オランダの調査機関は29日「ロシア軍がトクマク郊外でトクマック川を堰き止めるダムを建設した。ウクライナ軍の反撃に備えて天然の障害物=氾濫地帯を作り出そうとしている」と指摘している。
参考:Satellite Imagery Reveals Russia Caused Flooding in Occupied Ukrainian Town Before Counteroffensive
両軍とも川を氾濫させて敵の攻撃を妨害する戦術を用いている
オランダの調査機関=Bellingcatは29日「ロシア軍がトクマク郊外でトクマック川を堰き止めるダムを建設した。ウクライナ軍の反撃に備えて天然の障害物=氾濫地帯を作り出そうとしている」と指摘し、両軍とも川を氾濫させて敵の攻撃を妨害する戦術を用いているとも付け加えている。
Satellite imagery from Planet Labs shows water levels rising due to the recently built dam in Tokmak. pic.twitter.com/HYpmmezYZt
— Michael Sheldon (@Michael1Sheldon) June 29, 2023
ウクライナ軍は侵攻初期、首都に迫るロシア軍の前進を阻止するためドニエプル川の水門を破壊、キーウ北部の森林地帯を湿地帯に変えてモシュン経由で首都に入るルートを潰したことがあり、バフムート市内の戦いでも北地区から前進してくる敵の足止めを行うためため池の水門を解放したことがある。
ロシア軍もドネツク州マリンカ方面の兵站を妨害するためヴォブチャ川のダムを破壊、南ドネツクでウクライナ軍の反撃が始まるとモクリ・ヤリー川のダムを破壊して天然の障害を作り出そうとしたことがあり、この手の戦術で戦場に最大の影響を与えたのがノーバ・カホフカのダム破壊だ。
誰がノーバ・カホフカ水力発電所の堰を壊したのかは諸説あるが、この影響でドニエプル川上流では川底が露出しており「ノーバ・カホフカ付近で舟橋は発見された」と主張する者まで登場、逆に「これは水力発電所が出来る前の古い道が水位の低下で露出しただけ」という主張もある。
そもそもヘルソン州右岸と露出した中洲の間には何もないのに「中洲と左岸をつなぐ舟橋だけ登場する」というのは不自然なので、古い道が水位の低下で露出しただけという主張の方が自然だ。
FLANK ATTACK: @MriyaReport host David Brookfield @DMBrookfield examined the vicinity of the Nova Kakhovka dam near Kherson and discovered a new UKR pontoon bridge. UKR is staging multiple crossings of the Dnipro to divert RU forces from the defense of Melitopol- and it’s working. pic.twitter.com/lzHmQGL9rl
— Chuck Pfarrer | Indications & Warnings | (@ChuckPfarrer) June 29, 2023
少々話が脱線したが「トクマク郊外でトクマック川が堰き止められている」というのは事実なので、ロシア軍も「ウクライナ軍の反攻がトクマクに到達する可能性」を否定していないところが興味深く、やはり現在の反攻作戦は「前哨戦の段階」なのだろう。
因みにロシア側情報源は「ヘルソン州左岸の足場=ダチにウクライナ軍がボートで兵士を送り込み続けている」と報告している。
関連記事:侵攻490日目、ウクライナ軍がバフムートとアウディーイウカで前進
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※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
ダチを維持する費用は高くつきますが
ロシアの戦力を誘引する効果は高そうですね
国民の支持を得ていて総動員ができるウクライナの強みを生かしてますな
逆に独裁者が勝手に戦争を始めたロシアは国民の反応を見ながらじゃないと動員ができないから
いずれは兵力不足になりそう
独立系ニュースメディアのメディアゾナと英BBCが検証したロシア軍のこれまでの合計死者数は約25,000人(ドンバス民兵は除く)です。捕虜、回復不能な負傷を含めれば戦闘不能はさらに増えますが恐らく40,000人から80,000人の間でしょう。
ISWはメドベージェフ氏の発言を引用する形で2023年1月1日以降ロシア軍は約11万人の志願兵を採用した可能性があるという報告をしており、兵員増強に成功しつつあるので無いかという情報があります。
リンク
ロシアは少なくても現在のペースでの損失を十分補い、当分の動員を回避する程度の兵員募集に成功しているのでは無いでしょうか。
深刻になる可能性があるのは士官、下士官の不足ですがこれは消耗した両軍共に抱える課題です。
違いますね。
元ニュースによるとその25,000人はあくまでBBCらの調査によって名前が判明したロシア兵の数であり、集計しているのは公表されている死者数だけで実際の死者数は2倍以上である可能性が高いとも併せて述べられています。
特段複雑な内容でもないニュースが正確に読み取れず、あるいは意図的に事実を曲げて発言されているのであれば、僭越ながらしばらく投稿を控えられることをお勧めします。
煽りとも取れる発言はおやめ下さい。
損失については最も情報戦が激しいので「複雑でも無いニュース」ではありません。
メディアゾナはドンバスの親露派民兵や徴兵されたウクライナ人を含まないので、それを含めれば2倍に届く可能性はあります。実際米国の流失した2月末のブリーフィング資料には35,500〜43,500のKIAと記載されています。
更に今年1月から11万人の志願兵増のニュースから当面追加動員が必要ないだろうというのが私の結論です。
反論あればソースをお願いします。
BBCのニュースに関しては特段複雑ではないと思います。
合計死者数を約25,000人のみと考えるのはナイーブかと。
また、米国の流失した2月末のブリーフィング資料には、ロシア軍の負傷者数を154,000~180,000人と推計しています。
2022年10月時点で「ロシア軍の戦死者、行方不明者、病院で死亡した者、兵役に復帰できない負傷者が9万人以上」との情報が、独立系メディアВажные историиから出ていますね。
11万人の志願兵増で足りるかどうかは怪しいと思います。
ただし、「昨年ロシア軍に動員された人数は50万人を突破した可能性が高い」とブルームバーグは報じておりますので、動員は昨年からずっと続いていると思います。
“Источники «Важных историй»: безвозвратные потери российской армии в Украине могут составлять более 90 тысяч человек”
リンク
誤解されているようですがロシア側の合計死者数を約25,000人のみと考えているわけではありません。ただメディアゾナはドンバスの民兵・徴収されたウクライナ人を含みません。基本的に練度も装備も貧弱な彼らは捨て駒のような扱いをされたとの証言がウクライナ側ロシア側双方からあります。彼らの損失が大きな割合を占めることは間違いないでしょう。
リンク
また、メディアゾナは10月中旬までにロシアで合計49万2000人の兵士が動員されたと報じており、部分動員では30万ではなく約50万人が動員されたと報じています。
法的に認められた配偶者のみが補償を受けられることなどから結婚数がこの時期に急増したことをデータ分析に役立てたとのことです。
よって動員兵が50万を超えているという推論は確かに尤もらしいと私も思います。
一方、この数か月で11万の志願兵を募集したということは1年間全体を通して募集できる数はもっと多いわけです。このペースが続けば20~30万人の募集に成功する可能性もあるでしょう。
既に50万人を動員しここ数か月で11万の志願兵が存在するとなれば、元からウクライナに展開する部隊も合わせるとウクライナ軍の総数70万に近い数の兵員が存在することになります。
Важные истории(iStories)の数字が正しく、捕虜・戦死・回復不能な負傷がこの戦争全体で約10万人以上いると仮定しても、追加動員が必要になる水準ではないと思うのですがいかがでしょうか。
これはそんなに単純な話でもなく。
ロシア軍の正規兵の損失が2.5万人、これは調べやすくおそらく事実に近い数字であろう、と。
しかし,この戦争はロシア側ではあくまでも「ドネツク州とルガンシク州の義勇兵が主体であり、ロシア軍はそれを支援しているだけ」となっています。
ドネツクとルガンシクのロシア系住民からなる部隊の損失をどう計上するべきか。DPRの兵士って、彼らは厳密に言えばウクライナ人ですからね。このカテゴリの死者は1万人程度いるはずです。
さらにはワグネルを始めとする傭兵部隊。これにはロシア系の多いワグネル以外にも,チェチェンを始めとする周辺諸国の傭兵が混じっており。これも1万人以上死んでるはずですが,これをロシア軍の死者にカウントすると、ロシア軍の継戦能力を見誤ることになります。
戦場に4万人の死体が転がっていても、ロシア軍が4万人を失ったとは限らないんですね。
問題点は、ロシア軍の兵士が不足するかどうかなのだから、
「不確かな」死傷者数のソースでどっちがどうだの堂々巡りの議論をしても仕方ないと思うけどな。
(今までも散々やってきてるし)
ニュートラルに考えて、
人口の多いロシアが、志願兵や予備役を動員していて、
人口の少ないウクライナが、総動員をしている。
ロシアの若者がこの戦争に懐疑的なのもそうだが、
ウクライナの政府や軍も、国民から信頼されてない。
それに、ウクライナは自国が戦場となって、ウクライナ人の多くが避難しているけど、
ロシアは普通に生活しているわけだから、1年間で成人する人数と比べて、
今の死傷者数で、ロシアが息切れを起こすことはないでしょうね。
その死者数については公表されたものをボランティアが数えられるたけ数えた物で、実数は不明としていますね。
「独裁者」なのに「国民の反応を見ながらじゃないと動員ができない」って時点ですでに矛盾なんですよね
私はプーチンは今の日本政治の延長線上にいる政治家だと思ってますよ
牧羊犬共の延長線上には居ないと思います
国民の声を政治に反映させたり、国民を富ませるために政治をしようという意欲は皆無だが、
権力維持やその行使のために国民の意思を都合のいい方向にコントロールする為には手を惜しまない傲慢さ
一方でそのコントロールから国民が外れかねないようなリスクのある政治的行為は極力避けようとするか、国民から覆い隠そうとする小賢しさ
ウラジーミル・プーチンの基本行動原理はだいたいこの二つに集約されていると考えます。
>牧羊犬共
日本の政治家達を揶揄した表現と解釈しましたが、プーチンのやり方がロシア国民向けというだけで、私はプーチンの基本行動原理は日本の政治家達も持ち合わせているものだと思いますよ。
これ以上は場違いの政治の話になるので避けます。
>国民を富ませるために政治をしようという意欲は皆無
働く気の無いロシア人を腐らせずにここまで持ってきたのは相当だと思いますがね
それでも働かない人が多いのがロシアの緩さですが
この戦争で、ロシアから西側独占企業の多くが抜け、仕事の枠をドカッと出来、西側以外の伸びしろへの商機を作る、面白いと思うのですよ
あと相互的な愛ですね感じるのは。そして国家との正当な契約
犬共には無理
時代が変わったせいもありますがスターリンのような残忍さを持ち合わせず、中国指導者のような長期的な計画性や論理性もなく、北朝鮮指導者のような核ミサイルで一点突破型の国家運営も許されず、プーチンは小賢しいだけでそもそもロシア指導者の器では無かったのかもしれませんね。
ロシア国民は冷戦時代より裕福になり色々な情報を持っていますので、ロシアの社会主義がどのように変貌していくのか興味が尽きません。
戦術的価値の低い中洲の集落を保持していても砲撃の的になるだけでしょう
どれだけ早く対岸の橋頭堡を確保できるかが勝負です
リンク
金曜日にはウクライナ南部で降り続いていた雨は止み、来週は最高気温が30度を超える晴れの日が継続する予報だ。泥濘は急速に乾燥し機械化部隊の軌道に適した条件となるがロシア軍の航空支援とドローンが再び活発化することが予想される。
まあノルドストリームといい、ノーバカホカダムといい誰が破壊したかは
状況証拠しかないですが、明らかだと思いますがね。
これを「戦争なのだから許される」とか「オークのロシアが全て悪いのだ」
がまかりとおってしまうのだから、これ以上もう何もいうことはないです。
ただザポリージャ原発攻撃だけはやめてほしいと思います。
うん
ロシアのダム破壊はこれで何回目ですか?
エマニュエル・トッド「あっより美しく平和な世界来ちゃう・・・」
確かに原発を陣地化する非常識な国は許せませんね。
①戦線が縮小されて防御側に有利
②満水状態で破壊威力が最大化されている
③外部からのダムの完全破壊は困難
ウクライナの総反攻が始まったタイミングでロシアの管理下にあるノーバカホカダムが破壊されている以上、状況証拠的にロシアが犯人でないと主張されるのは説得力がないですな。
いきなり「ウクライナもー!」って言われましても…。
ノルドストリームも怪しいと言われてるだけで確定したとは言われてませんし、ノーバカホフカダムに最初に爆薬仕掛けたのはロシアなのでどちらにせよロシアの方が悪いとしか言えないっすね。
というか少なくとも侵略者から国土を守るために自国のダムを破壊するのは致し方無しとしか言えないのでは?
そもそもウクライナ人としてはそもそもこんな事やりたくないでしょうし。
ノーヴァ・カホフカダムはロシアが意図的に破壊した可能性が高い、と言う話が出ています
ウクライナがやった状況証拠と言うのは理解できない話ですね
そもそも「防衛側の自国領土における戦術」と「侵攻側の敵国内における戦術」を行為の類似だけで比較するのはちょっと受け入れがたいですね。
自国の文化などのアイデンティティが消滅して長期に渡った虐殺などが危惧されるとなれば、国民の許容度も上昇するのではないですか?
>ただザポリージャ原発攻撃だけはやめてほしいと思います。
⇒自分に危害が及ぶのだけは勘弁してほしい、と読めますが、良く世界地図をご覧ください。
驚くべきことにロシアの東隣に日本があるんです。怖いですね。
ロシア応援してる方々は日頃ロシア側の情報だけ見てるんだろうし、
見てる情報が全く違うんだから議論にはなるはずがない。
違う世界に生きてるんだと思ってればいいと思う。
どういう状況証拠で、誰が破壊したことが明らかなのでしょうか?
他国の領土に勝手に入ってきてぼこすかインフラ破壊するのと、祖国防衛のために自国領内のインフラを致し方無く破壊するのとは訳が違う。
トクマクまで達するとして、どの位面で押し込めるんやろ?
細くとっても意味ないと思うが、兵力差は大分縮まったのかな。
セルフ水計にしかならなさそうな予感しかしない。
動員されている艀の数からしてもダチの上陸は相当念入りに準備されていたようだ
誰がやったのかは語る気はないが、カホフカダム爆破の影響でロシア軍が水際陣地を放棄していることもこの敵前上陸作戦にとってプラスに働いていることだろう
トクマク正面の攻勢が失敗している中でダチに作られた第二戦線にウクライナがかける期待は大きいはずだ
まあまだ中州だからここからなんとか対岸に侵攻する必要はあるが
石田三成 「水攻めは拙者にお任せ下され」
まず昨年よりノーバカホカダムはウクライナ側から執拗な攻撃をうけていました
リンクはワシントンポストです。
リンク
またウクライナ自身が「ノーバカホカダムを破壊すればヤツらに甚大な損害を
与えれられる」とアンドリーコバルチェク少将は誇らしげに語っています。
ウクライナ軍はHIMARSでノヴァ・カホウカ・ダムを攻撃、3カ所に穴を開けたと
コバルチュクは語っています。これが昨年8月のことです。ロシア側はダムの水位を
下げていますが年明け後に急上昇しています。ウクライナ軍がドネプロペトロフスクと
ザポリージャの水門を開いたからだと言われています。
ウクライナは例えダムを破壊したくてもそれを実行する能力がありません
ダムを破壊するには大量の爆薬が必要ですが(HIMARS等では到底追いつかない)、ウクライナにはダムにそれだけの爆薬を運び込んで適切に起爆させることはできません。
それができるのは誰か言うまでもないでしょう。
記事のご提示ありがとうございます。
> またウクライナ自身が「ノーバカホカダムを破壊すればヤツらに甚大な損害を
> 与えれられる」とアンドリーコバルチェク少将は誇らしげに語っています。
上記探しましたが、上記はどこにも書いてないのではないですか。
記事内でコバルチェクはロシア側の補給を断つために「Kovalchuk considered flooding the river」と検討を行い、試射を行ったともあります。
しかし最終的には「Kovalchuk said, but the step remained a last resort. He held off.」とあり、これは最終手段であるべきで、保留したとあります。
誇らしげに語った、とは私には全く読み取れませんでし、むしろコバルチェクは川の氾濫は最終手段であるべきとして止めた側じゃないですか。
それにこれはヘルソン奪還時の話なので、もし実行する気があるならこの時既に行われていたはずではないですか。
少なくともこれがダム爆破の状況証拠、というのは無理筋であると思います。
ノーバカホカダム破壊に関してソースもあげてコメントしたのですが
そこはシャットアウトですか。残念ですね。もうここには来ません。
コメント欄の利用方法に「URLが含まれるコメントは全て保留扱いになり管理人が手動でリンク処理を施したのちに表示されます。」と明記しています。
管理人はPCの前に24時間張り付いていなのでURLを含まれるコメントの処理には時間がかかります。
というか、ため息さんは以前も同じよう事を言って「もうこない」と書き込んでましたよね?
もう来なくて結構ですよ。さようなら。