ドイツ政府はウクライナに自走式対空砲「ゲパルト」を提供すると26日に発表したが、問題はエリコン製機関砲が使用する弾薬のウクライナ移転をスイスが拒否している点だ。
参考:Schweiz blockiert Gepard-Munition für Ukraine
ドイツは発表通りゲパルトをウクライナに提供できるかもしれないが、使用する弾薬の安定供給についてはスイス次第
ドイツ政府がウクライナに提供すると発表した自走式対空砲「ゲパルト」は2012年に退役済みなので独陸軍の在庫にはなく、ラインメタルが所有する敷地内で保管しているものなのでウクライナへ移転する前にオーバーホールを行う必要(同じ状態のレオパルド1やマルダー歩兵戦闘車も同様)がある。

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さらにゲパルトのウクライナ移転を難しくしているのはエリコン製機関砲(現在はラインメタル傘下)が使用する弾薬についてスイスが移転を拒否している点だ。
ドイツ政府はゲパルトをウクライナに提供するため4月上旬にスイス当局に接触、スイス国内で製造された35mm弾薬のウクライナ移転について許可を得ようしたが、戦争状態にある国へ武器・弾薬の輸出を禁止する国内法に抵触するという理由でスイス当局はドイツ政府の要請を拒否、今のところゲパルトの弾薬問題をどのようにクリアするのかは分かってない。

出典:270862 / CC BY-ND 2.0
スイスの国内法が制定される前に輸出されたものや国内法の適応外になる弾薬(スイスで製造されても最終的に海外で完成した製品)をウクライナに送る可能性が指摘されているが、そこまで都合の良い弾薬が見つかっているのか定かではなく、この問題に独クラウス・マッファイ・ヴェクマンはノーコメントを貫いている。
ドイツは発表通りゲパルトをウクライナに提供できるかもしれないが、使用する弾薬の安定供給についてはスイス次第なのだろう。
関連記事:ショルツ独首相、ウクライナが要請したマルダー歩兵戦闘車の提供に難色
関連記事:ドイツ、ナゴルノ・カラバフ紛争でのUAV活躍を受けて防空体制を再検討か
※アイキャッチ画像の出典:Hans-Hermann Bühling / CC BY-SA 3.0
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「あーうちは提供したいんだけどスイスのせいで出来ないわー。うちはいいんだけどー」とか狙ってやってらとしたなかなかの策士ですなぁ。
1回めだったら許されるが、ヘルメットやったあとにそれやるのは、またポーズ?とキレれられるだけだぞ。
ドイツが購入して、それを提供するだけで可能だしなぁ
雑といえば雑なドイツのやりかた
なんでもドイツが悪いと決めつけるのもどうかと思いますが・・
この自走式対空砲は装甲車などへも攻撃できるのでしょうか?
ええ、水平射撃も可能ですよ。
35mm機銃弾に関してはゲパルトを現役使用中の国、ブラジルあたりから融通できるのではないか、という照会がなされたようです。
た〜だ、あのボルソナロですからねえ、ブラジルの大統領は。プーチンやトランプのお友達の。すんなり了解するのかは不明です。
弾なら我が国にも。
エリコンの35mm機関砲って海保や自衛隊も採用してるよね
規格が合うなら米国経由で供与しても良いんじゃないの
それこそ””感謝””されますよ
海保は20ミリじゃなかったっけ?
陸自は87式自走対空砲が同系列ですし、海保も大型巡視船は
エリコン35mmを使っています。
巡視船しきしまと、つがる型巡視船が35mm使ってるよ
海保巡視船は12.7mmから最大40mmまで機関砲の見本市みたいになってる
ウクライナは後から「お前らなんかに弾薬は頼んでない」とかは抜かさないでしょうしねぇ。
動画に我が国が挙げられてない!とか騒ぐくらいなら、もっと先方のニーズに沿った支援をしないと。
まぁ開戦後今に至るまで法整備が間に合わなかったのは仕方ないですが、これから長期戦にもつれ込む観測もありますし、このまま拱手傍観していたらそれはもう日本の不作為と言ってもいい。
あの動画に関しては、やらなくてもいい支援国の選別をわざわざして作成したウクライナの外交上の儀礼の問題だと思うので、広義の軍事支援も含めて決して少なくない国税による支援をした本邦としては、その支援先の言動の意図と意思を確認するのは当然じゃないかと思います。
極端ですがODAを長年やりながらあの状態な中国の例もありますし。なぜかエジプトの名が挙げられてましたし。
修正動画は出ているのでこれ以上追及しなくてもいいと思いますが、個人の募金と違い、国家的な支援は外交の一種なので先方の意思確認と疎通は大切かと。Kさんの言う先方のニーズ確認も含めて。
エジプトとか単独じゃ無いにしても兆円クラスの支援金だし、ロシア製の割と新しめのMig-29M/M2持っているんでそれを提供する可能性がちらっと出ている。
エジプト保有のMig-29とミサイルはウクライナにとって喉から手が出るほど戦力アップに繋がる代物で媚びうっても手に入れたいと思う。現状ロシアがあの体たらくじゃ40機越えのMig-29も状況次第では提供ありえるかも。
海保の機関砲は榴弾を使わない
対空にはあまり使い物にならない
87式自走高射機関砲や89式IFVの砲弾をアメリカ経由で…
アメリカって何気に35mm機関砲は使って無いんだよな
本当にやばかったら「35mm砲弾ぐらいアメリカンパワーで作ってやるわ!」ってなるんだろうけど
こんな短期間でウクライナ用にフェニクスゴースト作っちゃうぐらいなんだから
35mm×228口径弾だとアメリカ製のブッシュマスターⅢがある。
本国では採用されてないが(30mmのMK44ブッシュマスターⅡが主流)オランダとデンマークが保有するCV9035歩兵戦闘車の主砲に採用されているので両国か供給するかアメリカ政府が製造元のオービタルATK(旧アライアント・テックシステムズ)に35mm砲弾の供給を依頼すれば可能だと思う(折しもアメリカ議会上院でウクライナに対するレンドリース法が全会一致で可決、下院でも可決されて成立見込みの状況)。
このゲパルトは、有効射程距離が足りなくてスタンドオフ兵器を使用する航空機に対して、今日的には有効でない兵器なんですよね。だからドイツも後継を開発せずに退役させたのでしょう。対地攻撃用としては無駄に背が高いですし、あまり有り難くない兵器のような気がするんですよね。
古今東西、対空機関砲の1番の使い道なんて水平での機銃掃射だぞ?
この類の車両は人に向けて撃つことの方が遥かに多い
対空機関砲の1番の使い道は空中目標の撃破ですが。
水平での機銃掃射は追い込まれた時に行う行為ですね。
むしろ積極的に人に向かって打ってないか?
シリア内戦でもチェチェンでもシルカが建物に向かって掃射してることの方が多いぞ
対空自走砲は対人攻撃にも使えるから便利だ、というのは事実です。
ただ、ゲパルトはあくまで対空攻撃を主目的に設計されています。「大口径機関砲で軽装甲の地上目標を攻撃する」ために使用するなら、専用に設計された車両のほうが適しています。だからゲパルトは退役し、対人攻撃車両として軍に残ることもありませんでした。
対空戦車って弾速速いし仰角取れるから対地射撃では無類の強さなんだよな
まあそうでしょうね。
トーチカみたいなものは戦車砲で吹っ飛ばす必要がありますが
市街戦では民家などが建ってる地域で見通しを良くするために片っ端から吹っ飛ばすには戦車砲よりこっちのほうが効率が良く吹っ飛ばす歩兵支援としての強力なサポートが出来そうです。
対偵察ドローンについては、ロシアのキャノンの安物の一眼レフを積んだお手製のドローンまで探知できるのか、また、落とせたとしても35mm弾薬を乱射して落とすのはコスパが悪い感じもしますが。
あとはゲパルト単騎であれば射程が短すぎて今時ではスタンドオフでやられるでしょうが、今のウクライナの戦い方はNATOのAWACSからか目視連絡か分からないですがデータリンクで現場はレーダーを稼働させなくても敵機が上空に来るタイミングを事前把握でき、上空に来たタイミングでレーダー稼働&対空ミサイル迎撃でロシア機を落とす戦法が確立してるみたいなんで、そのスキームにゲパルトを組み込めば戦闘ヘリや大型ドローンを狩りまくる事は可能かもしれません。
あと軽装甲目標へも有効であり、戦車砲やロケット弾、ミサイルなどより威力も射程距離も命中率も手ごろなので使われることは珍しくありませんね
BTR-90やK-9あたりの装甲相手なら余裕ですし
MANPADSにフランカーファミリー落とされまくりだから大丈夫
それにメインは機甲部隊にくっついて、ヘリや中低空を飛ぶドローンを撃ち落とす役割と人や軽装甲車両を撃つことだろうし
ZSU-23-4シルカがアフガンで大活躍だったそうで
勝ち戦側が使えば有効な兵器、負け戦側が使えばやられ役
戦争映画でありがちな光景ですが、現実の世界でも得てしてそんなもんです。
その兵器が能力を最大限発揮出来る環境で使用されるかどうかは戦況次第です。
勝者側は余裕があり、兵器を不適な環境で闇雲に戦場に投入する機会は少ないです。
対して敗者側は戦場を選べないので使える物は全て投入します、得意不得意など
贅沢は言っていられません、そうして個々には優秀な兵器であっても劣悪な環境の
中で能力を発揮出来ずに失われて行きます。
このゲパルトが戦場投入された時、果たしてどちら側の立場で使われるかですね。
あくまでウクライナとの協議の結果決まった支援だから、必要ないわけじゃない。
それにゲパルトは近代化改修でスティンガー運用能力があるし、ミサイル足りずにオールドスタイルの対地攻撃してるSu-25にとっては最高に最悪な相手だろう。
ファミコンウォーズとかでも対空戦車は地上の敵にも強かったなぁ
そういう使い道としては、高額なのは退役兵器だから良いとしても背が高く良い的でしょう、装甲も薄そうだし。マルダーのほうが未だ役に立ちそうだ。
最近の対空自走砲は対空誘導兵器と機関砲を組み合わせるのが定番なんですよね。
10年前に退役済みの兵器の再稼働って、保管状態にもよるのでしょうが大変そう。。。
弾丸供給の問題を、整備期間に解決するとしても、いつ頃から供給開始出来るんでしょうかね。
スティンガーも積んでるし、有用と思うのですが。
しかもあのgdgdドイツ軍とドイツの製造基盤だしな
現役兵器の整備とかですらまともに出来ないというか、国内企業が兵器から撤退しまくってるんだよな
退役済みだと、0から構築の必要が出てきそうな気もする
ブラジルが弾を送ると言っているみたいですね
リンク
4/26ドイツのWELTが、ランブレヒト国防相へのインタビューを報道していました。
リンク要約すると、
・ドイツは同盟国と協議しながら、ウクライナへの支援を決定してきた
・ドイツは独走はしない(単独支援はしない)
・同盟国がウクライナを支援したら、その国をドイツが支援し、(代替品を)提供する
・ドイツはこの”交換手法”でウクライナに重火器の供給を拡大する
・ドイツは中長期的にウクライナを支援する準備ができている
本当にドイツがウクライナに重火器の供給を拡大するのかは玉虫色ですが、
5チャンネルのコメの中に、「SPD(ショルツ首相、ランブレヒト国防相)は、ゲパルトが
対空 “防御” 兵器だから供与に同意したにすぎないよ。攻撃兵器だったら承認しない。」
という意見がありました。なるほど。
4/28ドイツ連邦議会は圧倒的多数(賛成586票、反対100票、棄権7票)で、ウクライナへ重火器と装備を供与することを決議しました。注目点は、東欧のNATO加盟国がウクライナに供与するそれ以上の重火器が含まれるという項目です(詳細は不明)。
リンク
また同日、米連邦上院では、ウクライナを対象とするレンド・リース法が承認されました。かたちの上では、米欧のウクライナ軍事支援の足並みが揃ったことになります。
スイス→ドイツ→ウクライナと玉突きで弾薬出すことになるんじゃないか
ああ,だから今日明日とシュルツが訪日しているんだ・・・
ゲパルトの弾薬を日本が供与できなければ
代わりに天然ガスでドイツの面倒を見ろと
そういう交渉をしにきているんだ。
原発再稼働したら可能だけどね。
法的な問題も拒絶の理由の一つでしょうけど、そもそもスイスはヨーロッパの中ではロシアに融和的な政策の国でもあるので、そこらも含んだ判断と見るべきでしょう。スイス・オーストリアは中欧諸国の中にあって冷戦中からロシアと一定の関係を維持することで利益を得てきた国でもあるので、冷戦後に裏金や石油利権や反米かぶれでロシア人とちょっと仲良くなってるだけのドイツどころの話じゃないんですよね。あの辺の国がロシアと完全な敵対をしないのにはそれなりの理由がある訳ですが、ロシアが破滅の道を進む中で苦しい立場にあるのは間違いないでしょう。
スイスさん昔は中立でガンガン機関砲売ってたのに。
最近だとH&Kに断られた香港警察にSIGが小銃を売ってる。
ロシアとウクライナは特殊作戦状態で、戦争状態ではないのでは?