米ジェネラル・ダイナミクスは次世代主力戦車のコンセプトモデルとして「AbramsX」を公開、ハイブリッドパワーパックの採用でM1A2と同じ作戦範囲を半分の燃料で実現すると明かした。
参考:General Dynamics Business Units to Participate in AUSA 2022
ジェネラル・ダイナミクスは「AbramsX」を中心にチーミング可能な戦闘車輌群が一つの戦闘単位として作動することを想定している
米ジェネラル・ダイナミクスは「The Next Generation」と銘打った次世代戦闘車輌群のティザーサイトを今年6月にオープン、次世代主力戦車に相当するAbrams-NextGen、次世代装甲兵員輸送車に相当するStryker-NextGen、高出力マイクロ波兵器を搭載した対ドローン車輌のStryker-Leonidas、数十発の徘徊型弾薬を運搬する無人地上車両TRX-Razorback、作業支援に特化した無人地上車両TRX-Breacher、小型の多目的無人地上車両SMETで構成された次世代戦闘車輌のファミリーシステムを公開。

出典:General Dynamics
10月10日に開催される米陸軍協会(AUSA)の年次総会で詳細を明らかにすると告知していたが、GDは事前に発表したプレスリリースの中で「AbramsX(旧Abrams-NextGen)は次世代M1Abramsのコンセプトモデルだ」と明かした。
GDはAbramsXについて「機動性と輸送性を改善するための軽量化、ハイブリッド(従来式+電気式)パワーパックの採用でM1A2と同じ作戦範囲を半分の燃料で実現する」と主張、乗員数の削減、AI採用による致死性、有人・無人チーミング(MUM-T)、自立的能力を備え「戦場におけるネットワークの主要ノードとしての役割を果たす」と言及しているが、飽くまでAbramsXは「次世代戦車の技術検証輌」だと強調している。
より詳しい情報は10日に開幕するAUSAで明かされると思うが、米空軍が開発を進めている次世代戦闘機(Next-Generation Air Dominance/NGAD)と同じように、AbramsXを中心にチーミング可能なStryker-X(旧Stryker-NextGen)、Stryker-Leonidas、TRX-Razorback、TRX-Breacher、SMETが一つの戦闘単位として作動することを想定しているのは確実だ。
特に無人機対策や徘徊型弾薬への対応といった能力を次世代主力戦車や次世代装甲兵員輸送車に詰め込むのではなく、チーミング可能な専用車輌や追跡型の無人地上車両に分散させるつもりなのだろう。
関連記事:米GD、次世代主力戦車Abrams-NextGenのティザーサイトを公開
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※アイキャッチ画像の出典:General Dynamics
新型戦車と護衛?の無人車両か、いいなぁ、日本もT-14とかKF-51とかこれを参考にして新型戦車造らねぇかなぁ、30式戦車とかでね、日本の戦車開発のペースでいったらそろそろ構想位は存在するだろうし
ぶっちゃけ10式だと防御力に不安があるし、調達ペースも遅いから多分陸幕も切り捨ててるのかな
UGVについては海外から試験導入するって言ってたな
どちらも完成すらしてないし、それじゃ見た目以外は参考にできない気がします
ここに至ってまた新戦車作るの?アップグレードで良いじゃんよ、今の日本に完全新型の戦車投資必要かね、陸に関しては機関銃やUAVとか歩兵能力の底上げみたいに他に優先すべき所があると思うが。
おっしゃる通り。
戦車は改良で十分。
新型戦車つくる金有るなら、プレートキャリアとか、軽いブーツとか、無線機などをまじて早急に買って欲しい。
装備がクソスギル。
ウクライナで存分に価値を証明している戦車は依然として歩兵と同じぐらい重要であるらしく、我が国からしても積極的投資を継続するのが堅実だ。
選択と集中は、軍事においてはときに割の合わない博打になる。価値の否定されていないあらゆる分野は一様に改善されるべき。
10式は、既存の設計思想と枯れた技術のみを用いて本州以西に第三世代戦車を配置するという難題を達成するために、斜め方向からの攻撃に対する防御力や火力など妥協した面があることは否めず、重量制限や構造から改修にも限界がある。
AbramsXのような無人砲塔やハイブリッド化は難しいだろうし、それらの新概念や新技術はより軽量な戦車を設計することに資する。それは我が国にとっても重要だろう。
ガスタービンとは言え、元々の燃費が他国の半分くらいの悪さだもんなあ
つまりコンセプトの段階で、他国の現用戦車程度の燃費になっただけなんだよな
しかもこれが実現できるって訳でもないというか、燃費上げるならシリーズハイブリッドになりそうだけど、
ガスタービンでは効率悪すぎる気が
え、ガスタービンの方は継続なの?
まあ動力じゃ無くて発電用なら理解は出来るのですけど。
やはり、米軍の兵站を持ってしてもM1の燃費は相当堪えてたみたいですね
AbramsXは10式から何を見出したのか、非常に興味がありますわ
と言っても電気の扱いもだいぶ困ると思う
ちょい前に話題になったトレーラーサイズの小型原発にしても1部隊ごとに配備できないだろうし、もっと大きな部隊から充電済みのバッテリー車を往復させるというのも非効率に思える
衛星からのサテライトシステムが出来れば、、、
徘徊型弾薬を運搬する車両ってなってるけど無人弾薬運搬車ってことかな?戦闘可能範囲が広がるのだろうか。
スイッチブレード的なやつを指してるんじゃない?
AbramsXがトランスフォーマやワイルドスピードに出てくる、「似てるけどどこにもない戦車」みたいになってる
砲塔正面の装甲小さくなってる?
砲塔が小さいのは増加装甲を付けるためか、アルマータみたいに無人砲塔にするからなんじゃないですかね。知らんけど。
> M1A2と同じ作戦範囲を半分の燃料で実現する
ディーゼルにするだけで達成されるやつやんけ
特に根拠はないけど、チームを統合して指揮するための情報処理・通信能力のために発電能力マシマシにするついでとかだったりして
発電能力を活かして、PDWに指向性エネルギー兵器を搭載するとかだったらなおワクワクする
>ディーゼルにするだけで達成されるやつやんけ
ガスタービンの低速トルクや騒音、排気の少なさなどの利点を損なわずにという注釈がつくと思われ。
モーター駆動にすれば、低速中速トルク、無音、排気無しになる上に、
発電用はディーゼルにすれば駆動時間も倍に
問題はそんなディーゼルをGDが用意できるかって問題があるが
既存の戦車のアップグレード、維持メンテでさえ膨大なコストがかかることを考えると、このデモンストレーターの技術が部分的に取り込まれることはあっても、そのまま採用されることはまずないのでは。
(コストがかかり運用も大幅に変わる変更点が多すぎる)
過去の戦車の例を考えると精々主砲の換装くらいな気がしますね。
これだけハイブリッド車やEV車が普及した世の中とは言え
もし制式採用されたとして
ポルシェティーガーみたいに
戦場で整備・修理が困難みたいにならないのだろうか?
それともとても強大な兵站システムを抱える米軍なら
そのことを考慮せずとも運用は可能なのだろうか
むしろそれぞれユニット化して交換しやすいかも
確かにそれもアリですが、予備部品の集積多くて兵站にさらに負担かかりそう。
理屈の上では、トランスミッションが簡略化できるから故障頻度自体は下がりそう
ポルシェタイガー(と、派生の駆逐戦車)の故障も重量過多による足回りやエンジンの破損が主な故障原因で、重量過多による故障はそもそも当時の40tオーバーの戦車全般で見られる持病みたいなもんだしね
どちらかといえば、それでどんな効果を狙うのかとか(ハイブリッドシステムが燃費に良いというのは、厳密には低出力高燃費のエンジンをモーターで補助する所がキモなので燃費だけが狙いならリスク=デプロイ切れ時の出力低下を背負うことになるけど割に合うの?的な)
というところが気になる、個人的には
現代版ホバーツ・ファニーズかな。
ハイブリッドパワーパックとは言うものの、元記事ではhybrid diesel-electric power pacとあるので調べてみたら、欧州メーカーの鉄道やガントリークレーンなどの特殊車両ばかり出てくるんだが、また変な冒険して躓くのはやめておくれよ。
防衛省及び米国国防省による「モジュール型ハイブリッド電気駆動車両システムに係る共同研究」に関する事業取決めの署名について
令和2年10月16日
10月16日、防衛省及び米国国防省は、ハイブリッド電気駆動に係る日米間の共同研究として、「モジュール型ハイブリッド電気駆動車両システムに係る共同研究」に関する事業取決めの署名を行いました。
本共同研究は、平成24年11月2日に外務大臣と駐日米国大使との間で交換された、日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定に基づくハイブリッド電気駆動に係る共同研究に関する書簡の下で実施するものであり、防衛省と米国国防省が共同で、既存の大型装輪装甲車両のエンジン等を活用したモジュール型のハイブリッド電気駆動システム※を設計・製造し、試験評価を行うものです。本共同研究の成果は、将来の大型装輪装甲車両の性能向上につながることが期待されます。
リンク
エンジン部分のい技術は日本からのライセンスってのがありそうだな
というか戦車用エンジンを開発生産してるって、日本・ロシア・中国・アメリカ・ドイツぐらいで
アメリカは新型エンジンは10年単位で作ってないような気がする
ガスタービンは、メンテが楽なのも美点ですね。
ディーゼルに比べると圧倒的に可動部品が少ない。
ディーゼル採用すると、その辺の保守整備の為の環境整備も必要になると思います。
これ、とほほ電池氏が掘り下げてて面白いなーと思ったんですけど、シリーズハイブリッド方式なんですよね。
シリーズ方式はエンジンを発電だけに使い、駆動は全部モーターにやらせる方式です。エンジンの動力を駆動に使うことがないので他のハイブリッド方式より簡素軽量です。そもそも現代のハイブリッド方式はバッテリーにある程度蓄電できることが前提の方式(よく対比されるポルシェティーガーやIS-6はバッテリー容量で全く異なり、概念的には変速機を電化しているのに近い)ですし、モーターのほうがエンジン+機械式変速機より基本的には効率が高いので、車体軸出力を維持したままエンジンを小型小出力に換装できるメリットがあります。電気なので機械式トランスミッションよりレイアウトも自由に変更できますが、今回の試作車ではインホイールモーター採用までするかは分からないですね。
デメリットは電気容量が増えて大電機器が嵩張ることなんですが、トロフィーAPSやストライカーXのフェイズドアレイレーダー搭載仕様なんかを見ても電力バカ食いする機器だらけなので、そこを狙ってやっているという感じはありそうですね。基本、将来戦車において電力消費量が増えることはあっても減ることはないので、駆動系ごとまとめて電化してしまえという流れは必然だと思います。
ただ、市販のハイブリッド車でも重量の1/3がバッテリーになると言われている中で、米軍は戦車にリチウムイオン電池をそんなに積むのを許容するんだろうかというのは気になりますね。今は前ほどリチウムイオン電池を危険視してないんですかね。
リチウム電池の発火については全固体電池や、燃えない電解液の開発など克服できそうではありますからね。まだ実用段階ではありませけど。
「AbramsX を中心にチーミング」に違和感
チームの中心にはどの機材でもなれるもんなんじゃないのか?