露ロステックの第5世代戦闘機「Su-75」はアラブ首長国連邦が投資を止めたため資金不足に陥っており、来週に開催されるエアロ・インディアでインドをSu-75の開発に招待すると報じられている。
参考:СМИ: Индии предложат сотрудничество в разработке однодвигательного истребителя Су-75
参考:Russia invites India to jointly develop the Su-57 Checkmate
ロシア製戦闘機がアンタッチャブルなものではないとウクライナで証明され、防空システムを優先するようになるかもしれない
露ロステックが2021年に発表した第5世代戦闘機「Su-75 チェックメイト」はロシア軍の資金ではなく、自社資金とSu-75に関心を示す潜在的な顧客(アラブ首長国連邦、インド、ベトナム、アルゼンチン)からの投資で開発を進めることを予定しており、ボリソフ副首相は当時「Su-75への投資に前向きな国=潜在的な海外の購入国を確保している」と説明していた。
その後の報道でボリソフ副首相が言及していた国はアラブ首長国連邦(UAE)だったと判明したのだが、露ロステックはウクライナ侵攻の影響を受けてSu-75の初飛行を2023年から2024年に延期したためUAEは資金供給を停止(Su-75に投資を行う確率は侵攻前で約50%と考えられていたが現在は10%以下だとUAE側主張)、さらに制裁の影響で西側の技術にもアクセスできなくなったため「新たな資金源の確保」と「代替技術の開発」が必要になり、現時点で2024年にSu-75の初飛行が行われると信じるものは少ない。
この問題を打開するため露ロステックはインドをSu-75開発に招待することを狙っており、来週に開催されるエアロ・インディアで両国の代表団が話し合いを行うと露TASSが報じている。
インドがSu-75の開発に関心を示すかは謎だが、ブルガリアのディフェンスメディアは「ロシア製戦闘機がアンタッチャブルなものではないとウクライナで証明され、この失敗を受けてロシアの潜在的な顧客は防空システムを優先するようになるかもしれない」と指摘しているのが興味深い。
つまり米空軍が保有する圧倒的な航空戦力でも無い限り「高度な防空システムで守られた空域で航空作戦を実施するのは困難」ということがウクライナの戦いを通じて判明、米空軍のブレマー大佐も「現代の航空戦は高価な固定翼機よりも移動可能で生存性の高い地上型防空システムの方が有利だ」と述べており、他国を侵略するつもりがない一般的な国にとって「高度な防空システムを優先するほうが効率的に領空を保護できる=空の接近拒否が成立する」と考えられている。
そのため「戦闘機よりも防空システムへの投資が増えるかもしれない」という意味で、何も証明されていないSu-75に投資しようという国は現れないかもしれない。
関連記事:ロシアの新型戦闘機「チェックメイト」は最初の顧客を獲得済み、推定需要は300機前後
※アイキャッチ画像の出典:Rostec
航空万能論…
しかしウクライナ政府は、MiG-29や、F-16のような戦闘機の供与を各国に切実に求めていて、ウクライナ空軍のMiG-29や、Su-25もロシア軍の攻勢を阻止するために、各地で必死の航空支援を続けているのに、
「高度な防空システムで守られた空域で航空作戦を実施するのは困難」
ということがウクライナの戦いを通じて判明、とか、米空軍のブレマー大佐も
「現代の航空戦は高価な固定翼機よりも移動可能で生存性の高い地上型防空システムの方が有利だ」
とかいうような解釈がでてくるのか?、と非常に不思議に思います。
アメリカ空軍のブレマー大佐は、ウクライナ空軍のMiG-29や、Su-25のパイロットたちが劣勢の中で必死で戦い続けているのは、全部無視ということでしょうか?F-16でも欲しい、という声は全く耳に届かないのでしょうか?
そりゃ戦闘機貰いたいですかって訊かれて貰いたくないっていう軍人いないでしょ
同じ金額を戦闘機に投資するより防空アセットに投資したほうが有益、って話じゃないの
「劣勢」とか「必死の航空支援」という言葉が示している通りではないでしょうか。
ウクライナ側の要求も努力も間違っていないとは思いますが、それと「防空システム側の優位」と言う現状はまた別の話だと思います。
「航空支援の要否」と「航空作戦の難易度」は全く別の問題ではないでしょうか。
防空システムが充分に展開された戦場では、非ステルス機の運用に困難を伴うことは既に証明されているように思います。
軍事費を一定以上確保できる一部の国々を除いては、高価な航空機を調達するにあたって様々な取捨選択が発生するはずですから、少ない軍事費や兵力をより効率的に活用するための「優先順位の明確化」は切実です。
生存性が高く高度な防空システムがあるから決死の航空支援になってるわけで、防空システムがなければジャベリン(携帯対空ミサイル)の届かない高高度から悠々と偵察や攻撃をされてしまうから、優先度をつけるなら防空システムが重要という話だと思われ
>他国を侵略するつもりがない一般的な国にとって「高度な防空システムを優先するほうが効率的に領空を保護できる=空の接近拒否が成立する」と考えられている。
現在少なくないウクライナ領土がロシア軍に支配され防空網を構築されていますので、ウクライナ軍がそこを奪い返すには他国へ侵攻するのと同様の能力が必要であり、それには航空戦力も含まれているため航空機を必要としているのではないでしょうか
おそらく、この話はウクライナの話ではない一般論だと思いますよ
他国を侵略するつもりがなくても防空システムは必要だし戦闘機も必要
でもどちらが効率よく相手の航空戦力を制約できるのかというと防空システムだねという話
アメリカの言う航空作戦ってのは、アメリカがいつもやってる近接航空支援や戦略爆撃などの対地任務のことでしょう
まず地対空ミサイルやレーダーサイトや空軍基地の滑走路や格納庫などの防空施設を破壊
一方的に飛行できる環境を作った後に陸軍を蹂躙する戦い方
ロシアがこんな醜態を晒す前は
ロシア空軍もアメリカに次ぐ能力を保有していて当然のようにこのような戦いをすると思われてたけど
全然できてないからこういう話がでてきている
アメリカが特別なだけで、他国には敵防空網制圧なんて無理なんじゃないかってね
ウクライナに戦闘機を供与しない理由も同じでロシアの防空網破壊は不可能だからです
ロシアもウクライナも敵の地対空ミサイルを破壊できないから
近接航空支援を行えずに榴弾砲やロケット砲などに頼った戦いをしている
戦略爆撃も安く済む航空機からの投下ではなく巡航ミサイルに頼り続けている
戦闘機は花形のように扱われるけど、本当に危険なのは爆撃機や攻撃機で、そっちの侵入を防げるなら防空できてるといえる
ロシアのTu-95やSu-25がウクライナの上空を飛び回ってないのは何故かと考えると地対空ミサイルが役立ってるということになる
イギリスBBCの取材でよくでてくるウクライナ空軍のMiG-29のパイロットで、コールサインが
「ジュース」
というのがいますが、彼の話だと、ロシア空軍の戦闘機、おそらくフランカーの方が性能がよく、機数も多く、ウクライナ空軍のMiG-29は劣勢だが、
「空中ゲリラ戦」
のような形でどうにか対抗していると言います。MiG-31が長距離ミサイルで攻撃してくる話もあります。
ロシア空軍のSu-25も、ときおりウクライナ軍に撃墜されたという話が出ますが、それはロシア空軍のSu-25があちこちの前線を飛び回って、地上作戦を支援しているということに他なりません。
もちろんウクライナ空軍のSu-25が前線を飛び回っているのは動画もたくさんあります。
ナビゲーションシステムが使い物にならなくてスマホとかタブレットをテープで括り付けているような話もあったけど、その辺はロシア側は解決できたのですかねえ?
ウクライナという戦場では、非ステルス戦闘機が現代戦では使えないことを証明した。
電子戦能力によりある程度対抗できる可能性はあるものの、正直、電子戦とは実戦でその時やってみないと判らない大博打だと思う。
未だ改修前ではあるが日本のF15JSIも延命策でしかないと割り切り、最終的に日英伊GCAPへの更新を検討すべきだろう。
いやステルス機vs非ステルス機の戦闘とか、ステルス爆撃機による攻撃が発生していないので何の証明にもなっていないでしょう。
それにステルス機の効能は、生存性の高さなんですからまったく無価値だと言うこともあり得ません。
零か100かという性質のものではありません。コストとその生存性の向上分が見合うかどうかは検討する必要はあるでしょうが。
(ロステックが意識していたであろう)KF-21の開発体制でパートナー国を担ったインドネシアは本国での一定の戦闘機需要を持つ国だったのに対して、UAEや他の湾岸諸国がこの手の兵器プログラムに積極的なのは産業育成のニュアンスも強いように見えます。自国ではそんなに購入しないけど、技術を引っ張ってきて国産化したうえで売ることで将来の国家財政を支えようという政策はサウジのサルマン皇子なんかは公言して止まないです。UAEの場合は宇宙関連では本当にこれを成功させているので一概に悪しざまに出来ないですが、ロシアの戦闘機の顧客を将来的に削り取っていく試みだったものが(露製兵器)市場そのものが急速に縮小していると見て手を引くのは経営的な敏さを感じさせる判断ですね。他方、ロシアの兵器産業はソ連時代のレガシー技術を今でも保有していて、商業的価値抜きにそれらを欲しいと思っている国も多いでしょう。インドはその筋でしょうし、果たしてどうなるのか。
海域戦では航空戦力が有効。
ウクライナは特殊。
うーん。それは逆かな。
過去に洋上航空戦が展開されたのは太平洋戦争位だし、現代でも惹起する可能性があるのは日本周辺や台湾位でしょう。
欧州でも中東でもワンサイドゲームは別にして、防空能力が拮抗した状況下ではウクライナ同様になるのでは?
コメ主が言ってるのは空母機動部隊同士による洋上航空戦ではなくそれこそ日本や台湾で起こる陸上運用の航空機による海域防衛戦では。
どちらが特殊かは意見の分かれるところでしょうけど。
>ロシアの潜在的な顧客は防空システムを優先するようになるかもしれない
アラブ首長国連邦(UAE)は防空システムとしてパトリオットとTHAADを導入していたがフーシ派による弾道ミサイルおよび無人機・ドローンの攻撃で2層の防衛シールドが突破されてしまったことを問題視。当初はロシアからS-400導入を考えていたようだがアメリカによる対ロシア制裁(シリア問題などウクライナ侵攻前の問題)から基礎技術が同じ韓国のKM-SAM/BlockⅡ(終末段階で弾道ミサイルの下層攻撃担当するパトリオット<PAC-3>と同等の性能があるとされている)を導入している。
ウクライナでの戦訓やフーシ派の脅威に備えるのであればUAEが韓国と追加調達を結んでもおかしくはないでしょう。
>戦闘機よりも防空システムへの投資が増えるかもしれない
むかしっから云われてるけど戦闘機より撃ち落とすミサイルの方が安上がりだからね
対空ミサイルの性能が上がったせいで戦闘ヘリも活躍の場がなくなりそう、日本は全廃決定。
しかし、島嶼奪還では戦闘ヘリの支援は欲しいような気が・・・。全部ミサイルとドローンで置き換えるんだろうか。
Su-75の開発は、制裁の影響で技術面と資金面で追い詰められ、
UEAが投資を止めたため、チェックメイトがかかったという事ですね。
イーストアングリア大学がロシアの戦闘機に投資してたのか
言っても軽戦闘機だから使い勝手がなぁ…。
ステルス性能を捨ててF-35のビーストモードでもきちっと戦闘して生存性がある機体ならまだしも、それが期待できない機体では手を引くわな。
ウクライナの防空部隊が善戦出来てるのは黒海やポーランド上空を遊弋するNATOのAWACSから情報貰って自前のレーダー使わないので居場所がバレず活動できるって部分が大きいだろうから他の国では同じ状況の再現は困難だと思うな。
仮にウクライナが自力のみで防空戦闘やるはめになってたらとっくに防空部隊は壊滅してロシア空軍に好き放題爆撃されてた可能性が高い。
その辺を無視して対空兵器万能論みたいなものに嵌ると失敗すると思うな。
記事ではロシアはUAEに逃げられたからインドにアプローチしてるとありますが、
先日インド空軍のSU-30が来日してましたよね。
空自と模擬ドッグファイトはやってるでしょうけど結果はどうだったんでしょうね?
その結果によってロシア製の戦闘機の本当の実力が分かるでしょうから今回の来日は外交的なものではなく結構インド側も真剣にデータ取りに実務要件で来てたのかも。特にF35とじゃれ合ってみたいでしょうから。
当然F35とやりあって負けてるでしょうけど、実力差があり過ぎてとてもF35ぐらいの実力の飛行機をロシアがSU75で作れると思えないとなれば蹴るんでしょうね。
ブレマー大佐の主張は単純に、ステルス性の高い作戦機でないと地対空防衛力の高いエリアに侵攻するのは困難だということなのでは。一般論としても、現在はステルス機でなければ地対空ミサイルシステムのほうが優位な状況だという意味かと。
ウクライナ空軍の機材では(F-16等第4+世代機を提供したとしても)、ロシア軍の地対空防衛力は質量とも脅威度が高く、無力化ないしそれに近い排除は非現実的なのでしょう。同様のことはロシア空軍側にも言える状況なのかと。
ということで、Su-75が将来において有用な戦闘機か否かはそのステルス性能如何によるのかと。勿論、F-16が十分に活躍できる戦場環境ならば一定の優位性を発揮できると思いますが、現時点では評価が微妙な機体ですかね。
第4世代機がステルス機に置き換わるか、ドローンの飽和攻撃みたいな別の打開策が広まるまでは防空網の充実が多くの国にとって有効な手段なんだろうけど、中国がステルス機を拡充してる以上、日本は対ステルスもやらなきゃならんのが辛い。
初出の時はきらめいて見えたのに、、、
Mig-1.44「ようこそ倉庫へ^^」
AWACSや衛星による緻密な探知,偵察とドローン,ミサイルの組み合わせが最も経済的に思う。