、新兵装の搭載までは行わない
          みたいな

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 中国関連

    中国、量産中の052DL型駆逐艦が進水間近、055型駆逐艦7番艦が初期作戦能力を…
  2. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
  3. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  4. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
  5. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
PAGE TOP