英メディアのThe Daily Telegraph紙は16日、プーチン大統領と会談した仏独首脳はウクライナにミンスク合意履行を要請していると報じている。
参考:France and Germany ‘pushing Ukraine to use unpopular peace deal’ to avert war
Telegraph紙の報道が正しいのならロシアが次の行動を起こすのは「ウクライナが仏独の説得に応じない」と確定した瞬間か
2015年に仏独が仲介して成立したミンスク合意の主要ポイントは分離独立を主張する勢力(ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国)にウクライナが広範囲の自治権を提供、ロシアは両共和国に送り込んだ傭兵や装備を完全に撤収させる点にあり、ウクライナもロシアも互いに「相手が合意内容を履行しないためこちらも合意内容を履行できない」と主張し続けてきた。

出典:Kremlin.ru / CC BY 4.0
ウクライナにとって分離独立を主張する親ロシア勢力の支配地域に自治権を認めれば「ロシアは親ロシア勢力を通じて合法的にウクライナの内政・外交へ干渉してくる」と危惧してミンスク合意の履行に反対、ロシアも合意を無視してドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の市民約70万人にロシア市民権を与えて状況をさらに複雑化させており「ミンスク合意は誰がどう見ても破綻している」のだが、プーチン大統領は戦争回避のため「破綻したミンスク合意履行をウクライナに飲ませること」をフランスのマクロン大統領とドイツのショルツ首相に要求。
つまり議会がウクライナ東部の分離主義国家独立を大統領に承認するよう求める決議について「支持しない」とプーチン大統領が答えたのは、戦争回避を実現するため仏独首脳がウクライナにミンスク合意履行を飲ませる可能性があるためで、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の独立を承認してしまえば平和的にウクライナの内政・外交に干渉する計画が破綻するためだ。

出典:President of Russia
フランスもドイツも目の前の戦争を回避するためならミンスク合意履行しかないと思っているのかもしれないが、事実上これはロシアにウクライナ干渉を容認するという意味合いを含んでおり、仏独の政治的な圧力に屈してウクライナのみがミンスク合意を履行=ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国に広範囲の自治権を提供する自体を回避するためウクライナの副首相は「合意履行を国民投票にかけることを検討している」と明かしている。
要するに首脳経由で密かにミンスク合意を飲まされるの阻止するため国民投票で合意履行を拒否すれば「ウクライナ国民の意思に反してマクロン大統領とショルツ首相が合意履行を迫ってくる」という政治的構図を演出することができ、プーチン大統領と勝手に取引したフランスとドイツの目論見を正面から潰すことが出来るという寸法だ。

出典:President of Russia
もしTelegraph紙の報道が正しいのならロシアが次の行動を起こすのは「ウクライナが仏独の説得に応じない」と確定した瞬間なので、ウクライナも国民投票を実施するなら相応の覚悟が必要だろう。
関連記事:ロシア訪問を控えたマクロン大統領、ウクライナ侵攻回避に自信あると表明
関連記事:5時間以上もウクライナ問題を討議した露仏首脳会談、フランスの提案は助けになる
※アイキャッチ画像の出典:bundesregierung
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とても難しい局面に入りつつあるが、今でもなお、生命財産のために戦争回避に尽力するウクライナの方々には頭が上がらない。今回の記事のような、平和的、合理的に自国の利益生存を追う姿は我々も無視できないものだ。
日本に十分な軍事力と複数の空母打撃群を持っていれば面白い案があるんだけどな
ウクライナへ友好親善名義で艦隊を派遣、ウクライナ近辺の黒海に展開、艦載機の一部はウクライナの空港に駐機、これで時間稼ぎはできる。あとはEUとアメリカの政治交渉。
この方法は当事者のEUにもアメリカにもできない。まあ十分な軍事力持ってても今の日本の政治家にはできないだろう。
金がかかりすぎるし、大前提として憲法大改正が必要
仮想戦記並みに酷いよ
友好親善ならノープロブレム
大前提の戦力の時点で不可能な上に中国ほっぽっといてはるばるウクライナまで虎の子の空母送る義理もないし。
妄想にしてもひどい。
空母ってボスポラス海峡を通過できないんじゃないかと。
モントルー条約により15000t以上の艦船は海峡通行ができない。
そもそもNATO諸国がロシアとの戦闘になる可能性を考えてウクライナから軍事顧問や部隊を引き上げたのに、なんで自衛隊が居たらロシアが手を出せないと思うの?
日本にどれほどのメリットが?
日本に複数の空母打撃群があればって何?
要するに人間の盾作戦をすると言うことですか?
お薬増やしておきますね
極太な注射をお尻に打つと、すごく効きそう
戦争になってもアメリカやイギリスが軍用機による救出を行わないと事前通達した意味を考えられては
仮に十分な軍事力を持った国が戦時中となったウクライナに肩入れしたと思われる行動をとった場合、ロシアはその国をロシアに宣戦布告したも当然と見なし、国家間の全面戦争、ひいては第三次世界大戦になりうるとは思わなかったのでしょうか?
このサイトがメジャーになりつつあるのは喜ばしいのですが、コメントの質の低下が著しいですね。
ヤフコメ並になったらさよならさせて頂きます。
もりもり下げる人がいるんですよねぇ
国民投票するとしていつ頃出来るんだろう?
待機してるロシア兵たちは大変そう
というか、プーチンが本気でそれを待つつもりなら、逆にウクライナとしてはダラダラ引き伸ばすのもアリだよね
臨戦態勢でいつまでも野営するのは訓練された兵士でも楽じゃないだろうし
コストも掛かるし、コロナもね。
民主主義の基本の1つである自由な選挙とその結果を諸外国の干渉から守るためにも、一定の軍事力は必要だな。
ただ、いきなり国民投票だとYesかNoの結果になり、その後の対応が困難なので
国民投票実行委員会みたいなのを立ち上げて、各地域から代表者を自由な選挙で選出してください。
その委員会で5案ぐらい作成して、国民投票はそこから上位2案を選択、ぐらいから始めていかないと、
これだけの事態を国民投票で鎮静化は厳しいかと
説得という体をとっているとはいえ、ウクライナ抜き仏独露だけでウクライナ国家の体制決めちゃうんだから、当事者はたまらんよな
>「合意履行を国民投票にかけることを検討している」
どうなんだろうこれは。
確かに投票の結果履行反対となれば独仏はやりにくくなろうが…
ミンスク合意を完全に「殺して」しまえば、それはロシアにとって開戦の口実になりはしないだろか。
極めて残念だが、今のウクライナはミンスク合意の解釈の範囲内で戦う方が得策に思える。
「ロシア側の合意義務履行がなされない限り我が国の履行に反対する」と留保を付けるとか、議題の文言を工夫しないと状況の悪化を招きそうだ。
おっと、上の方と名前被った。
改名しときます…
プーさん1発の銃弾も発射せずに(今年以降の露正規軍がウ軍に対して)ウクライナを悪者にしたてあげるの巻
しかもフランスまで銃後の敵だったか!マクロンさんえげつねえっすな!
ヒトラーとスターリンが入れ替わって歴史を繰り返すのかも知れない
もっと遡り、まさに独仏露の三国干渉だね、ウクライナの弱い立場は19世紀の我が国に似たり
ウクライナ東部の親ロシア派勢力、政府軍から砲撃と非難とロシア通信が報道(モスクワ 2/17 ロイター)
ロシアの偽旗作戦が始まったかぁ…
フランス様の誇る原発の燃料であるウランの主な輸入元(2020年度)
ニジェール:34.7%
カザフスタン:28.9%
ウズベキスタン:26.4%
オーストラリア:9.9%
ウランの過半数以上を中央アジアの旧ソ連地域から輸入している時点でプーチン様に土下座一択ですね(-_-;)
フランスドイツは既にロシア無しで生きていけない ウクライナのロシア人多数地区くらい切り売りしたほうが自国の政権は維持できると首脳は考えてる ロシアがドネツクルーガンスクを併合してもウクライナ政府のプライドしか傷つかない 逆にアメリカはなぜ関係ないのに東欧に首を突っ込むんだ?と思われてる
ドネツクのアンケートでは自分はウクライナ人だと多数が答えてるから人種と帰属意識は別なのが操作されてなければわかるからロシアは来週戦争始めそう
メントライン女史の記事にもありましたが、ドイツだけでなくフランスも(ヨーロッパではないのに欧州防衛の枠組みを主導している)米国に対する反発心を政府から国民に至るまで抱えている国です。日本外交における西洋・先進国コンプレックス同様に、欧州の米国コンプレックスを燻ぶらせている人たちの目には露が心強い友邦に見えているのは想像に難くないです。
実際のところ、大戦後一貫して米国がNATOの主力を担っているのは旧列強には今や欧州を自力で守る能力もやる気も無いからですが、被保護者ほどそういう事に無自覚なものです。形だけの自主独立のためにならず者国家と同盟しようとしてしまうのは日本も同じですが、こうして大国の品位や尊厳のために境界線の国々がすり潰されるのが黙認される暗い時代に世界が戻ってしまわないことを祈るばかりです。
しかもフランスは原発を14基増設すると言い
ドイツも原発はクリーンエネルギーだと言い始めましたしねぇ…
相手が、仏・独・露となれば、現代の”三国干渉”でしょうか。
相変わらず勝手な国々ですね。
ウクライナは、臥薪嘗胆を選ぶのだろうか。長い道のりになるだろうが。
もし、その道を選ぶなら、遠くから援助する価値はあると思えます。
例えば、ウクライナ国の外債を購入するような形で。
現金や現物では、言われているような汚職の蔓延を助長する形になる。
彼の国と国境を接する国々で、過去に、彼の国を侵略しなかった国は無い。
今度も食い物にされないためには、鉄の意志が必要でしょう。