ボーイングがインドにF-15EXを売り込むために必要なマーケティングライセンスを獲得したと報じられているが、F-15EXが置かれている状況は余りにも悲惨だ。
参考:Boeing gets U.S. approval to offer F-15EX to India
あらゆる意味で魅力が欠けているF-15EXをインド空軍が購入する可能性は極めて低い
ボーイングは昨年2月、シンガポールで開催された航空ショーで「米空軍が採用を決めた第4.5世代戦闘機F-15EXをインドにも提案する」と明かしていたが具体的な動きは全く観測されていなかった。
しかしボーイングのインド担当者は今月28日「政府からインドに対するF-15EXマーケティングライセンス(販売許可)を得たので、ようやく我々はインド空軍関係者とF-15EXの能力に関して直接話し合いを行うことが可能になった」と語り、インドとの交渉が来週開催予定のアエロ・インディア2021(インド空軍のイェラハンカ基地)で開始されることを期待していると付け加えた。
果たしてインド空軍がボーイングのF-15EXに興味を示すのかは謎だが、F-15EXが置かれている状況は余りにも悲惨だ。
そもそも100機以上の海外製戦闘機調達を検討しているインド空軍の需要をF-21、F/A-18E/F、ラファール、グリペンE、タイフーン、MiG-35、Su-35といった豪華ラインナップが狙っているのだが、インド軍参謀長のビピン・ラワット大将は昨年5月「海外製戦闘機導入プログラムを中止して国産のテジャスMK.2調達に切り替えるべきだ」と主張、しかし空軍参謀長は「予定通り海外製戦闘機の導入を進める」と語り何が本命なのか良くわからない状況が続いている。
この状況に追い打ちを掛けるのがロシア製防空システム「S-400」の存在だ。
米国はインドが予定しているS-400導入が「敵対者に対する制裁措置法(CAATSA)」に基づく制裁発動の引き金になると警告しているのだが、インドは様々なアプローチ(2ヶ国間の関係改善や米国製兵器の導入など)を駆使して米国側に「CAATSA発動免除」を働きかけてきた。
しかし米国政府の関係者はトランプ政権末期に「インドがS-400を計画通り導入すればCAATSA発動は避けられず、この方針はバイデン政権に変わっても変更される可能性は低い」と発言したことや、ブリンケン国務長官が上院外交委員会で「トルコのS-400導入は容認できない」と明言したことでバイデン政権もS-400導入=CAATSA発動とういう構図を支持したことになり、インドだけがCAATSA発動を免れるというと甘い幻想を打ち砕いてしまった。
要するにS-400導入を中止する気がないインドにしてみれば制裁発動がほぼ間違いない米国から新たに兵器を購入すれば安全保障上のリスクが高くつくだけなので、仮に海外製戦闘機を調達するにしてもラファール、グリペンE、タイフーン、MiG-35、Su-35といった非米国製戦闘機を導入する可能性が高いという意味だ。
さらに付け加えればF-15EXの調達コストは米空軍向けでも1機1億ドルを超えるため、あらゆる意味で魅力が欠けているとしか言いようがない。
せめてS-400導入問題が解消されればボーイングの努力次第でインド空軍に食い込むことも可能かもしれないが、ブリンケン国務長官があの調子なので望み薄だろう。
関連記事:中国封じ込め戦略にも影響を及ぼすS-400導入問題、米国がインドに制裁発動か
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※アイキャッチ画像の出典:ボーイング F-15EX
お先真っ暗な上に、我が国の空自F-15JSI改修に必要な部品を分捕った結果、F-15JSI改修計画をストップさせて同盟国の足まで引っ張ったF-15EX
いっその事、米空軍は現在LM社に検討させていると言うF-16Vを導入して、その替わりにF-15EXの調達を中止したら良いと思う
そもそもこの計画自体、本業の旅客機も含めてグダグダなボーイング社救済と言う如何わしい目的があったんだから、中止する事で諸悪の根源たるボーイング社に喝を入れるべき
米空軍もC/D型は続投させずにEXで置き換えるつもりなんだからEXの方が優先になるのは仕方ない
現状延命対象外の144機のみですけどね。
だから「米空軍は延命対象外のF-15C/DをF-15EXでは無く、F-16Vで代替してしまえ」と言っているの
確かに、F-15EXは搭載兵装のバリエーションと搭載量が多いと言う利点があるけれど、こんな事になるのならいっその事コスト優先でF-16Vに変えて空軍予備役と州空軍の戦闘機部隊に集中配置し、空軍の現役戦闘機部隊にはF-35Aを回した方が良いんじゃないだろうか
F15JSIなぁ。
正直、F3開発も控えてるし、JSIが導入困難なほど高騰するならF35A/Bを予備機扱いで各10機ぐらいずつ追加調達した方がマシだよな。
個人的にはF-15JSIもF-35A/Bに変えた方が良いと思うのですが、空自は機材トラブルによる戦闘能力低下を危惧して「戦闘機は三機種必要」と言っているので、事態が深刻化している訳でして……
F-35と置き換えだと3機体制が維持できないしEX新規購入はコスパが悪いし結局消去法でJSIを選ぶしかなさそうですね
ですね
個人的には、戦闘機保有数300機程度の空軍が三機種の戦闘機を持つのはコスト的に無理が有るのと何時でも欲しい戦闘機が手に入るとは限らないと言う点で、空自はこれを機に戦闘機三機種態勢を見直すべきだと思います
アメリカとのライセンス問題などが無ければ(解決させれば)、F-2を延命改修するって手も有る
アメリカ担当分も含む主翼その他を再生産して交換出来れば機体寿命の問題は解決するし、F-3が量産されるまでの技術維持にもなる
それは無理筋でしょうね
東日本大震災で被災した松島基地のF-2を修理する作業だって大変だったし、部品の再利用をしたにも関わらず1機当たりの修復費用が73億円と、F-15JSIの当初の改修費用を上回る金額でしたから
そして、三沢基地所属のF-16Vが東京に向かって勝手に発進するんですね?
……というのは置いておいて、X-2の実証研究の成果を盛り込んだF-15Jを作るというのもアリなんじゃないかと思います。F-3はまだまだペーパープランですし、国内の防衛産業延命のためにもF-4でやったように自主的な近代化改修を図るというのもいいんじゃないかと。
あとXF-9-1がなぜかF-15のエンジンF110と同サイズなので、先行量産で問題点洗い出しなんてのもできそうな気がしますが。
それはアメリカとのライセンス契約違反になる可能性がある。
いじくれないからJSIな訳だし。
そう考えると、しっかりできてないボーイングって害悪ですねぇ(汗
実際問題、今のボーイングは民生部門も軍需部門も害悪しか無いよ
コロナのお陰で民生部門の悪影響波及は小さくなったけれども、故にお先真っ暗でも有る
迎撃であがるイーグルにカナード付けなきゃならん
F-15S/MTD(エスコン仕様)かな
ボーイング踏んだり蹴ったりだな、まあ仮にF-15EXを上手く販売参入出来たとしても本家の米空軍が採用に二の足を踏んでるからF-21には勝てないんだじゃないかな
でS-400問題もあるからラファールにグリペン、あとSu-35辺りの3 機種が争う形になるんじゃないかな
そもそもサプライチェーン管理が出来ていなくてJSI改修費用が爆上げになった時点でボーイングの自業自得よ
JSI改修に回す分の部品も無いのに、インドに売れる分も有る訳無いだろ。インド分だって高騰するはず
逆に生産数が増えれば、新規の生産ラインが立ち上がるかも。
その部品製造ライン増設費用を日本に負担させようとして価格高騰して二年連続見送りなのでは?その上機体のライン増設費用も負担する気ですか?日本もインドも負担しないのでは??
F-15EXは救いようがないけどS-400については、CAATSAの制裁要件を改正して「米国の安全に危害を及ぼす場合」とか付け加え柔軟性を持たせるべき。
トルコ「せやったらF-35取り上げられたウチが丸損やん」
ギリシャ「ソレもう俺のもんになったからお前は黙れ!!」
NATOの情報がロシアに漏れかねないのでトルコ制裁はしょうがない。この改正をすればトルコに制裁しつつインド制裁免除可能。
インドが、ボーイング社製の非ステルス機を配備するメリットがあるかな?
インドで開発中のステルス機にX-32開発の経験を活かして協力しますよと売り込めばワンチャン?
インドはオプションの良さも選考に入れてるし現行の国産機のテジャスも現場の評判がよろしくないから
そこそこの国産ステルス機を作る事が出来るならインドも考えると思う、最大の問題は米国の方は認めないだろうなって事
アメリカはS400買うなって言うけど、該当する兵器がアメリカに無いからなー。圧倒的な空軍力があって作戦地域で常に航空優勢を維持できる米軍には必要無い類の兵器だから仕方ないのかもしれんが。もしS400が西側の開発した兵器なら日韓豪辺りは購入を検討していたんじゃ無いかと思う。
これを記事に取り上げていただきありがとうございます!
Twitterで昨日知りましたが、管理人さんなら記事にあげてくれると思ってました!。
いろいろ言われてますが、
Fー15EX最高っ!!!
あまり良いニュースではないと思うんだが・・嬉しいのか?
お前、内容分かっているか?
オモチャ感覚で参加してるのか
ボーイングの悪あがき程度に聞き流してよいみたいですね
落日の栄光
対空ミサイルっていう割に弾頭が180㎏もあるんだけど戦闘機や飛行機落すのにこんなにいるのかね。弾道ミサイル防衛目的としか思えないんだが。
精度が悪いのを弾頭威力でカバーする設計なのでは? つまりは、西側同級品よりも低性能と
もしくは、SM-6の様に二義的に対艦対地攻撃にも使うとか
当のロシアがそういう使い方をアピールしていないから、おそらくは精度を補う目的だろうがな
S-400の政治的威力の強さはびっくりですね。
ロシアにしてみれば利益ゼロで輸出しても、相手国の対米関係に影響を与える
対米関係への間接攻撃兵器というメリットがあるのでは
使用するレーダーのバンドを考えれば当然と言えば当然かなと。
採用されれば採用されるほどステルス有利の寿命が縮まっていきますからね。
ボーイングは軍事部門をLMかノースロップへに売却してはいかがかな・・・。
1社独占で誰も得しないですな
正直もう既に1社と変わらんのですよ。
一応米軍としては戦闘機作れるメーカーは複数あった方が良いって考え方らしい
ボーイング救済措置は大企業だからってのもあるけど部門を維持させるのも目的なんだとか
ノースロップがもっとやる気出せばなぁ…
とはいえ今までやる気出すたびに米軍から難癖付けられてぽしゃってきたからやってられっかってなっても仕方ないけど
LMに売ると一社独占になってしまいますが、現状では殆ど無人機しか作っていないノースロップ・グラマンはアリだと思いますよ
通話性能だけ見たら、昭和30年代に完成形のできた黒電話が今でも電話器の最高峰っていいますが、じゃあ再生産するのか、買う人がいますか(笑)
いつまでも70年代設計のイーグルに固執するのは無意味
軍マニアの道楽に税金つかえとか、バカも休み休みにな
737MAXとかいうヤバー飛行機がなければな…
ロシアはSu-57は出さないのかな
輸出専用モデルSu-57Eを作って「世界にバリバリ売り込むぞ」ってロシア政府の人が言ってたけど
お高くなっても搭載量と航続距離、何よりも維持費で米国ですらF15EXが必要な状況ですからねー
F35と言う万能戦闘機で全部置き換えるとか言ってた米国の責任だ