欧州関連

ドイツのUAV武装解禁失敗、ユーロドローンや第6世代戦闘機開発にも影響が?

ドイツ国内で揉めている無人航空機(UAV)の武装化についての議論にNATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長が参戦して注目を集めている。

参考:NATO chief wades into fiery German debate on armed drones

ドイツ軍のUAV武装解禁に失敗したことで欧州に緊張、NATO事務総長が直々にドイツを牽制

ドイツ国内では約7年間も無人航空機(UAV)の武装化について議論が行われていたが、与党キリスト教民主同盟(CDU)と連立を組むドイツ社会民主党(SPD)がUAV武装化に反対する立場を最近表明したためキリスト教民主同盟が中心となって進めていたドイツ軍のUAV武装解禁が頓挫してしまった。

関連記事:逃げるしか手がないドイツ軍、UAVで敵を発見しても攻撃はダメ

これに懸念を示したのがNATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長で「NATOは国際法に基づき武装した無人航空機を使用して地上軍の支援を行う。これはリスクの高い状況に送り出すパイロットの数を減らすことに繋がる」と語り、間接的にドイツ社会民主党の決定を批判してドイツ軍のUAV武装解禁を主導するキリスト教民主同盟を後押しした格好だ。

出典:Boevaya mashina / CC BY-SA 4.0

では、なぜドイツ国内もしくはドイツ軍の問題にNATO事務総長が介入を始めたのかと言うと、欧州で共同開発中の無人航空機「MALE RPAS」や仏独が開発を主導している第6世代戦闘機「FCAS」が関連しているのではないかと複数の海外が報じている。

フランス、ドイツ、イタリア、スペインの4ヶ国で共同開発中の「MALE RPAS(ユーロドローン)」は長時間の偵察・監視だけでなく攻撃任務にも使用できるMQ-9に近いコンセプトの無人航空機だが、ドイツが「単発機の場合エンジンが停止すると最悪都市部に墜落する可能性があるので双発機として開発して欲しい」と要求したためMQ-9というよりMQ-4に近いサイズ感になってしまい、巨大で重く価格が高価な「MALE RPAS」を開発国以外に輸出するのは絶望的だと言われている。

出典:エアバス Future Combat Air System

要するにドイツの要求を取り入れて「MALE RPAS」を開発したせいで海外輸出が難しくなったにも関わらずUAV武装解禁に失敗した影響でドイツが共同開発から離脱もしくは「MALE RPAS」導入を見送ればフランス、ドイツ、イタリアは困ったことになり、仏独が開発を主導している第6世代戦闘機「FCAS」プログラムも共同で任務にあたる武装した無人機開発が含まれているため、こちらにも何らかの影響が出るのではないかと不安視してNATO事務総長が直々にUAV武装に反対するドイツ牽制に出たというわけだ。

因みにドイツは2018年に発生したジャマル・カショギ氏殺害事件に関するサウジアラビアの説明に納得できないとして独自に武器禁輸措置を実施、この影響でドイツが製造に関与するサウジアラビア空軍向けのタイフーン(48機)と同国が導入したA330MRTTの保守部品輸出がストップしてしまい欧州各国がドイツに禁輸措置の解除を求めているが、頑ななドイツは禁輸措置の1年延長を決めてしまった。

そのため欧州防衛産業界やエアバスにとって無視できない損失が発生中で、この様な経験からUAV武装化容認に失敗したドイツを警戒しているのだろう。

 

※アイキャッチ画像の出典:DeffiSK / CC BY-SA 4.0 無人航空機「MALE RPAS」

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コメント

    • 野嘗
    • 2020年 12月 24日

    社民党は世界から根絶すべきである。

    24
      • 餃子の枝野
      • 2020年 12月 24日

      社民党の毒素に汚染された他党も根絶しなければならない。

      18
      • 匿名
      • 2020年 12月 24日

      どこの世界にもパヨクはいるが、害にしかならない。
      そしてそれを許してるのがお花畑の有権者。

      浜野真砂は尽きるとも、世にパヨクのタネは尽きまじ。

      15
    • 猿馬見れんだろ大会
    • 2020年 12月 24日

    「社会民主党」は何処でも粗大ゴミ!!合理性皆無の感情論を喚きながら、自国将兵の手足を縛って敵の銃口の前へ突き出す連中…

    25
    • 匿名
    • 2020年 12月 24日

    またFCASの不安材料が増えたのか・・・

    24
    • 匿名
    • 2020年 12月 24日

    チグハグだなぁ…結局、それぞれの国の我儘でみんな損してる状況になってる。これじゃあEUの意味もないだろうに。
    こちらとしてはテンペストさえ守ってくれれば良いけどね(F-3的な意味で)。

    9
    • 匿名
    • 2020年 12月 24日

    またドイツか・・・

    8
      • 匿名
      • 2020年 12月 24日

      ドイツと言うより社民党

      13
        • 匿名
        • 2020年 12月 24日

        ここでも民主党(  ̄- ̄)

        6
    • 匿名
    • 2020年 12月 24日

    イギリスの決断の正しさがどんどん証明されている。

    14
    • にわかミリオタ
    • 2020年 12月 24日

    FCASは地獄を見るかもね。

    12
    • A
    • 2020年 12月 24日

    こういうゴタゴタの隙をついてトルコとかが延びているんだろうね。

    12
    • 匿名
    • 2020年 12月 24日

    ドイツ、もはやヤル気をみせることすら面倒なのだろう。
    米英を除いた、ユーロ軍の集団安保体制の中で、軍事テキトー路線を一層推進するのか。
    SPDはもちろん、それを隠れ蓑にしてきたCDUの”赤い”メルケルにヤラレタというところ。

    10
      • 匿名
      • 2020年 12月 25日

      ドイツはトルコを通じて武器を輸出してるから変にライバルを作りたくないんじゃないかな。
      だからEUの足を引っ張ってるんじゃないかと。
      トルコへの武器禁輸に乗り気じゃないってのもそういうことで。

      4
    • 匿名
    • 2020年 12月 24日

    ダダはこねるが責任は取らない。
    自国の兵器が売れれば、安全保障などどうでもいい。
    ドイツのせいでNATO空中分解すんじゃねぇの?

    13
    • 匿名
    • 2020年 12月 24日

    まあ話題になるだけマシかな
    どこぞの島国は軍が要求しないから反対運動すら起きねえ

    7
      • 野嘗
      • 2020年 12月 24日

      イギリスのことかな?まあ日本は陸軍国ではないから航続距離の短いドローンより長射程ミサイルを作った方が良いし後回しでもいいんじゃない?

      8
    • 匿名
    • 2020年 12月 24日

    経済的・資金的な問題はあるが今後の共同開発案件からドイツを省く必要が有る。
    ドイツが関与しなければ意見の食い違いも少ないと思うし。
    現実的に出来るかは分からんが。。。。

    7
    • 匿名
    • 2020年 12月 24日

    今EUの抱えてる二大共同開発案件の柱なんだなぁ…

    2
    • 匿名
    • 2020年 12月 25日

    ドイツを壊したのは連合国なんだから仕方ないね

    1
    • 匿名
    • 2020年 12月 25日

    自走砲が50km先から155㎜砲弾ぶち込むのはヨシ
    MLRSが100km先からATACMS撃ち込むのもヨシ
    有人の戦闘攻撃機が100㎞先から対地ミサイル撃ち込むのもヨシ
    有人の攻撃ヘリが10km先から対戦車ミサイル撃ち込むのもヨシ

    でも無人機が10km先から対戦車ミサイル撃ち込むのはダメとかいうわけのわからんガバガバ理論

    5
      • 匿名
      • 2020年 12月 25日

      「社会民主党」に理論的思考を求める事は禁止。

      5
    • 匿名
    • 2020年 12月 25日

    一枚目の写真の双発のドローンはなかなか味のあるデザインでカッコいい。
    これラジコンにしたら飛行性能が良さそう。

    2
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