米海軍と米海兵隊は大規模な部隊再編計画「Force Design 2030」実行に伴い小規模な海兵隊の部隊を運搬する揚陸艦艇調達を検討中だと言われていたが、ようやく新しい揚陸艦艇の詳細が公表された。
参考:Navy Light Amphibious Warship (LAW) Program: Background and Issues for Congress
米海軍が予定している調達コスト約1億ドルの新しい揚陸艦艇は実現するのか?
米海兵隊は大規模な部隊再編計画「Force Design 2030」によって主力戦車M1A1エイブラムスを装備した戦車大隊を全て廃止、歩兵大隊は24個から21個へ、砲兵大隊は21個から5個へ、水陸両用車中隊は6個から4個へ削減、代わりに対艦ミサイルや対空ミサイルで武装した少人数編成の「沿岸連隊」を新設して西太平洋上に点在する「小さな島」を拠点に中国海軍の西太平洋海域進出を阻止する構えだ。
要するに米海軍と米海兵隊は少人数編成の「沿岸連隊」を状況に応じて西太平洋上に点在する「小さな島」に運搬するための新たな揚陸艦を必要としており、米議会調査局は米海軍の新しい運用コンセプトに基づいた揚陸艦艇に関する報告書を今月10日公開した。
米議会調査局の報告書によれば新型揚陸艦の全長は122m以上、速度は14ノット以上、航続距離3,500海里、40人以下の乗組員で運用可能、最低75人の海兵隊員を収容可能、最低でも海兵隊の装備を収容する貨物搭載スペースを8,000平方メートル備えて揚陸艦の船首または艦尾を直接ビーチに乗り上げさせて貨物の積み下ろしができる構造を採用して、米海軍は2026年までに同艦を計30隻調達することを予定している。
さらに新型揚陸艦最大の特徴は調達コストで1隻あたり1億ドル~1.3億ドル(約101億円~約135億円)に収めると米海軍は主張しているが、米国海軍協会は調達コストを1億ドル~1.3億ドルで収めるためには新型揚陸艦の速度と抗堪性が鍵を握っていると指摘しており非常に興味深い。
米国海軍協会によれば一般的に14ノットを超える速度を達成するためにはエンジンが4基必要で、もし新型揚陸艦の調達コストを1億ドル~1.3億ドルに抑えるなら速度を14ノット(エンジン2基構成)までに抑える必要があるのだが、米海軍と米海兵隊は調達コストを抑えたまま14ノット以上を要求しているためエンジンを追加しない方法で速度を高めるアイデアが必要だと指摘、さらにの駆逐艦のように攻撃を受けて破損しても戦闘や任務を継続できる抗堪性を考慮すれば新型揚陸艦の調達コストは5億ドルを超えるだろうと言っており、調達コストと要求性能のバランスに海軍当局は頭を悩ませるだろう。
ただ米造船業界が米海軍に提出した設計案の中には幾つか有望な案が含まれており、米海軍も新型揚陸艦の耐用年数を約10年と見積もっているため拡張性を考慮する必要がないぶん大胆な設計を施せば、米海軍が要求した通りの新型揚陸艦が完成するかもしれない。
どちらにしても米海軍は新しい揚陸艦艇の設計や運用コンセプトの詳細を議会に説明する必要があり、ここを突破する事ができなければ絵に書いた餅で終わってしまう。果たしてForce Design 2030によって創設される米海兵隊の沿岸連隊は新しい新型揚陸艦を手に入れることができるだろうか?
※アイキャッチ画像の出典:米議会調査局 新しい揚陸艦艇のイメージ図
10年で使い潰すって艦の評価が出る前に耐用年数が来そうなんですが…
米軍自身が放棄した過去のLSDの再現だし、耐用10年とか
もう突っ込みどころ満載w
金の足りない軍隊の喜劇としか
こんな低速安物船じゃ神風ドローンの攻撃でも沈みそう
あっ、違う、LSDでなくLSTだ
余計にヤバいほうと混同してしまった
デジタルセンチュリーもそうだがまた極端から極端に流れ過ぎてる気がするな>10年
まぁプレゼンで極端なこと言わないと通らない仕組みになっちゃってるんだろうけど
砂利運搬船の中古を改装すれば良いんじゃないかな?
どうビーチングすればいいんだ…ってなる活躍予想図
絵を見る限り、小型過ぎて航洋性も無さそうだし、どこからどこに運ぼうとしているんだろう。
ドック型揚陸艦とLCACの組合せでいいんじゃないかな。
次から次へと新しい物を欲しがるのではなく、今ある物を活用することを考えるべきではないかな?
今後、無人兵器による戦争の低コスト化が起きるのだから、これ等がある程度固まってから箱物を作った方がいいと思うな。
寿命が短いのは上陸時に船底を削るからかな?
下手すれば穴開いて一発で使い物にならなくなりそう
大戦時に急造で大量生産された米軍揚陸艦は、戦後に各国に供与され、ときには数十年も現役にあった。
艦齢10年てのがどういう根拠から算出されたのかがいちばんのひっかかり
毎回擦りあげる艦尾推進器と舵の寿命じゃない?
普通のLSTならバックでビーチングなんてしないから
揚陸艦の必要性は日本もある程度は考える必要があるので注目ですね。10年ってそこらの車ですかね。
必要があるっつーかぶっちゃけ海兵隊より先に陸自展開用の統合輸送部隊の設立に動いとるからな>日本
自衛隊も保有していたこの乗り上げタイプの揚陸艦にも問題や限界が目立ったから、現在のホバークラフトとヘリコプター搭載のおおすみ型に移行したのに、また逆行する?
本文の対艦ミサイル部隊を配備するなら、それなりの規模になるからホバーより楽なのでは?
10年なのは、メンテナンスフリーを考えているんでしょう。
造船所が手一杯という記事も有りましたし。
二等輸送艦「呼ばれた気がする」
LCUより明らかに大きい、LSTに近いものでしょうか?おそらくアメリカ級をライトニングキャリアとして揚陸機能をトレードオフする代わりですね。LSTはエアクッション挺より展開力が限られるそうなのですが大丈夫でしょうか?
2026年から2036年まで、あれば良いということは2036年には、想定する脅威というか国がなくなる予定?
逆では?
短いスパンで使い切ることを繰り返し、脅威となる国々によるアメリカ軍への対策を振り切るための戦略だと認識していましたが。
耐用年数10年って船体の話でエンジンの寿命尽きてないだろうから、定数満たした後は廃艦になった艦からエンジンだけ移植するようにすればトータルでは安くなるんじゃね
そもそもそんな短期間で耐用年数が尽きるってどういうこっちゃって感じもするけど、ビーチングしまくるとそうなるのか?
退役すれば、かつての大戦型LSTみたく同盟国に軍事援助として送る手はある
途上国には島嶼問題抱えてる国が少なくないから、揚陸艦艇には常に需要がある
「準備さえ整えば10年で中共潰すからw」っていう宣言に聞こえるのは私だけでしょうか。
軍事的合理性の塊とも言えそうな。。。
幻聴と妄想の症状出てますよ
中国軍全体の能力向上が速すぎてアメリカが対応に四苦八苦してるのにそれを十年で潰せるとかこのブログ見ている読者なのにどう理解したらそんな解釈になるんですかねぇ
そんなマジレスする方がどうかしてますよ。
絵からして民間の仕様の船を民間の造船所に作らせる気だな。
宮崎カーフェリーが2隻で180億。14,200総トン,全長194メートル,幅27.6メートル,航海速力23ノット、船客約570人,トラック163台,乗用車81台積載
船が大き過ぎるが、自走式架橋車を積んでも仕様が満たせる。(マジな突っ込みは無しで)
言いたい事は1隻100億のカーフェリーならば無理の無い注文だって事。
荒れた日本海を航行する日本のカーフェリー造船会社が応募しても勝算あるかも。
こういうツッコミは歓迎だね
バイアメリカン法があるから応募は無理だと思う…パートナーシップでも組まないと
走るんですの船バージョンだろ?
JR東日本の出番じゃん
カウンティ級を一回り小型にしたのを大量発注すれば安くなるわけだ
使い物になれば10年ごとに買い直して減る一方の造船業界も潤う仕組み?
上に出てた国内カーフェリーは、おおまかに14年で更新するシステムになってて、あとはスクラップとは限らず各国に輸出され中古の現役として活躍してる
アメリカが、この揚陸艦にも同じ発想を抱いてると読んだ
ビーチング前提だけど、できないときはどうするんだ?
その場でマルベリーになるのでは…
沿岸連隊は基本的には敵が来る前に配置する計画だから、ビーチングは港湾設備が不足する場合って感じになるのかと
こんな小型の揚陸艦建造計画でさえアメリカ軍は右往左往して大丈夫か?
最近チグハグして頼りないな、どうしたんだ?
島嶼間の連絡用だから、こんな物じゃないか?
既存の揚陸艦からピストン輸送した方が、速くないかな?
陸自が調達するとかいう中型輸送艦てこんくらいのサイズやろ。
このSea Transport Solutions社はオーストラリア企業だし、AAV7後継も含めて日米豪で装備を揃えるのもありかも。
中古フェリーやRORO船買えよって思ったけどビーチングがな…
なんだかんだといろいろとくっつけて高騰し破綻するに一票。
そうそう戦争などないのだから、1回ビーチングしたら使い捨てで良くないか?
いや最低一回は演習でビーチングあるでしょ
その次かよ
長さ 122m以上… 8000平方m以上……
平屋なら 幅 70m近くのタライみたいな舟になるが
多層式のフロアを持つ造り?
上層からの荷おろしはスロープ? エレベーター? クレーン?……
推進機構はどうなっているんだろうな
いまさら小振りの揚陸艦に回帰するのは、まず予算的な問題と、おそらくは中国の超音速滑空体や対艦弾道ミサイルを深刻な脅威と捉えて、大きくて高価な標的を差し出すのは失敗って考えてるんだろね
岸壁につけるのが基本の一般船舶と違って
ビーチングさせるフネは途中で海底につっかえかねないので喫水深くできない
幅は当然抵抗にかかわるし荷下ろしの速度は艦首か艦尾のゲートサイズによるからあんまり長くしても使いにくい
おまけにビーチングする時点で危険がいっぱいなのでほどほどの大きさに収束しがちよ