ウクライナ戦況

ウクライナ議会が政府提出の動員法を可決、追加動員の準備が整う

ウクライナ最高議会は11日に動員法の改正案を可決、主な変更点は「徴兵制度の廃止」「基本的兵役と基礎軍事訓練の導入」「動員年齢の引き下げ」「動員延期の権利をもつカテゴリー変更」「軍事登録データのデジタル化」「出頭拒否者に対する罰則強化」などだ。

参考:Мобілізація по-новому. Які правила працюють вже зараз і що зміниться з травня
参考:Закон про мобілізацію ухвалено. Короткий переказ основних нововведень

可決された動員法の改正案は時代遅れだった規則やシステムの近代化が中心

ウクライナ政府は時代遅れになっていた動員規則、動員を免れる法的な抜け道、不公正な動員カテゴリーなど是正する目的で動員法の改正案を提出、長い議論と修正を経て11日に最高議会が可決したため、最高議会議長が署名した同法案は近日中にゼレンスキー大統領へ届けられる見込みで、この改正案は大統領が署名してから30日後=5月以降に発効する。

出典:Генеральний штаб ЗСУ

改正案の主な変更点は「徴兵制度の廃止」「基本的兵役と基礎軍事訓練の導入」「動員年齢の引き下げ」「動員延期の権利をもつカテゴリー変更」「軍事登録データのデジタル化」「軍事委員会への出頭拒否者に対する罰則強化」などで、各項目を簡単に説明すると以下のようになる。

徴兵制度の代わりに導入される基本的兵役(平時5ヶ月/戦時3ヶ月)は18歳~25歳の男子に課される義務だが、兵役に就く時期は24歳までなら自由に選ぶことができ、全ての大学にも(兵役を終えていない者を対象にした)基礎軍事訓練が導入され、訓練終了後に潜在的な動員対象者として登録される。

出典:Генеральний штаб ЗСУ

動員対象の年齢も基本的兵役や基礎軍事訓練とリンクして27歳から25歳に引き下られたが、依然として女性は動員対象外で基礎軍事訓練に参加するかどうかは任意、軍に参加する場合も契約軍人として働く形になる。

動員延期の権利をもつカテゴリー変更は「介護理由(延期を認める範囲が厳しくなっただけ)」のみ、軍事登録データのデジタル化は男子18歳~60歳までの情報が対象で、軍事委員会に出向かなくても対象者は自身の情報を更新することが出来る。登録データのデジタル化は飽くまで管理・更新の手間を軽減するためもので、政府が提案していたデジタル召喚状の送付は法案から削除されており、今後も紙の召喚状で招集や動員が行われる。

出典:pexels

軍事委員会への出頭拒否者に対する罰則強化も「口座差し押さえ」や「海外渡航の禁止」といった罰則は法案から削除され、唯一生き残った「運転免許証の停止」も軍事委員会の裁量ではなく裁判所判断に変更され、運転免許証の停止が当該者の生活手段を奪う場合などは裁判所は軍事委員会の要請を拒否できる。

政府案に含まれていた「復員に関する規定=動員から36ヶ月間が経過した兵士を交代させ復員させる」はシルスキー総司令官の要請で削除されたものの、8ヶ月以内に交代と動員を直接関連づけた新しい法律が制定され、マリウスカ司法相が言及していた「囚人や受刑者の動員法案(現在は自発的な志願があった場合のみ動員可能)」は第一読会が終了した段階で、最終的に最高議会が可決して成立するかは未知数だ。

出典:Генеральний штаб ЗСУ

因みに改正案や動員の仕組みを調べないままSNS等で「ウクライナは女性も動員している」「学徒動員だ」と煽っているのを見ると何がしたいのかさっぱり分からない。

改正前も改正後も高等教育を受けている学生は年齢に関係なく動員の対象外だ。18歳~25歳の男子に課される基本的兵役や基礎軍事訓練は「基礎的な軍事訓練」と「専門兵科の訓練」だけで、仮に対象年齢に到達して動員されても「前線で戦うための訓練」は別なので、3ヶ月や5ヶ月の訓練だけで前線に送り込まれる訳では無い。

何らかの理由でウクライナを憎んでいる人達は悪口を叫びたいだけなのだろう。

関連記事:ウクライナ司法相は囚人や受刑者の動員、ローマ教皇は白旗を揚げる勇気に言及

 

※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

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コメント

    • 774
    • 2024年 4月 13日

    >何らかの理由でウクライナを憎んでいる人達は悪口を叫びたいだけなのだろう

    ウクライナ憎しで叫ぶ分にはまだマシで、その手のほとんどが叩きやすい相手だから叩いてるだけだと思うんです

    27
      • M774A6
      • 2024年 4月 13日

      やっぱりスポーツ観戦気分なんですかね

      10
    • 自由
    • 2024年 4月 13日

    ウクライナの男性には外国に移動する権利が剥奪されてるガザ地区の住民と変わらない
    EUでは移民すらも自由に移動できるがユーロマイダン革命政権では移動の自由も無い
    日本国民がウクライナの様になりたくなければ憲法改正し核抑止力を持つことです。

    18
    • Authentic
    • 2024年 4月 13日

    >改正前も改正後も高等教育を受けている学生は年齢に関係なく動員の対象外だ
    今は、でしょう
    身体能力的にはピークだしそのうち手を付けたくなってくると思いますけどね
    まあ、あえて突き放す言い方をすればどこまでやれるかお手並み拝見ってとこかな

    22
      • なんだかなー
      • 2024年 4月 13日

      嫌味な奴だね、現時点で学徒動員が行われてないのは事実じゃん

      33
        • Authentic
        • 2024年 4月 13日

        為政者が自分のメンツのために国家総力戦を止められなくなって
        もはや改善しようがない戦いで膨大な死者と重傷者を出し続けてるんだから嫌みの一つも言いたくなる
        これは局地的な小競り合いなんかじゃなく第二次世界大戦あるいは朝鮮戦争以来起こってなかった本物の国家総力戦だよ?
        そして歴史上国家総力戦は革命が起きるか首都が攻め落とされるか原爆が落とされるか以外で終わったためしがない(原爆落とされる寸前までエスカレートした朝鮮戦争も厳密にはまだ終わってない
        だから今のままじゃ西側が朝鮮戦争方式でウクライナの頭越しにロシアと交渉しなければいずれ確実に学生も含めた根こそぎ動員が起きる

        15
          • たら
          • 2024年 4月 13日

          為政者の自分のメンツって具体的に何でしょうか?

          5
            • Authentic
            • 2024年 4月 13日

            自分から停戦を言い出せば実質的な敗戦責任取らないといけないことだよ
            端的に言えば政治家として失脚するうえ下手すれば訴追される
            そうじゃなくても未来永劫国を負けさせ領土を取られた愚か者として扱われることになるしね

            9
          • Artillery
          • 2024年 4月 13日

          継戦はウクライナ国民の民意って事実をなぜ無視するんだろう。
          停戦派も着実に増えつつあるけど、現段階では継戦派が多数派です。
          ゼレンスキー政権を善政と言うつもりはないけれど、ゼレンスキーをそこまで憎む理由も分からない。

          5
            • Authentic
            • 2024年 4月 13日

            そもそもその民意には何の根拠ないでしょ
            国家総力戦やってる国の世論調査で本音なんて言えるわけがないんだから
            どこから漏れて懲罰召集されるか分かったもんじゃないし

            8
              • 名無しの悪夢
              • 2024年 4月 14日

              根拠はあると思いますよ。
              世論調査を抜きにしても継戦派は7割8割はいると思います。
              問題はウクライナが被った損失の実態がひた隠しにされてる中で、そんな調査をしても全く意味がない点ですね。

              もっとも、これはウクライナに限らず支援国にも言えることですが
              先日のウクライナの発電所の被害を伝えるYAHOOニュースのコメント欄では、先月ローマ教皇が停戦を促した記事と違って、停戦派がかなり増えていて
              ずいぶんな変わり身の速さだなぁと感心したものです。

              3
                • Authentic
                • 2024年 4月 14日

                >問題はウクライナが被った損失の実態がひた隠しにされてる中で、そんな調査をしても全く意味がない点ですね
                それはそうだね正しい情報の開示は正しい判断の前提だから
                とはいえそれでも大っぴらの世論調査ですら継戦支持が7割であることを考えれば実態として7割以上の支持があるというのは信じ難い

                6
    • 2024年 4月 13日

    そういえばロシアの春の徴兵も煽ったりしてたのSNSでありましたっけ。
    ロシアの徴兵は年2回春と秋に行うけど、別に国外に派遣しないっての知らないで言ってる感じだったし、人間都合の悪いとこは見ないし聞かないもんだし、自分の信じたい情報で叩きたいだけな気はしますけど。

    42
      • コンビニ
      • 2024年 4月 13日

      小泉先生が毎度説明してもスルーしますよね小泉先生が一番頼りに成るって言った人達が。

      7
        • 2024年 4月 13日

        小泉悠の本音ってどうなんだろうっていつも思う。

        6
    • 名無し
    • 2024年 4月 13日

    女性兵士が前線で増えてきている的な情報は見かけたことがありますが、学徒動員とか女性も動員対象というのは少なくとも自分の観測範囲では見かけたことが無いのですけど、まあそういうのをセンセーショナルに煽っているのもいるんでしょうね

    というかそもそも追加動員をするにしても、既に人口ピラミッドや人口構成が修復不可能な焼け野原状態になっている現状で果たしてどれだけ動員できるのかというのかが…

    13
      • 平八郎
      • 2024年 4月 13日

      ウクライナの話じゃないんですが、最近知り合いのミャンマー人女性が「召集令状が来た。帰国しないといけない。」とか言い出して驚きました。
      結局女性に対する徴兵は立ち消えになったようで行かなくてすんだんですが、国に居る彼女の兄弟は病気でロクに働けない身体なのにしょっ引かれたそうです。
      本当にヤバい国はそこまで手を出してきます。

      20
      • 2024年 4月 13日

      NHKのBBCか何かの番組で女性兵員が6万人いて妊婦の為の前が伸びるズボンとか上官からパワハラ、セクハラが蔓延していてキエフで女性兵員達の会合とかの番組だった。
      妊婦でも最前線で戦って不利になるとお腹に子供がいるから撃たないでと命乞い。
      なんだろな〜。

      5
    • ブルーピーコック
    • 2024年 4月 13日

    《因みに改正案や動員の仕組みを調べないままSNS等で「ウクライナは女性も動員している」「学徒動員だ」と煽っているのを見ると何がしたいのかさっぱり分からない》

    そのうちマイナンバー叩きに変わるのに25ペソ

    13
    • たむごん
    • 2024年 4月 13日

    ウクライナ国内は、徴兵免除規定を利用した、徴兵逃れが問題視されてきました。

    徴兵逃れによる不平等感が、緩和されるかもしれませんね。

    復員に関する法律が、8か月以内に制定されるという事ですが、どういったものになるのか今後注目したいと思います。

    9
    • baka
    • 2024年 4月 13日

    管理人さんの仰っしゃる通りで、ウクライナは別に強制的に若者や女性を動員してるとは思いません

    12
    • どねつくぼうし
    • 2024年 4月 13日

    要するに裕福層が海外に逃れる道は保ちつつ動員可能な範囲は広げ尚且つ現在前線にいる兵員の復員という話は無かったことにする
    そういうことのように思えます

    40
    • 古銭
    • 2024年 4月 13日

    議員も(提案した)大統領府もリスクを負いたくないのでお流れになりましたが、収入要件や代納金による徴兵猶予案は総力戦として見れば必要だったと思います。

    3
      • 2024年 4月 13日

      今更動員しても戦力化するのに何ヶ月後?
      ローテーションされていない兵がもつのかどうか?
      訓練が終わり塹壕に籠もってもFABで焼却されるだけの的とか絶望しかない。

      4
    • mugi8
    • 2024年 4月 13日

    ロシアも丁度1年前の2023年4月11日に召集令状に関する法案を可決、14日に署名したのですがそれに比べると骨抜きにされた印象が強いですね

    (CNN)リンク
    ロシアのプーチン大統領は14日、徴兵逃れを難しくすることを目的とした電子的な徴兵登録制度を創設する法案に署名した。
    新たなシステムでは、政府のポータルに軍の招集令状が届けられる。ポータル上に招集令状が表示された瞬間、令状が届いたと見なされる。
    オンラインの招集令状を無視した人は全員、1週間後に法的に逃亡者と指定され、出国禁止や財産凍結といった措置が取られる。

    (BBC)リンク
    招集された人は、最寄りの入隊事務所に出向く義務がある。姿を見せない人は、海外渡航の禁止などの制限が課される可能性がある。不動産の売買ができなくなり、運転免許は無効となる。小規模事業の登記もできなくなる。
    「かつては便利だったオンライン政府ポータルに裏面があった」
    政府ポータルサイトは、新しいパスポートや結婚許可証の申請、請求書や罰金の支払い、開業医の予約などに広く利用されている。

    (NHK)リンク
    招集令状は、政府のポータルサイトに登録した個人のアカウントに通知される仕組みで、本人が通知を開いていなくても届いた時点で効力が発生するということです。
    招集令状が届くと、ロシアからの出国が禁止されるほか、通知から20日以内に招集に応じなければ、自動車の運転や不動産の登録、それに銀行などからの融資を受けることができなくなるなど、生活する上でさまざまな制約を受けるということです。

    2
    • 暇な人
    • 2024年 4月 13日

    リンク
    ・特定の機関・企業に付与されている徴兵除外枠が適用されている者
    ・障害者として認められている者、あるいは、軍事医療委員会の結論により、健康状態により一時的に(6〜12か月)兵役がこなせないと診断されている者。
    ・18歳未満の児童が3人以上養育する男女、
    ・18歳未満の児童がいて、その児童の片方の親が死亡している、親権を剥奪されている、行方不明とみなされている、死亡したと発表されている、拘禁されている男女。あるいは、人物が一人で児童を養育している、裁判所の判断で児童を擁している等の場合。
    ・18歳未満の障害を持つ児童を養育している両親、保護者、養育者。
    ・重病にかかっている児童を養育している両親、保護者、養育者。
    ・第1・第2類障害を持つ成人の子を持つ両親。
    ・行動できないと裁判所に判断できない人物の世話人。
    ・第1・第2類障害を持つ配偶者を持つ者。
    ・癌、四肢、手、足先、対になる臓器の欠損による第3類障害を持つ配偶者を持つ者。あるいは、第3類障害を持つ者で、癌、精神障害、脳性麻痺、その他麻痺症候群を持つ配偶者を持つ者。
    ・18歳未満の児童を持ち、片方の親が兵役中のもう一方の親。

    管理人さんはかなりマイルドにいってますけど、除外条件を満たすのは子供か障碍者の世話が必要のみ。
    あとは一部の政府機関や企業のみ、ウクライナの人口の三分の一を占める農家は免除対象にはなりません。

    3
      • 暇な人
      • 2024年 4月 13日

      自己レスなんですが、
      リンク先はこっちでした、ウクルインフォルムですね
      リンク
      ただ読む限り大学生の免除が入ってないので学徒動員は間違ってないかもしれない
      今ウクライナでは富裕層の子弟が動員避けるために大学に入りなおしているケースが多数あるという報道がある。
      金持ちの徴兵逃れに使われているのならそれは埋めないといけない。

      ちなみに私の最終学歴とはなんの関係もありませんw
      理系はともかく文系の学生は徴兵していいだろと司馬さんが激怒しそうな事思ってたりします。

      3
        • 航空万能論GF管理人
        • 2024年 4月 14日

        Нові правила мобілізації. Що передбачає ухвалений Радою закон

        ウクルインフォルムの記事は動員の対象にならないリストです。高等教育を受けている学生は「動員中の招集を延期する権利」を持つカテゴリに属します。

        いい加減な情報で学徒動員などと間違った情報を広めるのは止めましょう。

        6
          • 名無しの悪夢
          • 2024年 4月 14日

          ずいぶん手厳しいですね。
          日本においては「兵役の義務」という単語が出てくる時点でどうしょうもなく拒絶反応が出てしまうので、ある程度の誤解が生まれてしまうのも仕方ないことだと思います。
          僕自身もこの記事を読むまで兵役を終えた者が予備役となり、予備役に召集がかかって動員となるシステムのことは知りませんでしたし。

          1
          • 暇な人
          • 2024年 4月 14日

          わざわざありがとうございます。ここ以外では言ってませんから広めてはいませんよ
          気になるなら削除されてけっこうです。
          というか私から言わせれば大学を理由に免除されるほうがおかしいと認識しているのですけどね。

          さらに、フルタイムまたはデュアルフォームで勉強し、以前のものよりも高いレベルの教育を受ける職業、専門職の高等教育、高等教育の申請者は、徴兵の対象にはなりません。博士課程の学生やインターンも同様です。
          科学的および科学的教育従事者は、教育機関で少なくとも0.75の割合で働くことを条件に、延期が認められる場合があります。

          翻訳が正しい場合学生と理系の大学の職員の場合はOKっぽいかな。
          そういえば以前動員されたという教授は歴史だったか。このあたりは特に変わってないということかな?

          2
            • 航空万能論GF管理人
            • 2024年 4月 14日

            その部分は動員逃れの温床となっていた部分への対策です。

            ウクライナの表現でいうところ「第二教育=高等教育を終えたものが再び大学等に入学すること」は動員逃れの温床となっていたため、現在所有する学位より高い教育を受けるなどの場合を除き、第二教育は動員中の招集を延期する権利のカテゴリーに含まれなくなりました。

            こちらそこ強い言葉になってしまいました。謝罪します。

            3
              • 暇な人
              • 2024年 4月 14日

              いえ管理さんなら気にされるのも当然です。
              大学院ならOKだけど、別の学部に入学するのは禁止といったところですかね。
              丁寧な説明ありがとうございます

              3
      • 古銭
      • 2024年 4月 14日

      2020年時点でウクライナの農林水産業従事者が労働者全体の18%強だった記憶がありますが、増加傾向にあるとはいえそこから開戦までの二年で農業従事者が全人口の三割というのは動員(猶予や免除ではなく)対象外の人々まで含めても難しい気がします。

      1
        • 暇な人
        • 2024年 4月 14日

        リンク
        FAOが実施した調査『戦争がウクライナの農業と農村の生活に与えた影響:全国規模の農村世帯調査の結果 (Impact of the war on agriculture and rural livelihoods in Ukraine: Findings of a nationwide rural household survey)』によると、調査対象の5,200世帯のうち4世帯中1世帯が、紛争の影響で農業生産を縮小または停止していることが明らかになった。特に冬の到来が間近に迫る中、現在の農業及び生活状況やニーズについて理解を深めるため、農村世帯に対しインタビュー調査を実施した。

        ピエール・ヴォティエールFAOウクライナ国別事務所代表は、「ウクライナの農業は、農村部に住む約1,300万人のウクライナ人にとって重要な生計の源であり、農業生産の約3分の2は商業ベースで行われている一方、農村に住む人々も農業生産の約32%を担っている。この調査で、農業に従事するウクライナの農村に住む人々の25%が、戦争によって農業活動を停止したり、生産量を減らさざるを得なくなっている現状を示している。ウクライナの中でも最も農業に依存している地域では、状況はさらに深刻で、農村部に住む家庭の40%以上が影響を受けている」 と指摘した。

        これを参考にしました、農家ではなくて農村でしたね、すいません
        ウクライナの公称人口4000万(クリミア200万が含まれる)で1300万なので三分の一ほどとしました。
        今のウクライナの人口は3000万きっているともいわれているので、土地があり逃げられない農家比率はもっと上がっている可能性がありますね、
        リンク

        4
          • 古銭
          • 2024年 4月 14日

          私はウクライナの国家統計局の発表を参考にしているため、家業の手伝い程度の扱いとされる人々が含まれない可能性があり、そういった意味では農業従事者が増えるかもしれません。

          ですがその調査における農村部の人口には農村部に逃れた国内避難民が含まれていました(調査報告内で言及あり)。あくまで農村部の人口であり、農業と直接関わりの無い人々を含む数字のようです。
          同じく調査報告内で言及されていますが、自家消費用や地元市場で多少販売する程度のごく小規模な農業活動を多く含んでおり、そういった人々は公式には農家と定義されていません。この緩い区分だと東欧の人口の半分以上が農家になってもおかしくないでしょう。

          少々話が逸れますが、農業従事者やその調査報告内での農村部人口には女性や老人子供など動員対象外の人々が含まれています。動員免除や猶予について語る文脈でそういった人々を含めた数字を出すのは間違いではなくとも誤解を招きやすいかもしれません。

            • 暇な人
            • 2024年 4月 15日

            わかりました。
            私も農村部の生まれてで実家は農家なんですが、周りはほぼ兼業農家なんですよね。
            農業一本で食っている家なんてほとんどありません、その代わり農地持ってない人もほぼいないような環境なので日本人としての意識で見てました。
            よく考えれば旧ソ連ならダーチャありますから、ほぼ全員もってて当たり前なんですね。
            そうなると区分は難しいですね。

            2
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