何かと問題が多いズムウォルト級ミサイル駆逐艦の1番艦が就役から約4年、ようやく同艦の戦闘システム設置が完了するとDefense Newsが報じている。
参考:Nearly 4 years after commissioning, the US Navy is about to get a fully working stealth destroyer
戦闘システム未搭載のまま就役したズムウォルト級ミサイル駆逐艦にようやく・・・
米海軍は2016年、ズムウォルト級ミサイル駆逐艦の戦闘システムをBEAシステムズに1億9,200万ドル(約210億円)で発注していたが、これがようやく完成し1番艦「ズムウォルト」への導入が完了した。2番艦「マイケル・モンスーア」も6月まで戦闘システムを導入してシステムの起動を完了させることになっており、建造中の3番艦「リンドン・B・ジョンソン」もこの戦闘システムが導入される。
1番艦「ズムウォルト」は完成した戦闘システムによって、現在開発中の海上攻撃トマホークと艦対空ミサイルSM-6の運用が可能になるとDefense Newsが報じた。
レイセオンが開発中の海上攻撃トマホークには新しいシーカーが統合される予定で2023年までに初期運用能力を獲得する言われている。SM-6は空対空ミサイル「AIM-120AMRAAM」に使用されているアクティブシーカーと協調的エンゲージメント機能を「SM-2ER BlockIV」に搭載した新型の艦対空ミサイルで、目標の近くまで誘導さえしてやれば搭載しているアクティブシーカーが作動し独自に目標を捕捉して終末誘導を行うためイルミネータの負担が減らしながら同時交戦能力を向上させるが可能だ。
さらにSM-6は共同交戦能力に対応しているため早期警戒機E-2Dを連携すればイルミネータの電波が届かない水平線/地平線の下に位置する目標と「リモート交戦(EOR)」を行うことも可能で、弾道弾迎撃ミサイル「SM-3」を補助する形でターミナル・フェイズ(終末段階)段階での弾道弾迎撃も、水上艦(※1)や地上目標(※2)への攻撃に使用できる多彩さが売りだ。
このようにズムウォルト級ミサイル駆逐艦は西側標準の防空用対空ミサイルSM-2や弾道弾迎撃ミサイルSM-3、対艦ミサイルハープーン、対潜戦用のアスロック等を装備していないが、SM-6の統合で対潜戦以外はカバーできるようになるため、ようやく実用的な運用に投入できるようになる。
因みに米海軍は現在SM-6 Block IAの能力向上型としてBlock IBを開発中で、主な改良点はSM-6の極超音速(マッハ5.0以上)化と射程距離(300km以上)の延長を計画しており、もしこれが実用化されれば航空機や巡航ミサイルとの交戦時にノーエスケープゾーン(回避不能域)が拡大するため非常に効果的で、さらにロシアとの極超音速ミサイルギャップ(極超音速対艦・対地ミサイル実用化の遅れ)を埋める非常に有効な手段になるかもしれない。
なにはともあれ就役から約4年、ようやくズムウォルト級ミサイル駆逐艦が機能し始める。
※アイキャッチ画像の出典:public domain ズムウォルト級ミサイル駆逐艦
艦そのものはともかく
ミサイルやシステムは後続のでも活かされるだろうし、うちにもいずれ導入されるかもだから成功して欲しいところ
コンセプトありきで先走って失敗した艦。
自分としては原子力ミサイル巡洋艦「ロングビーチ」とイメージが重なる。
ロングビーチ、エンタープライズ・・・・・・
ズムウォルト、フォード・・・・・・
うっ、頭が・・・・・・
DDGだけど、艦隊防空出来ない駆逐艦……と、後ろ指さされていたけれど……遂に、取得しましたか。
次は、失敗とか言われて来た……汚名の返上ですね。前級の駆逐艦を大増産して、最新型駆逐艦を建造打ち切り……とかした判断を、時期尚早だった……と撤回させる様な、活躍に期待です。
戦闘システムが設置されると言うだけで運用はこれから。他のシステムとの統合が待っている。とにかく新しい物だらけのズムウォルト級、すんなりと行けば良いのだが…。