欧州関連

イタリア外相、2ヶ月以内にウクライナでSAMP/Tの運用が始まると明かす

フランスとイタリアはSAMP/Tのウクライナ移転で合意して迎撃弾Asterを新たに700発購入する契約に署名、さらにタヤーニ伊外相は「ウクライナを保護するミサイルシールドが運用が2ヶ月以内に開始される」と明かした。

参考:Tajani: Putin cercherà una via d’uscita, lavoriamo per la pace
参考:Франция подтвердила соглашение с Италией о покупке 700 ракет для ЗРК SAMP/T, который готовят Украине

仏伊は提供を見越してウクライナ人に対する訓練を相当早くから始めていた可能性を示唆

ウクライナへのSAMP/T提供を協議した仏伊は同システムで使用されるAsterミサイルを700発購入する契約に署名、この契約はウクライナ提供で生じるギャップを埋めるもの(ウクライナに提供されるSAMP/Tの迎撃弾が最大700発になるという意味)と見られており、さらにタヤーニ伊外相は「ウクライナを保護するミサイルシールドが運用が2ヶ月以内(7週間~8週間)に開始される」と明かした。

出典:Italian Army/CC BY 2.5

これは「2ヶ月以内にウクライナ領でSAMP/Tの運用が始まる」という意味らしいので、仏伊は提供を見越してウクライナ人に対する訓練を相当早くから始めていた可能性を示唆(パトリオットシステムの訓練には内容を圧縮しても6ヶ月かかるため夏頃の配備が濃厚)している。

因みにSAMP/Tに接続される長距離レーダーのArabelは最大100個の目標を同時に追尾することができ、Aster30(作動範囲は高度3,000m以上の目標に対して100km/高度3,000m以下の目標に対して50km)を使用して同時に16個の目標と交戦することが可能で、Aster30Block1(PAC-3弾に相当)なら射程600kmクラスの弾道ミサイルを迎撃することも可能だ。

関連記事:ウクライナが切望する高度な防空システム、仏伊がSAMP/T提供を間もなく発表

 

※アイキャッチ画像の出典:MBDA

バフムートに関する噂レベルの情報前のページ

米英メディア、春攻勢のためウクライナ軍がバフムートを放棄する可能性次のページ

関連記事

  1. 欧州関連

    誰がウクライナにパトリオットを提供するのか? ギリシャは提供に否定的

    ウクライナはパトリオットシステムの追加供給を要請、Financial …

  2. 欧州関連

    海外からの受注が集中する仏製戦闘機、クロアチア空軍も次期戦闘機にラファールを選択

    クロアチア空軍はMiG-21の後継機としてラファールを選択したと報じら…

  3. 欧州関連

    レズニコフ国防相、ウクライナ軍の反攻作戦は4月から5月のどこかで発動

    ウクライナ侵攻から400日目が経過、ゼレンスキー大統領は「勝利を手繰り…

  4. 欧州関連

    ラトビアが徴兵制度の再導入を決定、予備役を増やして戦時の動員数を確保

    ラトビア議会は2024年1月から徴兵制度=国家防衛サービス(VAD)の…

  5. 欧州関連

    ポーランドのドゥダ大統領、溺れた人間にようにウクライナは振る舞う

    ポーランドのドゥダ大統領は「ウクライナの穀物輸出を巡る問題」について「…

  6. 欧州関連

    ポーランド、ドイツが反対してもレオパルト2提供に踏み切る可能性を言及

    ドイツのショルツ首相と米国のバイデン大統領がウクライナへの戦車提供問題…

コメント

    • ななし
    • 2023年 2月 03日

    戦争が終わったら、防空関係の費用はロシアに請求すべし

    2
    • pon
    • 2023年 2月 03日

    陸軍は小火器以外の兵器の西側規格柄への変更がスムーズにできてしまったな

    6
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. インド太平洋関連

    米英豪が豪州の原潜取得に関する合意を発表、米戦闘システムを採用するAUKUS級を…
  2. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  3. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
  4. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
  5. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
PAGE TOP