米欧州陸軍のベン・ホッジス元司令官は「ロシアの敗戦や政変ではなくロシア連邦自体の崩壊に備えるべきだ」と主張しており、2度目の準備不足だけは「絶対に許されない」と訴えている。
参考:Prepare for Russia itself to disintegrate
何の準備もなく核兵器を保有した国が崩壊して大規模な内戦に発展すれば世界は大惨事に直面する
米欧州陸軍のベン・ホッジス元司令官はウクライナとロシアの戦争について「米国はロシアの非帝国化を考慮すべきだ」と主張して注目を集めたが、最近Telegraph紙に寄稿した記事の中で「ウクライナで惨敗を喫したロシアは連邦自体の崩壊に直面している。世界中の国はロシアの敗戦や政変ではなくロシア連邦自体の崩壊に備えるべきで、30年前のソ連崩壊時は準備不足でプーチンのような独裁者の台頭に繋がったが、2度目の準備不足は絶対に許されない」と述べている。
ウクライナ軍の反撃でハルキウ州を瞬く間に失ったロシア軍の姿に世界中は衝撃を受けたが、米欧州陸軍のベン・ホッジス元司令官は「クレムリンが信じていた軍事力に対する自信は崩れ去り、プーチン政権だけでなく120以上の民族で構成されたロシア連邦自体の終わりの始まりを目撃している可能性が高い」と主張し、連邦崩壊の要因は少なくとも3つあるらしい。
1つ目はクレムリンの正当性を担保していた軍事力に対する信頼性の失墜で、格下と考えていたウクライナ軍相手に逃げ出すロシア陸軍の姿や、まともな海上戦力を保たない相手に誇り高き黒海艦隊が根拠地から逃げ出しクリミアの背後に隠れ潜む姿はプーチン政権だけでなく国民にとっても衝撃的で、軍の給与に魅せられていたロシア人男性も戦場での運命を知ると軍で働くことを忌み嫌うようになり、ロシアは都市部ではなく辺境地や刑務所でしか大砲の餌として働く人間を見つけられないほど追い込まれている。
この状況でチェチェン共和国の過激派が再び独立を叫んで立ち上がれば、これを鎮圧するための人的資源をロシアは見つけ出すことが難しく、ホッジス元司令官は「もしチェチェンの蜂起を抑え込むことに失敗して独立を許せば、民族自決を叫ぶ反乱の波が押し寄せるだろうとプーチンは危惧している」と述べており、自身の権威を毀損しない形でウクライナ侵攻を手仕舞いする方法が見つからないロシアの現状は実に破滅的だ。
2つ目はウクライナ侵攻で被った経済的なダメージが取り返しのつかないレベルに達している点で、脅しに使用したロシア産エネルギー資源からの脱却も進んでいるため、仮に侵略を中止してもロシアの政治体制が変わらない限り資源を換金する方法は見つからず、海外輸出に頼っていた防衛産業も「いずれ取引が再開するだろう」という希望の下で持ちこたえているが、国際的な批判と西側諸国の制裁を受ける可能性が高いロシア製装備を誰が進んで購入するだろうか?
3つ目は国土の広さに対する人口の少なさで、英国の約70倍に匹敵する広大な領土に1億4,400万人(英国の約2倍)の人口しか住んでいない=人口が集中する都市が広大な国土に点在するため国民間の連帯感が元々希薄で、経済的な問題で都市部が弱体化している現在は国家としてのアイデンティティも急速に失われる可能性があるらしい。
つまり西側諸国の制裁は大都市部に住むエリート層を経済的な窮地に追い込み、この余波は都市に住む中流階級も影響を及ぼすためクレムリンは救済に動く必要があり、犠牲を強いられるのは連邦を構成する少数民族だけ=地方に不満が蓄積して国民間の連帯感が加速度的に失われていくだろうという意味だ。
以上の3要素が同時進行でロシア連邦を崩壊に向かわせており、何の準備もなく核兵器を保有した国が崩壊して大規模な内戦に発展すれば世界は大惨事に直面する可能性が高く、30年前のソ連崩壊時は準備不足でプーチンのような独裁者の台頭に繋がったが「2度目の準備不足は絶対に許されない」とホッジス元司令官は主張しており、世界中の国はロシアの敗戦や政変ではなくロシア連邦自体の崩壊に備えるため議論を行うべきだと訴えている。
関連記事:米欧州陸軍のホッジス元司令官、米国はロシアの非帝国化を目指すべき
※アイキャッチ画像の出典:Kremlin.ru/CC BY 4.0
ロシアが崩壊すると、周辺国や国際情勢に様々な影響があるでしょうね。
周辺国の分離独立や核拡散、資源・食糧事情の変動などは前回と同じですが、
今回は「中国の介入」という予想困難かつ制御困難な要素が入ってくることが
問題をさらにややこしくしそうです。
西側諸国が後れを取ることは次の独裁者の台頭や中国の勢力拡大を招く可能性が高いので
今度こそは、積極的に介入していくことを願います。
中華がモンゴル帝国の旧領を取り戻すでしょう。
極東ロシア独立により、中国が影響力を伸ばした場合、
中国は本物の北極圏になり、北極圏争奪戦に本格参入するかもね。
ドサマギで他国に蹂躙されてはかなわないので“我が国領土”を守るため自衛隊を差し向ける必要があると思います😀
シベリア出兵の轍を踏まないといいな。
必ず大義名分の下で私利私欲を出す愚か者が出ることを忘れずに
不法占拠されてる領土への治安出動するだけですから、法的根拠のすらクリアしてるので
あとは国民の後押し+政治の決断だけなんですよね
準備不足というが、それは、結果を知っている今だから言えること。
おそらく、その当時の人々は、できる限りのやるべきことをしたはず。
例えば、ウクライナ侵攻となった要因の一つに「ウクライナが核を放棄したこと」が挙げられていたが、では、「ウクライナは核を持ち続ける」に賛成する国はいただろうか。
その当時の当事者以外が、「準備不足」などというのは傲慢だと思う。
ウクライナの核は自分の責任でしっかり維持し続けられるかの話でもあるので賛成も何も現実的な選択をしたで終わらないか。
核戦力維持の為には多額の予算が必要でひょっとすると他国に売っちゃいそうな国に維持させるかね。
ウクライナに配備されていたICBMはモスクワを狙うには射程が長すぎるのだが・・・
諸条件を無視して保持していたとしてもロシアに対する抑止としては不適当かと。
「傲慢」という強い言葉を使うのであればもうちょっと調べてから発言しては如何か。
言われることも尤もだとおもいますが、元司令官の発言の主旨は過去の批判ではなく現在への警鐘にあるように思えます。これを傲慢と感情的に捉えるて、当事者以外は何も言うなとなると、過去を批判的に捉えて今後に活かすことが難しくならのでは無いでしょうか。ロシアの今後についてこのような視野の広さでリスクを指摘したことは意義のあることだと思います。
ロシアの核管理がいい加減だろうって言われるが、実のところそれはない
90年代の経済ボロボロの時期でも欧米を壊滅させられる戦略核だけは最優先で維持していた(当然通常兵器はボロボロ)
ブッシュ政権時にMD構想が挙げられた時も、飛翔後半での多弾頭化実験を成功させてさっさと無力化を示したくらい
逆に言えば今回のようなケースで連邦が分裂するなんてケースに核兵器は役に立たんから何が起こるかわからん
ロシアの核管理がかなり厳しい状態にあるのは、その予算からも明らかです。
ロシアの核兵器1発あたりの維持・管理費は中国の20分の1しかありません。
リンク
たしかに、中国は新規の核兵器を増産している事情もありますが、
ロシアが核兵器の製造管理にほとんど予算をかけていないのは、他の国と比較しても明らかな事実なのです。
そして費やした予算が100%目的のために使用されていないのも、今回の戦争で明らかになりましたよね。
ソ連崩壊後、無人になった地方の研究所の片隅に放置された放射性物質を、専門チームが回収するレポートをテレビで見た記憶があります。
同様の核物質が各所にあり、核兵器は無理だがダーティボムは生産が可能として、テロリストや第三国に渡る可能性が危惧されるとのことでした。
・・・どこまでが真実かはわかりませんけどね。
まあソ連時代のような隠蔽された軍事研究都市は(多分)無くなったので、たとえ今回ロシアが崩壊したとしても、このようなケースはほとんど発生しないとは思います。
ただソ連崩壊時には中国やイラン、北朝鮮に核を始め兵器開発の専門家が引き抜かれていったのは事実であり、崩壊国家からの頭脳流出は警戒すべきかと思われます。
頭脳では無いですが韓国がソ連崩壊のドサマギでイスカンデルを入手、玄武2ミサイルの開発ベースになったとも言われていますしね。
兵器開発に要する莫大な資金と時間を考えたら引き抜きや賄賂に使う金なんて極小ですから、いまでも機会があれば狙っている国は多数あると思います。
それらを警戒する必要は十分にあると思います。
ロシア連邦崩壊は二度目のチャンス。
日本政府は賠償金もセットで領土を取り戻すことを念頭に準備してくださいよ。
極東に親日国家を樹立させますかw?
大陸に関わるのは、もうコリゴリです•••。負担ばかりです良いこと殆ど無いべ。
賠償金とか取れないだろうし、賠償金代わりに樺太などをいただいて
緩衝地帯として、シベリア共和国建国の支援をするのが良いですね
みんな景気のいい話をしてますが、世界1位の核保有国で内戦という所の方を注目した方がいいと思います。
前にも何度か書きましたが、プーチンの首が飛べば良くてより強硬派の政権、悪くて核撃ちあいの内戦です。
運よく撃ち合いが起きなくても、分裂して貧乏な小国が領内のICBMやIRBMをどう扱うか。
領土奪還もやりたいところですが、ここで出した欲(日本からすれば当然の権利だが、敢えてこう書く)が混乱の渦中にある核保有国家群にどう影響するか計り知れない。
本当にリソースを割くなら更なるミサイル防衛と世界的な枠組みでの食料確保に費やすべきだと思います。
先行きが暗いロシア兵器輸出の項で「チェックメイト」の画像を引用する管理人さんの切れ味…(笑)
連邦解体後の核拡散については、絶対に防がなければならない。核兵器の配備先についてはNATOでおおむね把握しているでしょうから、移動の監視を徹底出来ればいいのですが。後は核関連技術者たちをペーパークリップ作戦よろしく抱え込むことも必要でしょう。
しかし、内戦?での核使用のリスクはどんなものなんでしょうね。あんまり使う動機無いような。
ロシアという国がチェックメイトってかww
やはりロシアの要求してたのをそのまま適用して、
ロシアの非武装化+中立化するのが現実的ですね、後ろ盾は主な大国
それと、ロシアが侵略して奪った領土は無条件返還すれば周辺国も侵略する大義名分なくなるし
まだ、ウクライナとロシアの戦争は終わってないし、予断を許さないと思うけれど、そういう段階でロシア連邦の崩壊を想定して準備しろと? もっとも、たとえ戦争が終わってなくても、ロシアの敗北が濃厚になった時点で、いろいろ動き出すだろうけれどね。東部戦線の潰走が“ミッドウェー海戦”なら“マリアナ沖海戦”は何になるんだろう? ドンパスの喪失かクリミアの喪失か?
連邦が崩壊して、ロシア国内が大混乱に陥ったら、できれば北方領土を奪還してもらいたいと思うが、やらんのだろうな。このチャンスに取り返せなければ、永遠に無理じゃないかなと思う。
「戦争で失った領土を外交的手段で取り戻すことは困難だ」とは誰が言ったんだっけ? クラウゼヴィッツだったかな?
アメリカと相談して、賛同・協力が得られるならやっちゃえばいいのに。というか、そんな事態になったら、中国はおとなしくしていないだろうね。たとえば、ウラジオストクやハバロフスクを奪うとか。
今回の大敗こそマリアナ沖海戦に相当しそうな気はします。西側がバックにいるウクライナと制裁に苦しむロシアの軍事的リソースの差が如実に現れてしまった。ドンパスやクリミアは沖縄戦くらいかと。
北方領土は取り返せるならそうした方が良いんでしょうけど、根室•釧路の時点で相当な過疎化に悩んでいる今、憲法的•国際感情的なリスクを負ってまで自衛隊を出してまで奪還したいかと言ったら疑問があります。根室海峡の施政権は抑えたいですが。
とはいえ「戦争で失った領土を外交的手段で取り戻すことは困難だ」ですから覚悟は決めないとならないんでしょうね。
個人的に思うところはあれど、なんだかんだでロシア連邦が解体してほしくはないんだが、プーチン大統領ロシア連邦を滅ぼそうとする意志は強く固いようだ
なぜそんなに民族の命運をかけた博打をやりたがる
なぜそんなに滅び急ぐ
あんな異常なプーチンのロシア連邦は、核大国
感情で後先考えずに核使用恫喝する国に、核を持たせておくことは出来ない
もたせてるだけで、世界滅亡の危機が続くから、ロシア解体+核武装解除は全世界の目標になってる
あの中国ですら自国の影響力を増やしたいと行動してても、核戦争で滅びたいなんてまったく思ってないから
ロシアはそのラインを超えてしまってる
解体の上で武装解除できればいいのだが、その前にBPSテトリスのタイトル画面のように自壊しかねない
メルトダウンするよりは、まず制御棒入れて冷温停止まで妥協しても良いと思う
ロシアの弱体化自体は歓迎できるニュースだけど、ロシアの軍事プレゼンスの弱体化で今起きてるアルメニアアゼルバイジャンでの紛争みたいなのが中東アフリカとかでも起きかねないわけで、そこからくる経済的打撃や情勢不安を西側がコントロールしていけるのかという点が怖いな
僅か30年で2度も崩壊する間抜けな国がかつてあっただろうか?!
ソ連が成立から崩壊まで70年。
後継のロシア連邦が30年で崩壊の危機って半減してる。
これで崩壊しようものなら、次のロシアは何年保つかな?
ドイツ帝国~ナチス・ドイツは27年でしたね。
体制崩壊による政治的権威・正統性の空白から、輸入物の脆弱な自由主義を経て、民族主義的で旧領奪還・侵略指向で没倫理的な段を選ばない強権独裁、まあそっくりです。
実際どういう壊れ方するんでしょうね。突然全てのロシア人が失踪したりヒャッハー団が支配する世界になったりはしないでしょうし、概ね90年代と似たような状態になるのかなあという気はしますが。
とはいえソ連崩壊は経済計画の行き詰まりが根底にあり、その上で政治的な統一性の欠如が後からついてきたんですよね。今のロシアも経済見通しは明るくはないですが、債務不履行に陥ってるとかルーブリがハイパーインフレして紙くずになってるって訳ではないんですよね。政治的に不安定化したロシアの経済見通しとか誰も予想できないでしょうし、何がどうなるやら…
帝国主義の頃なら列強各国で分割統治すれば良かったんだけどねぇ
今のロシア経済は「鉱物資源権益を抑えて有り余る金を持つオルガリヒやシロヴィキ」「欧州最貧国レベルの混乱期のウクライナ並みかそれ以下でしかない大半」という二重構造になっているのは、州別GDPなどの統計でも、白物家電を略奪するロシア兵からも、様々な形で裏付けられていましたしね……
ただそれがはっきり分割されているのは戦後賠償においてメリットはあり、旧支配層の権益を没収して国際管理団体に管理させ、その団体から賠償金をウクライナに渡せば、庶民生活を脅かさない(WW1後のワイマール状態にはなりにくい)賠償スキームができるのではないかと期待しています。
もしそうなればウラジオストク周辺は国境が目と鼻の先の中国に実質支配されるだろうね
日本海に中国が初の軍港を持つことになり日本は圧倒的驚異に晒される
採られる前に北朝鮮に譲り渡すのはありですかねえ?
現代のシベリア出兵?広大すぎて介入しても上手くいく気がしません。それに中国を無視するわけにもいかないでしょうが参加させるとアイグン条約以前の版図の回復を企図しそう。
ロシア崩壊したら、北方領土で住民投票して日本に編集させれば良くない?
帰属を住民投票で決めようとなった途端、あっという間に北方領土に中国系ロシア人が溢れそう。
ロシアがウクライナでギリギリまで戦って負けたとすると、軍事力も威信も使い果たしてロシアの崩壊が現実になります。
総動員をしないのも、総動員をして負けたら今度こそ言い訳できないからでしょう。今ならまだ「本気じゃなかったし、戦争じゃないから負けじゃない」と言える。
引き際を探るタイミングに来ていると思うのですよね。
引き際を決められるのはプーチンしか居ないが、引けば自身と一族が物理的に終わる
ロシアから引かせるのであれば、何処かが亡命と安全を保障でもしなければ無理なのでは?
モスクワ大公国から出直せや
モスクワ大公国以外の領土は地元民族が独立な
今回の戦争はソ連崩壊 最終章の本当の始まりと指摘する人がいたけど、この敗走でその見方が現実的になってきたのをひしひし感じる
ロシアの次期指導者「全ての国民が平等な、パラダイスみてえな国をつくりてえ」
中国より先にロシア崩壊が現実味を帯びてくるとは
まだ、決まったわけではないが確実に混沌としそうだな。民族自決がいくつも起てばそこらじゅうで独立の嵐…かも知れんな。
ホント歴史を目の当たりにしてる。
ウラジオストクとかあの辺り、中国が指咥えて黙って見てるわけがない。何かしら企ててそう。
ここ数日のウクライナの大躍進を背景に、
ロシアの威を借るハンガリーのオルバン政権の足元にも火が付き始めました。
今日のガーデァンの紙面から。
リンク
ハンガリーはもはや完全な民主主義国家ではない、欧州議会が指摘
ハンガリーの立地からして完全にロシア側に行ってしまったらそれはそれで問題ですが、
ベラルーシの従兄弟みたいなオルバン政権がEUの仲間に居座っているのも
かなり問題ありだと思います。