ウクライナのゼレンスキー大統領は「イスラエルが誰と共に歩むのか決める時期が来ている=防空システムの提供」と呼びかけたが、イスラエルのウクライナ支援に変化が起きるかどうかは「ロシアがシリアでの立場を変更するかどうか」に懸かっている。
参考:What Iran stands to gain from helping Russia in Ukraine
ロシアがイランに何を与え、イスラエルの国益をどれだけ損なうのかに防空システムの提供は懸かっている
米BreakingDefenseは「イスラエルがウクライナに武器を提供してこなかったのはシリア国内の軍事作戦をロシアがある程度容認=駐留軍が妨害を控えてきたため」と指摘しており、イスラエルは「無人機航空機の供給でイランがロシアへの影響力を強めればシリア国内での立場を変更してくるかもしれない」という点に注視しているらしい。

出典:Kremlin.ru
さらにイスラエルが支援するアゼルバイジャンにイランが軍事的圧力を強めていることも気がかかりで、ロシアのメドヴェージェフ元大統領は「もしウクライナに武器を提供すればロシアとの関係はお終いだ」と述べている。
要するにウクライナに防空システムを提供すれば「ロシアはシリアや南コーカサスでの立場を決定的に変更する=イスラエルの安全保障に係わる国への支援を強化する」という意味で、ゼレンスキー大統領が訴えた「存亡の危機に直面する民主主義陣営と肩を並べるのか、ロシアのテロに目を瞑るのか」という主張も十分理解できるが、ロシアがシリア南部での軍事作戦を制限したり、イランの核開発や弾道ミサイル開発を支援するとイスラエルの安全保障に重大な問題を引き起こすのは誰の目にも明らかだ。

出典:IMA Media 演習に登場したShahed-136
イランにとってもロシアがフィードバックする「無人機の実戦データ」は目先の利益に過ぎず、長期的に見ればロシアはイスラエルの国益を損なう決断を求められる可能性が高い。
つまり「ロシアがイランに何を与え、イスラエルの国益をどれだけ損なうのか」という部分の計算が終わらない内に防空システム提供に応じる可能性は低く、ロシアが先に決定的な変化を見せなければイスラエルも動けないのだろう。
関連記事:ロシア元大統領、イスラエルがウクライナに武器を与えれば両国関係はお終い
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※アイキャッチ画像の出典:Alexey Goral / CC BY-SA 3.0
確かにアメリカとか世界各国が武器を提供するのは何かしらのメリットがあるからなのか。イスラエルは高度な防空システムを保持してるのはロシアも知ってるし、どうなることやら。
自由主義陣営の国がガチの侵攻受けているので助けている面はあるだろうし、ロシアの戦力減も期待出来る。ロシア本国相手の様々な戦訓や鹵獲による性能把握や武器のフィードバックとか一応のメリットはある。
イスラエルに関して言うならロシアの対応もそうだが、アメリカ並みに自国兵器を提供する事になれば自国の防衛にすら穴が開きかねない状況なのがね。アイアンドームをタダで提供した結果は自分の所の被害増加ですとか笑えない話。武器を気前よく提供しているのは厄介ごと抱えていないような国ばかりなのにね。
存亡の危機がある国家を救う為に自国や国民への損害を受け入れろとも言っている感じもするのでゼレンスキー大統領の発言はえげつない感じはする。
これだけあちこちの国が連動してる様がちょっとした世界大戦化してるように見えないでもない
日露戦争を第0次世界大戦、と評価する程度の話ではあるけど
これでロシアが核兵器を行使したらいよいよ本格的に世界大戦になっちゃいそうで困る
幸いにして具体的兆候もエスカレートする動きもまだないみたいだけど
こういった政治・軍事的な力関係をわかっていないと、無意味な平和連呼マンになる
平和を叫んでいれば平和になるというものではないのだから
強かにいこう
これで難しいのは、半分敵国(半分は自国のためになる)国があったとして、それらの国々が絡み合った対応をした場合どうなるのか、という事。
対応次第では味方にも敵にもなるから、予測が難しいよね。
応仁の乱みたいに各自がなるべく争いを収めようと努力した結果、余計に悪化した、みたいなことにならないといいけどね。
日本史で1番訳わからん事になった戦争は流石に…
親米→親ソ
親ソ→親米
応仁の乱のように陣営替えをした国はこれまでにたくさんありますからね。
それぞれの国が利害で動けば何でもありなのかもしれません。
そう言う類の争いは、国同士の正規の戦争より身内同士の争いに多い気がする。
左派の内ゲバや仁義なき戦いの広島戦争、ニューヨークマフィアの一家内の派閥抗争etc。
WW2で日本に対してイタリアが戦勝国面をしようとしたけど誰にも相手にされなかったように、まともな国なら寝返っても安く見られるだけの気がする。
イスラエルはウクライナ支援を明確にしたら、もはや敵にしかならないロシアが崩壊する方向へ誘導する覚悟がいる
それはそれで大変な話だ
数日前、ユタでF35が墜落したけど、ここでは取り扱わないのか・・・
スプートニクで見た。
管理人が気になった話題を好きに記事にする個人ブログだからね。
全てのニュースを網羅する義務はないし、そういうメジャーなのは他所で扱ってると思うよ。
ここは一般人が知らなくて、あっと驚く面白い話題を提供してくれるところ。
スホーイやミグの墜落ではロシア軍の弱体化にニュースバリューがあり、たまたま戦闘機が墜落しただけでは面白いニュースにならない。
着陸時の墜落なら、機体欠陥構造の可能性はさほど高くなさそうな。
飛行停止になるくらいでないとニュースバリューは無いな。
イスラエルがウクライナ支援を明確化した所で、ロシアがその報復にシリアで事を起こす余裕なんか無いように見えるけど
どうなんやろうね。
何ならシリアやアフリカに居るワグネルを全部引き上げる必要があるレベルに見えるけど
ウクライナの徹底抗戦を信用しておらず、ウクライナに肩入れした後にこの冬に停戦されてロシアの目がシリアに向かったら?
みたいな事を考慮してるんでしょうかね
この冬停戦は考え辛いけど、西側が戦後処理を誤ってロシアがある程度でも復活されたら、それこそロシアが真性ネオナチになって襲われる可能性もある。
正直、スターリンソ連以降のロシアは犯罪性向が高く、お近付きしたくない国です。
こういう中長期の将来を見通す能力と、冷徹な国益の計算を瞬時に出来る能力を併せ持った人が国のリーダにならなきゃならない。
この30年ばかり日本には現れていないようだが。
有名どころではダイヤモンド構想、TPPなんて、その最たるものだと思いますが。
どっちが勝っても負けてもイランが得をする。
第二次レバノン戦争では、ヒズボラにテルアビブを狙える長射程ロケットを渡して性能を試し、今回はロシア軍に自爆ドローンを渡して性能を試した。
自らの手を汚さずに着々と大量の実戦データを集めて続けている。イスラエルとしては頭痛の種だろう。
ところで、イスラエルといえば「SMASH」なんてロックオン機能付き必中保証の光学サイトがあったな……米軍やオランダ軍もテストしてるし、あれなんか良さげだけど、ウクライナ軍に差し上げられないかなあ。
JSFさんによると供与されているそうだが、1次資料や2次資料を見つけられてない。
数量は如何程か?
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