8月3日、ロシアが全翼機タイプの無人戦闘支援機「S-70オホートニク」の初飛行を行ったとロシアの国営メディア、イタルタス通信が報じた。
参考:Тяжелый беспилотник “Охотник” совершил первый полет
ロシアの無人無人戦闘支援機「S-70オホートニク」が初飛行に成功
ロシアが開発中の無人戦闘支援機「S-70オホートニク(ハンターとも呼ばれている)」は、ロシア初のステルス戦闘機SU-57を開発したスホーイが設計・開発を担当しており、ロシアが進めている第6世代機開発プロジェクトの一つだ。
外見上の特徴は、米国の無人戦闘攻撃機「X-47」(開発中止)によく似た全翼機タイプだが、S-70は機体重量が20トン(離陸重量25トン)もあると言われ、非常に大きいというよりも、もはや有人戦闘機(F-15並)と同じレベルの大きさだ。
このS-70は、全長14m、全幅19m(20mという説もある)、兵器搭載量は2~3トンの兵器を2つのウェポンベイ内に収納し、約5,000~6,000kmの航続距離を持ち、SU-35に搭載されている「AL-31」もしくは、「AL-41」が1基搭載されていると言われている。
長波を使用するレーダーにステルス性の面で有利な全翼機タイプで、SU-57に用いられたステルス技術を駆使して設計されたS-70は、ロシア軍用機の中でも、最高のステルス性を持っている可能性が高い。
この無人戦闘支援機は、現在、量産が始まったロシアのステルス戦闘機SU-57によって制御され「忠実な翼者」として使用することを想定されてると言われていおり、恐らく自律的な戦闘飛行が可能なボーイングが開発中の「ロイヤルウイング」や、米空軍が開発中の「XQ-58ヴァルキリー」の対抗馬的無人機だ。
結局、米国はF-35と「XQ-58ヴァルキリー」、ロシアはSU-57と「S-70オホートニク」の組合せ(可能なら第4世代機でも)で、欧州が第6世代機の主要条件に掲げている「有人機と無人機による共同任務(無人機制御)」能力を、欧州よりも先に第5世代機で実現させるつもりだ。
第5世代機の条件はハードに依存した要素が多かったが、欧州が主張する第6世代機の条件(無人機制御、戦場のネットワーク化、指向性エネルギー兵器等)はハードよりもソフトに依存するものが多く、20年後に欧州の第6世代機が完成する頃には、既存の第5世代機が第6世代機の条件を全て持ち合わせているかもしれない。
既に航空機用の指向性エネルギー兵器(通称:レーザー兵器)のプロトタイプは完成し、航空機に搭載されテストを受けているし、戦場のネットワーク化は欧州よりも、米国の方が先行しており、ロシアでも最近、軍専用の高速ネットワークを立ち上げ米国に追いつこうとしている。
欧州は第5世代機開発をスキップしたため、第5世代機によるアップグレードが行えず、機体と技術の両方を一度に開発する必要がありマーケティング上、第6世代機を名乗ってはいるが、英国のテンペストにしろ、独仏のFCASにしろ、既存機の改良で米ロに追いつかれてしまえば、海外への輸出で苦戦するのは目に見ており、タイフーンやラファールの二の舞になる可能性もある。
あくまで可能性の話で絶対ではないが、10年か20年後、欧州の第6世代機は第5.5世代機と呼ばれている「かも」しれない。
※アイキャッチ画像の出典:YouTube
よく分からんのだけど、今までって特に新世代機とか意識せずに米露間の開発競争で必要とされる新技術を適用していった結果、後から見ればこの機体の時点が新世代と言える、のような感じで世代が決まっていたんじゃないのですか?
第6世代はもう世代更新ありきで妙に煽ってるような感じを受けるんだけど、米露の開発競争とはあまり関係のない国々が主導権争いしているからその具材に使われているだけでいまいち内容が伴っていないように感じる。
ジェット戦闘機の世代はF-22を開発したロッキード・マーティンがF-22を第5世代ジェット戦闘機とマーケティングワードとして定義し、その時に第1世代から第4世代を後付けで定義した経緯があります。
なので、第5.5世代や第6世代については各国や軍事企業の思惑で決まるでしょうね。
1機種の要件定義から開発に10年から20年かかるようになったので、出てくる機体ごとに世代が変わるのがマーケティングワード的にも都合が良いですし
開発においてそう都合のよい近道は存在しないという教訓になりそうですね。確かにソフトウェアの進化だけでいいなら、ある程度以上のハードがあればアップデートで対応できるわけで、携帯電話においてiPhoneの華麗な登場があったように、軍事においてもハードとソフトウェアの両方が密接に繋がった物でしか新しい地平は切り開けないのでしょう。
第六世代戦闘機って割とマジで有人戦闘機の最期の世代になるかも