米空軍は、失ったB-52“ストラトフォートレス”の代わりに、再び、砂漠で保管していたB-52を復帰させることにした。
参考:U.S. Air Force regenerates B-52H bomber after sitting in storage for last ten years
これで2例目、墓場送りになったB-52が現役復帰
2016年5月、第69爆撃飛行隊所属のB-52爆撃機が、グアムにあるアンダーセン空軍基地から通常訓練飛行のため離陸した直後、墜落するという事故が発生した。幸い、搭乗員は全員無事だったが、B-52の機体は、炎上し完全に失われてしまった。
米空軍は、失われたB-52の代わりを探してきたが、遂にその代わりとなるB-52を、アリゾナ州の砂漠、通称「飛行機の墓場」で見つけた。
今回見つけた機体は、1960年初頭に製造され、10年以上前に現役を退き、アリゾナ州の砂漠にあるデビスモンサン空軍基地に保管されていたB-52Hだ。
デビスモンサン空軍基地所属の整備チームは、4ヶ月をかけて1万7000時間に達する飛行時間と、乾燥した砂漠で10年以上、太陽の日差しに焼かれた機体を再整備し、エンジンの稼働、着陸装置、燃料タンクなど、複数のテストを実施し、このB-52Hが飛行することが可能な機体である事を確認した。
整備を終えたB-52Hは、ルイジアナ州にあるバークスデール空軍基地に運ばれ、現役復帰のための本格的な改修が行われる予定で、約3000万ドルの費用がかかる。
改修作業は2021年までには終了し、爆撃機としての機能を全て取り戻す予定だ。
墓場送りにされたB-52が、現役に復帰するのは、これが2例目だ。
機体点検中に操縦室で火災が発生し損傷した機体の代わりに、飛行機の墓場で7年間保管されていたB-52Hを再整備して現役復帰させるほうが安上がりだと判断され、2016年、墓場送りになったB-52Hが初めて現役に復帰した。
米空軍は、1機、2000億円とも言われ、同重量の金と同価値のステルス爆撃機「B-2」を退役させ、現在開発中のステルス爆撃機「B-21」に置き換える予定だが、初飛行から70年が経過しようとしているB-52に関しては、さらなる機体寿命の延長を施し、2045年までは運用を継続する予定だが、未だにB-52を退役させる代替プランが見えてこないので、運用期間が100年を超える可能性もある。
合理的な物持ちの良さにかけては、米国は世界一かもしれない。
退役し墓場送りになっていたF-117も密かに現役復帰
最近、2008年に全機退役したはずの、ステルス攻撃機F-117“ナイトホーク”が米国で訓練飛行を密かに再開したという報道が出ている。
米国の航空雑誌「コンバット・エアクラフト」は、今年の2月、米国カルフォルニア州のR-2508射撃場空域を飛ぶF-117の写真を掲載し、2日間に4機のF-117が飛行し、F-16と共同訓練を行ったと伝えた。
公式な情報では、全機退役したF-117は、2017年から飛行可能な機体を残しつつ、毎年4機づつステルス技術が流出しないよう廃棄される予定になっていた。
米空軍は通常、退役した軍用機を通称「飛行機の墓場」と呼ばれる、アリゾナの砂漠で保管している。
ここに運ばれた航空機は、非常に稀な再就役か、部品取りか、貴重な金属回収のために解体されるかの運命が待っている。多くの場合は、まだ現役で飛行している航空機のための部品供給、部品取りにされてしまう。
ただし、非常に稀なパターンがある。
Type1000に指定された航空機は、非常に高い確率で再就役することが予想されるため、他の航空機とは保管方法が異なる。Type1000に指定された航空機は、飛行が可能な状態を維持しながら保管される。
そのため野外の砂漠で保管するのではなく、空調の効いた倉庫で保管される。もちろん、部品取りなどは行われず、全ての部品が揃った完璧な状態が維持されるため、Type1000で保管された航空機は、最短30日、最長でも120日以内に再就役が可能だと言われている。
全機退役したF-117は、このType1000で保管された数少ない航空機で、この方法で保管される航空機は、墓場に持ち込まれる航空機の10%以下だ。
今回、米空軍がF-117を現役復帰させたのは、恐らく米空軍が推進している、航空戦力のステルス機比率を高めるための一環ではないかと推測される。
※アイキャッチ画像の出典:public domain
良いのか悪いのか搭乗員の士気にも…
アメリカの国土の広さがズルいよね。日本じゃ真似出来ない。
100年も現役のジェット航空機なんて、民間機でも無いぞ。いったい、いつまで使い続けるつもりなんだ?
ドルと円、どちらか一つの表記にしてくれ
F-117をF-177と誤表記一つあり
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おつかれー