ハマスの奇襲攻撃によるイスラエル側の死傷者数は3,000人を突破、駐米イスラエル大使はCNNの取材に「これまでハマスが発射したロケット弾は4,000発以上(国防軍公式発表は3,284発)で、これは2年前に発射した数よりも多い」と答えている。
参考:Air Force continues to pound Gaza overnight in bid to ‘devastate’ Hamas capabilities
参考:Israel at war with Hamas after unprecedented attacks
今後も負傷者や死亡者が増えるというのが現地の評価で、2日間の死傷者数が3,000人を超えるというのは異常
ハマスの奇襲攻撃はガザ国境から24kmも離れた22の街や集落に達し、イスラエル国防軍も増援を投入して各拠点の掃討を進めているものの完全な制圧には程遠く、ハマスのアル・カッサム旅団も「ジキム、スファ、メファルシムなどの地域で現在も戦闘が続いており、新たなイスラエル人の人質をガザ地区に連行することに成功した」と主張している。
イスラエル国防軍もハマスの攻撃を止めるためガザ地区内の拠点を空爆しているが、ハマスが発射するロケット弾の数は衰えを見せておらず、8日夜もアシュケロンに「数百発」のロケット弾を撃ち込んで見せた。
モサドのハレヴィ元長官は「24時間以内に発射されたロケット弾の数は3,000発を越えており、これは我々の予想を超える数だ。これほどのロケット弾を敵が持っているとは知らなかったし、これほど効果的であるとも思っていなかった」と述べていたが、駐米イスラエル大使はCNNの取材に「これまでハマスが発射したロケット弾は4,000発以上(国防軍の公式発表は3,284発)で、これは2年前に10日間で発射した数よりも多い」と答えている。
Israeli airstrike in Gaza City roughly 30 minutes ago. pic.twitter.com/UgtoNKsblc
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Large Israeli airstrike with secondary explosions, Gaza pic.twitter.com/xKWzMbJeho
— OSINTtechnical (@Osinttechnical) October 9, 2023
因みにイスラエル保健省は「少なくとも2,315人が負傷して病院で治療を受けた」と、現地の医療関係者も「死亡者数が700人を越えた」と明かしたため死傷者数は3,000人を突破、まだハマスに占拠された集落にどれぐらいの犠牲者がいるのか分かっておらず、キブツ・レム近郊で行われた野外パーティー(音楽フェス)の会場からも「250体以上の遺体が回収された」と報じられているので、今後も負傷者や死亡者が増えるらしい。
追記:イスラエルの弾薬備蓄は十分な量があるものの戦いが長引くと足りなく可能性があるため、米国にアイアン・ドームシステムに必要な物資や砲弾の支援を要請しているらしい。さらにバイデン大統領は米軍備蓄の物資を大統領権限(PDA)経由でイスラエルに送ることを検討しており、この権限の通常枠は「年間1億ドル」に制限されているため「ウクライナ支援のように通常枠を越えた支援」には議会の承認が必要になる。
追記:イスラエル国防軍は「空爆によってハマスの能力を著しく低下させた」と発表した。
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※アイキャッチ画像の出典:Telegram経由 アシュケロンに撃ち込まれるロケット弾の様子