米海軍は「F/A-XX」と呼ばれる次期戦闘機の開発を主導するプログラムオフィスを立ち上げ、防衛産業界と新型戦闘機開発のための協議を始めたと報じられている。
米海軍、遂にF/A-XXと呼ばれる次期戦闘機開発のためのプログラムオフィスを設立
米海軍で研究開発や買収を担当するジェームス・ガーツ次官(元空軍大佐)は先週、次期戦闘機開発構想を主導するプログラムオフィスを立ち上げたと明かした。この次期戦闘機開発構想は前々から噂に挙がっていた「F/A-XX」と呼ばれる第6世代戦闘機のことで、F/A-18E/Fが退役を始める2030年代までに実用化することを米海軍は目指している。

出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Justin Smelley F/A-18E/F
これまでの経緯を簡単におさらいしておくと、米海軍は空母の航空戦力をF-35Cで全て更新するつもりはなくF/A-18E/Fとの組合せを維持する予定だが、2030年代にF/A-18E/Fが退役を始めるため米海軍は後継機を準備しておく必要がある。しかし国防予算が横ばいもしくは削減の兆候を示す中で開発資金を新たに見つけてくることは事実上不可能なため米海軍はF/A-18E/F BlockⅢの新規調達計画を2021年をもって打ち切り、浮いた資金(約48億ドル:約5,100億円)を次期戦闘機開発に回すことを発表した。
しかし議会は新規開発された戦闘機がスケジュール通り実用化できた試しがない過去の教訓からF/A-18E/F BlockⅢ調達中止に反対している。
要するに米海軍が資金捻出のためF/A-18E/F BlockⅢの調達を中止すれば同機の生産ライン維持は難しく、もし次期戦闘機開発がF-35のように遅れればF/A-18E/Fの退役によって戦力に空白が生まれることを危惧しておりF/A-18E/F BlockⅢ調達を維持しながら次期戦闘機開発を進めることを要求してるのだが、コロンビア級ミサイル原潜の調達で今後数年間は予算が圧迫される米海軍にF-35CとF/A-18E/F BlockⅢの調達を維持しながら次期戦闘機の開発資金を追加予算なしで捻出しろと言われても無理な相談だろう。

出典:public domain コロンビア級原子力潜水艦
そのため米海軍の次期戦闘機開発は2021会計年度予算でF/A-18E/F BlockⅢ調達中止を議会が許可するかどうかで大きく変わってくると言える。
予定通りF/A-18E/F BlockⅢの調達中止で開発予算が確保出来れば新しい次期戦闘機を開発する方向で話が進むだろうが、もしF/A-18E/F BlockⅢの調達が続行するようなことになれば次期戦闘機は既存機(恐らくF-35C)の改良に方針を転換せざるを得なくだろう。
以上が、これまでの経緯で今回の本題はここからだ。
元海軍将校で現在ハドソン研究所のアナリストを務めるブライアン・クラーク氏は米海軍が考えている新しい次期戦闘機についての予測を披露した。

出典:U.S. Navy photo by Chief Mass Communication Specialist Shannon E. Renfroe
米海軍の次期戦闘機はステルス性能や兵器搭載量の要求性能を引き下げてでも速度と航続距離を追求するだろうと予測、次期戦闘機の作戦半径は少なくとも1,800km(F-35Cは1,300km)は必要だとクラーク氏は推測したが、中国やロシアの長距離ミサイルから空母を守るため「足の長い有人機」を開発するのはコスト交換の側面から言うと分が悪く、兵器の運搬は無人機に頼ってもいいのではないかとまで言及している。
要するに米海軍はF-14+AIM-54の組合せで空母をミサイルを搭載したソ連の爆撃機から守ろうとしたが、これを有人機と無人機の組合せに置き換えれば劣悪なコスト交換比から抜け出せるという意味だ。
もう少し分かりやすく言うと、敵が射程3,000kmのミサイルを持っているからと言って航続距離が3,000kmもある有人機を開発していてはコストの面で勝負にならないため、有人機は1,500kmでストップして残りのギャップは無人機で賄えという意味で、ミサイルを運搬する敵機に接近するのが無人機なら有人機の兵器搭載量は大きく緩和しても問題ないと考えているのだろう。
ただ仮に上記の案を採用した場合、果たして大金を掛けてまで次期戦闘機を開発する必要性があるのか疑問だ。もし有人機の役割が敵機や目標の後方で無人機を制御する役目だけになるのならF/A-18E/Fを改良した機体で十分ではないだろうか?
果たして米海軍の次期戦闘機は元海軍将校が予測したような内容で出てくるのかは謎だが、正式に次期戦闘機を推進するプログラムオフィスが立ち上がったので、近いうちに米海軍が次期戦闘機に関する概要を発表するはずだ。
管理人的には米海軍の次期戦闘機は無人のステルス機でF/A-18E/FやF-35Cで制御するタイプだったら非常に面白いと思っている。
関連記事:米海軍、コロンビア級原潜建造のためイージス艦や攻撃型原潜調達を大幅削減
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist Seaman Shauna C. Sowersby/Released
アメリカは海空それぞれで次期戦闘機を開発しようとしているの?
その通り
F-35の時は、開発・調達コスト削減の大義名分があったから海(+海兵隊)空軍共同開発となったが、陸上機・艦上機・STOVL機の三形態を無理矢理共通化した結果コスト削減に失敗した上、開発期間も長期化する始末となった
しかも今回は海空軍で要求構想が違い過ぎる事に加えて、空軍がデジタル・センチュリー構想をぶち上げた影響で別々に開発するしか無くなった
個人的には、予算と開発手法の問題から米海空軍両方の戦闘機開発計画は盛大に炎上して、切羽詰まった米空軍が窮余の策として我が空自のF-3を調達せざるを得なくなったら爆笑モノだと思うけどね(勿論冗談。尚、米海軍の計画が炎上した場合の対応策については皆さんのご想像にお任せする)
過去叩かれた事で冗談だと保険かけてるの草生える
まあ、うちのF3が米軍に採用されるっていうのも夢のある話じゃない?
夢だけど。
元の書き込み書いた者ですが、F-3を米軍が採用するかもって言うのは、勿論「夢」ですよ
事実を夢扱いするとは
再教育してやろうか?
F-3の海軍機化はマジであり得ると思う、F/A-XXは確実に炎上すると予想している。
着艦に耐えられるように脚部と機体強度を上げ、デルタ翼を大きく折り畳みレーダーまで右に180度曲げるようにすれば結構小さく出来る。
V尾翼はリトラクタブルにして水平まで寝かせる。
サイドベイに近距離AAMを装備してウエポンベイは廃止してそこを燃料タンクにすれば航続距離も稼げる。
エンジンはF-119あたりを使うことになるだろう。
高度なステルス英を要求しないなら、機体をエリアルールに合わせてデザインを変更してもいい。
かなりの設計変更になるが一から作り上げるよりはるかに容易に完成する。
そういって共通のベースを基に派生を作って安く済ませようとしたF-35は失敗だったと酷評されてる(「計画としては」ね)から、F-3派生は考えてるより難易度もリスクも高いと思う
「○○と××への派生を前提にした共通ベースの開発」は毎度すっ転ぶけど、「○○の××化」は成功例も割とあるよ。
ただし「陸上機の艦載機化」はものすごくリスキーだと思うけどね。大型機・ハイアスペクト機は特に。
ってか、F-3ってF-22とほぼ同サイズのはずでは?
自重20t級とされているから、F-22と概ね同クラスだね。
対応するカタパルトの運用実績もカタパルトへの適合データも母艦となる空母の航空管制離着艦システムも全く無いのに、戦闘機側の機体と脚部の強度を底上げして翼を弄った程度で艦載機にできるわけないだろw
そんなんで問題なく実用化できるならF-35Cもフォード級もここまで炎上しとらんわw
A-12?
良い悪いは別として、共同開発の提案(という名の横槍)はありそう
これから作るのだから重視しないとは言ってもステルス能力は当然備えているはず。
スパホの後継機だからスパホより攻撃機寄りの性格の戦闘機になるのでは無かろうか。
記事中に「米海軍の次期戦闘機はステルス性能や兵器搭載量の要求性能を引き下げてでも速度と航続距離を追求するだろうと予測、次期戦闘機の作戦半径は少なくとも1,800km(F-35Cは1,300km)は必要」との識者の推測がある事や近年の中国海軍の空母機動部隊や対艦・巡航ミサイル(弾道ミサイルは除く)の増強振りを考えると、F/A-XXはスパホよりも戦闘機寄り、もしかするとF-14の再来(勿論一定のステルス性は有り)になる可能性もあるよ
今年もリムパック始まったねぇ
無人ステルスの僚機
↑これがまだ完成してもないのに、もう無人機ありきで有人機のスペックや戦術まで決めていくのは流石にやりすぎな気がする
別に無人戦闘機そのものがダメって言いたい訳じゃない、ただあまりにも段階を飛ばし過ぎ
あとMQ-25Aで空中給油しながら航続距離を伸ばすってプランがあったと思うけど、これはどうなったんだろう?
無人給油機の運用が確立すれば、それだけで次世代機の設計にかなり余裕が出来ると思うけど
「最後の有人戦闘機」F-104の配備から60年以上経つのにね。
いったい60年前の技術で何をどうやったら次が無人機になると思えたのだろうか。
F-104を指していう「最後の有人戦闘機」は、これからはわざわざ戦闘機なんかなくても全部ミサイルでオッケー!みたいな流れの話だから……(なおベトナム戦争でけちょんけちょんにされる)
ultimateを最後と訳すのは誤訳で究極の戦闘機が正しいとか
ミサイル万能論でICBM撃ち合うようになるからそもそも戦闘機自体がいらなくなるからとか
諸説あるけど次からは無人機って意味でないことだけは確か
LASTを「最終の」と訳した語訳で
「最新の」が正しいと聞いた
海軍て最近開発物ほとんどダメだしなー
少し頭冷やした方がいいと思うよ
速度や航続距離を優先って言うのはFー3と同様のコンセプトだね
ただより遠くに飛んでそこからさらに無人機を飛ばせて撃つと言うのは日本と異なるのかな
そもそも日本にそこまで広大で縦深性のある空域を中露に対して確保できないから、母機のステルス性も当面は犠牲にできないかもね
うーん。
せめて空海軍でエンジンやアビオニクスぐらいは共用出来ないものか?
特に海軍は開発で失敗続き、フォローにも予算食われてるから、相当しっかりしたプレゼンしないと議会は納得しないでしょ。
少しは節約する姿勢を見せるべきじゃないかな。
求められてる性能や機能が違うのに、無駄に共通点作ろうとすれば駄作の山となるだけ
おかしな縛りは極力作らん方がいいわ
航続距離3000kmの無人機の開発コストは無視ですか
その道の専門家の構想だろうけどよく分らん話だね
元々艦艇の調達費までどんぶりの予算の話なのにね…
3軍を5軍にして、各々を別予算にすれば解決www
陸・海・空・宇宙・潜水艦
合計である国防費が横ばいor下り坂なんだが。
何がどう解決するのか教えて欲しい。
www の意味を知らないの?
F-18をベースに無人機を開発して有人機に必要な装備を外し
その空いたスペースに燃料増設すればいいと思うが
使い慣れている機体だし、ベースが有るから開発コストも掛からずに
開発期間も大幅にカット出来そうだ
さすがに海軍機と空軍機(F-3)は一緒にならないでしょう
空母で運用できる仕様かつF-35Cではカバーできない用途となると自然と範囲は狭まり、個人的には中国がやってるような戦闘機ベースの哨戒機のようになると予想
おそらく米海軍が欲している戦闘機はステルス化F-14だろう
そして、エンジンレイアウトやペイロードレイアウトがなぜか酷似していて、若干のステルス性を持つ戦闘機は既に存在している
そう、Su-57だ
まさかの艦載型Su-57共同開発案!……まあないな
試作機として発表されたばかりの頃に、これってF-14のパクリだろって書いたらボコボコに叩かれたなぁ
ここで発想を転換して、超FATな潜水空母ドナルドトランプでどや(ドヤァ
なんで、艦上戦闘機を全てF-35Cにできないのだろうか?
F-35C+無人機で事足りると思うのだが。
単発機がどうしても嫌らしいです
双発信仰が海軍では根強く生きてるみたい
飛行停止のリスク回避の為だと思われる
F-35と随伴無人機だけの運用にすれば、コスパも効率も良くなるだろうけど、トラブル発生時に空母打撃軍がただの飾りになっちゃうから。。。
それでは今のオールF/A-18体制が説明つかないよ
その反省もあるんでしょ?
FA-18の1機種運用とは言っても、スパホとレガホはもはや別機体では?
個人的には2機種運用しているように見える
極超音速対艦ミサイルから空母を守るために、それらの発射母機となる中露の戦闘機、爆撃機を追い回しあるいはより遠距離で交戦できるよう速度性能と機動性、航続距離が必要なの
エンジン数もだけど、鈍足である事も嫌われる理由。迎撃に使うにはダッシュが利かないと。
あと感情的な理由として空軍主導で作った、という理由が大きいのでは? 仕様策定に口も出しにくいだろうし、ちょっとした拘りに対して部外者に「割り切れ」と言われたら感情的に害するでしょうさ。
逆パターンのF-4の時は何も言わなかったのにね。
ベースはF-3だが、開発するのはたぶんボーイング(MD)。
日本はF-3の機体データを渡すだけ。
777MAXやP8Aでボーイングの開発力はお察しだが、改造で強力な海軍機の開発に成功すれば、この先30年は食っていける、さもなければ軍用機部門は終わる。
F/A-18調達を潰したいって時にトップガン2とはタイミングが悪いw
これでスパホ人気爆発、トムクルーズ大迷惑なんてことにならなきゃいいが
なんか正体不明の実験機に乗ってるシーンもあるみたいだし
機体もパイロットも次の世代へって感じの話になるだろうから大丈夫じゃないかな?
それよりも公開寸前でコロナで延期になった上に米中対立が本格になったおかげで
マーベリックの背中から消された日本と台湾の国旗が問題視されるようになったし
日本人としちゃタイミング良かったと思うわ
空母に射程1500kmを超える巡航ミサイルや各種極超音速兵器を主兵装として搭載。監視用に特化した無人偵察機や物資輸送用の回転翼機を搭載すれば事足りる。
どうしても艦載航空兵力を使いたいのなら非対称戦争にのみ投入すればいい。航空母艦が水上主力の時代は終わている。艦載機に拘る海軍が恐れているのは長射程対艦ミサイルより兵力削減による人員整理。合衆国海軍の敵は中国やロシアではなく身内の予算委員会。
空母にVLSを追加するのか? 甲板下の格納スペースをひっ迫して、より無能になるだけだぞ
ろくに航空機を飛ばせない空母はとっとと鉄くずに戻して、主砲を抜きしたズムウォルト級を増備するべきだろう
輸送機による物資輸送はいらないし、無人偵察機も陸上にある米軍の基地か同盟国の基地から飛ばせば事足りる
ズムウォルトならば巡行ミサイルとESSMしか撃てないが、VLSから発射できる極超音速ミサイルはまだ開発中だぞ
VLS? そんなもの必要無いし専用の発射装置を追加(改装)する必要もない。既存或いは新型の陸上発射設備(車両型)を飛行甲板に置いて運用すればいい。どうせ現代戦(非対称戦を除く)の正面装備に空母は使えないのだから大型海上拠点(強襲揚陸艦の護衛と海域監視)として運用しろと言う事。
空母の投射能力は艦載機の性能に依存しているので、その艦載機が十分に機能しないなら艦載機収納空間が無駄になる。代わりに有用なミサイル類部品を格納庫に一次保管して爆薬や燃料を弾薬庫に二次保管すればいい。
どうしてもVLS方式に拘るなら、コンテナ式大型貨物船に搭載すれば十分に事足りる。重要なのは如何に遠くからどれだけ有効打を打ち込むか。
そして技術革新により性能向上(恩恵)は艦載機だけでなく全ての戦闘兵器に波及する。必ずしも海上戦力の主力が艦載機である必要は無い。
>敵は身内の予算
中国とインド以外はどこもそうな気がする
個人的には
>新規開発された戦闘機がスケジュール通り実用化できた試しがない過去の教訓
↑が刺さる、、(;´Д`)
高出力レーダーとファランクス的なモノだけ載っけたやつを大量に飛ばすとかどう?
この記事でもわかるように議会ってとても強い存在なんだけど
陰謀好きな人は軍と企業だけで議会には触れないよね
空軍・海軍同一機種というと、ラファールは両方の要望を完全に満たしてるのは凄いな。
要求仕様が合理的だったのか、空軍・海軍共要求が似てたのか、ダッソーが有能なのか。
フランス人て実は現実的で合理主義だけどね。
ダッソーは、今まで非力なエンジンに苦しみ、鍛えられた面はあるかも。
あと海軍機は、その前が骨董品だったので、ハードルが低めだったのもあるのかな?
パワー不足ゆえか、ラファールは徹底的に「高効率化」を追求してますね。
増槽はおろか、翼端のパイロンまでエリアルール形状。効率の良いクロースカップルドデルタに、カナードは主翼の揚力を最大化する位置に。主翼も抵抗を最小化する中翼。小型なのは軽量化にも低抵抗化にもステルスにも有利。
価格以外は特に欠点は見当たらないので、ハードルが低かったとも思えないですね。DACTでタイフーンに圧勝、小型なのに搭載量も大きく、偵察能力はF/A-18以上。
「小型=ステルスに有利」は考え改めた方がいいよ。
小型機で小さいのは主に全長と全幅。有人戦闘機の構造上、垂直尾翼を除いた全高はそれほど小さくはできない。
全高が大差なくて全長・全幅が小さい=寸詰まりなのはステルス的にはむしろ不利。
そもそも「小型」ったって全幅がタイフーンとほぼ同じ、F-16よりは大きく辛うじてレガホより5%小さい程度。仮にそのまんまRCSに反映されたとしてもRCSの5%差なんて誤差の範囲よ。
「ほぼ真上/真下」に対してだけは小型機が「扁平な大型機」より有利になるだろうけどあんま意味ないよね?
その自国都合な「合理性」とやらに他国まで巻き込もうとするから
いつもいつも共同開発が破綻するんやぞ
結果論として、フランスの主張が通ってればユーロファイターは低価格かつ仏以外の兵器も使えるラファール相当機になり、大成功となったのでは?
F3(トランシェ3)へ順調に進化、F1もF3へ改修され、機体寿命の問題も起きず、QEもCTOL空母になってたかも。