米ワシントンで開幕した米陸軍協会の年次総会・展示会(AUSA Annual Meeting and Exposition)には80ヶ国以上から650社以上が参加する巨大な防衛装備品の見本市で、ジェネラル・ダイナミクスが次世代戦車のコンセプトモデル「AbramsX」の詳細を発表する予定だ。
参考:The AUSA Annual Meeting & Exposition
注目すべき話題は個別に取り上げようと思っているが、ひとまず関連情報をここに随時追記していくので関心のある方はチェックしてみてください。
Rheinmetall
Rheinmetallは米陸軍の次期歩兵戦闘車プログラム(OMFV)に提案するLynx OMFVのイメージを公開。
50mm機関砲と徘徊型弾薬を搭載する無人砲塔、パワートレインにはハイブリッド技術を採用しており、米陸軍のディーン准将がユーロサトリ2022で語った通り、OMFVは50mmクラスの主砲とハイブリッド技術の採用が必須なのだろう。
Elbit Systems
米陸軍の次期歩兵戦闘車プログラム(OMFV)にBAEと組んで参加するElbitも50mm機関砲を搭載する無人砲塔を出展。
Future turret: @ElbitSystemsUS turret built around Iron Fist APS for defense against incoming rockets/missiles & new XM913 50mm cannon for offense. Could go in future Army #OMFV troop carrier. @AUSAorg #AUSA2022 pic.twitter.com/KcDOvekfhZ
— Sydney Freedberg (@SydneyFreedberg) October 10, 2022
ウクライナでの戦いを見た欧米諸国はAPSの必要性を再認識しており、Elbit製の無人砲塔にもIron Fistが取り付けられている。
Raytheon
Raytheonが開発した次世代防空システム向けレーダー「LTAMDS」のバックショット。
Back end of @RaytheonTech #LTAMDS radar, showing off secondary panels that give 360 coverage against incoming aircraft & missiles. #AUSA2022 @AUSAorg pic.twitter.com/wIHAkpb62H
— Sydney Freedberg (@SydneyFreedberg) October 10, 2022
このレーダーはパトリオットシステムに含まれるAN/MPQ-53やAN/MPQ-65の代わりに統合防空ミサイル防衛(IAMD)で使用することが想定されており、パトリオットレーダーとほぼ同サイズながら出力を2倍に引き上げたフェーズド・アレイ・アンテナ(主1基:副2基)を3基備えているため常時360度の警戒を行うことが出来る。
LTAMDSのバックショットは初めてみるので興味深い。
因みに米陸軍はIAMD用にLTAMDSの調達を始めており、既存のパトリオットシステムにLTAMDSを接続してAN/MPQ-65の代わりとしても機能するため、ポーランドがLTAMDS売却を米国に打診している。
BAE
米陸軍がM113の更新用に導入するArmored Multi-Purpose Vehicle(AMPV)。
@BAESystemsInc AMPV technology demonstrator at #AUSA2022 . Some interesting C-UAS capability integrated on it. pic.twitter.com/GLruVS1FAC
— GroundWarGeek (@GroundWarGeek1) October 10, 2022
RWSと固定式のAESAレーダー(恐らく前後左右に1基づつ搭載して360度の警戒可能)で構成されたカウンタードローンシステム(C-UAS)が統合されており、将来の装甲兵員輸送車にはC-UASが必須になるのかもしれない。
Leonardo
Leonardoもカウンタードローンシステム(C-UAS)を統合したStrykerを出展。
For #AUSA2022 Leonardo DRS has unveiled the single Stryker C-UAS. It’s main purpose is to deal with the recurring threat of drones on the modern battlefield. Italy should consider this system, mounting it on a Freccia IFV or even any other wheeled/tracked platform they use. pic.twitter.com/pa3IpW2Diy
— A-129 Mangusta (@NichoConcu) October 10, 2022
Leonardoは米陸軍採用のIM-SHORADにC-UASを供給しているが、今回出展したC-UASはAESAレーダー形状が異なっており、むき出しで搭載していたロングボウ・ヘルファイアがケースに収納されている。
出展したStrykerはIM-SHORADのアップグレード版なのか、C-UASだけを売り込みたいのかは不明だが、将来の装甲戦闘車輌は何らかのC-UASを搭載するのがトレンドらしい。
Northrop Grumman
Switchblade300/600で有名なAeroVironmentと共同で開発を進めているNorthrop Grumman製の徘徊型弾薬「JACKAL」はジェット推進。
We’re showing our new JACKAL advanced weapon system at #AUSA2022. https://t.co/WEjvm6O1l5 pic.twitter.com/7kGNvOzIUj
— Northrop Grumman (@NGCNews) October 10, 2022
483km/h以上の速度を出すことができ、100km飛行したのちに最大15分間の徘徊が可能で最大4.5kgのペイロードを運搬できるらしい。
others
360度の警戒が可能な牽引式レーダー
At #AUSA2022? Come say hi to the Anduril team at booth #4443 in Hall C. We have a bunch of our products on display. pic.twitter.com/C7bGK3dDAC
— Anduril Industries (@anduriltech) October 10, 2022
Our newly announced Mobile Sentry tower autonomously detects, classifies, and tracks potential threats by leveraging sensor fusion, AI, machine learning, and computer vision technology. Its mobile capabilities expand the reach of surveillance and reduce the necessity of manpower. pic.twitter.com/JDLgLWxSci
— Anduril Industries (@anduriltech) October 10, 2022
米防衛産業企業のOrolia Defense & Securityで働く日本人の方
Live from AUSA – our wonderful team is posted at the Optics 1 booth 2209 ready to take on the day!
Hironori Sasaki, Tyler Hohman, Conrad Meyer, Michael Messina, and Michael Stout are here to teach you about Orolia’s Resilient PNT capabilities. #AUSA2022 #oroliaDS @AUSAorg pic.twitter.com/IKXRheuNFP
— Orolia Defense & Security (@OroliaDS) October 10, 2022
高機動多用途装輪車両のHUMVEE Saberにもカウンタードローンシステムを搭載
📸 HUMVEE Saber konsept aracı #AUSA2022‘de
tanıtıldı.
Özellikle drone savaşı için tasarlanmış HUMVEE SABER BLADE EDITION versiyonuna kısa menzilli drone algılama ve nötralizasyon yetenekleri eklenmiş.
📸 pic.twitter.com/9HwUGYjQ56— Savunma İşleri. (@savunmaisleri) October 10, 2022
関連記事:ジェネラル・ダイナミクス、次世代戦車のコンセプトモデル「AbramsX」を公開
関連記事:米陸軍の次期歩兵戦闘車はハイブリッド駆動、主砲は50mmクラスか
※アイキャッチ画像の出展:General Dynamics Land Systems
50mm機関砲か
三号戦車の主砲弾が機関砲でとんでくるのはヤバい
ただ、現行の25mmや、よく使われる30mmにどういう不満があるかはわからないな
高機能な砲弾(対ドローン用対空弾etc)の極端な小型化は高価格化を招くから敢えて50mmで妥協して弾薬コストの低減を狙ってるとか?
威力的な話でいうと30mmだと駄目で50mmならクリア出来るというラインはよくわからない…
一つは有効射程問題でもう一つは誘導砲弾のためのサイズだった気がする
30㎜じゃあさすがに誘導砲弾は無理かと
30mmクラスでも射程不足の問題があったのは知りませんでした
誘導砲弾については一応DARPAが12.7mmで誘導銃弾開発してたのでやってやれないことは無いけどやっぱ運用上無理があるんだろうなっていう感じがしますね
エリコン35mmの87式ガンタンクですら有効射程3500m程度なのよ…
大型ドローン相手だとまるで足りない
Bofors 40mmで有効射程4kmくらいだと聞いたので、単純に考えれば50mm砲だと5km?
相手がUAVとはいえ、搭載する小型ATM/爆弾は位置エネルギー分だけ射程を稼げるので、射程5kmだとまだ足りないような気がしますけど、どうするんでしょうね。
Oto Meraraの76mmでも持ってくるんだろうか…
この50mmは、35mmのブッシュマスターIIIのボアアップ版かと思われ
薬莢のネック部分の絞りを無くして、50mmの弾頭を付けた物かと
砲口威力では35mmと同等、ボフォース40mmよりは1段下でしょう
ボアアップした分、弾頭重量は増えていますが、代わりに初速は落ちているかと
なので射程はボフォース40mmよりも短いかと。弾道修正弾とかを使用する場合は別かもですが
VT信管をつけるんですかね。
50mmでも近接信管を仕込むのは厳しいはずだから、3P弾とかと同様の高性能時限信管かと思われ
地表付近を平射するとなると地面や植生といったノイズ源が多く、特性的にも近接信管は難しいですし
>主砲についてディーン准将は「最低でも30mmを想定しているが、客観的には50mmクラスが必要になるだろう」と述べているので、敵歩兵戦闘車を破壊するためには30mmでは不足するという認識なのだろう。
とのコメントが別記事にあります。
歩兵戦闘車の重装甲化に伴い30mmクラスでは力不足となったので、
・先ずはターゲットの防御力に合わせて50mmクラスに引き上げ
・ついでに大口径化を活かして多機能化
といった感じの流れじゃないかな?
その50mm機関砲は、おそらくは35mmのブッシュマスターIIIを50mmにボアアップした派生版かと思われ
これは日本でも使用している35x228mmのネック部分を50mmに拡大したバージョンなので、砲口威力自体は35mmと大差無いと思われます。なので、搭載弾数も35mmと同程度には確保出来るのではと
30mmAPFSDS耐弾防御を打ち抜ける威力と、大口径による炸裂威力や多機能化を両立しつつ、過度な大口径化による搭載弾数減少を抑える目的からの採用かと
戦車が高性能化していくにつれて格好悪くなっていって悲しい。
個人的にはチーフーテンが最高に美しい戦車と思う
あのデザインで次世代の高性能にならんもんか
謎の中国人チーフーテン
AbramsXイケメン過ぎてたまらん
もうこのまま採用して頂きたく候
しかし車体前部に横一列になって座るのは暑苦しそうでちょっと嫌だね
守るべき人員を一箇所に纏めて周囲の装甲を固めてるんやろうけど
大柄なアメリカンが乗ったら常にお肌とお肌が触れ合わない?
やはり野戦防空用のレーダーシステムが出てきますね。この分野は対砲兵レーダーや上位部隊に配備されている大柄な防空部隊用のものがありますが、今までよりも小さい単位の防空部隊を野戦軍に組み入れていくという点が新規性ですね。将来の野戦軍の編成にも係わる問題なので注目度高いです。(個人的には、砲やミサイルシステムと一体化したSPAAG型のものに行き着くべきじゃないかと思いますが)
あとはやはりエイブラムスX…。この車両、T-14みたいに乗員3人を全部車体前方に配置することもできつつ、車長砲手用の従来型のシートもあるんですよね(つまり5人ぶんの座席がある?)。エイブラムスX自体はデモンストレーターやコンセプト検証用の車両でしょうから、アバディーンにこれを持ち込んで使ってみてアメリカ軍がどう思うか次第だと思いますが、場合によっては車体集中型の乗員配置が流行っていくのかもしれないですね。
新規はなく建前上の改造車両だろうから車内容積と椅子などのレイアウトは変わらないのがポイントなんでしょうね
Abramsxよく見たら砲塔ハッチないし完全無人砲塔っぽいですねこれ…訂正します。
てことは乗員配置はT-14とそっくり同じですかね(無人砲塔の割に砲塔が巨大なのはスポンソン部が弾薬庫になっている旧来型のALSを使いまわしたためかな?)。T-14でも気になってたんですけど、従来は砲塔正面>>車体正面だった装甲配分がこのレイアウトだとどうなるんですかね。砲塔部に乗員が居ないとはいえ砲システムが機関砲弾程度で真正面から無力化されてしまう訳にもいかないでしょうから、戦車砲耐久程度の防護力は維持しておかねばいけません。しかしせっかく無人化したならその分砲塔を小型化して重量を軽減しておくべきではという気もしますし、やっぱりまだ煮詰まってない印象があってそこが面白いですね。
これからはカウンタードローンシステム(C-UAS)は装甲車両では基本装備、確かにそう思います。
見逃した場合のリスクを考えると、未搭載で叩かれるのは割に合いませんから。
ただ、そんな装備ができるのは先進国くらいなもの、それも全車両は無理で部隊単位で1両とかじゃないかと。
あと迎撃には12.7㎜機銃とかでしょうけど、それだと頑張っても2kmくらいが限度。
それより遠距離となると、20mmとか30mmの歩兵戦闘車の砲で叩くか、高精度時限信管の50㎜で叩くか。
ドローン相手にスティンガー携帯ミサイルじゃコスパ悪過ぎでしょうから。
しかし、常に上空に気を配ってる必要があるなんて、今後の戦場は怖いですね……。
リンクス新型の、砲塔前面にセンサーポン付けって1発でも被弾したら機能喪失では…
C-UASにAPSにRWSに…と必要な装備がどんどん増えますね
HUMVEE SABER BLADE EDITIONに載っているのはHornet Air Guardという
アンチドローンシステムで40㎜エアバースト弾を使用するとか
>米防衛産業企業のOrolia Defense & Securityで働く日本人の方
お顔が濃いのでどなたなのかぱっと見ではわかりませんでした…
小型のドローンは探知や迎撃難しいから
装甲固くするしかなさそう
正直ウクライナ戦争以前まで戦車不要論派だったんですがまだまだ必要という事ですね。
ドローンに対応できない戦車ならば消えるのみ、その流れは変わらない
進化しない生物は滅ぶか深海に棲むことになるが、
生き延びて進化した戦車が今までの戦車の概念に収まるのかはまだわかんない
???「もがみ型とかイージスシステム艦とか12式改1500発とか大軍拡するんで車両のドローン対策はまぁ余裕あったらって感じですね。あっ着上陸の際は僕らがジャベリン担いで特攻するんで心配しなくて大丈夫ですよ!」
ウクライナでの戦争云々に関わらず、戦車不要論って要するに「人間の命の方がコスパが良くて安いから使い捨てするぜ、ヒャッハー!」ということなんですけど、それで良いんですかね?🤔
戦車を否定されて怒る人は、軍事的合理性からでなく自分が戦車が好きだからというヲタの理屈でしかないのが書き込みで判るよ
戦車が戦車でなくなっていく可能性すら理解しようとしない蒙昧さ
旧い戦車と新しい戦車を一緒くたにしてたり、要る/要らないの二元論で語る。まともに話する余地のない極論が多い
純粋に疑問なので質問しているのだけれども🤔
戦車不要論が否定されたのがそんなに癪に障るの?
あまり話題にならないけれども。
前線用の小型ドローンの探知には音は使えないのでしょうか。
回転翼型にせよ、飛行機型にせよ動力源はさておき、
プロペラは特徴的な音を出すのではないでしょうか。
精密な位置確認には使えなくても、大まかな方向は掴めるのでは。
撃墜のための観測は別の機器に任せるとして、奇襲は避けたいですよね。
レーダーなどを使えば、逆探知されたりしますし。
あと、赤外線とミリ波電波を吸収するような素材の艤装網も欲しいですね。
将来の野戦軍は、ちょうど狙撃兵の皆様みたいなモフモフな姿だったりして。
装甲車とか自分の駆動音の方がうるさいと思う
特に最近の車両は停車時でもアビオニクスで電力を喰うからAPUを動かさないといけないし
ここに来て対空地雷の技術が再び日の目を見ることに…
うまくいくかは別としても、確かにセンサー盛々で消費電力が上がり続ける現状、どこかで省エネをする必要はありそうですよね
自動車の衝突防止システム(ADAS)応用したらいい気がすんだけどな
ステレオカメラや赤外線カメラ検知に使ってるし
仮にミリ波レーダー逆探知されてもそこらのクルマも同じ電波出してる訳だし
砲塔無人化したから、乗員が車体側に集中した分のスペース確保のために燃料タンクの容量が削減された
そのため燃料バカ食いのエンジンを何とかしないといかんってことでハイブリッド化で燃費改善
これ日本の戦車も砲塔無人化したら同じ問題に直面する可能性があるのでは?
サイドスカートをギザギザに塗装するなどしてシルエットを整えているのが興味深い。抑止のためには爪を隠すやりかたも一つのアプローチだが、より強そうに見せて威嚇するのも古来から基本的な方法だ。
AbramsXの重量は49メートルt(54USt)のようですね。
思っていたよりも軽く、10式戦車の最大重量とほぼ同等。
リンク
砲塔の高さが従来比50〜60%くらいしかなく、幅も本来複合装甲があった部分がセンサーやAPS、雑具箱で占められていそうなのでこれも最小限しかなさそうで、砲塔の装甲に割く重量が極端に少なくなっていそうです。
エイブラムスも初期型は54トンでしたが、M1A2では62トンになっています。
改修型を作るたびにどうせ重くなるので、ベースはこれくらいが良いのではないでしょうか。
もちろん砲塔小型化による軽量化はあるでしょうね。
49tはベースラインらしいので、追加装甲でもう少し重くなりそうですね。
SEPv4の66tには届かないけれども、50t台にはなりそう。
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…ゴマフアザラシの赤ちゃんの動画が出て来るんですが
癒される~
陸自も10式なんか速攻で調達を止めてこれを購入させてもらえばいいのに。
普通に考えれば10式は30式に更新されるのでは?アメリカ戦車が再び軽量化に進むのは、それが必須だからで10式は間違っていなかったと証明しているとも言えます。正直戦車は機動性重視で50トン以下かヘイト集め役の70トン辺りでないと使いにくいと思いますよ。
参考にどうぞ
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