欧州関連

仏Nexterが自走砲の生産量を3倍に引き上げ、年間72輌のCaesarを供給

仏Nexterは「マクロン大統領が要請した戦時経済への移行に対応して自走砲Caesarの生産量を3倍に引き上げた」と報じられており、1年で最大72輌のCaesarを供給できるようになったらしい。

参考:Ukraine: la France a fortement accéléré la production des canons Caesar

この生産レートが維持されればウクライナは1年で何十輌ものCaesarを入手できるようになるだろう

ウクライナ軍はロシア軍との火力差を埋めるため西側製の榴弾砲や自走砲を酷使しており、仏メディアは「我々が提供したCaesarは地獄のような連射で消耗して18輌中17輌(残り1輌はロシア軍の無人機で破壊)がメンテナンスを必要としている」と報じていたが、フランスは新たに12輌のCaesarをウクライナに提供すると発表した。

出典:public domain カエサル6×6

仏Nexterが開発したCaesar(カサエル)は装輪式の自走砲でフランス(58輌)、デンマーク(19輌)、インドネシア(55輌)、タイ(6輌)、サウジアラビア(100輌)が採用、ロシア軍と戦うウクライナ軍にも提供(フランス30輌+デンマーク19輌=計49輌)され「最も優れた自走砲」という評価を得ており、ベルギー(28輌)、チェコ(52輌)、リトアニア(18輌)、モロッコ(36輌)から130輌以上の発注が舞い込んでいる。

フランスのマクロン大統領はウクライナ侵攻を受けて昨年6月「戦時経済への移行」を産業界に要請していたが、Nexterは生産量を3倍(月2輌(一時的月4輌だった時もあったらしい)→月6輌)に引き上げたと報じられており、1年で最大72輌のCaesarを供給できるようになったらしい。

出典:public domain

これは積み上がったバックオーダーを処理するという側面もあるが「ウクライナへの追加供給を可能にする生産能力を確保した」という意味合いが強く、この生産レートが維持されればウクライナは1年で何十輌ものCaesarを入手できるようになるだろう。

関連記事:地獄のような連射で消耗するウクライナ軍の砲兵装備、フランスがCaesarを追加提供

 

※アイキャッチ画像の出典:Mil.gov.ua/CC BY 4.0

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コメント

    • 774rr
    • 2023年 2月 05日

    > 「最も優れた自走砲」という評価
    本邦の19式はどうなんやろうね
    カエサルと違って実戦を経験してないから細かい所で使い勝手が劣ったりしないんかな?

    9
      • 無印
      • 2023年 2月 05日

      撃てる場所を選ばないってのは良いと思いますけど、車体の真ん中にある残念個室がね…

      24
      • ブルーピーコック
      • 2023年 2月 05日

      19式がカエサルと違うのは
      ・駐鋤の形が違う(19式は台形で市街地での運用可能)
      ・6輪バージョンの有無
      ・カエサルは3〜5人で運用可能で全員乗れる。19式は車両内の3人と開放式座席の2人と随伴車両の2名を合わせた7人での運用を想定。カエサルと同じようにできるのかは知らない。
      ・アナログ照準器の有無(カエサルは載せていないらしい)
      あたりですかね。

      半自動装填(装薬は手動装填)やタッチパネルによる射撃などは同じなので、実態が分からないものと運用思想の違いからくる差異以外で明確に劣っているのは開放式座席くらいじゃないですかね。

      17
        • 774rr
        • 2023年 2月 05日

        山程持ってるFH70の後継として 出来るだけ安い自走砲が欲しいってコンセプトは解かるんだけど
        後部座席に空調とドアは欲しかった
        現状はあまりにも人権が無い。。。爆撃機の銃塔じゃないんだから

        15
      • おわふ
      • 2023年 2月 05日

      寒冷地だと、後ろにエアコンが無いのが気の毒かな。
      ただ、清谷さんが言うほど悪い車両とは思いません。

      21
      • トーリスガーリン
      • 2023年 2月 05日

      19式はFCCSを所与のものとして開発されているので、そこから外された状態での運用がどうなるのかは気になりますね
      まぁ自国の火力指揮システム外で動作しているのはカエサルも同じでしょうし、自己位置の測定は自動化されてるから装輪自走砲としては大差ない気がする

      でもまぁなんというか、清谷氏に賛同したいわけじゃないけど今となっては中途半端さが否めないかなぁ…
      防衛費増加がほぼ約束された今だからこそ、空輸は諦め自動装填まで対応させることで人員削減に寄与させるという主張は再考の余地があるかもしれない

      11
      • shkk
      • 2023年 2月 05日

      罰ゲーム座席だけど、今までのオープントップな車両とか幌トラックの荷台を前提とするなら普通だし酷い欠点でもない

      でも、せっかく新しく作るんだから真ん中の座席もしっかりしたものにしたら…?とは思うよね

      10
        • 774rr
        • 2023年 2月 06日

        開発時に実際に運用する方々にも意見を聞いてると思うんだけど
        そこで問題として扱われなかったのかな?
        運用者から見て問題無いとされた上で開発されてるなら良い気もするけど 果たして?

        8
    • おにぎり
    • 2023年 2月 05日

    19式とかいう糞やめてカエサルかATMOS欲しいわ

    3
    • ズマ
    • 2023年 2月 05日

    Lancetを被弾したのが撃破された車両
    この一件をとって自爆無人機がすごいと見るか一件しかないと見るか

    3
      • 2023年 2月 05日

      見つけなきゃ始まらんだろうから、タマタマ遭遇できたと言うことだろうね。
      見つかったらタンクキラーになるだろうけど。

      2
    • paxai
    • 2023年 2月 05日

    残りの17輌は本当に撃ち過ぎによるメンテナンスなんですかね?
    砲身の交換程度ならポーランドに持ち込めば出来るでしょうに・・・

    2
    • ズマ
    • 2023年 2月 05日

    1月時点では最も撃破された自走砲はAHSクラブ9両
    危険な任務についていた可能性もあるが、カエサルと比べると損害も目立つ

    3
      • 戦略眼
      • 2023年 2月 05日

      そりゃ、装甲付きだから、脅威度の高い場所で使ったのでしょう。

      3
    • Jinbb209o
    • 2023年 2月 05日

    日本も19式とかいう欠陥兵器ではなく、カエサルを購入すべきだった
    車体を重装輪回収車のものにしてファミリー化を図るというのなら分かるが、何故かそうする訳でもなく輸入したMAN社製のトラックを使っている
    そこまでして国産開発にこだわる理由が全く理解不能

    9
      • その基準が分からない。
      • 2023年 2月 05日

      なにを基準に欠陥としてるのかよく分からない。
      清みたく自衛隊そのものが嫌いというなら話は別だが…。

      20
      • ネコ歩き
      • 2023年 2月 05日

      当初は重装輪回収車架装で計画されてたんですけどね。
      検討の結果調達コスト低減が求められ、見直しが行われた結果MAN社HXトラックがベース車に選定されました。
      評判の悪い車体中部の2名座席はHXトラックの構造上やむを得ずなんですね。コスト低減のためベーストラックありきで無理やり纏めた感のある設計なのは確かです。

      C-2搭載の場合、カエサル(全高3.7m)だと貨物ランプを登るときに砲身先端が貨物室天井(4m)と干渉しそうに思います。

      8
      • デンマーク軍のカエサル8輪タイプ
      • 2023年 2月 05日

      デンマーク軍で採用され、ウクライナに提供されたカエサル8輪タイプはトラックがチェコのタトラ製ですよ。

      6
      • ズマ
      • 2023年 2月 06日

      単純に金
      次にネットワーク対応
      カエサルはコロンビア軍調達価格で1両あたり950万ドル
      もちろん、車体のみの費用ではないにしろ19式より高価

      7
      • ブルーピーコック
      • 2023年 2月 06日

      最近の軍事の流れはサウジアラビアやエジプト、ポーランドのように自国でライセンス生産したりする国や、トルコや韓国みたいに大枚はたいて自国開発する流れですけどね。
      軍事に限った話ではありませんが「自国で作れるけど、割に合わないから輸入する」のと「開発できないから、仕方なく輸入する」のは同じようで違います。日本としてはどちらが良いと思いますか?

      3
    • 霞ヶ浦
    • 2023年 2月 06日

    これ言うのもなんだけど実戦で酷似されるのは経験から分かりきっててこの消耗はあまり信頼性ない方かな…

    1
      • ボリス
      • 2023年 2月 06日

      えっ!そこまで仰るんですから…自走砲を撃ったことあるんですかね!凄い!

      7
    • 野戦先輩
    • 2023年 2月 06日

    カエサル3倍増産かぁ…あまり関係ない話だけど、日本も2023年度の10式戦車の取得数が年6両→9両になったとかいう地味な増産じゃなくて、年20両くらいは増産して欲しいんだけどなぁ。

    これまで戦車定数と予算不足で調達数減らしてたっぽいけど、戦車定数定めた割には戦車対して減らしてこなかったし、本音では戦車定数なんて自衛隊も守る気ないのでは?

      • ネコ歩き
      • 2023年 2月 06日

      前大綱から戦車と火砲は主要装備ではなくなりました。
      それに伴い装備定数は廃止され、別表欄外で将来の規模をそれぞれ300としました。将来が何時かは規定されていません。
      防衛力整備計画では戦車と火砲について全く記述がありません。同じく記載の無いその他の装備品と扱いが同じということになります。

      3
    • 折口
    • 2023年 2月 06日

    嫌味じゃなく、セールスにおけるバトルプルーフ効果って凄いと思わされました。逆にロシアでは昨年5月以降兵器の新規輸出が途絶えている(国営メディアの広報が止まっている)らしいですね。もちろんこれはロシアに余裕がないだけで顧客が逃げた訳ではないでしょうけど、湾岸戦争以来の一つの象徴的な現象にも見えます。

    19式に関しては色々言われてますけど、輸出以前に生産ラインの拡充余力が殆どないのでは?というのが個人的な印象です。共通装輪でAMVがMAVを下した要因は性能面(使い勝手)の差が主な理由と考察されていますけど、16式と共通化したシャシの生産余力に対して、大綱見直しで装輪装甲化しなきゃいけない陸自の連隊数自体が増えてたことで生産基盤の大幅増設意外で対応できなくなった=企業側の負担率が許容可能なラインを超えたというのもあるんじゃないかと思うんです。19式だって許されるなら師団や方面隊単位で一括で置換えしていくのが好ましい(牽引砲と自走砲が部隊や師団で混在してたら利点相殺です)と思いますが、採用開始から4年度経ても年7両生産が維持されていますからね。

    一括大量調達を避けて数十年間に渡る少数調達を維持するのは防衛産業への配慮で、我が国のように防衛産業が利益を上げられない・大きな経営基盤を持たない環境においてはこの種の配慮は必要でしょう。「兵器の海外輸出で利益を確保し」なんて平易に言われる事もありますが、兵器輸出こそ企業にとっては大きなリスクを孕む取引であり、それを維持するためにも自国向けは安定して稼げて生産余力のバッファーになるような弾力的な調達を許容できる契約環境が必要でしょう。兵器輸出を許可だか奨励だかこの先どうなるか分かりませんが、そういう話は国が制度面でお膳立てして初めて成立するものじゃないかなと思います。

    11
      • あああ
      • 2023年 2月 06日

      メーカーでなく国が生産ラインを維持したいのをメーカーにやらせてるだけでしょ。小松みたいに開発能力で追いつかずに逃げ出しても、じゃあ装輪装甲の生産ラインは国有化な状態が今ある。だから例のAMVとか撤退済みのはずのコマツのラインで生産される可能性もゼロではない。
      そもそも少数の長期生産の体系は国が望む生産ライン継続の為だがメーカーもそれで良い所もあれば迷惑な所もある。戦車は割りとそれが可能だが民生部品多用の装輪装甲で20年同じモデル作って値段据え置きってのは実は結構大変。戦車に近いハイエンドな内容でもやはり難しい。これはMCVで証明されたがベトロの塊な砲塔があると価格変動は倍以上だ。
      今後は今までみたいな商売を出来ないのにそれを強要しようとすると小松になるけど、アレは車体もアレで砲塔の統合能力も無いアレなメーカーが生き残ってる謎のほうがデカかった。それもこれも国が生産ライン保持したいが為と言う他ない。じゃあ三菱で装輪も可能かと言うとキャパ問題にぶち当たる。小松と逆で今まで通りで商売したい三菱もまた無理難題が降りかかる。

      3
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