ドイツ陸軍は対戦車ミサイルやHEAT弾などから主力戦車「レオパルト2」を保護するためイスラエル製のアクティブ防護システム「トロフィー」導入に踏み切ったと報じられている。
参考:צבא גרמניה ימגן את הטנקים שלו ב”מעיל רוח”
米陸軍とドイツ陸軍が採用を決めたイスラエル製のアクティブ防護システム「トロフィー」
イスラエル国防省は23日、ドイツ国防省とアクティブ防護システム「トロフィー」供給に関する政府間協定に署名したと発表した。
The Israel Ministry of Defense and German Federal Ministry of Defense signed a G-to-G agreement to supply @RAFAELdefense TROPHY active protection system to the German military for their fleet of LEOPARD 2 tanks. 1/2 pic.twitter.com/oA592e0GaY
— Ministry of Defense (@Israel_MOD) February 23, 2021
この協定に基づきラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズはドイツ陸軍が運用する17輌のレオパルト2にトロフィーシステムを2023年までに供給(統合に関する技術的なサポートや運用に関するトレーニングも含まれる)する予定で、ラファエルは「ドイツ陸軍が運用する全てのレオパルト2(約330輌)にトロフィーシステムを採用することを期待している」と語っている。
イスラエルのラファエルが開発したトロフィーシステムは対戦車ミサイル、ロケット弾、HEAT弾等の化学エネルギー弾から装甲戦闘車輌を保護する西側初のアクティブ防護システム(APS)で、その後同種のシステムが西側諸国から複数出てきたが実戦で効果を実証(※)しているのはトロフィーのみだ。
補足:2009年8月にイスラエル国防軍がトロフィーシステムの運用を宣言、2011年3月に同システムを搭載したメルカバMK.IVに対して発射された対戦車ミサイルを阻止することに成功、その後もイスラム原理主義組織ハマスによるロシア製対戦車ミサイル「コンクールス」や対戦車ロケット擲弾「RPG-29」の攻撃を複数回阻止しており、ハマス側は「ほぼ無敵ともいえる移動式プラットフォームの出現で戦い方を修正する必要が出てきた」と証言している。
因みに世界で初めて実用化されたAPSはソ連が開発したドローストシステムで、1979年に始まったアフガニスタン侵攻で使用されドローストを搭載した装甲車輌に向けて発射されたRPGの80%を無力化することに成功したが、装甲車輌から降りて交戦していた歩兵に無視できない被害を与えるという欠点が露呈している。
少々話が逸れたがドイツでもラインメタルが独自のAPS「アクティブ・ディフェンス・システム」を開発(採用実績がないので実用化したと言っていいのか不明)しているのだが、ドイツ陸軍が自国製APSではなく米陸軍も採用した実績(エイブラムスの最新バージョンM1A2C/SEPv3にイスラエル製のトロフィーシステムを統合中)をもつトロフィーシステムを選択したため、イスラエル製のトロフィーは西側諸国標準のAPSとしての地位を手にれたと言っても過言ではないだろう。
今のところ西側諸国の陸軍のAPSを採用しているのはイスラエル、米国、ドイツ、スウェーデン、トルコ、ウクライナ、南アフリカぐらいでスウェーデン以降の国は独自のAPSを開発して運用しており、当然ロシアや中国も独自のAPSを開発して自国の装甲戦闘車輌に搭載している。
ただAPS採用を計画している国は非常に多く、その筆頭に挙げられるのがイスラエル製のトロフィーシステムだ。
果たして陸上自衛隊は各国がこぞって導入を進めているアクティブ防護システムを導入する計画はあるのだろうか?
関連記事:生まれ変わった米戦車エイブラムス、最新のM1A2C/SEPv3配備が始まる
関連記事:トルコ、レオパルト2とアルタイを合体させたハイブリッド戦車を披露
※アイキャッチ画像の出典:Boevaya mashina / CC BY-SA 4.0 ドイツ陸軍のレオパルト2A7
新しいレオは重さ何トンになるんです?
日本も研究はしてる用だが…
輸入した方が早そう。
74式も90式もバージョンアップ無しで退役していくでしょ、それが陸自
採用されても次期戦車という話になると思っとかないとな
90式は主砲と砲弾を10式と共通化する噂が有りますよ、逆にそれ以外の噂がなくて・・
それ、生産の少ない10式の埋め合わせでしかないのでは
やや意味違う
どちらかといえば、74式改用に開発してた93式105 mm 装弾筒付翼安定徹甲弾を、従来の74式に展開したのに近いかも >90式と10式の共用化砲弾
現在のJM33と同様、当時のM735も対戦車用途だと性能寿命だったでしょうし。
いちいち表に出してないだけでバージョンアップはされてるらしいぞ
ドイツがユダヤ人の兵器買うとは。。。
ドイツもイスラエルに技術供与や輸出してるし
しがらみよりも実利を優先するのがあ奴らのしたたかさ
昔から戦時賠償の一環として購入していたような?サブマシンガンとか、イスラエル軍最初の戦車は4号戦車ですし、戦闘機はメッサーシュミットBF109ですし、お互いに謎の協力状況なのです。
1970年代から潜水艦もドイツから購入していますね
4号戦車とかAV-199とかのドイツ製兵器はチェコスロバキアからのソビエト製兵器への切り替えによる余剰品の購入で、当時欧米に占領中のドイツが絡んだ正規品ではないですよ
だからこそじゃない?
湾岸戦争でやっちゃってドルフィン級潜水艦をタダで建造してる。
イラク戦争でもドイツ企業がやらかして無い保証は無い・・・って言うか確実にやらかしてるだろう。
だって、最近締結された3級・3隻では50%をドイツが負担するとかなんとか
陸自の戦車なんて出番来るときは日本お終いだなあと思っている。
APSはこれから普通になります、C-RAMとセットで相互データリンクして迎撃と敵位置情報を集めるのが必須です、イスラエルのはその前提で開発しているのでこちら側で標準装備化すると思われます。そのまま導入するか日本でベンチャー企業集めてアンチ系兵器(ドローンも含む)の会社(開発は日本で製造はASIAの国とか)立ち上げてASIA標準の規格作るとかしないといけませんよ。
島嶼防衛関連でも、反抗時に一応出番が想定されてるのでは? >戦車
日本は専守防衛=本土決戦方針だから、侵略されれば100%戦車の出番ですよ
上陸する前に防ぐのは事実上不可能に近い、領海はたった22km、
しかも攻撃してこなければ止めれないので、侵略側は上陸までは難易度が低い
本邦のは座布団放り投げる式なんで爆薬を爆薬でぶっ壊すド派手な代物じゃないっすよ
APSの採用にアテがなければMCVなんか大量配備しないわ
起伏に富んだ地形の日本国内でこのシステムがまともに働くのかね?優先順位は低いと思います。陸海空の共同交戦能力、長射程弾、潜水艦の3つに注力したほうが良いのでは。
「起伏に富んだ~」と言ってしまうと射程3~4kmの戦車砲とかも不要ってことに。
ただ陸自の場合は今のところ国土防衛が主で、APSが対象としているRPG、対戦車ミサイルは攻められる側が使う兵器。つまり陸自としてはAPSより、それを打ち破る対戦車兵器の方が必要なのでは。
戦車砲は敵装甲を抜く威力がいるんだから射程だけで評価するのは間違いでは
下記「防衛装備庁陸上装備研究所広報ビデオ(令和2年版)」の開始五分位に
「アクティブ防護システムの研究」で本邦のAPSが紹介されています。
リンク
これでも必要有りませんか?
リンク
ついでに本州から戦車は無くなるのと、有事の際は90式を北海道以外に展開する事にしたみたいですので、少ない戦闘車両守るのも大事なのでは、数を揃えられないのであれば防御力も上げておかないとまずいと思いますよ、今の戦いは最初にミサイルとドローンが飛んでくる状況なので、対砲レーダーと連動して動く迎撃ミサイルの1部分として採用してあげないと・・というのが最近の流行りです。
徘徊型カミカゼドローンは制空権抑えた後の制圧戦用じゃ?
ミサイルや攻撃ドローンは対空陣地や固定設備向けだろうし
APSの対象になるのとはだいぶズレてるような
APSだけで考えない方が良いかも?です、今の戦闘車両は4CIで情報共有していますよね、対砲レーダーあればその情報からエンゲージオンリモートとIRSTでC-RAMの1部分としても迎撃可能かも?それなら独自開発する意味が有るのでは?ドローンもクラスターみたいに親子式で送られて来る可能性大です。
比較的近距離から放たれリアクションタイムの乏しい中、対象のロケット弾やミサイルを撃ち落とすのがAPSの肝かと。
まあ、近い将来、米軍に連れ出されて、台湾島で中国軍と戦闘する可能性は有り得るので、買うか作るかは別として、用意はしといたほうがいいと思うんだよねえ。
自己鍛造弾をばら蒔くタイプのAPSを開発中ですね
結論には賛成です。
ただ、理由はシステム有効稼働性の問題というより、島国・専守防衛・ゲリラ戦可能性低、という状況により、単に必要性が乏しいというだけではないかと。
安価な普及品が出来たら、お守り程度に搭載する検討をすればよい。
島嶼防衛やその派生での反攻を考えた場合、
お互い主要な地上火力の一つが、対戦車ミサイルや対戦車ロケットの類いだろうし、
相対する事が多いと考えて、本邦もAPSの研究を行っているのでは?
少なくとも北海道では、要るよ。
平野部だってそこそこある。
都合が悪いと出てくる定番の言い訳だね。素直に対応が遅れてると認める発想はないの?
といってもすべての戦車にAPSを装備するよりも陸自が輸送船を導入するほうが効果が高いのが今の自衛隊の現状だし…
結果的にRWSと同じような扱いを受けそう
対中対露が主要課題な陸自にとって電波をばら撒いて居場所をばらすAPSは優先順位が低い装備だと思うぞ
位置がバレれば爆撃や砲撃などより高火力に狙われる危険や待ち伏せされる危険が上がるわけだし
欧米と比べて遅れてると言うが欧米が想定してる敵や戦場と日本が想定する敵や戦場の違いで必要な装備は違うわけで何でもかんでも欧米に追従すればいいわけじゃないぞ
対ロシア戦を想定したドイツ軍がAPS導入を進めてて対中国戦を想定した米軍がAPS導入を進めてるのに、対中対露が主要課題な陸自はAPSが不要という理論は破綻してない?
というか、APSの研究を行っている現状から解離していると思います。
優先順位が低い≠不要
ドイツにとっての対ロシア戦の戦場≠日本にとっての対ロシア戦の戦場
海上からこちらの陸地に上陸して占領しに来る相手側に対して待ち伏せ主体の日本ではAPSのデメリットは無視できない要素だし、海自と空自に予算を優先的に割く必要のある状況で高コストなAPSを陸自で優先的に装備していくのは厳しいでしょうね
とはいえ研究も大分進んでる以上、APS搭載車両が登城するのは時間の問題でしょうけども
「海上からこちらの陸地に上陸して占領しに来る相手側」の場合、戦車の様な重量級の装備よりは、RPGのようなHEATを用いた兵器で武装したものとの対峙の方が多そう。
その意味で、APSの出番も多いでしょう。
日本の使い方でミリ波レーダーが使い難いのなら、
最後の一文の途中で送信したので、その箇所だけ再送します。
日本の使い方でミリ波レーダーが使い難いのなら、ミリ波レーダー利用の中距離多目的誘導弾も大きく機能制約されそう。
開発中のはミリ波だし、その上でビームを高速に振れば逆探し難いかも。
陸自もゲリコマ対策って一応謳ってるから必要ないことはないと思いますよ。
位置バレについてはtrophyの新しいやつは光学センサーとの併用で極力レーダーを使わないようなので恐らく大丈夫かと。
というか、ATGMやAPFSDSの進化で装甲による生存性の向上を最早期待できないので、将来的には必須のはず。
日本が開発中のAPSで自己鍛造弾を使用するのも、将来APFSDS狩りを見越しての面もあるのかな?、と見ています。
先ずは味方を巻き込むのを最小限にする為ではあるのでしょうが。
防衛装備庁は「アクティブ防護システムの研究」を行っているので、APSは必要と考えている様です。
味方への被害を最小限に抑える事も含め、色々考えているのでしょう。
YouTubeの陸上装備研究所の動画にAPS研究の映像があるぞ
あんまり長くないけど
正に「矛と盾」だね イスラエルの軍需能力は本当に高い
APSってアクティブセンサーで自分の位置を暴露するから決して使い勝手がいい装備ではないと思うんだよなあ
防御力の不安のある旧式車両や装甲車に状況に応じて積んで補完するための物ってイメージ
現状、非対称戦でしか実績が証明されていませんからね
頑張っても人が携行できるレベルの対戦車ミサイルしか投入できない相手ならばともかく、逆探で電波源に対し速やかに砲兵火力を集中させる先進国レベルの相手の場合、無意味に自車や自軍の位置を晒しだすだけの可能性が高いですし
といっても最近起こっているのは非対称戦ばかりだし。お互いが大砲、戦車を持ち出して戦った、ってのはイラク戦争当たりが最後?
だからこそAPS装備がウケているのでしょうけど。
日本の軍事的ニーズがガラパゴスだから仕方ない
日本が開発中の自己鍛造弾利用APSもガラパゴス化するのかな?
ラインメタルのAPSと合体すると凄そうですけどダイレクトタイプはラインメタルので迎撃してひねくれたタイプ(トップアタック対策)は開発中のAPSで迎撃すると効率よく迎撃出来そう、後は価格をどう抑えるか?です。
APS電波を出すし電力消費がすごいって噂で聞いたけどどういう使い方するんだろう
APUを砲塔後ろに搭載すれば大丈夫じゃない?
「APSを砲塔後ろに~」と空見して、一瞬?となりました。
APSは日本でも研究してる。搭載するかは予算次第なんだろうな。個人的には戦車よりも装甲車とかに搭載した方がいいと思うけど。
やはりラスボスは財務省か。
結局は常識の半分の防衛費でやり繰りさせているから10式の価格が15億円(90式は8億円)にまで高騰していて定数も300両なので、戦車、装甲車、水陸両用装甲車をファミリー車両にして一括購入して単価下げておいて生存率を上げる為の装備品を付ける方向にしないといけないと思いますよ。APSは日本の戦車重量50トン制限を守る上で重要な装備品だと思います、リモコン機銃なんか74式の試作車に付いていたのに採用されずに今に至る位なので、非正規戦闘用戦闘車(弱いものイジメ専用車)とかついでに採用してもいい位ですよ。
これ、f35と潜水艦がある基地にテロ対策の拠点防御として必要だと思う。車両に詰めるし。
色々議論白熱してるので私が知りうる限りの情報と現状認識を。
まずドイツ陸軍は対ロシア戦なんかまともに想定してない。まともに想定してたら大陸国家の癖に海洋国家の日本より戦車保有数少ないなんて事態にならん。ドイツ軍はもっぱら国際貢献での海外派遣やPKO活動しか考えてないから、非正規戦に便利なAPSを国際貢献での海外派遣に最低限必要な数だけ導入するってだけの話。対ロシア戦を想定していてその対ロシア防衛戦闘で本当に有益なら全車両に導入するだろうけどしないって言う事はそういう事です。
対ロシア、対中国を想定しているアメリカにしても中東での非正規戦や、平原での侵攻時にはAPS必要だから導入しているってだけで、日本みたいに本土決戦での待ち伏せ戦闘がメインの防衛側では導入の優先順位は低い。APS起動したら電波垂れ流しで敵に見つけて下さいって暗闇で懐中電灯点けるのと同じだから、日本が想定している戦場=本土決戦では必要性薄いのよ。
逆探するには、その周波数帯に対応した受信器が必要。
暗闇で懐中電灯点云々が上手くいかなかったのも、その準備が遅れたからと思います。
放射源が一つでも、実地だとマルチパスで逆探し難いだろうし、
まして部隊運用だと複数放射源なので、MUSICとかそれなりに高度な処理も併用しないと、明後日の方向を到来方向と誤認するかな?
とはいえ、流石に軍用で干渉法とかは使わないだろうから、杞憂かもしれないけど。
ドイツのアップデートは何の脅威に対する物なのか教えて欲しい、現役の200両以上の戦車って全部A6以上の理由は?国際貢献での海外派遣やPKO活動に120mmL/55滑空砲なんて要る?
2年後までに攻撃力も防御力も上がっている100両以上のLeopard 2 A7V(過半数はA4アップデート)導入する予定だけどA4そのままかPSOみたいに120mmL/44滑空砲で十分でしょ。おまけに政府か陸軍どっちの思惑かわからないけどA6以上で300両以上揃えるのって国際貢献で必要な数量としては過剰。世界中の紛争地域にこんな重量級を展開する予算なんて今のドイツだと現実的にはあり得ない。
A5が1995~2002年改修、A6が2001年~ ロシアの脅威が低下している時期にも対戦車戦闘を重視した改修している。対ロシアかどうかは不明だけど対戦車戦闘は重視しているとしか思えない。
トロフィーを2023年までに供給する契約に関してはLeopard 2 A7Vの納入タイミングと合致するのでA7Vの防御力をより強化するプランの一環で、運用結果次第では追加導入もあり得る話だと思う。
追記
もちろんあるに越したことはないけど、APSはこちらの位置が露呈している事が前提での運用だから、運用は正規戦では攻める側、あるいは敵性勢力が残ってる占領地での治安維持活動やらの非正規戦になる。
上記の事考えると陸自が使う場面て敵への反撃時に戦車が先頭に立って敵の矢面に立つ時くらいか…しかも平野部が少ないから有効活用できる場面さらに少ないとなるとどうしても装備開発は後回しになるな。
APSよりも対ドローン戦考えて87式自走高射砲の後継大量配備した方が良い気がするな。簡素化して索敵レーダーは搭載しない安価な車両にして対地火力支援と対空射撃兼務できるような戦闘車両が理想。索敵専用の車両用意してデータリンクで繋げるとかして