米メディアは「約2年ぶりにライトニングが落雷や稲妻が発生している空域近くを飛行できるようになる」と報じていたが、OBIGGSの修正は制限を解除するほどの安全性を担保できなかったためJPOは「F-35の飛行制限を解除しない」と明かした。
参考:Pentagon won’t lift F-35A lightning restrictions after hardware and software fix
JPOは「追加のOBIGGS修正計画」について明言を避けており、OBIGGSの修正を諦めて「25海里制限」まま行くのかもしれない
ライトニングIIと名付けられたF-35は燃料パイプ内に滞留する可燃性ガスが落雷で発火することを防ぐためOBIGGS(窒素を燃料パイプ内に充填して可燃性ガスを不活性化するシステム)を採用しているのだが、このシステムは原因不明の能力低下を引き起こすことが発覚、この問題が修正されるまでF-35は「落雷や稲妻が発生している空域から25海里以上離れて飛行する制限」が設けられている。
さらに米海兵隊は「F-35の機体表面は複合材料で構成されているため固有の受動的雷防護がなく、インフラが整っていない基地に展開するには携帯式の避雷針を持ち運び、駐機する機体を保護する必要があると主張している」と主張していたが、F-35ジョイント・プログラム・オフィス(JPO)は今年2月「OBIGGSの修理を受けた初のF-35Aが7月までに完成する」と明かしたため米メディアは「約2年ぶりにライトニングが落雷や稲妻が発生している空域近くを飛行できるようになる」と報じていた。
しかしOBIGGSとソフトウェアが改良されたF-35AをテストしたJPOは「今回の修正は状況の改善を提供するものの雷の飛行制限を解除するには不十分だ」と明かし、安全上の懸念が全て解消されるまで「同制限は解除しない」と付け加えているため、今後もF-35は落雷や稲妻が発生している空域から25海里以上離れて飛行しなければならないという意味だ。
因みにJPOは「追加のOBIGGS修正計画」について明言を避けており、マッハ1.3以上の超音速飛行状態を維持した場合にF-35BとF-35Cで発生する特有の欠陥修正を断念して「マッハ1.2を超える超音速飛行を制限」したのと同じようにOBIGGSの修正を諦めて「25海里制限」まま行くのかもしれない。
関連記事:不具合解決、2年ぶりにF-35が落雷や稲妻が発生する空域に戻ってくる
関連記事:欠陥修正を断念した米国、F-35BとF-35Cの超音速飛行制限で対応
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Zachary Rufus
雲の上を飛んだら平気なのでしょうか?
雷電は、雲の下方よりも、雲の上方(宇宙側)へ、回数的にもE的にも、より多く放出されているんだよ
エネルギーが高過ぎて、反物質生成→対消滅→ガンマ線発生、なプロセスも稀だけど起きる様ですね。
雷って上に向かっても放電するのを宇宙からの写真で見た事あるので無理だと思う
↑ ↑↑
そういえばそのような画像を見たことがあります。ありがとうございました
ライトニング2がライトニング(雷)に弱いってなんだか面白いね
にしても燃料パイプ内に窒素を充填するだけの機能が不具合起こして2年も対応出来てないってのは何故なのか
ゴタゴタの続くアリスとオーディンよりは直ぐ対処出来そうな問題のように見えるけど。。。
ヒーローものによくある「自らの強すぎる力で我が身を焦がす」っていう中二病設定に違いない
これってF-35固有の対策ではないと思うんだよな
なにか特有の事情がありそうな感じ
ステルス塗装による電気的特性によるものだろうか?
多分既存機と同等かそれ以上の窒素の充填は出来てるんだろうけど、複合材メインで金属材が極端に少ないから既存機なら(静電遮蔽されてて)大丈夫な条件で問題が出ちゃう、とかじゃないかね。
愛称ライトニングなのに・・・(苦笑)
F-35各種は冬の日本海、小松基地では運用できない。
天候によっては携帯式避雷針がある基地でしか運用できず、
F-35Bでの離島の空港などへの柔軟な展開といった
特性を生かした行動に影響が出る、ということなのかな?
これはズムウォルト級の話と同じで、基本的な設計、コンセプト、考え方自体に欠陥、不良がある欠陥不良兵器ということじゃないでしょうか?
充電が不便で、修理が難しいテスラのEVや、自動運転などとも共通する気がします。つくってから、後でどうにかすりゃいい、といいつつ、何年たってもまったくどうにもならないというパターンです。
セグウェイや、ホンダのアシモもそうですが、基本的に考え方がおかしいものは、何をどう改良しようとしてもダメなことが非常に多いのです。
欠陥不良兵器は言いすぎでしょう。
現在F-35を上回る能力の戦闘機は存在せず、発注国•発注数の多さからしても傑作機といって差し支えないレベルかと。
制限が課されると聞くと重大な欠陥があるような印象を感じますがF-35に限らず航空機に運用上の制限は付き物で、その制限がどの程度問障害になるかは別問題です。大きな制限が課されても欠陥機とは限りません。
ズムウォルト級に関しては間違いなく欠陥不良兵器です
小松基地はもちろん冬の日本海側周辺ではとてもじゃないけど運用できないですね
やっぱりF-35は欠陥機だね。日本自衛隊はまた無駄な買い物をしたよ。
なんでLMの飛行機っていつもOBIGGS、OBOGSでトラブル起こすんだ
にしてもこの制限はずいぶん神経質だな
民間機はこの手のシステム積んでない機体もあるがバンバン雷雲の中飛んで雷受けまくってるってのに
思うに、被雷したくない理由はこのシステムだけには限らないのでは?
コンポジットの飛行機って修理が凄く面倒、ステルス機となればなおさらだろうし
(あと管理人さん、窒素入れるのは配管ではなくタンク内です。配管は燃料で満たされてますから。)
F-16もヤバイの?
F-2の場合、下記の処理を施しているとの事だけど、ステルス機だと同処理が出来ないのか。
F-3の場合どう対処するのだろう?
>複合材構造は飛行中に被雷すると一般の金属構造に比較して雷電流による熱で破損する可能性が高いと言われているため、
>複合材部位については表面の一部にアルミ合金の薄い網を接着して、雷電流を金属構造に導くように設計し
ている。
レーダー波を反射せずに熱に変えているからか?
>複合材構造は飛行中に被雷すると一般の金属構造に比較して雷電流による熱で破損する可能性
この部分に対するコメントでしたら、
これは恐らく、金属と複合材との抵抗の相違な話しだと思います。
絶縁破壊を起こして大電流が流れてる状態だったり、
微小時間でのパルス電流(印加時間が極めて短い場合、温度上昇が鈍化するのでDCに比べ電流許容値がupする傾向があります)だったりで、
通常時の抵抗値比較とはちょっと雰囲気が異なるでしょうが。
「アルミ合金の薄い網」なんか表面に装着したらRCS爆上がりなのでは。
F-2では「ほぼ金属のF-16よりは全然マシ」で許容できるだろうけどF-35ではそうはいかないでしょう。
F-2もエッジ部分やその周辺は、RCS低減ためRAMを塗布しているから、恐らく「アルミ合金の薄い網」の雷電流対策は行っていないと予想しています。
また「アルミ合金の薄い網」を施すのがレーダー波の到来方向に対して垂直に近い面なら仰る通りRCS爆上がりでしょうが、
平行に近い面なら(メインビームは到来方向ではなく明後日の方向に逸らすので)RCS的には影響は比較的少ないだろうとも思っています。
あと、仮にその手の微弱な反射成分?すら許容出来ない水準を求めているのなら、エッジマネージメントの類いも駄目な気も。
その手の個人的なモヤモヤは横に置いて、
雷への脆弱性から判断すると、恐らくF-35は仰る様にその手の微弱な反射成分?の影響すら気にして処理しているのでしょうが、
だとするとF-3はどう対処するのかな?と思った次第です。
ようするに無理してでも新エンジン交換しろって事でしょ。