米欧州陸軍のベン・ホッジス元司令官は4日、ウクライナとロシアの戦争について「米国は今回の戦争目的に『ロシアの非帝国化』を含めるべきだ」と主張して注目を集めている。
参考:Ben Hodges
参考:Former US Ambassador to NATO Kurt Volker: Russia’s imperialist wars “did not start” in Ukraine, it “happened in Georgia”
非帝国化という言葉が非ナチ化の対抗馬として浮上すれば中々興味深いことになるのは間違いない
米国の外交・安全保障分野における第一人者で元NATO米国大使のカート・フォルカー氏は4日、帝国主義に基づいたロシアの侵略はウクライナで始まったのではなく「2008年にジョージア(旧グルジア)で始まった」と主張し、この2つの侵略行為は別々の作戦ではなく「大きな作戦」の構成要素に過ぎず、今だにロシア軍がジョージアに駐留して不当に境界の移動を試み続けていることを忘れてはならないと警告した。
現在もジョージアの20%は占領され続けております。さらに、その被占領地は「動く境界線」「這う境界線」と呼ばれており、徐々にジョージアがコントロールする領土に食い込み広がってきております。それは日常生活を脅かします。
また、被占領地における人権侵害も後を絶ちません。 pic.twitter.com/ockP9RI72J
— 駐日ジョージア大使 ティムラズ・レジャバ (@TeimurazLezhava) August 7, 2022
駐日ジョージア大使も日本メディアの番組に出演した際「ロシア軍が一方に設置した有刺鉄線が南オセチア・アブハジアとジョージアの境界になっているが、この境界はじわじわとジョージア側に侵食してくるため『這う国境』と呼ばれている」と述べており、ロシアは「ジョージアがウィルスをばら撒こうしている」と言ったような偽情報で南オセチア・アブハジアに対する保護を正当化=ウクライナのドンバス地域でやっていることと大差がない。
もしウクライナとの戦争が終結して現体制のロシアが存続すればジョージアに再侵略を開始しても不思議ではなく、米欧州陸軍のベン・ホッジス元司令官も「米国は今回の戦争目的に『ロシアの非帝国化』を含めるべきだ。我々はロシアの終わりの始まりを目撃しておりこれに備える必要がある。我々はソ連崩壊に備えていなかった」と主張したため注目を集めている。
I think that US war-aims for this conflict should include “de-imperialization” of Russia. It seems to me that we are seeing the beginning of the end of the Russian Federation as it looks today. We need to be prepared for this…we were not prepared for the end of the USSR. https://t.co/tXpx6m3KmU
— Ben Hodges (@general_ben) September 4, 2022
恐らく「弱ったロシアを武力で非帝国化すべきだ」という意味ではなく、ウクライナとの戦争で再びロシアが崩壊する可能性に備え「権威主義の解体=非帝国化して民主主義国家に生まれ変わらせるための準備が必要だ」という趣旨だと思うが、クレムリンの住人にとっては衝撃な主張で到底受け入れられないだろう。
勿論、ロシア国民も民主化を望んでいるのかも不明なので何とも言えないが、非帝国化という言葉が非ナチ化の対抗馬として浮上すれば中々興味深いことになるのは間違いない。
関連記事:ウクライナ軍、ロシアとの戦いにジョージア元国防相も参加したと公表
※アイキャッチ画像の出典:Kremlin.ru/CC BY 4.0
いきなり革命かなんかで国が倒れられても困るしな
それこそ周辺国にどんな悪影響を及ぼすか予測もできないわ
上層部とオリガルヒだけすげ変わってもらって西側に組み込めればハッピーハッピーなんやけどな
理想としては非核化と分離独立でバラバラにする事やな。Hoi4でよくやってるw
> 帝国主義に基づいたロシアの侵略はウクライナで始まったのではなく「2008年にジョージア(旧グルジア)で始まった」
結局そういうことなんですよねえ。
ゴルバチョフ氏の死去が話題になりましたが、ソ連崩壊後の余波というか反動がずっと続いていて、さらにそれが燃え上がったのが今回のウクライナ侵略なのかなあと。
興味深い主張で、こういうことも記事で取り上げていただけるのはありがたいです。何と言うか、人間社会が自らどのような選択をしてどのような方向へ進むのか、時代から問いを投げかけられているようにすら感じられます。
以前ある識者が「ソ連共産党は解散されたがKGBは形を変え残っている。ソ連はまだ半分しか解体されてないのだ」と言っていたのを思い出します。
ソ連の権威主義的体制の2大柱だったうちの片方が名前を変え残っているし、そのOBが政権内にインナーサークルを築いたりオリガルヒとして富と影響力を保持している。ですからロシアの民主化や軟化というのは近いうちには達成される可能性は相当低いように感じてしまいます。
社会主義時代の教育を受けた年代が居なくなってから民主化の機運が高まってくるのではないでしょうか。
非帝国化とは、またクリティカルな言葉ですな。
ロシアの問題点は、帝国を経営する時代でもないしその能力も甲斐性もない癖に帝国を作りたがるし、その権利があると思い込んでいるところ。
これは指導者層だけでなく、一般国民も広くそういう認識なんでしょう。
その思い込みは歴史的には汎スラヴ主義によって、国際政治システム的には対ナチ戦の功労者としての安保理常任理事国特権によって担保されている。(つくづく思うけど、汎◯◯主義ってことごとくロクでもないな)
ロシア人自身の認知を変えることは正直無理くさいので、せめて国際社会での扱いを変えることで分からせるしかないのでは。
具体的に言うと、イギリスがちょろっと仄めかしていたがロシアの国連常任理事国からの解任。
あとは、ウクライナ戦争の結果としてのロシア軍弱体化。
極めて困難ではありましょうが。
バイデンやトランプならいつものアレかなって思うけど米軍人がここまでハッキリ物を言うのって珍しいな
ロシアが非帝国化したら、そのまま中国の圧力になりそうだから、そっちの面でも得だよね
帝国という言葉にはいろんな定義がありますが、この場合は「複数の人種・宗教・言語のグループが住まう広大な領域を一つの集団が宗教・政治・経済・軍事などを操り単一国家として統治する」国家のことだと思います。この定義に当てはめればソ連は帝国でしたし、ロシアは21世紀現在において地球上で最大の帝国です。(ただし少数派の異民族集団を内包するという定義だけで言えば日本含め殆どの国が帝国になってしまうのですが
第二次世界大戦後にアメリカ単一覇権のもとで段階的に形勢された国際秩序によれば、目的の正当性に関わらず武力行使や先制攻撃は許されないことです。しかしながら、米国を中心とした国際社会が過去に何度かやっているように「国際社会の名のもとに」先制的に武力行使をする状況はあります。これは、武力行使の対象になる国の国家体制や国是が国際社会の平和共存と全く相容れないことが明らかであり、将来に近隣国への武力行使をすることが明白な場合です。
ロシアを驚愕させたイラク侵攻やNATOのユーゴスラビア空爆はまさにこの事例でしたし、今後ロシアが旧ソ連圏や帝政ロシア時代のテリトリーに支配権を主張して攻め込んでいくのなら、もはやロシアと国際社会の共存は不可能であるとみなして軍事・非軍事手段問わずにロシアの崩壊を促すような方向に世界の流れが変わっていく可能性はあると思います。
少なくとも南オセチア紛争に関しては、ジョージアが先制攻撃した結果、現在の様な状態になってしまったイメージしかないんだが…
非帝国化という単語の意味がよく分からないが、少なくとも現在のプーチン政権の崩壊を含んでいるのは確定だよな。
ロシア軍をウクライナから追い出しただけでは、プーチン政権は倒れるかもしれないが、WW1後のワイマール共和国のように背後からの一刺し論みたいな主張があぶれてより攻撃的な政権が生まれそう。
非ナチ化の方が露助には伝わりやすいと思うけどな
非帝国化だとロシアの再興を阻止する陰謀だとか被害妄想炸裂しそうだし
これは、ウクライナでの戦争の後には、
今度は、ジョージアでの戦争があると言うことでしょうか。
コーカサスは、バルカンと同じかそれ以上に複雑な場所ですよね。
宗教・言語・人種が入り混じっていますから。
レジャバ大使の指摘は事実で、ロシア軍の占領地区内や暫定境界付近の村々が少しずつ”消滅して”いるようです。その様子を衛星写真で何度か見ていますが、地上で何が起こっているのかは判りません。
ロシア人から帝国主義という柱を抜いたら普通に国土分裂するでしょうね。それこそ親米国家をどこかに作って均衡させるのかも知れませんが、アメリカがその戦後負担に耐えられるとはアフガンやイラクを見ると疑問です
なるべく公正透明な選挙制度を導入して穏便かつ理想的に民主化しても、結局、反米反NATO政権になるんじゃないですかね。
ロシア語と英語のSNSを読んでいると、ロシア側のプロパガンダを認識している人達ですら、反米感情は根深いですし。
「非帝国化」とは第二次世界大戦まで続いた帝国主義との決別という意味でしょうね。
中華人民共和国も帝国主義を復活させようとしていますから、そう言う意味ではロシア、中国へのメッセージとして妥当だと思います。
リンク
非(第三)帝国化
ロシアの非帝国化に相当するのはアメリカのドル支配からの解放だろう。
どちらも先の戦争で獲得した権益を手放すことはない。
より現実的な考えとしてはアメリカと西欧の安全保障を分離することロシアとロシア周辺の国々の
安全保障を分離することであるが、ロシアのウクライナに対する軍事進攻はそれが未だにできていない証拠である。
もしアメリカと西欧の安全保障が分離されていたら戦後の中東での武力紛争は防げたはずだ。
ユーゴ紛争は今回の軍事紛争に良く似た民族紛争である。
トランプがアメリカ大統領になって中東情勢が変化した。
シリア内戦に参加した英仏の傭兵がロシア軍と直接対峙して孤立していった。
中東で英仏が戦後初めて軍事的に敗北した。
今ウクライナでは逆にロシアが孤立化しつつある。
プーチンはトランプとは異なる、ウクライナがどうのこうのロシアがどうのこうのはこれからの軍事決戦で決まる。
北の人民軍がウクライナのロシア軍に協力するという。
北の人民軍がウクライナのロシア軍に協力すればロシアから北に金と食糧と軍事兵器が流れていく。
北では金日成一族の血族支配が今も続いている。
もしロシアから北に金と食糧と軍事兵器が北の人民軍に直接流れるのであれば北に新しい政治勢力が生まれる。
それは北に政治変動をもたらし中国東北の中国軍にも政治変動をそしてロシア東部にも政治変動をもたらす。
ロシア東部は非ロシア化に進むだろう。
それが自然な形である。
ウクライナで何がこれから起こるかは分からんね。
最貧国の北朝鮮に戦争中のロシアの財力がある程度わたっても言われるような変化を起こすことは無いと思いますよ
ロシア国民のほとんどが今のロシア体制を望んでるので、
非帝国化はロシア国民が受け入れないでしょうね
19世紀~20世紀初頭なら列強各国で弱体化ロシアを切り刻んで分割植民地化も出来たけど
今は民族自決の原則のお陰でモスクワを打倒してしまうと、力の空白地帯が生まれて戦国時代に突入、結局その瓦礫の中から第二のプーチンのようなカリスマを産み出してしまう繰り返しにしか思えん。