バフムートを包囲を目論むロシア軍はクラスナ・ホラを支配した可能性が高く、コンスタンチノフカとバフムートを結ぶ幹線道路「T0504」の橋も破壊されたことが確認されたが、ウクライナ軍が昨年奪回したクピャンスク方面でも何かが起こっている。
ロシア軍が積極的な攻勢に出ているポイントはクピャンスク、クレミンナ、バフムート、ヴーレダーの4地域
バフムートの状況は悪化し続けており、多くの観測者が「クラスナ・ホラをロシア軍が支配している」と指摘し始めたのでバフムトフカ川東の拠点をウクライナ軍は全て失った可能性が高く、コンスタンチノフカとバフムートを結ぶ幹線道路「T0504」の橋が破壊されているもの視覚的に確認した。
破壊が確認された場所は➀なのでバフムートへT0504経由で移動するのは物理的に不可能になり、市内で戦うウクライナ軍の生命線は高台経由のルートのみになった格好だが、このルートは遮蔽物のない高台からバフムートに向かうため「ロシア軍から移動が丸見えだ」という指摘がある。
ホットスポットに浮上しているヴーレダーではウクライナ軍の効果的な攻撃でロシア軍は大きな損失を被っているが、こちらでも損害を顧みない兵士の波を繰り出しているため戦いの激しさは全く衰えておらず、さらに興味深いのはクピャンスクの状況だ。
ロシア国防省はドヴォリチネを解放したと発表、さらにロシア側情報源と複数のウクライナ側観測者はシンキフカ、ヤヒドネ、ザティシュネ、オルリアンスキーをロシア軍が支配していると指摘、複数のロシア側情報源は「ウクライナ軍がドヴォリチナを放棄して後退したため街は現在グレーゾーンだ」と主張。
クピャンスクを西と東から挟み撃ちにするため「国境からオスキル川西岸に沿ってロシア軍が南下する動きがある」という報告もあるが、これらの全ては視覚的に確認されていないため今のところ様子見だ。
Atak drona podwodnego (mowa jest też o dwóch dronach) na ukraiński most w zatoce odesskiej (ujście Dniestru do Morza Czarnego).
Most ma kluczowe znaczenie dla transportu z Rumunii na Ukrainę. Skala zniszczeń nie jest znana. https://t.co/kDxCDcMKor pic.twitter.com/m9MPUEfyX8
— Artur (@Artur_Micek) February 10, 2023
因みにロシア軍は初めて自爆型水中ドローンでオデーサ州の東部と西部を繋ぐ唯一の橋を破壊、ルーマニアからオデーサ州経由でウクライナ南部に物資を輸送する最短ルート上の橋なので、もし通行不能ならウクライナ南部への物資は中央を経由するルートで輸送しなければならない。
関連記事:バフムートを巡る戦い、幹線道路M03でウクライナ軍がロシア軍の前進を阻止
関連記事:極度の緊張に包まれるウクライナ、南部でもロシア軍が攻勢に出る可能性
※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
twitterとかだとバフムートはまだまだウクライナにとっての理想的キルゾーンなので、ロシアを有利な形で消耗させられるって意見が結構多いですね。
方やもう限界なので撤退しろって意見もあるし、どっちが正しいのかわかんない。。。
「現代戦はその大部分は火力の闘争である」
と、赤軍野外教令にありますが、小銃でも、機関銃でも、迫撃砲でも、榴弾砲でも、ウクライナ軍に弾薬があって、撃ち続けていられる間は、いくらロシア軍が大軍でもそう簡単にウクライナ軍の陣地を突破することはできないはずです。
バフムトのウクライナ軍部隊の中でも、これまで戦闘が少なくて弾薬を貯め込んでいる部隊と、すでに弾薬がほとんどない部隊と、いろいろと大きな差があるでしょう。
イワニフスキーの部隊にはまだ弾薬があり、クラスナ・ホラの部隊にはもう弾薬がなかったのかもしれませんが、今のところはまだ補給路がロシア軍によって完全に遮断されたわけではなく、まだ弾薬の補給はどうにか可能です。
しかしM03号線道路はすでにロシア軍が目前であり、チャシブヤールへ続くT0504号線道路もそうで、全体的にはロシア軍によるバフムト包囲戦は進んでいると言える状況です。
バフムト市街も、すでに地下坑道の入り口にロシア軍が到達したといわれ、ソレダルと似たパターンになりつつあります。
ウクライナ軍としては切り札となるドイツ戦車を使った春の反撃作戦まで、バフムトをどうにか持ちこたえさせたいのでしょう。
バフムートはただでさえ攻撃側不利の都市部で、なおかつ時間をかけて陣地構築され坑道まであるらしい理想の防御拠点なので防御するには理想の都市なのはその通りです。
しかしロシアも馬鹿ではないので、都市に圧迫を加えつつ攻略しやすい郊外を進み裏側に回り込んで補給路を絶とうとしています。
いかに強大で無敵の陣地だったとしても補給を絶たれ孤立したらお終いで、逃げることも出来ないでは多くの兵士が捕虜なり殲滅なりで無力化します。なので包囲を受けると陣地を捨てて撤退するしかなく、ロシアはそれを狙っています。
そして現状幹線道路が寸断され、補給路はローカル道路のみと相当限定されてきているため、「まだ安全に撤退できる今のうちに撤退して兵力と装備を温存すべき」という意見と「まだ補給路は生きているのだから出来る限り粘って損害を与えつつ時間を稼ぐべき」という意見が両方出るのですね。
どちらが正しいかは外野からは現状が詳しくはわからないので何とも、としか言えないですねー。
ヴェルダンを思わせる様相
地下からの攻撃もありえそうだ
パッテンシェールのメシヌ高地みたいに地下にから爆破して攻撃しかけてくるかもね。
バクムトは要塞化された都市で、この狭い都市には10万人規模のウクライナ軍が展開しており、それを攻めるロシアも被害は大きいはずです。
備蓄も山ほど積み上げているでしょうし、例えロシアが00506までも遮断し完全包囲を達成出来たとしても、都市を完全制圧するには時間がかかるでしょう。
今回記事にあるクラスナホラにしても、おそらくこの北部正面の5000人規模と言われる部隊の退路となるM03の維持のために戦力を抽出し放棄されたと見るのが正しいはずで、それはつまりロシア軍に必ずしも要塞を正面から攻略する力はないという証左です。
とどのつまり00506の接近拒否が成り立つ間はバクムトはキルゾーンとして機能しますし、地形的にもその攻撃正面は判断しやすく(例えばチャシブヤル南)ウクライナとしても守りやすいはずですから、限界はまだ先でしょう。
ただ、ここでロシアに消耗を強いられたとして、それは戦術的勝利です。
ロシアの大攻勢が始まりました、北部~東部における広正面・複数軸の攻勢です。
このような複数軸攻勢は1つの軸ごとに見れば勢いはさほどありませんし初動で投入される戦力も多くありませんが、相手にどこが主攻の軸かを誤認させ、戦力を分散させ、そして最終的に決定的な戦略的勝利を得ることを目的とします。
かつて強固に要塞化されたヴィテブスク、バブルイスク、モギリョフ、ミンスクといった都市は敵の攻勢の中にあってキルゾーンとしての機能は保ち続けましたが、結局戦線のはるか後方で取り残されて最後には降伏しました。
それは主攻の軸を誤認し、予備戦力の投入が効果的に行われなかった戦略的ミスの結果です。
話をウクライナに戻しますと、現在のウクライナに必要なのは複数軸に対応出来る予備戦力であって強固な前線拠点ではありません。
その意味ではバクムトとシベルスクという既に戦略的価値を失った都市はさっさと捨てていち早く撤退すべきで、そしてやるべきことは戦力の再配置です。
おそらくロシア軍は進撃路を確保し次第、その第二波はバクムトの包囲方向には向かわずスラビャンスクやコンスタンチノフカへ向かって連続的に進展するはずです。
機関銃が地面に備え付けられ無数の使用済み薬莢が塹壕の底に溢れ地面が見えない状態になっていて、弾薬の箱みたいなのが塹壕の外に何個も積まれている動画がある。
撃たれても撃たれても突進してくるロシア兵。
砲弾は不足しても西側の支援がある小銃の弾が切れることはまずないそうで
ロシア歩兵の波には理想的なキルゾーンなんでしょう。
ただ、ゾンビ映画さながらの状況で、ほぼ無傷なウクライナ兵も精神に異常をきたすメンバーも出てきているようです。
フォーブスの報道によれば、ロシア軍のこれまでの戦闘での死傷者は20万人、最大で27万人と見積もっています。
初期作戦に動員された15万人は全滅。
その後、徴集された動員兵30万人の内、15万が戦地に投入されましたが
彼らも半数が居なくなっている計算。
ロシアは動員すれば、まだまだロシア兵の波は作り出せると思われますが、ロシア兵といえど何とも暗く恐ろしい現実です。
魚雷や機雷で浮き橋などを狙う戦術は昔からあったがそこにドローンが加わった形か
ロシア軍は100m進むごとに千人の兵を消耗するような、バフムートを落とすのに囚人兵や動員兵をすべて捨て駒にしてもいいと言わんばかりのアタオカ戦術取ってますね。
BMPを地雷原に突っ込ませ、塹壕線に旧式戦車を突っ込ませ、味方ごと吹き飛ばす勢いで砲撃の雨を降らせと、もうなりふり構わない様に見えます。
あんな無茶な攻勢をかけて、仮にバフムートを落としたとしてもその後が続くんでしょうか。
「近日中にレズニコフ国防相が辞任」の記事で私「レズニコフ国防相と握手してるの松田邦紀氏じゃない。ウクライナ大使やってんだ。デヴィ夫人がウクライナ訪れてたけど、氏との繋がりのような気がしてきた。」って書いたんですけど、今朝のニュース見たらまさにその繋がりでウクライナに行ったって言ってて自分でもちょっとびっくりした。夫人が鈴木宗男氏や森元総理に尋常じゃない怒り方してたからその時松田氏が大使なら不自然さが消えるなと思ってたんですよね。
敵対関係含めて個人個人いろいろな考え方を持ってていいと思うんですけど、自分の好き嫌いを国際問題にまで発展させて、ましてやタレントまで使ってポピュリズム的心理主義の側面から世論を作るようなことしてると結局は国益にならないからやめた方がいいと思うんだけどな。こうあって欲しいってことと政治的選択肢を少なくしてしまうこととは全く別の話でしょ。
ここは管理任様は無論、書き込んでいる方まで事実を冷静に見極めようと考えている方が多く、とりわけ軍事はさっぱりなのでいつも大変参考にさせてもらっております。
同感です。
戦時報道とはこんなものなのかと驚愕しました。
メディアのみならずネットで散見される視聴者のコメントを読んでも正気とは思えない。
酸いも甘いも真実を伝えることこそがメディアの役割のはずが、まんまと政府や国民感情に与したポピュリズム的報道。
視聴者も視聴者で右ならえ右でそれを信じ込む。
彼らの感情には逆撫でするだろうが、この戦争の発端はウクライナがNATO加盟を試みたことが一つ。
「NATOに加盟するかしないかはウクライナの自由、戦争は国際法違反だ。」ええ、全くその通り。
しかし、それには相応のリスクがあったし、ロシアのような軍事大国を相手に湾岸戦争のように軍事介入することはできないのです。
「それは火を見るより明らかだった。
なぜゼレンスキーは中立を選ばなかったのか。」
これを言える人がなぜお昼のワイドショーにいないのか?
答えは、視聴者からバッシングを受けてしまいテレビに出られなくなってしまうからです。
理想と現実を区別できない視聴者とそれに迎合するメディアの相互作用によって報道が現実から大きく離れえいってしまうのです。
そもそも反汚職デモをアメリカが乗っ取って?選挙で親ロ大統領追い出したんですよね
どうみてもアメリカがウクライナの主権侵害してたわけですが、欧州連中も承認w
まあそれで国が大混乱でクリミア盗られたわけですが、さらにドンバスとヘルソンとザポリージャまで取られたら
ウクライナは大損すぎますね
それもこの戦争に関する報道の数ある疑問点の一つですね。
マイダンクーデターにアメリカが関与していたことの是非はともかく、
「関与していた」ことすらも報じられなかったわけです。
あたかも自然発生的に、純粋に国民の意思によって起きた革命だと印象付けられていたわけです。
アゾフ大隊のネオナチの件も同じく、
当初は、ネオナチなど一切存在せずロシアのプロパガンダでしかないと報じられていました。
このように西側に不利になるような報道はされないようになっているのです。
これでは民主主義は正しく機能しません。
前述のように、酸いも甘いも国民に知らせた上で考えてもらうことこそが本当の民主主義であり、このままでは衆愚政治そのものになってしまうでしょう。
マイダンについてドイツはアメリカに反対しましたし、それに対してアメリカ側はドイツのことを腰抜けなどと罵りました。
その後もドイツは戦争回避のために尽力し、ミンスク合意などで大きな役割を果たします。
今回の戦争でことさら批判ばかりされているドイツですが、ドイツにはドイツの世論があり、それを形成したのはまさにそういった中立的な報道の結果なんでしょうね。
翻って我が国の報道姿勢ときたら、まあドイツと違って他人事だからといえばそうなんですが、情けない限りですね。
まさしく衆愚。
鈴木宗男氏や森元総理もまたポピュリズムだと思います。彼らの主張は「戦争は二度と起こらない」「国同士仲良くするんだ」という時代の風潮に迎合しつつも「米国依存から脱却したい」「独立した外交をするべきだ」という右翼的思想がその背景にあるように思えます。現に保守派と呼ばれた層の中にはロシアを擁護する主張が散見されますし、ロシアのパワー・ポリティクス自体が戦前の右翼思想そのものです。
>なぜゼレンスキーは中立を選ばなかったのか
まず大前提として軍事侵略が始まった昨年2月24日時点でウクライナがNATOに加盟する見通しが、そもそもなかった事実を認識するべきでしょう。プーチンが侵攻理由として盛んに「NATOの東方拡大」を喧伝したから分かりにくくなっていますが、欧米はウクライナのNATO加盟に現在も消極的です。むしろプーチンが「ウクライナのロシア化」という理想に執着しているのが実態です。
鈴木宗男氏と森元総理なんて全く世情を読むことのできない的をはずした行動や発言ばかりですし、ポピュリストには成りたくてもなれない人たちじゃないですか?鈴木氏の地盤はあくまで地元に限定されたところにありますし、森氏は大衆ではなくむしろ官僚達らエリート層に支えれてる印象です。
>なぜゼレンスキーは中立を選ばなかったのか
すでにクリミアとドンバスを侵略された紛争状態で中立とは?中立性を侵したのはロシアでしょうに。
ちなみに防衛研究所がロシアの主張するNATO拡大脅威論がいかに虚飾に満ちているか合理的に説明してくれています。
リンク
「近日中にレズニコフ国防相が辞任」の記事で私「レズニコフ国防相と握手してるの松田邦紀氏じゃない。ウクライナ大使やってんだ。デヴィ夫人がウクライナ訪れてたけど、氏との繋がりのような気がしてきた。」って書いたんですけど、今朝のニュース見たらまさにその繋がりでウクライナに行ったって言ってて自分でもちょっとびっくりした。夫人が鈴木宗男氏や森元総理に尋常じゃない怒り方してたからその時松田氏が大使なら不自然さが消えるなと思ってたんですよね。
敵対関係含めて個人個人いろいろな考え方を持ってていいと思うんですけど、自分の好き嫌いを国際問題にまで発展させて、ましてやタレントまで使ってポピュリズム的心理主義の側面から世論を作るようなことしてると結局は国益にならないからやめた方がいいと思うんだけどな。こうあって欲しいってことと政治的選択肢を少なくしてしまうこととは全く別の話でしょ。
ここは管理任様は無論、書き込んでいる方まで事実を冷静に見極めようと考えている方が多く、とりわけ軍事はさっぱりなのでいつも大変参考にさせてもらっております。
一方西側はこれですからねえ。
焚きつけるだけ焚きつけて恐ろしいわ。
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オデーサの橋への攻撃があったけど、
水上・水中ドローン対策で網張るようになるんかな?
ロシアの攻勢が止まって反撃受けてる場所が増えてるっていう情報を見るようになった
コメント欄には1年前から何度も見てるロシアのプロパガンダが並んでるけど
プロパガンダねえ
世の中色んな考えの人がいるのは当たり前なんだから、自分と違う考えだからってレッテル貼るのはやめなよ。