ウクライナのレズニコフ国防相は「クリミアを含む全ての領土を占領者から解放する」と米CNNに語り、キーウ訪問中の仏政府関係者も「我々はウクライナがクリミアまで取り戻す完全勝利を望んでいる」と述べて注目を集めている。
参考:New weapons will allow Ukraine to reclaim occupied territory including Crimea, says Ukrainian defense minister
参考:France wants to see Ukraine take back Crimea, says French diplomatic source
フランスもウクライナがクリミアを含む全領土を回復するのを望む
レズニコフ国防相は16日、米CNNの取材に対し「我々はクリミアを含む全ての領土を占領者から解放するつもりだが、クリミア解放までには段階がある」と語り、現在取り組んでいる第一段階は「これ以上の損失を抑えるために戦況を落ち着かせること」で、2月24日の位置までロシア軍を押し戻すのが第二段階、クリミアを含む領土の解放が第三段階らしい。
米CNNは「クリミア奪還を軍事的手段で行えば自国領と認識するロシアを刺激するだけではないか?」という質問、これに対してレズニコフ国防相は「その点は心配する必要がない。我々はロシア領を攻撃するつもりはないがクリミアはウクライナの土地だ」と答えて、クリミア奪還の方法は第二段階を達成後に西側諸国と話し合うと付け加えている。
つまりポドリャク大統領顧問が「不均衡な重装備の量を是正できれば戦争を終わらせることができる」と明かし、155mm榴弾砲1,000門、多連装ロケットシステム300輌、戦車500輌、装甲車両2,000輌、無人機1,000機を要求したのは「第三段階までに必要な重装備の総量」である可能性が高く、榴弾砲や多連装ロケットシステムの供給さえ安定すれば「戦況を落ち着かせる=第一段階」は達成可能と考えているのだろう。
さらに興味深いのは仏大統領に随行してキーウ入りした政府関係者が「我々は軍事的勝利の一環としてロシアに占領されたクリミアを含む全領土の回復を望んでいる」と記者団に明かした点で、ロシア侵攻で危機に瀕しているのは我々全員の安全だが「軍事的勝利の定義を設定できるのはゼレンスキー大統領だけ」とも述べており、クリミア奪還をウクライナが望むならフランスも支持すると解釈することが出来る。
ゼレンスキー大統領とドイツのショルツ首相、フランスのマクロン大統領、イタリアのドラギ首相の会談は終了したと報じられているが、果たして記者会見で何を発表するのだろうか?
関連記事:ウクライナが新たに手に入れた武器、レズニコフ国防相の意味深な発言
※アイキャッチ画像の出典:President Of Ukraine
未だにこんなに綺麗な会談場所があった事にびっくり。しかしクリミアまで取り返すとなると相手の退路を防ぐためクリミア大橋を落とす必要がありますがそのための兵器はどうするんでしょうね。
>しかしクリミアまで取り返すとなると相手の退路を防ぐためクリミア大橋を落とす必要がありますがそのための兵器はどうするんでしょうね。
これについては、本ブログの少し前の記事「ウクライナが新たに手に入れた武器、レズニコフ国防相の意味深な発言」を読むと良いと思います。
その中で、今回の記事にも登場しているウクライナのレズニコフ国防相は16日のラムシュタイン会議で供給が決まった武器弾薬とは別に「何かと手に入れた」と示唆する発言をしている上、ウクライナ軍の司令官がその発言に関連して「約束された武器が手に入ればケルチ(クリミア大橋の事)を必ず破壊する」と述べており、今回のレズニコフ国防相や仏政府関係者の発言とリンクしている雰囲気が感じられます(勿論、情報戦の一環かも知れませんが)。
ATACMSでしょうか。わかりませんが。トーチカだと命中精度が良くないと聞きますし。
命中精度以前に、射程120kmのトーチカ-Uではクリミア半島東部まで前進しないとケルチまで届きませんね
日本維新の会の某議員「物価高で困るからウクライナは早く降伏しろ」
そいういうやつほどウクライナに行って現実を見させなければならない。
恐らく独伊と同じような考え方なんでしょうけど、戦争が終わってもインフレが何とかなるわけじゃないですから、「軽い」提案だなって。
それ以上に、北海道にミサイルが撃ち込まれる日が来ても同じこといえるんですかね。
物価高はわかるが流石に酷い。せめて停戦合意ってならまだわかった
マクロンはこれをもって、議会選挙における5つ星連合との対立軸に持っていくつもりなのかもね。
明確な違いだし、親プーチンのルペン率いる5つ星連合は、ロシアへの徹底抗戦を訴えることはできない
5つ星が足かせのドラギはどうするつもりなんだろう?
どれほどの実効性があるかは置いとくとして、フランスからクリミアを含めた国土奪還の支持を得られたのは、良い収穫だと思います
然るべく手順を踏んで協調、協力する支援国を増やし、合意形成するのが、戦後国際秩序における正当性なのですから
今のロシアには、正当性と正統性の区別がつかない様ですがね
フランスというのも何を考えてるかさっぱりわからないですね。頭を抱えながらもプーチンとのコネクションを維持しつつ、軍事的な奪還は支持して自走砲の順番入れ替えの交渉をしつつ提供すると。
相変わらずのムーブといえばそうなんでしょうけどね。
選挙中だから威勢の良いことを言ってるだけです
フランスの実際に行ったアクションを見れば本音では望んでないでしょうね
ただ、選挙中において主張したことは、その後の政治家としての生き方を決めるから、
たとえ本心ではなかったとしても、ロシアにたいする対決姿勢を強めざるを得ないだろうけれど
プーチン相手が進捗有るどころか、大幅に後退したので諦めた可能性があります
そしてそれにこだわって中途半端な立ち位置は、くそコウモリ野郎とか西側諸国のスパイという認定されて、
回復不可能な国際的な立場の低下の危機でしょうし
フランスは今週末に国会議員選挙の
決選投票があるはず
ロシアに宥和的とマクロンが叩かれ負けそうだから
ウクライナ支持を表明したのだろう
選挙が終わればまたフランスがロシア寄りになる
可能性はあると思う
同じく中間選挙を控えているけど、ウクライナ問題への国民の関心が薄いせいで支援へ積極的でなくなりつつあるアメリカとは対照的ですね
マクロンは何度も停戦を訴えてますし「ロシアに屈辱を与えるな」とも発言しているので本音ではあまり乗り気では無さそうです
ロシアに満足を与えるにはヨーロッパの半分を差し出さないとならないんだが、
マクロンはそこわかってるのか
全領土からの完全駆逐…まぁ以前から言ってた話だけど、でかい声ではっきりとぶち上げちまったすね
>155mm榴弾砲1,000門、多連装ロケットシステム300輌、戦車500輌、装甲車両2,000輌、無人機
1,000機を要求したのは「第三段階までに必要な重装備の総量」である可能性が高く
でもコレ、例えば1年かかったならかかったなりにそれまでにどんどん損耗していくはずなんだが
見積もり、この2倍か3倍が適正なんじゃねすか?大丈夫か?つかそもそもこの数字それ自体が
NATO各国が供出するの相当大変では?それとも、けっこう簡単に発送できちゃう数量なんすかねぇ
正直これら装備が一瞬でウクライナに出現したとしてもこんな陸自より少し多いくらいの装備でロシア野戦軍を撃滅してクリミアまで奪還出来るとはとても思えない…
クリミアはウクライナの土地だと言ったところで
ロシアの認識がソ連時代にウクライナ行政に移管されただけで
本来ロシアの領土であるという考えのままであり
クリミア奪還の直接行動をロシア本土への軍事侵攻と見なして
大量破壊兵器を使用する可能性は残ったままだよな
可能性で言えば、キーウ攻略失敗から散々言われてるし、これからも懸念は残り続けるだろうけど、問題は国際社会がどう考えるかじゃないかな?
そういう意味では、レズニコフ国防相の発言より、フランスがクリミアをウクライナの領土と認識してる発言の方がでかいと思う。
交渉のセオリーとして高目の要求は簡単に下げる事は悪手。
ましてや露助相手に隙を見せるとか自殺行為だし
これが正解。
>ウクライナのレズニコフ国防相は「クリミアを含む全ての領土を占領者から解放する」と米CNNに語り、
>キーウ訪問中の仏政府関係者も「我々はウクライナがクリミアまで取り戻す完全勝利を望んでいる」
>と述べて注目を集めている。
国際法上はソ連崩壊後にウクライナが核兵器をロシアに引き渡す替わりに国境の尊重を約したブダペスト覚書によってクリミヤやドンバスはウクライナ領である事にロシアは異議を述べる権利を放棄した。しかし、歴史的にはソ連成立まで、クリミヤやドンバスがウクライナ領であったのは帝政ロシア崩壊直後の短期間であった。ソ連はクリミヤやドンバスがウクライナに属する事を認めたが、それはウクライナがソ連邦や共産党に協力するという前提であって、ソ連崩壊後に独立を認める趣旨ではない。
また、クリミヤ半島はウクライナ系住民よりロシア系住民が多く、ドンバスのうち今年2月23日以前から親ロシア派支配地だった地域はウクライナ系住民とロシア系住民が同程度でロシア語を母語とする住民の方が多かった。そして一部のロシア系住民はロシアに属すべきだと考え民族主義的民兵になっている。国際法上の権利としてウクライナ領であっても、そういう地域を軍事的にウクライナ領にしても内戦が続いて復興しても破壊されて幸せにはなれない。
尚、氏名不詳のフランスの外交使節団随員が軍事的な奪還を支持したとしてもフランスが今回は軍事的支援をしていない事から外交的リップサービスと考えられる。
問題はクリミアまで軍事的に取り戻すと主張する人物がウクライナの国防相である事と、たとえリップサービスでもフランスの外交使節がそれを肯定した事である。クリミアを取り戻したければ停戦後に国際監視の下で住民投票で決するべきで、軍事的に取り戻すという発想はウクライナにとって不幸な発想である。フランスの外交使節もくだらないリップサービスをするより、クリミアを取り戻したければ非軍事的に住民投票によるべきだと指摘すべきだった。まあ、歴史的に外交が盛んなフランスの悪癖で悪しきリップサービスしたのだろうが残念な事である。
何を言ってるんだ?
ロシアが実行支配しているクリミアで住民投票なんて出来ないし日頃から選挙で不正しているロシアで行っても無意味でしょ
OSCEや国連が監視団を派遣すればいいだけでは
あなたの言い草はロシアと同じ穴のムジナ
同じムジナじゃない
今クリミアはロシアに併合されてしまった
そんな中で監視団なんか送ったらロシア領のもと住民投票を行われましたって大々的に宣伝されるだけ
しかもクリミアにいたウクライナ派のタタール系の住民はすでに内地に引っ越しを強制されロシア人が入植してる中でまともに住民投票が出来るって考えている時点でアレだわ
長々最初のコメントで書いてるけどさ
国際法上の権利がウクライナにあるって認識しているのならロシアの内地に連れ去った住民と併合したクリミアの領土を返すのが第一であるってわかるはずでしょ
ここは軍事ブログのコメント欄で、非軍事的にとかそんなの無理なこと百も承知なはずなのにあえて住民投票を~って主張するってことはなんか裏でもあるのかなって勘ぐっちゃうよ
>ここは軍事ブログのコメント欄で、非軍事的にとか
孫氏の兵法では「戦わずして勝つ」事が最良の策だとされているそうで、私も「戦わずして勝つ」事を最優先で考え、軍事的な策に限定せず非軍事的な策も考慮します。
ロシアはクリミア占領後に住民投票を実施し圧倒的多数でロシア編入支持を得ました。公正性に疑問はあるものの、仮に公正な住民投票が実施されていてもクリミヤ半島はウクライナ系住民よりロシア系住民が多いためロシア編入支持が過半数を占めた可能性が高いと思われます。
歴史的にはクリミア半島はクリミア・タタール人の居住地で、国家としてのウクライナの原型であるキエフ公国の領土でもありませんでした。よって、ブダペスト覚書さえなければ、クリミア半島の帰属は国際監視下で公正な住民投票によって決すべきものでした。
しかし、停戦が実現し30年後にウクライナが経済発展し民主的政治で言論の自由も保証されれば、クリミア半島のロシア系住民の大半もロシアよりウクライナに属する方が良いと思い、クリミア半島のウクライナ系住民のみならずロシア系住民も公正な国際監視での住民投票を要求する可能性があります。長期的に考えれば、一旦はクリミア半島はロシアの占領に同意し、50年以内に国際監視下で公正な住民投票を行うとした方がウクライナはクリミア半島住民の圧倒的多数の支持の下に平和的にクリミア半島を領土とする可能性があるのです。
>フランスが今回は軍事的支援をしていない事から外交的リップサービスと考えられる
フランスは今回の訪問に合わせて、カエサル自走榴弾砲の追加提供を表明しているので前提からして間違ってますね
私が書き込んだ時点ではフランスのカエサル自走榴弾砲の追加提供のニュースが無かったので誤りではないですし、フランスの今回のラムシュタイン会議直後の6輌の軍事支援は前回のラムシュタイン直前の12輌の半分です。とてもクリミア半島奪回できる量ではありません。
まぁ支援が欲しいから大風呂敷を広げないといけないのは分かるが、開戦前までの領土と言ったり発言にブレブレではあるわな。
卵が先か鶏が先かは知らんが、おかげで各国も引きずられてクリミアを含む全領域(イギリス、ポーランド)から、開戦前の領域(アメリカ)まで作戦を支持するまでバラバラ。
勝っていて作戦に目途がついて言い出すのなら分からいでもないが優勢ではない状況で言い出したのでは、コロコロ話を変えるプーチンのことを笑えないだろうな。
しかしこれ以上は犠牲者増やすだけだしなあ。クリミア返還含め、まずは停戦合意し、外交的解決に持ち込むべきではなかろうか
プーチンの望みは未だにレジームチェンジだと言われているし、未だにキエフ攻略の検討の話が出てきたりするので、そもそも停戦合意云々は西側の願望、希望的観測なのでは。
すでに何度もロシアが宣言してますが
ロシアが望んでるのは、全ウクライナの抹消ですよ(政府・人・文化・言語・歴史)
その宣言通りの事をすでに実行してるのに、話し合いで解決するとか平和ボケすぎるのでは?
日本だってロシアと戦争になり、北海道を占領されれば
「北方領土を含む全ての日本の国土を取り戻す」と言うに決まってます。
それを「とりあえず北海道だけ取り戻せればいいだろう」とか
「北海道は諦めて停戦しろ」などと言われても外野は黙ってろとしか言えません。
ましてやクリミアは北方領土とは違って10年前まではれっきとしたウクライナ国土で
今も国際社会はロシアによる併合を認めていないのだから、武力に寄る現状変更を認めないという国際ルールを守るためにも
クリミア奪還を主張するのは当然のことでしょう。
その方法が武力か外交交渉によるのかは別にしても。
今の日本人の民意なら、停戦する為なら北海道位はあっさり放棄するでしょうね
何なら国の主権もオマケに付けてでもロシアとの交戦を回避する筈です
それが、日本人が戦後80年の間に学んだ「正しい処世術」ですから…
今日現在の日本人ならその選択の可能性は低いでしょうね
ロシアのウクライナ侵略前なら、それなりに可能性高かったとは思いますが
武力脅迫されて譲歩なんて最悪の選択肢だというのを、ロシアが日本人に教育してくれました
未だ旧来の認識でいる「文化人」様は非常に多いので、意識が変わったと言えるのはまだまだ先じゃないですかね
坂本龍一や平田オリザ辺りがウクライナについて何言ってるか、意地の悪い意味で興味あるわ
軍事物資を得る事が最優先ならば今クリミアに言及するのは得策ではないかな
どう考えても訓練期間・フルスペックじゃ無い兵器提供あり・型落ち兵器は気前よく提供される・国民の犠牲者数・制限された射程・限られた航空兵力とか諸々考えると、湾岸戦争時みたいに多国籍軍編成してロシア排除してくれでしか、理想とするゴールは見えないと思う。
ロシア側はかなりの犠牲を払ったのだからウクライナと同じ考えをするなら、第一段階が現状支配地域の確保、第二段階が完全なノヴォロシア人民共和国連邦の完成、第三段階が残ったウクライナ全土をバッファゾーンにする事になるんじゃないだろうか。
戦争が始まったならどう終わらせるか考えるのが普通だが、現状どっちも無理筋なゴールでどこかで妥協しないなら平行線で終わりが全く見えないチキンレースしている感じがしてならない。
ウクライナはアフガニスタンみたいな見捨てられ方をされずとも、ロシア弱体化に伴い生かさず殺さずみたいな支援状態になる事も考慮に入れてゴールを設定すべきだし、ロシアは取りあえず粘ればウクライナがどこかで限界を迎え折れるみたいなみたいな希望は捨てるべきだと思う。
現状だとどっちが先に限界向かえるんだろう。
現状だとどっちが限界先に向かえるのか
ど-でもいいけど、ウクライナ閣僚の格好は、日本の災害時に新品の作業服を着て記者会見する首長みたいなドレスコードでなくて本当に無頓着なんじゃないかと思えてきた。
ゼレンスキー一人はまあそのスタイルでも良いけど脇を固めるのはスーツでも良いだろうに。
何の効果を狙った演出か知らないが相変わらず格好が舐めてる
話し合いなんだから最低限の礼儀はあるだろ
まぁ戦争中&苦戦中だからだろ。
だから”兵器をもっとよこせ”と言いたいのだけのはなし。
もっともウクライナ国内での戦闘が実際にはどうなのかは誰も知らない。
BDUじゃなくてジャージ着てたエネミーラインのリアリティw。