米国関連

アフガニスタンで旅客機墜落は誤報? 米空軍の戦域通信中継機「E-11A」が墜落

ポーランドのF-35導入契約に関する話題や、アフガニスタンで民間旅客機が墜落したというニュースの続報について簡単にまとめてみた。

参考:Poland to sign $4.6 billion F-35 fighter jet deal: minister

ポーランドのF-35導入契約は42億ドルで決着

ポーランドのマリューシュ・ブワシチク国防相は今週の金曜日、ステルス戦闘機「F-35AライトニングⅡ」を32機購入するため契約に関する署名すると明らかにした。

この契約にはF-35A 32機、エンジン「F135」33基、F-35に搭載される電子戦システム、F-35の保守やスペアパーツの管理を行う「ALIS」システムへの接続権利、ポーランド軍のパイロットやエンジニアの訓練費用、各種スペアパーツ、ロッキード・マーティンによるサポート費用などが含まれているが、同機が使用するAIM-120やAIM-9、誘導爆弾「JDAM」などは含まれていない。

出典:Public Domain F-35A

当初、この契約は最大で約65億ドル(約7,000億円)必要になると見られていたが、ロイター通信やポーランドメディアによれば約42億ドル(約5,000億円)で決着したらしい。

ここまで契約金額を削減出来たのは、ポーランドがF-35A導入契約と引き換えに要求するはずだった「オフセット契約」を辞退したためで、同じようにF-35Aを34機導入しながらオフセット契約を辞退したベルギーの契約金額(42億2,500万ドル)とよく似ている。

ポーランドはステルス戦闘機「F-35AライトニングⅡ」を導入することで、旧式化した旧ソ連製戦闘機SU-22M4/UM3K(SU-17の輸出型)やMiG-29A/UBを置き換える予定だが、ロシアからしてみれば首都モスクワがF-35の作戦範囲に収まることになるため、今後対応に乗り出してくるものと思われる。

アフガニスタンで墜落したのは民間の旅客機ではなく米軍機

昨日、アフガニスタンで旅客機墜落が墜落したと日本でも報じられていたが、実際に墜落したのは米空軍第430遠征電子戦闘飛行隊所属の戦域通信中継機「E-11A」だった。

参考:Highly Specialized Air Force E-11A Communications Aircraft Crashes And Burns In Afghanistan

墜落した地域を支配するタリバンはE-11Aを撃墜したと主張しており、搭乗していたハイレベルのCIA関係者を含む全ての搭乗員を殺害したと言っているが、E-11Aは情報収集機ではなく戦場の上空で異なる無線周波数を変換したり互換性の無い通信装置間を中継することで、情報共有や状況認識を改善するための機体でCAI関係者が搭乗することはまずない。

米空軍もE-11Aの墜落は認めているが、何故墜落したのかについては原因を調査中だと発表している。

とにかくアフガニスタンで墜落したのは民間の旅客機ではない。

 

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Senior Airman Kaylee Dubois

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コメント

    • 匿名
    • 2020年 1月 28日

    > CAI関係者が搭乗することはまずない。

    CAI というのは何でしょうか?

    • hiroshi
    • 2020年 1月 28日

    > CAI関係者が搭乗することはまずない。

    CAIって何ですか?

    • 匿名
    • 2020年 1月 28日

    なぜだかわからないけど管理人は変な誤字するよね。CAIとか

      • 匿名
      • 2020年 1月 28日

      割と誤字が多いサイト

      • 匿名
      • 2020年 2月 01日

      超極音速もよく見る

    • 匿名
    • 2020年 1月 28日

    SU-22M4の退役はとても残念。

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