ユーロサトリ2022に参加した米陸軍のディーン准将は次期歩兵戦闘車について「米軍初のハイブリッド戦闘車両になるかもしれない」と明かした。
参考:Bradley replacement could be the US Army’s first hybrid combat vehicle
次期歩兵戦闘車の主砲は50mm、戦闘重量は40トン~50トンぐらいになるらしい
米陸軍は1980年代に運用を開始した歩兵戦闘車「M2ブラッドレー」の後継車輌開発に3度チャレンジしたが1度目は国防予算削減の影響を受けて中止、2度目は議会が調達コスト高騰を問題視して開発予算の確保が難しくなり中止、3度目は陸軍の過剰要求や不明瞭な選定プロセスの影響でプロトタイプ提出期限に1社しか間に合わず競争開発の枠組みが崩壊、これを受けて陸軍は一度計画を白紙に戻して次期歩兵戦闘車の開発をやり直すことになった。

出典:Photo by Staff Sgt. Chloe Ochs
過去3度の失敗を踏まえて米陸軍は新たな次期歩兵戦闘車プログラム(OMFV)に関する提案依頼書を発行、今回の開発アプローチは予め要件を指定するのではなく、大まかな特性(自律的な無人運用能力+オプションで有人運用も可能、十分な生存性、エイブラムスと並走できる機動性、敵歩兵戦闘車を打ち破る火力、欧州の主要兵站ルートを走行可能な重量等)を満たすなら開発企業の自由な発想でOMFVを開発する事ができる。
もう少しシンプルに言うとOMFVの要件として「30mm機関砲を搭載」と指定するのではなく、OMFVの特性として「敵歩兵戦闘車を打ち破る火力」と表現すれば解釈に幅が生まれ、固定観念に縛られた歩兵戦闘車とは異なるOMFVが誕生するかもしれないという意味だ。

出典:@Ninja998998 ディーゼル電気駆動のハイブリッドシステムを採用したGenesis
このOMFVについてユーロサトリ2022に参加した米陸軍のディーン准将は「米軍初のハイブリッド戦闘車両になるかもしれない」と明かし注目を集めている。
どうやら米陸軍は戦術的なロジスティクスの負担を減らすため燃料輸送の削減を追求しており、これを察知したラインメタルはOMFVのパワートレインに「戦場での低観測性にも有利なハイブリッド技術」を採用する予定で、さらにディーン准将は「OMFVの主砲は50mm、戦闘重量は40トン~50トンぐらいになるだろう」と付け加えているのが興味深い。
米陸軍はOMFVが配備されるまでの繋ぎとしてハイブリッドバージョンのM2ブラッドレーを開発するか検討中で、2035年までに配備予定の次期主力戦車のパワートレインはハイブリッド技術を採用すると公言しており、OMFVの競争試作に参加する他の4チームも米陸軍が何を望んでいるか理解しているため「ハイブリッド技術(完全な電化はバッテリーサイズの問題で現状では難しいと言われている)」を採用してくるはずだ。

出典:Rheinmetall Defence/CC BY-SA 4.0 オーストラリアでテストを受けるLynx KF41
OMFVの戦闘重量についてもM2ブラッドレーより10トン以上も増加することが示唆(リンクスやレッドバックなどと同じ重量帯)されており、主砲についてディーン准将は「最低でも30mmを想定しているが、客観的には50mmクラスが必要になるだろう」と述べているので、敵歩兵戦闘車を破壊するためには30mmでは不足するという認識なのだろう。
因みに2023年の下期に開始されるOMFVの詳細設計フェーズへ進めるのは最大3チームで、予備設計フェーズで脱落するチームは2023年上期に発表されるらしい。
ジェネラル・ダイナミクス
提案は新規設計
パートナー企業はなく単独参加
BAEシステムズチーム
提案は不明
パートナー企業はエルビット・システムズ
オシュコシュチーム
提案設計はRedbackベース
パートナー企業はハンファディフェンス
ラインメタルチーム
提案設計はLynx KF41ベース
パートナー企業はL3ハリス、テキストロン、レイセオン、アリソン
ポイントブランク
提案は新規設計
パートナー企業はKeshik Mobile Power Systems
追記:以前紹介したことがあるFlensburger Fahrzeugbau Gesellschaft(FFG)のディーゼル電気駆動を採用したジェネシスもユーロサトリ2022に出展されている。
関連記事:米陸軍が次期歩兵戦闘車の予備設計に進む5チームを発表、噂のシンガポール企業は含まれず
関連記事:ドイツ、ディーゼル電気駆動を採用した装甲車「ジェネシス」を発表
※アイキャッチ画像の出典:Photo by Staff Sgt. Anthony Housey
ハイブリッド駆動の戦闘車両とな?P虎の悪夢再び…
停車時のアイドリングストップでも始めるのか?
なんでや!P虎は脚周り は 良かったやろ!銅の大量使用に触れた奴は敗北主義者()
セルフ通信妨害についt
(文章はここで途切れている)
抹殺されたな(確信)
某女子高の自動車部員を乗せておけば最強
完全電化戦闘車は、低観測性という意味では内燃機関より優れているかもしれないが
充電の面で問題あると思うんだ。
自然エネルギーによる発電能力が向上すれば、補給の負担も減るから電動化は進むかもしれないが
と思ったら、米軍はトレーラーで運搬可能な原子炉なんて研究してるんだな。
今世紀末には電力で機動しレールガンかレーザーを打ちまくる完全電化戦闘車とか開発しそう。
MS-06かな?
運搬可能な原子炉であれば三菱重工が先日トラックで運搬可能な原子炉の商用化を発表してましたよね
リンク500kワットの出力で災害用とか濁してますけど
これ、今自衛隊が開発してるレールガンとセットにしたらレールガンが持ち運び可能になりますね。
>欧州の主要兵站ルートを走行可能な重量
我が国とこれだけで重さの想定が違う感じ。重い、重くない?
重いけど、二次大戦時の独の戦車でもそれ位あったし、大陸では許容範囲内なんでしょうな。
またコスト高騰や要件の迷走で決まらずに、ズルズルとブラッドレーをアップグレードし続ける可能性のほうが高いのでは…
明確化されていないモヤッとした要件では、「違う、それじゃない」といくらでも後出しできてしますし。
今までのように空輸で高速展開する運用ならIFVで50トンは重すぎるし、米陸軍は冷戦期みたいに欧州に大規模な部隊を駐屯でもさせるつもりなのかな。
欧州の主要兵站ルートっていう条件もそれを見越した感じがある。
東欧に駐留する部隊の増強を検討すると今年の4月に米統合参謀本部議長が発言してました。
ポーランドのポビツでは米軍旅団戦闘団用の装備保管施設を建設中です。
一方、我が国にはプリウスミサイルと言うハイブリッドな特攻兵器が
上のやつと関係あるかは知らんが戦闘車両用のハイブリッドシステムは日米共同研究やってる
ここでボケてもマジレスで潰されるよなw
搭乗する歩兵を守るためには、
例えばRPG7による不意の第一撃を耐える必要があると思うけど、
最新の複合装甲の性能はどの様なものだろう。特に、厚さと重さはどうだろう。
新しいAPCやAIFVの重さはそれで決まるのではと思う。
また、防御が十分になれば、主砲は50mmでは全然足りないと思う。
最後にはメルカバになりそうな気がする。MBTに歩兵を乗せることですね。
ロシアのBMP-3と中国の04式歩兵戦闘車は主武装が100mm低圧砲に30mm機関砲という組み合わせだが、中国は後の08式歩兵戦闘車では主武装を30mm機関砲に変更している。BMP-1の73mm低圧滑腔砲(2A28)は命中率が悪く、BMP-3の100mm低圧砲(2A70)で改善されたが未だに歩兵戦闘車の武装が30~40mmの機関砲が多数ということは低圧砲の評判があまり良くないのでしょうか?
常識に囚われない自由な発想を所望しているとは言え、軽戦車よりも重い歩兵戦闘車を予測している時点で、既に常識破りなのですが…
今米軍がトライアル掛けてるMPFがGDLS 、BAE両社とも30tクラスだった筈ですよ
オーストラリアのIFVコンペを見るにリンクスの最大重量は50tと言われているし、AS-21も42t(最大は47t)と現用のIFVの中では重めになっている。
最近のIFV事情を見るに装甲が昔よりマシマシになっている雰囲気。
「自律的な無人運用能力」の部分が気になる。用途としては歩兵を降ろした後に随伴して戦闘するんだろうけど、救急車バージョンとかに応用が効きそう。
エルビットがいるならナメルかエイタンのハイブリッド型かな?
もしかしたら、H23~H28にやった日米共同で行ったハイブリット装軌車両の実験が生きてたりするのだろうか?
本邦の共通装軌車体はそれが絶望的かもしれん……
米軍さん、MHIのニンジャサスをブラッドレーで評価したみたいだけど、OMFV辺りで採用してくれないかな?
ハイブリッドっても自動車みたいな回生ブレーキとか難しそうだし走行時にはあまり効果ないんじゃないかな。
停車中にエンジンかけなくてもRWSやセンサー、ドローンの操作等が稼働できるのはメリットありそう。
そもそも、何がしたいのか、わからん。
また失敗するな。
ディーゼルエレクトリック駆動の装甲車、ポルシェティーガーやIS-6の頃よりは技術的な目処はあるのでしょうが、その要であるところのリチウムイオン電池の戦闘車両への搭載は米軍基準だと大丈夫なんですの?というあたり疑問ですね。コンペで要求しといて安全基準未達で切るとか米軍ならありそうだなって…。
満充電リチウムイオン電池って被弾時は弾薬未満ディーゼル燃料タンク以上の危険度ですし、海自そうりゅう型のリチウムイオン電池搭載型の時に米海軍は危険性の観点から慎重なコメントを出していたような記憶もあり、軍としてあまり同技術に信頼をおいてないものと思っていました。
もう積んでしまいましたし、おうりゅう・とうりゅう・たいげい型で電池トラブルが起きてみないことにはなんとも…です
ハイブリット(電気駆動)の利点は、多軸の装輪式で生きてくる。
それは、プロペラシャフト・駆動輪毎のドライブシャフトが必要ない、ということ。インホイールモーターにすれば電線で済む。
『ディーゼル電気駆動のハイブリッドシステムを採用したGenesis』は装輪式。
起動輪のみ回せばよい、耐久力のある変速装置を作れる現在なら、装軌式にハイブリット(電気駆動)を使う意味はないと思う。
ハイブリッドと完全な電気駆動を混同してません?
逆に装軌車両の転輪にインホイールモーター組み込んだらどうだろう?
履帯が駆動力を張力で受け止めなくて良くなるから軽くできそう。
ポイント・ブランク社に期待してる
防弾チョッキ屋が作るIFVワクワクすっぞ
50mmもあったらエクスカリバーみたいな変な誘導砲弾とか撃てそうですよね~
三菱のマイクロ炉 直径1m×長さ2m 電気出力500kW
これ積もうや! 撃ったらドカン
もう76mmコンパクト砲積んだ方が早くね
OTO「戦車に76mm砲積んだ対空戦車発表しましたけど、どこも買ってくれませんでした…」
装輪だがルーイカットが近隣諸国の兵装見て選択している。
そういえば本邦の89IFVの後継はどうなるんやろな
確か「戦術装輪車」のIFV型と「共通装軌車」のIFV型の二つがあったと思うけどどうなるんだろう。(名前はうろ覚え)
前者が即機連、後者が第七師団に配備されるのだろうと勝手に予想していたが果たして
次期装輪装甲車(三菱VSパトリア)は今年決定され、共通装軌車体は参考品が今年納入されるらしい。
どちらにせよ今年はまだ半年ある。寝て待て
戦車より高価格になって、開発途中でストップするほうに賭ける
50mmと言うかLCSとか積んでるボフォース57mm積むべきじゃないか。
対空砲と兼用にしたいので、50mmクラスと発言していそうですよ、ボフォースだとBAE(3P ammunition)とレイセオン(MAD-FIRES)で新型砲弾開発していて海軍用を転用出来るのと、ロシアでも100mmと30mmを統合する目的で57mm砲(AU-220M)を選んでいる様です、なのでこれからのスタンダードになる可能性が高いです。
参考
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