複数のロシア人ミルブロガーはアウディーイウカ方面について「ステポヴェ周辺のロシア軍は線路沿いまで撤退した」と報告しており、ウクライナ軍はステポヴェ方向からのロシア軍突破をひとまず退けた格好だ。
参考:NGP RaZVedka
参考:RYBAR
参考:DEEP STATE
双方の報告の中で浄水施設というワードの登場頻度が急激に高まっている
ロシア人ミルブロガーのNGP RaZVedkaは27日「ステポヴェ郊外からのロシア軍撤退は事実だ。集落に対する敵の砲撃が激しくなり、無用な損失を避けるためロシア軍は砲撃地域を離れて安全な位置まで後退した」と、ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARも「破壊された集落への駐留は人員と装備への大きな損失に繋がるため、ロシア軍はステポヴェ方面の部隊を線路沿いまで後退させた」と報告しており、ウクライナ軍はステポヴェ方向からの突破をひとまず退けた格好だ。
複数のロシア人達は「工場地区の南に広がるダーチャを完全に占領した」「工場地区の北東に位置する浄水施設を占領した」と主張しているが、NGP RaZVedkaはダーチャの占領について「性急過ぎる」と否定、浄水施設の占領についても「足場を築いただけで施設を巡る戦闘については情報を持っていない」と述べている。
ウクライナ人が運営するDEEP STATEも「ステポヴェ付近、浄水施設付近、ヴォーダインとオプトネ付近でロシア軍が積極的に攻撃している」と報告しており、浄水施設というワードの登場頻度が急激に高まっているため「この周辺で何かが起きる予兆」なのかもしれない。
関連記事:アウディーイウカの戦い、攻勢阻止に失敗したウクライナ軍が工場地帯から撤退
関連記事:ウクライナ軍司令官、アウディーイウカに対する敵の第3波攻撃が始まった
関連記事:アウディーイウカの戦い、ウクライナ軍を追い出した工場地帯にロシア軍が定着
関連記事:アウディーイウカの戦い、コークス工場は砲撃に晒され南の守りも破られる
関連記事:ウクライナメディア、アウディーイウカの危機は第2防衛ラインの欠如が原因
関連記事:アウディーイウカの戦い、ロシア軍がコークス工場への直接攻撃を開始
関連記事:アウディーイウカの戦い、ステポヴェ集落の北側地域をロシア軍が占領
関連記事:ゼレンスキー大統領、アウディーイウカでロシア軍を破壊すれば流れが変わる
関連記事:アウディーイウカの戦い、悪天候の影響でロシア軍の第3波攻勢に遅れ
※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
ロシア軍の包囲環が狭まれば、対ドローン兵器(電子戦兵器)が前線に進出してきたり(管理人様が先日まとめて下さっています)、砲爆撃が集中していく事になります。
ウクライナ軍が、工場地区に補給・増援をどの程度行っているのかは不明ですが、補給線を考えれば厳しい戦いが続きそうですね。
ウクライナ軍の兵士の平均年齢は、40歳以上になった事が報じられています。
アウディーイウカ方面の損害は不明ですが(自分が把握できていないだけかもしれません)、ウクライナ軍兵士の写真に若い人物が多ければ、損害が小さいと推測できるかもしれませんね(ロシア軍だけに被害があるとは考えにくいですが…)。
つまりオルヒフカ辺りにウクライナ軍の砲兵陣地があるってことでしょ
アウディーウカまで砲弾は届いてるのか?
てか、背景のBMPよく見たらウクライナ軍のデジタル迷彩なのね、
もう剥げすぎてて…
状況図の縮尺があっていれば。
オルヒフカから南の占領された工場地区まで12kmくらいでしょうか。
距離が正しければ、普通の野砲(10榴級)で楽勝に届くと思います。
仮にオルヒフカに砲兵がいれば、アウディーイユカ戦域で届かない場所はないのでは。
砲兵陣地は北のオケレタインに退いてる筈。
オルヒフカは低地だから撃たれやすいし補給にも難がある。
オケレタインは高地にあって鉄道駅があり砲弾供給に問題がない。
南部の工業地帯のウクライナ軍劣勢の原因は砲兵のカバーがしにくくなったためというのもありそう。
オケレタインにいるなら。
南部工場地区はD20やD30では届きませんね。
10加(BS-3)か39口径長以上の15榴が必要でしょうか。
門数と弾数があれば良いのですが。
オルヒフカに置いてあるとすれば観測陣地でしょう。最前線まで3キロでは近すぎます。各種迫撃砲とロシア軍のコルネット対戦車ミサイルの射程圏内です。
支援に来ている47旅団の砲兵は自走砲装備ですから,射撃後陣地転換が必要です。最前線がこんなに近いと,陣地転換の移動中に見つかって対戦車ミサイルを撃ち込まれてしまいますので。
となるとその後ろのオケレタインより後ろということになり。
それがアウディーウカ南部に支援砲撃が届かず工場地帯を取られた理由の一つでしょう。
ここで無理に攻めず後退を選択できる辺りにこの戦線での主導権がどちらにあるかが伺えますね…
郊外に関して言えばウクライナ軍は悪天候に助けられた。
ただ市内に関して言えば補給や増援が悪天候に苦しめられてる。
ウクライナの迎撃できて単純に撤退したのか、浄水施設や採石場からのアプローチに成功が見えて優先させるための撤退なのか…
互いの正確な戦力わからないからなんとも言えないわ。
南部のロシア軍の勢いに比べて北西部は一進一退な感じでしたが、やはり砲撃から身を隠せる建物が無いと進軍は難しいのでしょうね
ウクライナ軍の南部攻勢がロボティネ以南ではなかなか進まないのも砲撃から身を隠せないのが理由の一つだったかと思いますし
しばらくは北西部は互いに砲撃・空爆の応酬になるのではないでしょうか。それとも更に北部から迂回するのでしょうかね
仰る通りです。
攻撃側は損害を覚悟する必要があり、大量の戦車・装甲車が移動トーチカとして、消耗品(撃破・損傷される前提)になることが求められています。
ウクライナ軍の南部攻勢は、遮蔽物のない中で、ロシア軍のMLRSから空中発射地雷(安価・大量)が投下され、戦闘中の歩戦分離を容易に受けていた事も確認されています。
仰る通り、砲爆撃・火力が重要になる戦場になっていますね…。
PTSDなどの被害が、生存兵にどの位の割合で発生しているのか気になっています(そのうち報道、もしくは戦後に検証されるのでしょうね)。
数十%のオーダーで、過去の事例から前線の生存兵は障害を負うと考えるべきかもしれませんね、過酷な戦場だなあと…。
結局そういう事で、別段不思議な事が起っているわけではないようです。
現在ロシア軍が攻撃で採用している戦術(犠牲を厭わぬ人海による陣地の推進)では、眺望が効く平原地帯では敵の観測と火力にさらされて、前進も進出点の維持も困難です。進出距離が小さ過ぎて敵火力を遠ざけられず、前線どころか攻撃開始線の補給状況も攻勢前と変わらないでしょう。
対してアウディーイウカ南東端の工場地区は、比較的建築物で建て込んだ地区で、歩兵が遮蔽物を利用して敵火と観測を避けて行動する余地があります。
ステッポーヴェ東方の線路に沿った北方への延翼はあるんでしょうが、現状の兵力と能力、重点と意図で言ってもそれほど大規模な行動にはならないのではないかと考えます。
以前このサイトの記事で指摘されていた「ロシア軍が土木機器を進出点に前進させて、そこでの急速な陣地構築に使用」は、いかにも現状の戦術にマッチした適応で、未熟練の補充兵を使い捨てで当座の戦力に転換する手法といい、ロシア側も手持ちの条件から戦力の最大化に努力しているわけで、その適応力には正直驚かされました。
ただ、間に合わせ感は明らかですし、「スターリン時代よりも軽いロシア人の命」(ザルジニー)の持続性にもやはり疑問があります。報道量の不均衡で西側の不都合ばかりに目が行きますが、プーチンの、大統領選に向けた統制の強化等を見る限り、当の本人は不安に駆られていますね。漸進戦術は結局「現状の消耗戦の維持」以外は齎しませんし、兵站状況と戦場環境は、ウクライナ野戦軍の速やかな撃破を実現を不可能にしているのは相変わらずです。
ステポヴェ周辺は泥濘期の為、補給が困難になっているようですね。計画的な退却できるところを見ると、練度が上がっているのと同時にウクライナ軍の損害発表はやっぱりあてにならないなと。
名将は引き際を心得ているということですかね
犠牲を覚悟で維持する手もあるが、それをやるのは最低でもヴォーダインからのロシア軍がオルリフカ手前まで前進してからのほうがいい
アウディーイウカ南東のロシア軍がどんどん前進してるから、撤退するウクライナ軍がオルリフカ=コークス工場間で南北から挟撃に合う可能性もある
包囲網はどこかに穴をあけておけばそこに群がるから狙いやすい
双方にどれだけ兵力があるかわからないが、アウディーイウカが年内に落ちる可能性も考えたほうが良いかも
そんな可能性はない
いくら親露派でウクライナに負けてほしいという願望を持ったところでありえないものはありえない
そんな言い方無いんじゃない?
私あなたの気分を害するような事しましたか?
私はアナタを批判しませんし、何も悪くありません。
tkさんの物言いは乱暴だったと思いますが、記事が久々にウクライナのプラスの記事になってる所でdisられて感情的になったのかもしれません。
本当に久々ですから。
考えの差はあれど外国の代理人はここにはいませんよ
ウクライナに対する悲観的なコメントは親露なんでしょうか?
南部の工場地帯から、あるいは猛攻している浄水施設から市街地に侵入されれば年内に陥落はありえなくないです。
アウディーイウカ攻略に従事しているロシア軍部に名将がいるかと言われると私個人としては疑問ですが…視覚情報で見える部分で損害出しすぎてるので。
何であれ可能性はないときっぱり言い切るなら反証や持ち堪える根拠を出して議論するのが大事じゃないでしょうか?
いや、これは単に「敵の弾薬枯渇につけ込んで大攻勢をかけたが,トドメを刺せずにグズグスしてたら吹雪に巻かれた」という東部戦線あるあるのパターンですね・・・
出始めの装甲車両の損失が大き過ぎたのが戦術的ミスですね。
クラスター航空爆弾の投入が遅かった、と思いますね。
>出始めの装甲車両の損失が大き過ぎた
機甲突破で戦線のイボを迅速に切断出来ればそれに越した事は無かったのでしょうが、平原での阻止火力の有効性とその制圧の困難は相変わらずのようです。
どちらも苦しい戦いをしているという事でしょう
ロシア軍死傷率、侵攻後最高か 英分析、多くは東部激戦地で犠牲
リンク
英国の分析は信用できないなあ
なんとなくだけど3月のバフムトより11月のアウディーウカの方が1段階上の激戦と言えそう
それだけでも興味深いな
本日のドネツクは0℃~2℃、今週から来週にかけて雪または雨が続く予報。氷点下が続くのはまだ先の模様。
泥濘化がピークに達している可能性がある。
補給ハブとなる都市が遠いアウディーウカのウ軍は、南端の部隊や浄水施設の部隊まで補給を届けることが困難になる。
一方の露軍も泥濘に問題を抱えているだろうが、南部からの攻勢軸はドネツク市から直接補給が届けられるだろう。
コークス工場方面の露軍はテリコンを利用して周辺の陣地を抑えに行った印象だが、線路を超えての攻撃はやはり時期尚早。
比較的順調にアウディーウカ南部で攻勢が進んでいる理由は補給ハブの距離の差が考えられる。
ウクライナ人作成の動画だからウクライナ有利な部分しかピックアップしていないアカウントですが、紙芝居として面白いかもしれません。
分かりやすく動画編集されています。
日本語が下手です。
まだ視聴者はすくないみたいです。
ここの記事の2日前に公開されていて速報性も高いです。
ロシア派の方は見ない方が良いでしょう。
脳の血管が切れるかもしれません。
リンク
動画の説明だとブラッドレーのみ登場しますが、上の北方向にレオパルドもいるという報道です。
例のザポリージャから引き抜かれてきた第47独立機械化旅団みたいです。
Reporting from Ukraineの日本語翻訳版があったのですね。英語版は断片的な映像情報の行間を解説で埋める好サイトと思いますが、毎回「Unfortunately for Russian…」に続く、露軍にとって不幸なくだりが、露派には刺激が強すぎるでしょう。
このあたりはウクライナ軍が旅団同士で「砲撃競争」をしているなんて報道がありましたね。
砲弾不足のはずなのに本当かいなと思ってましたが…