ロッキード・マーティンはF-22Aをアップグレードのため空軍から総額109億ドル/約1.2兆円の契約を獲得した。
F-22Aは1万6,000飛行時間もの機体寿命を全うする前に恐らく退役する可能が高い
F-22Aは製造工程のミスで構造上の欠陥(熱処理が不十分だった一部のチタン製パーツが想定よりも早く寿命を迎える問題など)を幾つか抱えており、これを修正するため米空軍は保有する全てのF-22Aに対して構造の変更を伴う大掛かりな修復プログラムを実施、今年1月に全ての作業が完了してF-22Aの機体寿命が1万6,000飛行時間に延長されたと発表したが、F-22Aの能力的なアップグレード(AIM-9Xのオフボアサイト能力を最大限生かすためJHMCSの統合やF-35が採用している電子光学式システムの搭載など)に予算を割くのかは非常に流動的だった。
米空軍で戦略とマルチドメイン(多次元戦闘)作戦のコンセプト開発を担当しているクリントン・ヒノテ中将は「2030年代になると1991年に開発が開始されたF-22Aは40年前の古い戦闘機になり、台湾や日本といった友好国を中国の脅威から守るいう仕事に適したツールではなくなる」と語り、後継機の次期戦闘機も2030年までに実用化へ漕ぎ着けるのではないかと噂されていたためF-22Aのアップグレードに大金を割く理由が小さくなっていたが、ロッキード・マーティンはF-22Aをアップグレードのため空軍から総額109億ドル/約1.2兆円の契約を獲得したと発表して注目を集めている。
国防総省の説明によると今回の契約はF-22Aのアップグレードと今後10年間の機体維持に関する作業が含まれており、契約に含まれる全てのオプションが行使されると作業の終了は2031年10月になる見込みらしい。
現段階で契約に含まれるF-22Aのアップグレード範囲は不明だが、幾つかの米メディアは「作業が完了する2031年はF-22Aの寿命が残りわずかとなっている時期(次期戦闘機の開発が順調に進捗している場合)なので、全てのオプションが行使されるのかは不明だ」と報じており、仮に幾つかのオプション行使を見送ると米空軍が支払う金額は109億ドルよりも少なくなる。
さらに言えば2019年末にも今後5年間のメンテナンス費用と予備パーツの供給網(サプライチェーンの保護)を維持するため約70億ドル/約7,300億円を支給する契約オプションを行使しているので、今回の契約は過去の契約を上書きするものなのだろう。
どちらにしろF-22Aは1万6,000飛行時間もの機体寿命(通常運用で2060年まで飛ぶことが可能)を全うする前に恐らく退役する可能が高く、少なくとも米空軍は手間と金のかかるF-22Aを早く手放してしまいと思っているはずだ。
関連記事:アップグレード完了でF-22Aは2060年まで飛行可能、但しラプターの将来は未知数
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo
>2030年代になると1991年に開発が開始されたF-22Aは40年前の古い戦闘機になり
それでもステルス性や機動性はF-35より上のなのが恐ろしい。
F-22Aも時代遅れの機体になるのか、時の流れは恐ろしいものですな。
レーダー探知距離も圧倒的に上
あっという間に時間は過ぎ去った。
軍事技術は日進月歩でとどまるところを知らん。
あな恐ろしきかな。
有事の竿は実戦仕様にする予定だった訓練用F-22の維持さえままならずボロボロな状態で飛ばしているのに、そこまでして現行機を延命するのはコストに見合うのだろうか
維持費とか考えるとF-35のアビオニクスや機体表面のステルス加工やその上位版を使った新規のF-22作ったほうがいいような気がするんだけど
他国と共有前提のF35と、自国のみで何でもありのF22の差でしょうね。
どっちみちグアム以西の太平洋地域に配備してない・しても航続距離不足で作戦展開が難しいんだからそのまま果てるに任せてしまえばいいのでは。米本土の防空用として使う分にはまだまだ優位性がある機体な訳だし。100億ドルは安くないぞ…
過去に日本にも配備されたことあるからその気になれば日本の空を守るという展開もあるかも?
日本の空というか、第一列島線全体だろうね
敵地近くで第五世代機を含め配備機体数が上回る中国空軍に対して、F-35だと消耗戦で押され制空権とられるとしてF-22を配備・投入可能な状態にすることを考慮しはじめたのかもしれない
第4世代の寿命が異様に長かっただけで、第5世代からは従来のような更新サイクルになりそうね
なお予算
F-22って当時の技術的限界まで使い切って制空専用戦闘機として設計したおかげで、零銭並みに伸びしろが少くなった印象がある。
将来の発展性を見越した設計にするのは当然だから零戦と同じじゃないよw
現にアップグレードを行うって言ってるんだから、単純に費用問題
そうそう、資金さえあれば伸びしろ半端ないって!笑
それに唯一ベクターノズルを量産化出来た機体で、贅(税?笑)を尽くして冷戦時に敵国を圧倒する為だけに造られた最強戦闘機!
制空特化は戦闘機の理想ではあるけど実際の運用では制空だけじゃやっていけないからな
マルチロールなら多少中途半端でも制空、対地対艦の両方に使えるから
実質戦力2倍。戦いは数ですよ兄貴。
数ならチャイナに圧倒されちゃうな
中国「全滅したら増援を送ればいいじゃない」
その制空権がF-35では取れなくなってきたからこそ制空特化のF-22に再度焦点があてられたのでは
計画通りの調達がおこなわれれば多くの各製造スケジュールロットごとに能力付与・向上が計画されていた。
最初のほうで生産終了してしまった為に初期の能力のままなのがF‐22の不幸。
故に現存する300機は極めていびつな性能バランスを持つので世界最強でも陳腐という意味不明な状態にあるんだけど
これを将来的にも使えるよう維持するにF35で100機分の費用は微妙だろうに思う
近未来が想定の対支那戦を考えるからこそ仕方ない判断ではあるか
300機?
F-22開発時、現行のエンジンよりもっと性能が良いF-22用エンジンも開発成功していたのにコストが高いからとそっちは不採用になっていたりと、あれでも最高グレードの実験機と比較すると量産型はコストや整備性を優先して多少なりとも性能落として作られているよ
それでもなお製造・整備コストはかなり高いけど
空軍の戦術シミュレーションでF-35と共に台湾防衛戦には役に立たないと判定されたが、中露の第5世代戦闘機が配備されてもなお、使いどころではF-22Aはステルス性等の性能で優位性を維持できる戦闘機。
これまでは金食い虫に金食い虫を重ねるアップデートの必要性がなかったと解釈すべきかと。
LM日本に売り込み本気だったんだから、XA100-GE-100乗っけて最新アビオニクス、無人機運用可能なネットワーク化した機体をF‐15の代わりに導入しよう、機体をゼロから設計するより格段に早い。アビオニクスの多くはF‐35のものを使えるしLMは50%以上の日本の関与okしてたんだし。F‐35、F‐3、F‐22の三機種運用がベストだと思う。米国は第6世代を売ってはくれないだろうF‐35をもっと買えって言われるだけだと思う。
よし、防衛予算倍増しよう。採算ライン再開の1兆円くらい福祉を・・・むにゃむにゃ
×採算ライン
〇生産ライン
10年前ならいざ知らず、今F-22の再生産といわれても、ラインの構成、再構成されたF-22の試作機試験、量産化を考えると、結局F-3の戦力化時期とほぼ変わらん。
それに20年後の空自の構成を考えれば、F-35A、F-35B、F-3、無人機で5機種目を考える余裕なんてないぞい。
F‐35に何かあって飛行禁止になったらスクランブル対応F‐3しかなくなるぞ
事故等で一時的に飛行禁止になった機種もスクランブル任務機は飛ばすようですよ。
飛行すれば必ず同じ事故を起こすわけではないからでしょう。
F-35を双発にしたもどきF-22作る方が楽だろうね
大変だろw
F‐22を最新のアビオニクス(大半はF‐35から流用)、ネットワークはF‐35と共通、新型エンジンに変えて日本の要望を盛り込んでも新規軸はおおくはならないはずなのでズムウォルト的な失敗の可能性は少ない。更にF‐35と同じようなアップデートが可能になる。
冒険が多く新規で機体設計から始めるF‐3がそう簡単に戦力化できるかとても疑問。そもそも日本の開発力・経験値を過大評価しすぎる人が多すぎる。
ニコイチ開発を安易に考え過ぎだと思うよ。
金の問題はさておき、やはり登場時期に対して性能が異様に高いお化け戦闘機だよなあ
冷戦の影響だろうが恐ろしいわ
シーウルフやズムオルトやクルセーダーやEFVやコマンチやFCSや
これ全部とりやめでも今現在で予算ガー状態なのだから彼らの目指してる所は一体なんなのか心配になってくる
単純にF-35増産した方が空軍にとってメリットあるのでは?
第一列島線の近くに空軍基地が大量にある中国空軍と違い、在日米軍や自衛隊の航空戦力は数で劣る
西側はそのF-35では中国の5世代機と性能差が大差なく、数に押されて制空権をとられてしまうと予想されている
近代化が100機程度で止まるんじゃあないかなー?