中国関連

4隻目までは通常動力空母? 中国海軍、技術的問題で「原子力空母」建造計画を保留

中国海軍は、通常動力式の国産空母を建造後、早い段階で「原子力空母」建造へ移行すると予想されていたが、実際には技術的な問題で計画が保留されていると言う。

参考:Chinese navy set to build fourth aircraft carrier, but plans for a more advanced ship are put on hold

通常動力式の国産空母を4隻建造、その後の計画は原子炉開発の遅れで保留

中国海軍は現在、旧ソ連が建造したアドミラル・クズネツォフ級空母「ヴァリャーグ」を購入し改装した空母「遼寧(53,000トン)」が就役中で、初の国産空母「001A型(55,000トン)」が間もなく就役する予定だ。

さらに中国海軍は、通常動力式で電磁式カタパルトを備えた国産空母「002A型」を建造し、その後は「002A型」とは別の空母「004型(仮称)」を、原子力炉を搭載した空母「005型(仮称)」を建造するという報道や、これとは異なり「004型(仮称)」以降は原子力空母になるという報道があり情報が交錯している。

香港の「 サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)」は中国軍の関係者の話を元にした11月28日付けの記事で、通常動力式空母「002A型」の国産空母2隻目以降、4隻目までは「002A型」の同型艦になると明らかにした。

しかも5隻目に関しては、技術的問題の克服に苦労しているため、今のところ建造する予定がないと中国軍の関係者が話したと言う。

克服に苦労しているという「技術的問題」の詳細について明らかにしなかったが、恐らくは空母に搭載する大型の原子炉開発に手間取っている可能性が高く、それを裏付ける造船関係者の話が報じられた。

中国では最近、造船業界の再編が行われトップの「中国船舶工業集団(CSSC)」と、2位の「中国船舶重工集団(CSIC)」が合併、従業員数31万人、総資産12兆円、世界シェア2位という巨大な「中国船舶集団」が誕生したことで、新技術開発や建造効率が向上し、中国海軍への艦艇供給能力が引き上げられ、空母の建造スピードが加速するのではないかと言われていた。

しかし、同社のエンジニアによれば、幾つかの問題が原因で空母の建造スピードをこれ以上、加速するのは不可能だと話した。

出典:Garudtejas7 / CC BY-SA 4.0 J-15

最も重大な障害の一つは、空母に搭載する戦闘機の開発だと指摘し、この問題が近い将来に解決する見通しはたっておらず、さらに潜水艦用原子炉製造のノウハウを持っているが、空母に搭載する大型原子炉の製造ノウハウは持っておらず、潜水艦用原子炉よりも開発が難しいと話した。

艦載機の問題は、恐らく現在使用している戦闘機「J-15」を更新するため開発されているといわれる第5世代戦闘機「J-20」の艦載機バージョンの開発に時間がかかっていることを予想させる。

さらに国産空母「002A型」に搭載され、艦載機を射出する「電磁式カタパルト」も未だに基準を満たしていない。

結局、中国をもってしても、複雑で高コストの空母システムを構築するには、想像以上の時間とコストが必要で、特に「原子力空母」に関しては建造計画が保留されていると言って良いだろう。

 

※アイキャッチ画像の出典:Tyg728 / CC BY-SA 4.0 中国海軍初の国内空母「001A型(55,000トン)」

平均稼働率は20%? ドイツ軍、戦闘機「トーネード」や歩兵戦闘車「プーマ」等の稼働率前のページ

総額300億円規模! 韓国、米空軍「A-10サンダーボルトⅡ」主翼スペア製造契約を獲得次のページ

関連記事

  1. 中国関連

    中国海軍、パイロット育成を強化するため募集範囲を高校卒から中学卒に拡大

    人民解放軍海軍は空母航空団に供給するパイロットを育成するため募集範囲を…

  2. 中国関連

    中国、日韓に「台湾問題に介入するな」と警告するため北部戦区にJ-20部隊を配備

    中国はJ-20を装備した新しい航空旅団を遼寧省鞍山市(北部戦区)に配備…

  3. 中国関連

    米下院議長が台湾に到着、中国は台湾を取り囲むように設定した演習を発表

    ペロシ米下院議長は2日夜に台湾に到着、中国は直ぐに台湾を取り囲むように…

  4. 中国関連

    イラン、台湾問題で米中が戦争になっても中国に石油の安定供給を続ける

    中国駐在のイラン大使は「米国の覇権主義に抵抗するイランと中国は多くの国…

  5. 中国関連

    中国海軍、対艦・対地用巡航ミサイル「YJ-18A」の命中のシーンを初めて公開

    中国人民解放軍海軍の艦艇に配備されている対艦・対地用の巡航ミサイル「Y…

  6. 中国関連

    中国で間もなく開幕する珠海航空ショー、無人機がショーのハイライトに

    今月8日に開幕する珠海航空ショーでは「新型の無人航空機やカウンタードロ…

コメント

    • 匿名
    • 2019年 11月 28日

    そも電磁式カタパルトは、アメリカ自体が大苦戦中なので、パクって早期実用化は不可能。自力で頑張ってモノにするしかない
    そもそも、まだ遼寧での運用実績の検討と問題点の反省自体まともに出来ているとは思えないですけど。その割には建造ペース速すぎですし。軍艦はガンプラじゃねーぞ、と
    というか、遼寧の準同型艦であるアドミラル・クズネツォフ自体まともに作戦行動に出られていないし、実戦投入もつい最近な件。大体、アドミラル・クズネツォフ級のキモは、十分な燃料弾薬を積めない艦上機ではなく、飛行甲板に埋め込んだ重対艦ミサイルでしょうし

    • 匿名
    • 2019年 11月 28日

    空母機動部隊が完成したが艦載機が無しって、実にお間抜けでよろしい。
    あのパワーの足り無さそうなJ-20を電磁カタパルトで射出しても着艦はどうするんだろ。
    パワーに余裕が無いから、万一進入角度などをミスった場合は海ポチャコースが確定してる気がするんだが。

    • 匿名
    • 2019年 11月 28日

    「中国をもってしても」とか皮肉じゃなければどれだけ支那を過大評価しているんだよって
    独裁政権で金がかけられるだけで南朝鮮同様基礎工業力の積み重ねが無く出来るのは空母の形をしたドンガラだけだし、金さえあれば南朝鮮にだって作れるレベル

    • 匿名
    • 2019年 11月 28日

    評判の空母キラーミサイルも含め、ゲームチェンジャーに挑戦するのは良いが、実戦で使い物になるかが肝。
    極超音速ミサイルなんて、本当に命中する技術があるのだろうか?
    「中国さえ」とあるが、「中国だから」の間違えでは?

    • 匿名
    • 2019年 11月 28日

    たぶん、一番の障害は経済の失速かもね。
    空母は潜水艦より容量がバカでかいから、原子炉云々ってのは・・・違うと思いますね。
    (出力/容量、燃料棒の交換、いずれも潜水艦に比べたら余裕)

    • 匿名
    • 2019年 11月 28日

    本来なら空母を建造させてからの経済失速の方がダメージが大きかったのですが、恐らくアメリカはソ連崩壊時の技術流出の二の舞を懸念して早めたのでしょうね。

    • 匿名
    • 2019年 11月 29日

    空母打撃群の運営費って、バカバカしいほど高額になるから、20隻くらい建造してアホ面してればいいんじゃない?
    その分、日本は対艦ミサイル飽和攻撃の準備していればいいさ。

    • 匿名
    • 2019年 11月 29日

    >しかも5隻目に関しては、技術的問題の克服に苦労しているため、今のところ建造する予定がないと中国軍の関係者が話したと言う。

    これね。中国の場合、「技術的問題」=「設計図のハッキングに未だ成功していない」と読み替えたら納得するかも。

    • 匿名
    • 2019年 11月 29日

    電磁カタパルトが中国技術力の試金石になるかもと思っていたけど
    さんざんパクリと言われてきたから、逆手に取って「試金石」と言われるような状態を作りあげたのかもしれないけど
    やっぱり駄目ですか 完全に裏目ですね

    • 匿名
    • 2019年 11月 29日

    チャイナ·ボカン·シリーズを真に受ける必要は確かに無いが、空母4隻ローテーション体制が確立するのは直視すべき。
    ヘリ空母として対潜作戦や揚陸作戦に運用する事は現在でも可能なはずだし、之だけでも警戒すべき脅威ではある。

    • 匿名
    • 2019年 12月 03日

    プラチナじゃなくてメッキだったか

    • 匿名
    • 2020年 1月 10日

    空母ラッシュで脅威度が半端ないけど最近のロシアのステルス対抗策の
    超長距離ミサイルが対抗のキーポインとになるかもしれない。
    全弾は迎撃不可能な飽和攻撃ならどうか。
    高費用かけてて建造維持する空母が過去の戦艦の様に時代の戦闘に合わなくなるかもしれない。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
  2. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  3. 米国関連

    米陸軍の2023年調達コスト、AMPVは1,080万ドル、MPFは1,250万ド…
  4. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
  5. 中国関連

    中国、量産中の052DL型駆逐艦が進水間近、055型駆逐艦7番艦が初期作戦能力を…
PAGE TOP