ナゴルノ・カラバフ地域を巡る戦いは3度目の人道的停戦が26日午前8時(日本時間午後1時)に発効したが、結局今回も発効直後に停戦が破られ戦いが継続している。
米国の仲介による3回目の停戦も効果なし?停戦発効から5分後にアルメニア軍が発砲か
これまでナゴルノ・カラバフ地域を巡る戦いを停止させるため今月の10日と18日にロシア主導の人道的停戦(捕虜交換や遺体回収目的)が発効したが、どれも発効直後に相手が「停戦条件に著しく違反した行動をとった」という理由で攻撃を再開、そのため停戦は全くと言っていいほど機能していなかった。
しかし米国防総省は25日、米国の仲介によって26日午前8時(日本時間午後1時)に3度目となる人道的停戦を行うことでアルメニアとアゼルバイジャンが合意したと発表して注目を集めている。
特に今回はロシアの仲介ではなく米国の仲介なので「今までとは異なる結果」をナゴルノ・カラバフ紛争にもたらす可能性もあるが、2度の人道的停戦は発効直後に破られているので今回も26日午前8時(日本時間午後1時)直後の動きが3度目となる人道的停戦の行方を左右していると言っていいだろう。
しかし今回も記事を書いている最中に、不穏なニュースが流れ始めた。
アゼルバイジャン国防省は3度目の停戦は発効した直後、アゼルバイジャン国防省はアルメニア軍が3度目の停戦合意に著しく違反していると発表。
Despite the announcement of a new humanitarian ceasefire regime since October 26 at 08:00, the Armenian armed forces again grossly violated the agreement.
— Azerbaijan MOD (@wwwmodgovaz) October 26, 2020
On October 26, at 08.05, the Armenian armed forces violated the new humanitarian ceasefire and shelled the units of the Azerbaijani Army located in the Safiyan village of Lachin from the direction of Lachin city.
— Azerbaijan MOD (@wwwmodgovaz) October 26, 2020
その後の情報によればアルメニア軍は午前8時5分にナゴルノ・カラバフ地域のアゼルバイジャン軍に対して砲撃を加えてきたと主張、さらにアルメニア軍がナゴルノ・カラバフ地域に近いアゼルバイジャン領のタルタル(人口約2万人)などに向けて発砲中だと言っている。
Armenian armed forces fired at Terter city and villages of the region.#StopArmenianTerror
— Azerbaijan MOD (@wwwmodgovaz) October 26, 2020
このようなアゼルバイジャンの動きにアルメニア国防省は組織的で意図的な工作だとして非難、その証拠に26日午前8時(日本時間午後1時)前にアゼルバイジャン側が間違えて「アルメニア軍が3度目の停戦合意に著しく違反している」という発表をネットに公開、慌てて削除したと指摘。
After reaching an agreement in the US on a humanitarian cease-fire, which was supposed to take effect on October 26 at 08:00, the Azerbaijani MOD hurried to accuse Armenian side of violating ceasefire before it officially entered into force. The Azeri side then deleted the post.
— Shushan Stepanyan (@ShStepanyan) October 26, 2020
この間違えて公開された記事の証拠を管理人は偶然にも確保している。
アゼルバイジャン国防省の発表ページは閉じてしまったため確保することに失敗したが、アゼルバイジャン国防省の発表を受けてメディアが流した記事を保持したたまだったので、アルメニア国防省の指摘が本当だと証明できる。
要するにアゼルバイジャン国防省は26日午前8時(日本時間午後1時)前にアゼルバイジャン側が間違えて「アルメニア軍が3度目の停戦合意に著しく違反している」という発表を国防省のページで公開、これを受けてアゼルバイジャンメディアが同じ内容の記事を午前8時5分に公開、しかし未来記事だったことに気がついたアゼルバイジャン国防省が記事を一旦取り下げて午前8時10分に公開し直しているため、おかしなことになっている。
しかもアゼルバイジャンメディアは、この間違いを訂正するのに新たな記事を制作するのではなく午前8時5分に公開した記事を上書きする形で「アゼルバイジャン軍は停戦を完全に守っている」という内容に書き換えられおり怪しさ満点だ。
そのためアゼルバイジャン側が事前にアルメニアの停戦違反を主張する記事を準備していた可能性が高いが、アルメニアもアゼルバイジャン軍が停戦に違反して攻撃を仕掛けてきたため午前9時10分頃に反撃を加えたと言っており、結局3回目の人道的停戦も今のところ全く機能していない。
The regular ceasefire violation has been recorded at approximately 9.10 a.m.
Azerbaijani side targeted positions located in south-eastern direction, firing 5 artillery shells in that direction.— Shushan Stepanyan (@ShStepanyan) October 26, 2020
果たして3回目の人道的停戦も破綻して4度目の停戦に向かうのか、初期破綻を何とか立て直して停戦を軌道に載せられるのか注目される。
※アイキャッチ画像の出典:アゼルバイジャン国防省が公開した動画のスクリーンショット
管理人さんナイス!
はなから停戦無視する気マンマン。
アゼルが領地を奪回する迄終わらないかなこれ。
こうなる事は知ってた。どうせ第三国からの物資搬入の為の一時的な停戦だろう。戦いはどちらかが降伏するまで続く。
これもう仲良しだろwww
分秒を争うネットワーク上の戦い。まさにサイバー戦争、と言いたいんだが
停戦合意を即座に無視ってアゼルバイジャン、どこまでやる気なんだろうか。
昔の関東軍みたいに政府の命令無視ってことになっていないのか、ちょっと不安
全力で米露の顔に泥を投げつける姿勢
周辺当事国以外から見て見ぬふりされてる理由がこれ?
そりゃ小学生のケンカに大人は口出ししないもんな
担任のプー先生、なんとかしろ
そりゃまあ、同じ旧ソ連のよしみで付き合い深いとはいえ、別に両国とも属国でも傀儡でも無いですし。
いわゆる旧宗主国ってことよ、利害関係と影響力を有する、のにね
アゼルバイジャンくんさぁ……
5分、4分ときたので次は3分かと思ったが、5分持てたか、素晴らしい!
いずれは、67年間休戦中の国連軍と北朝鮮軍くらいの我慢強さを持って欲しい。
ペヤングから赤いきつねに成長したんだから誉めとこうな
まるで停戦が破綻することを望んでいるかのようなブログ主の記述の仕方に怒りを覚えます。抗議を表明させて頂きます
見なけりゃ良いじゃん。
管理人よりもアゼル大使館に向かいなさい
トルコ大使館でもいいぞ
どこをどう読めばそう読めるのか…。
あ、釣りか!
現地に時計でも送りつけてやった方がいいんじゃないか?
国家間の戦争は簡単には止まらないっていうのが如実にわかる今回の戦い。どう落とし前つけるか気になりますな…
今日一番ホットなニュース来たね
アゼルバイジャン国防省のTLはフライング投稿へのツッコミで溢れかえってるよwww
アゼル軍はまだ目標を達成していないからなあ。重要であるラチン廻廊を完全に掌握できている訳ではない。
損害を出しつつも同時にアルメニア軍の主力を削いでいて、少なくともこれまでに戦車140両以上は撃破している。
それでもアルメニアもかなり粘っている印象だが、アゼルを単純に抑えているのか、
アゼルがあえて一度攻勢を緩め、次の攻勢の為に準備しているのかもしれない。山岳地帯を抜いた時も状況は同じだったし。
いずれ分かるのは何処からの圧力のない停戦合意なんて誰も守らないという事。
アゼルバイジャンはこの戦争に賭けているから、多少の批判など構いはしないしね。
ロシアの次はアメリカの面子に泥をぶっかけたか
まあロシアですら動けない所に、アメリカが部隊を動かして実力で停戦させるのは不可能と考えると、短期的にはアメリカの面子に泥を塗っても何の問題も無いでしょうがね……
とはいえアメリカが影響力を発揮したのかしなかったのか、カナダがセンサーとエンジンを禁輸しましたから、今後の無人機の供給次第では現状の泥沼が固定化しそうですな
【朗報(?)】
前回4分で戦闘再開RTA更新ならず
>今回はロシアの仲介ではなく米国の仲介なので
丸でロシアが能無しみたいな言い草だなぁ?!
次は何分持つのかな?
ナゴルノ・カラバフのシャットダウン目前まで到達してんのに停戦する訳が無いんだよなぁ。
分かりきってても必要な事なんだろうけど・・。
国家として「戦争する」と決意して始まった物だから、終わるわけもなし。
開戦直前の米帝みたいなもんだ。国家意思は簡単には変わらないよ。
しかし確信犯として準備の上に攻め込んだアゼル軍がいまだ飛び地の回復を果たせないのは、アルメニア軍の精強さか、それともアゼル軍は噂のようにヘタレなのかね