露メディアは22日、与党「統一ロシア」所属のザトゥリン議員が「アルメニア支援のためロシア空挺軍の部隊を派遣する必要ある」と語ったと報じて注目を集めている。
参考:«Не мы резали армян в Баку». В Госдуме рассказали, как помочь Карабаху
世界中がナゴルノ・カラバフ紛争収拾を放り出した状況でロシアはどうする?
統一ロシア所属のコンスタンチン・ザトゥリン議員は露メディアの取材に対して「ナゴルノ・カラバフ紛争に対するロシアの立場を指導者は決断する時が来た」と語り、今回の戦いが単純なアルメニアとアゼルバイジャンによる争いではないとの見解を示した。
ザトゥリン議員の説明によれば今回の戦いは「南コーカサスにおける新しい和平の枠組み構築」が真の狙いで、この新しい秩序の下で何が正義で何が悪なのかを決定するのはトルコだと主張している。さらに「自治権を与えることと引き換えにナゴルノ・カラバフ地域をアゼルバイジャン領と決定したのソ連で、このナゴルノ・カラバフの自治権は誰にも奪う事ができない」と主張、ロシアはソ連の後継国であることを証明しなければならない言っている。
要するにナゴルノ・カラバフ地域の帰属を決定する際、ソ連は同地域の自治権と引き換えにアゼルバイジャン帰属を決定したのに「ナゴルノ・カラバフ自治州」を一方的に廃止してアゼルバイジャン政府による直接統治に切り替えたのが1988年から続くナゴルノ・カラバフ紛争の発端で、ソ連が与えた自治権をナゴルノ・カラバフ地域に保障するのはロシアの責任だと言いたいのだろう。
以上のような理由でロシアの指導者は何らかの決断や行動を起こすべきとザトゥリン議員は主張しており「必要に応じてロシアはエルメニア支援のためロシア空挺軍の部隊を空路を通じて派遣することを検討すべきで、その際に通過することになるジョージアにも十分説明すべきだ」と言っているのだが、彼の主張は個人的なもので与党「統一ロシア」の見解ではない。
さらに与党「統一ロシア」の実質的な党首(表向きの党首はメドヴェージェフ)であるプーチン大統領は、アルメニアが加入する集団安全保障条約機構(CSTO)的にもロシアとアルメニアが結んでいる2ヶ国間の防衛協定的にもナゴルノ・カラバフ地域は防衛義務が生じる範囲外=アルメニア領土ではないという認識を崩しておらず、露メディアの取材に対して「アルメニアは集団安全保障条約機構の加盟国でCSTOは条約の枠組み内で一定の義務を負っているが、今回の軍事作戦がアルメニア領土内で行われていないことを残念に思う」を語っておりロシア軍派遣には否定的だ。
しかしロシアのラブロフ外相は最近、ナゴルノ・カラバフ紛争の人道的停戦を維持・制御するために平和維持軍を派遣することに言及したため「停戦維持」が目的のロシア軍派遣なら可能性は0ではないが、停戦維持が目的のロシア軍派遣をアゼルバイジャン側が了承するとは考えにくいため、ナゴルノ・カラバフ紛争に対するロシアの立場に大きな変更でも無い限りザトゥリン議員が主張しているロシア軍派遣は実現しない可能性が高い。
余談だがナゴルノ・カラバフ紛争の調停機関「ミンスクグループ」を構成する米国は大統領選挙に忙しく、フランスも停戦を呼びかけるだけで大した動きはしていない。さらにNATOも21日ナゴルノ・カラバフ紛争について「中立」を表明してしまったため、事実上世界はナゴルノ・カラバフ紛争の収拾をロシアに放り投げてしまった。
そのロシアもナゴルノ・カラバフ紛争収拾に積極的だとは言えないため、本当に南コーカサスにおける新しい和平の枠組みが構築されてしまうかもしれない。
※アイキャッチ画像の出典:mil.ru / CC BY 4.0 ロシア軍の空挺部隊
とりあえず、アゼルバイジャン兵とアルメニア兵が5分間はトリガーを引かずに我慢できるよう教育するべき。
プーチンが言ったのでなければどうでもいい
ロシアってそんな国
こういうのは大抵は国家元首が国内メディアに言わせたものだよ
つまりプーチンの意向ではあるけど直接言うと角が立つ段階だからマスコミを挟んで伝えた
ロシアみたいな半ば独裁国家だとありがちな事だね
ここまでコケにされたらロシア内部でもそんな声の一つや二つ出てくるよな
ロシア内の西側の極右以上に過激だからなあ
北方領土の問題でも日本を親の仇のように敵意剥き出しの主張しているし
ガチギレしているジョージアが説明ぐらいで納得してロシア軍を通すかよ。頭お花畑だわ。こんなんだからラブロフが未だに外相やんなきゃいけないんだよ。
2008年のジョージア(グルジア)もまさか攻めてくるわけないってたかを括ってロシアを威圧しまくった結果
南オセチア紛争が勃発したんですけどね…
ラブロフってなんでこんな長期在職してるのかと思ってるんだけど具体的に説明してくれー
ロシアは全体的にマトモな政治家不足 すぐに汚職に手を染めて物事が進まない
クリミア併合の時はあまりにもスムーズに動いたためプーチン自身が驚いたレベル
現在でもプーチンは自身の後継者を任せられるほどの人材を見つけられていない
ソ連が冷戦に負けて、エリツィンがロシアを腐らせた後、プーチンは剛腕でロシアを再組織する過程で、ソ連時代の栄光を取り戻すとか言って、ソ連を持ち上げたのよ。
それ以来、戦後体制至上主義の牙城・外務省の権力が強くなったのよ。ラブロフがプーチンを監視しているとまで言われているよ。ちなみにラブロフとメドベージェフは仲がいいよ。
×説明
○威圧・脅迫
無茶苦茶な理屈で草
ロシアなんて大抵の主張が無茶苦茶だよ
ただこの国の場合軍隊でゴリ押しできる国だから恐ろしい
ロシアが本気になったら善戦はするだろうけどトルコでも抑えきれないだろうな
グルジア、シリア、ウクライナと米軍に負けないレベルで実戦経験積んで近代化もしているし
そのレベルで介入してきたら、NATOも動かないといけないし、米大統領選でも利用されまくるだろうから派手には動けんだろうなぁ。
ロシアは東西冷戦期にアメリカに経済で再起不能にされた分軍事は妥協しないんだよね
経済で負けて軍事でも舐められたら負けみたいなヤクザ的思考を持っている
外交においてもその精神が全面に出ていてロシアを侮りすぎた国は大抵酷い目にあっている
トルコはそんな国をどういなすかだな
露土関係は、かつての独ソと同じ道を辿りそう。
敵対→融和→敵対