米空軍とロッキード・マーティンは戦闘機F-16Vの輸出を加速するためコモディティ化を進めていると報じられている。
参考:How Lockheed Martin plans to speed up sales with commoditized F-16
F-16Vを売りまくるため仕様を標準化と固定価格導入を進めるロッキード・マーティン
ジェネラル・ダイナミクスが1970年代に開発した戦闘機F-16ファイティング・ファルコンは計28ヶ国で採用され累計生産数は4,600機以上、2019年時点で2,280機が運用中というベストセラー戦闘機だが、同機の改良は絶え間なく続けられており最新のF-16V(Block70)には各国から発注が殺到している状況だ。
因みに2,280機という数字は世界中で運用される戦闘機の約16%に相当すると言われており、どれだけF-16が世界中で愛されているかが良く分かる。
米空軍もF-16Vの輸出に期待している為か、今年8月に上限が620億ドルに設定されたF-16の契約(620億ドル分のF-16を受注したという意味ではない)を与えており、この期待に応えてロッキード・マーティンはF-16の売り込みを行い受注を獲得してくる必要があるのだが、F-16Vの輸出を妨げる問題がある。
それは非常に複雑な戦闘機の販売プロセスで、ロッキード・マーティンは伝統的な戦闘機の受注方法を見直して販売プロセスを省略する戦略に出た。
これまでの戦闘機販売プロセスは顧客の好みや要求に応じて戦闘機の仕様を調整する必要があり、各顧客ごとに異なる契約書を作成するために少なくない労力や時間を割いていたが、各顧客が要求していた戦闘機の機能差が小さくなってきた=均一化してきたためF-16V(Block70)については仕様を標準化して価格を固定することで販売プロセスにかかる手間を削減するらしい。
補足:米空軍とロッキード・マーティンはF-16V標準仕様の価格について協議中で、F-35のように数ロット単位(2年~3年)で価格を管理する方法を検討しているらしい。
ロッキード・マーティンによればF-16Vの仕様を標準化して価格を固定することは価格の透明性に繋がり、顧客ごとのカスタマイズが不要になれば生産コストも削減できると主張しており、標準仕様にない機能を要求やオフセットを要求する顧客に対しては、その部分だけ別契約を結ぶことで対応すると言っている。
もしコレが実現すればF-16Vのコスト(初期発注分の機体単価は約5,490万ドル:約58.5億円)は更に下がり、導入国毎に異なった価格の差が是正され不公平感が発生しにくい販売アプローチになることが予想されるため、競合する戦闘機メーカーにとって脅威と映るだろう。
このような手法はF-35やF-16Vのように一定の受注が安定して獲得できる機種に限られるため、競合するF/A-18E/F、ラファール、タイフーン、グリペン等の戦闘機では実現不可能と言って良く、海外市場でのF-16V人気が更に高まることが予想される。
きちんと計算はしていないが、このままF-16Vが売れ続けF-35の導入が進めば世界中で運用される戦闘機の30%~40%がロッキード・マーティン製になるのではないだろうか?
関連記事:流石にコレは安い、第4.5世代戦闘機F-16Vの機体単価は5,000万ドル台
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo/Tech. Sgt. David Salanitri
F-35の性能が標準化されているということは、韓国も日本も米国も性能は一緒ってことですね。
韓国と一緒にしないで
韓国www
こうなるとF-16Vと性能と用途がかぶるKFXを買う国はあるんでしょうかね?
ステルス戦闘機が欲しければF-35買うでしょうし
かんこくかわいそう
F-16Vとは勝負にならんでしょうね。
一応ステルス性が付与される予定のブロック2以降ならF-35が買えない国に対して売れるかもしれませんね
ウエポンベイ用の空間、深さ方向は兎も角、横幅狭いし﹙下側横材の窪みがAAM取り付け対応用﹚、下手にステルス化するより、4.5世代のままの方が使い勝手良いような気がします。
リンク
RCS 0.5㎡程度と、4.5世代機としては小さい値を予定している様だし。
リンク
ブロック2は小改良にとどまり実施未定のブロック3で第5世代にする計画のはず
しかもKFXが量産される頃には、1機3400万ドル(34億円!?)という破格のステルス機Su57Eが購入可能になっているという・・・。
まぁ実際にはこんなに安くないんだろうけどね。
それでも、兵装や配備インフラの上乗せでも5000万ドルといわれている(安すぎないか?)。
ガワだけ国産で中身ライセンスばっかで高価格なうえに、技術移転元との柵で輸出の敷居の高いKFXは・・・。
ロシアだけに、導入価格低め・維持費高めのプリンター商法してくるかも。
戦闘機に値札つけるようになったか。高島屋だね。
別機種からの変更で新規に購入してくれる国はいいけど、F-16導入済みの国で後継がF-16Vになってしまうと、本来後釜になるはずのF-35のセールに支障が出るので悩ましいなLM。
実質f-35とf-16vでハイ・ローミックスの関係になってるから購入層がある程度被っても問題ないんじゃないかな?f-35はかなりの数か生産されるのは約束されてるし。政治的にf-35を買えない国に提案できるのも強みだよね。
現在F-16を保有している国には、Vへの近代化改修を売込めばOK。
台湾のように、近代化改修と新造機をセットで売るという手もある。
F-35が買える国は、さっさとF-35を買いますよ。
こう言うシステムを作るのは日本が1番苦手とする分野ね
LM「なぁなぁ日本はん、イーグルとかいうカビ臭い戦闘機を後生大事に使うより、うちとこのF-16V買うた方がお得ですえ?F-16V、F-35と、おたくのF-3やっけ?でハイローハイミックスでええやないの」
PRE-MSIP近代化した上で飛行時間0にオーバーホールした方がまだ安いんで普通にカエレ
日本「何でF-2開発の時、お宅のF-16をベースにしつつ機体を大型化したのか、忘れたのか?」
LM「航続力でっしゃろ、それならCFTを装着しましたから……」
日本「じゃあCFT装備のF-16VにASM-2を4発と自衛用AAM2発付けた状態で、行動半径450海里以上の航続力を達成出来るなら買ってやる。この航続力の条件、F-2と同じなんだが」
LM「……」
F-16のCFTは370galor600galなので600galの方だとF-2の翼下600gal増槽と同じ
更に胴体下増槽付ければF-2の胴体内タンク増強分もカバーできる
その上でASM-2クラスの対艦ミサイル×4とAAM×2を搭載して行動半径hi-lo-hiで
450nmを確保可能
やっぱり日本がナンバーワン
ロッキードごとき日本の足元にも及ばないってはっきりわかんだね
アメリカから戦闘機が買える(売ってくれる)国からすれば、もはや他国製の機体を買うのも馬鹿馬鹿しいよね。ラファール・fa-18・f-15、グリペンもまだまだ需要はあるけどピンポイントすぎる。
その懸念は余り考慮しなくて良いと思う
現状F-16を導入している国で後釜がF-16Vになるケースで想定されるのは、以下の三パターンに限られると思われるから
1・例えば台湾の様に政治的な事情からF-35が買えない国
2・F-35程の高性能ステルス戦闘機を必要としない国(数を揃える必要上、少数のF-35よりもF-16Vを多数発注した方が良いと考える国も含む)
3・そもそもF-35を買える金が無い国(この様な国では、既存のF-16をV型にアップデート出来れば上出来と考えている場合が多いと思われる)
むしろLM的には、財政上余裕が有る国にはF-35、財政が厳しい国にはF-16Vの新造機か旧型のF-16をV型にアップデートすると言う、相手国の状況に応じた提案が出来るので損は無いと思う
このコメントは下記の書き込みへの返信でしたが、トラブルで此方へ飛んでしまいました
申し訳ありません
>別機種からの変更で新規に購入してくれる国はいいけど、F-16導入済みの国で後継がF-16Vになってしまうと、本来後釜になるはずのF-35のセールに支障が出るので悩ましいなLM。
しかしLMの一人勝ちだなあ…。
ボーイングはF-16と勝負するためにレガシーホーネットベースの新型機を作っておくんでしたね。
今となってはF-16に市場を完全に押さえられもはや今から作る意味もない。
今日LMが戦闘機の分野で独り勝ちになれたのは、F-22と35と言うステルス戦闘機の開発を通じて技術研鑽が出来た事に加えて、1993年にジェネラル・ダイナミクスの軍用機部門を買収してF-16開発・製造権を手に入れていた事が大きい
でもF-22と35の開発が難航した事やF-16はLMが手に入れた93年当時の時点で既に3000機位売れており、そこから更に売れるとは思われていなかった事を考えると、LMは幸運にも恵まれていたと思う
逆に、ボーイングの戦闘機部門の実態は1997年に吸収したマクドネル・ダグラスの戦闘機部門だが、嘗てF-15と18を開発した同社もこの当時、既に落ちぶれていた
その証拠に合併前のATF計画(後のF-22の開発コンペ)でマクドネル・ダグラス案は落選し、その次のJSF計画(後のF-35の開発コンペ)に至っては提案の最初の段階で真っ先に落とされて、LMのX-35と共に実験機開発まで進んだボーイングのX-32にも負けており、その後マクドネル・ダグラスはボーイングに吸収合併された
ボーイングの戦闘機部門はそんな状況だったので、その後A-12の開発失敗で追い詰められた米海軍からスパホの発注を得られなかったら、とっくの昔にボーイングの戦闘機部門は消えていたかも知れない
>F-16はLMが手に入れた93年当時の時点で既に3000機位売れており、そこから更に売れるとは思われていなかった
今の状況だけを見ると、何故GDは軍用機部門を売却したのだろう?、と疑問に思いますが、
当時この状況を予想するのは困難だったのでしょうね。
エアフレームは概ねレガホで、中の電子機器はスパホ相当ですか。
F-16のように、アップデート需要も狙えたでしょうね。
レガシーホーネットの輸出機数はA~D型を合わせても432機(米海軍中古機含む)と、F-16に比べると格段に少ないのでアップデート需要は限られると思います
実際、レガシーホーネットのアップデートって米海兵隊のF/A-18Aのレーダーを換装した話(APG-65から73へ変更)しか聞きませんし
いいこと思いついた
F-16を攻撃機に改造できる主翼と対艦ミサイルをセットにして売ろうぜ
もちろん冗談です
A-10「もっと安くて適任なベース機体があるぞ!」
そんなF-2擬き、20年前の日本くらいしか需要無さそう。
10年前になると、F-2増産の流れを空幕が潰しにかかり、石破さんのもと逆に調達数削減へと舵を切りましたが。
実はF-2が開発されていたのと同じ頃、米国で「アジャイルファルコン」と言うF-16の主翼拡大計画が存在し、NATOのF-16ユーザー向けに提案もされていたので、20年前の日本以外にもF-2擬きの需要が無かった訳では無いのですよ
結局、アジャイルファルコン計画は実際の開発には至りませんでしたが、F-16の航続力向上のニーズはその後も残り続け、最終的にはCFT装備と言う形で実現します
後、10年前のF-2増産を石破氏が潰しただけで無くF-2の調達数を削減した結果、日本は戦闘機の国内生産の空白時代が生じてしまい、様々な下請け企業が戦闘機生産から撤退した為、日本の防空は危機的な状況に陥る事になりました
その意味で、石破氏によるF-2生産打ち切りは日本の防衛史上に残る大失敗だったと思いますし、出来れば10年前にF-2をあと20機程度追加生産すれば空自の防空体制ももう少し余裕を持った状態でF-35導入を迎えられたと思います
F-16ベースでの共同開発が決まった頃、当時F/A-18推しだったメーカサイドから
・日本の金でアジャイルファルコンを開発する目論見だ
・米海軍向けF/A-18生産を日本にワークシェアで奪われないための予防措置だ
などと陰謀論が出ていた様です。
一方FS-Xのベース機がF-15・F-16・F/A-18に絞られた頃、「F/A-18だけは避けて欲しい」と当時の空幕長が防衛庁長官に直訴を行っとのエピソードもあります。
﹙大戦機の開発でもありましたが﹚民と官とで、見ているモノが異なる事がある様です。
「防衛省政策評価に関する有識者会議(第30回)議事録」で、次のような趣旨の説明があります。
・産業政策として将来戦闘機を捉えてはいない
・航空自衛隊が戦闘機を運用していく上で最低限必要な、且つ、能力向上に必要な基盤は維持するという問題意識に基づいている
・戦闘機は一番重要な装備品なので、産業政策的な視点と必要な戦力の確保のバランスをとりながらやっている
・インテグレーションができなければ、そもそも必要最低限の基盤すら維持できないとの問題意識が出発点
10年前に、F-2増産の流れを潰し逆に調達数削減へと動き、一方X-2などの開発を維持し続けたのは、上記と同様の思考に由るものだろうと解釈しています。
やめて!F-16の価格低下でこれ以上F/A-18の市場を焼き払われたら民間部門の不況と繋がってるボーイングの本体まで燃え尽きちゃう!
お願い!死なないでボーイング!あんたが今ここで倒れたらF/A-18やF-15のアフターサポートはどうなっちゃうの?資金はまだ残ってる。ここを耐えればLMに勝てるんだから!
次回、「ボーイング死す」。デュエルスタンバイ!
(…って冗談抜きでもわりとまじでボーイングさん大丈夫ですかね…)
先に韓国が逝きそう
韓国w
おそらくだが、アメリカの元々のねらいはボーイングの軍用機部門は落ち目でも
民間機部門で採算取れるから問題ないだろうと思ってた としても不思議ではないんだよな。
そしてMRJが通過できない程の厳しい安全基準を通過した新型が事故りまくり&新型コロナのダブルパンチ。
アメリカ政府は一旦自身を見つめなおす必要があるんじゃなかろうか?
アメリカ自身の手で介錯するしか
F/A-18はノースロップ・グラマンに、F-15はロッキードマーチンに。
大型旅客機部門は……、誰も買い取らないだろうな……
ノースロップに売却しないかなーとは思ってる>戦闘機部門など
まぁ、韓国も期せずしてF-2と同じことになるだけかと。
売れないと見込んだら、ステルス化は無くなるかな?技術開発のため開発するかな?
開発してほしいけども。
韓国w
かわいそうw
>まぁ、韓国も期せずしてF-2と同じことになるだけかと。
「F-2と同じこと」って何を指しているのでしょうか?
言わんとされてる事がイメージ出来なくて、気になったもので。
>こうなるとF-16Vと性能と用途がかぶるKFXを買う国はあるんでしょうかね?
ステルス戦闘機が欲しければF-35買うでしょうし
↑このコメントに対する返信でした。
ただ「高価になる」という意味だけです。
技術開発などで得られるものはありますが、
F2と違って、他国への輸出を見込んで開発したKFXにとっては残念になりそう。
とりあえず韓国のKF-Xは自国だけで200機程度は更新需要があるし、batch1だけに限れば高価にはならないと思う
F-2の時とは違って、エンジンもすでに調達が決まっていて、一応ローコスト路線であって計画が大炎上する要素はあっても、今のところは順調に事が進んでいるので多分4.5世代機としてのKF-Xは大丈夫だろう。
市場競争的には、ロッキードマーチンに独占されても困るので、KF-Xには頑張ってほしい
この中途半端な機体を今から200機も作るの???
機体単価の高さなんか比較にならない様な重過ぎる負の遺産になる未来しか見えないけど。
作ったはいいけど自国だけの需要で改造するより、その時の新鋭機買った方が使い勝手いいし長期的にはお得になっちゃうって話でしょ
もはや戦闘機開発は技術力より国際政治力やマーケティングの方が重要になってしまった
仮にそのとき最高のものが作れても、長く使おうと思ったら継続的な改修が必要になるわけでして、F2は使える兵装が少なすぎるしマルチロールファイターを名乗るには用途が限定的すぎる
韓国肝いりの戦闘機も売れなきゃ同じ運命を辿ることになる
では、その時の新鋭機を買ったら買ったで問題があると言う話をしましょうか
F-35で既に起きていますが「ある国から新鋭機を買ったら搭載兵装も相手国の指定した物を買わないと行けないし、改修時にも勝手に搭載装備を変更出来ない」と言う現象があります
これ、実は結構問題でイスラエル空軍がF-35を導入した時に自国の電子装備搭載を巡って騒動になっていますし、空自のF-35も国産のAAMとASMが搭載出来ないと言う問題が起きており、空自では更にF-15JSI改修事業で国産AAMを搭載しようと計画した際にそれを善しとしない米側と揉めたと伝えられた事があります
これがF-2や後継機として我が国主導で開発予定のF-3だとそんな問題は無い訳で、此処に国産兵器の知られざる長所があります
回答や解説、ありがとうございます。
モヤモヤが解消しました。
また航空機メーカーがhellのかなあ。
ロシアもスホーイがミグを吸収してオールロシア体制に変わりつつあるし、アメリカもやがて戦闘機部門は1社にならざるを得ないだろ
三菱も、いずれどこか海外と合併する日が来るよ、政治的判断が求められる
三菱の売上規模、ホンダの半分程度、スズキやマツダと大差無し、でしたっけ。
MHIは国策として政府が守るでしょ。
防衛装備研究開発事業に深く係わる企業の海外合併は、国費を投資し長年築き上げてきた技術体系の海外流出に他ならないですから。
本体を安く売って消耗品や付属品を大量に買わせて儲ける。合計額は4・5世代相当を維持したままなので沢山売って使ってもらう方が儲けも多い。完全にやり口がロシア流だが儲けれるなら手段なんて関係ない。