スウェーデン国防省は7月7日に発表した予算関連のプレスリリースの中で、グリペンの後継機となる次世代戦闘機開発に関する情報を公開した。
参考:Uppdrag till Försvarsmakten om att inkomma med kompletterande budgetunderlag för 2021
グリペンの後継機はテンペスト採用ではなく、テンペストベースの独自戦闘機になる可能性が高い
スウェーデンは先月16日、NATOのミッションフォーラムで演説したフルトクヴィスト国防大臣が「次世代戦闘機の開発を開始する」と明らかにして注目を集めたが、これはスウェーデンが参加を表明している英国主導の第6世代戦闘機「テンペスト」開発を支持する=テンペストを導入するという意味なのか、テンペストとは別にスウェーデン単独で次世代戦闘機の開発を始めるという意味なのかは不明のままだった。
しかしスウェーデン国防省は7月7日、予算関係のプレスリリースの中で「次世代戦闘機の開発準備が2021年~2025年までに開始され、この準備には1ヶ国まはた複数の国際パートナーとの共同研究、技術開発、デモンストレーター活動が含まれる」と明かしたため、グリペンの後継機はテンペストを導入するのではなく、テンペスト開発参加で得られた技術をベースに独自開発するつもりなのだろう。
補足:英国のテンペストは開発参加国の要求や性能を1つに統合するのではなく、参加国が自由にテンペストをカスタマイズ(アビオニクスやエンジン等)することを前提に開発されているため自由度が高く、テンペスト開発を通じて得られた技術を元に独自の戦闘機を開発することも認めている
恐らくスウェーデンにとってテンペストは大型で高機能過ぎるのでテンペストをそのまま採用するのではなく、テンペスト開発に参加して得た第6世代戦闘機に必要なステルスやネットワーク等の技術をベースに グリペンのような小型戦闘機を開発する可能性が高いので、ドラケン、ビゲン、グリペンと続くサーブの戦闘機開発に宿るDNA(小型で軽量しかも安価)は次世代戦闘機にも受け継がれるはずだ。
因みに、スウェーデンの次期戦闘機が管理人の推測通りテンペストベースの独自戦闘機の場合、第6世代戦闘機としては8機種目となる。
- 日本主導の第6世代戦闘機「NGF(仮称F-3)(配備予定2035年)」
- 英国主導の第6世代戦闘機「テンペスト(配備予定2035年)」
- 独仏主導の第6世代戦闘機「FCAS(配備予定2040年)」
- 米国(空軍)の第6世代戦闘機「F-X(配備予定2030年代頃)」
- 米国(海軍)の第6世代戦闘機「F/A-XX(配備予定2030年代頃)」
- ロシアの第6世代戦闘機「MiG-41(配備予定2020年代中)」
- 中国の第6世代戦闘機「名称未定(配備予定2035年)」
- スウェーデンの次世代戦闘機(恐らく第6世代)「名称未定(配備予定未定)」
果たして、これだけの第6世代戦闘機が無事開発を完了して実戦配備されるのか謎だが、今後10~20年間は各国の第6世代戦闘機開発が本格化するため賑やかになることだけは確かだろう。
※アイキャッチ画像の出典:public domain グリペン
グリペンのような小型戦闘機と、ステルス性に必須な
ウェポン内装化という相反する要素の実現も大変そうですね。
F-35サイズでも内装ミサイルの搭載数が少ないいう人はいますから。
小型戦闘機にウェポン内装化は流石に無理だと思うんで
ステルス形状の外部コンテナ?位がいい所かな
半埋め込みでステルスフェアリング(使い捨て)かぶせるとかですかね。
まあスウェーデン機は主に防空用なので共同交戦能力があればステルス戦闘機はミサイル最小限(中2短2とか)だけ持って基本的には後衛ミサイルキャリアや地上基地に撃たせる、みたいな戦術も取れるかと。
F-8E/Fのアドバンスドホーネット発表時に構想が打ち上げられたステルスウェポンポッドみたいなのでしょうか。
スウェーデンが求めているのってまんまF35じゃん
F35でいいんじゃないの?
スウェーデンがF-35に深く関わっていれば、別にそれでも良かったんだろうけどね
アメリカの次に深く関わっている筈のイギリスすら、実質LM主導の開発の中で大した影響力や製造分担を確保できずに、結局テンペスト計画を立ち上げるに至った時点で、まあ言わずもがなって事かと
やはり何処の国や企業も、自分の思い通りに主導できて利益が転がり込まないと、良い思いは出来ませんし
F-35Aはスウェーデンの山岳の短い滑走路や高速道路で運用できるのでしょうか。
そもそもF-35Bはスウェーデンの要求に合わないのですけどね。
いいアイデアのように思えますが、そんな話が欠片も出ない以上よくないのでしょう。
デジタルセンチュリー実現すれば、更に一杯だあ
予算…
西側の第6世代戦闘機は全部配備遅れそう……全部F35にすればいいじゃない派が各国に居るからね…
「第6世代戦闘機」像が定まっておらず、
「第5世代戦闘機」との相違が不明だから、尚更ですね。
特に日米のように大量にいるF-35との共存を強いられる場合、棲み分けが不明瞭だと突っ込まれる要因になりそう。
航空業界の次の20年から目が離せないぜ
ひょっとしたらスウェーデンはテンペストを指令母機とした無人随伴機を
次期自主開発機に選んだのかも。テンペストとセットで売れるしね。
思い切ってレーザー砲のみ搭載とかにしてほしい
スゲー。全部完成出来るとはあまり思えないが、見てみたいも気もする。
一体どんな航空機ぎ仕上がるのかな?
昔の日本は大馬力のエンジンが量産できず零戦・隼を使い続けるしかなかったが、アメリカは大馬力の戦闘機を投入してきた。
それが今やF-3はたぶん世界最大・最重量級の戦闘機になりそうだし、サーブは小型機を作ることになるという。
世の中、変われば変わるんだ。
サーブがテンペストのエンジンを使う小型機でF-16のリプレースを狙うのは実に良い作戦だとは思う。
アメリカ一国で2機種開発ってすごいですね。
ロシアの「配備予定2020年中」って今年?
>アメリカ一国で2機種開発ってすごいですね。
上にも有るけど、デジタルセンチュリーが実現すれば2機種どころではない罠
>ロシアの「配備予定2020年中」って今年?
7月8日17時現在では、「MiG-41(配備予定2020年代中)」になってますね
空軍と海軍の要求性能は大きく違うからでしょう。
同一機種にまとめようとするとJSF計画の二の舞になってしまうので………
日本主導の第6世代戦闘機「NGF(仮称F-3)(配備予定2035年)」
英国主導の第6世代戦闘機「テンペスト(配備予定2035年)」
独仏主導の第6世代戦闘機「FCAS(配備予定2040年)」
米国(空軍)の第6世代戦闘機「F-X(配備予定2030年代頃)」
米国(海軍)の第6世代戦闘機「F/A-XX(配備予定2030年代頃)」
ロシアの第6世代戦闘機「MiG-41(配備予定2020年代中)」
中国の第6世代戦闘機「名称未定(配備予定2035年)」
スウェーデンの次世代戦闘機(恐らく第6世代)「名称未定(配備予定未定)」
この7機種の内予定とうり配備されるのはどれかな?
南半島製が抜けてるー
KF-Xは第6世代じゃないから入れてあげない。
人口1千万人程度の国家なのに戦闘機を他国から購入せずあくまでも独自性に拘るスウェーデンは立派な変態国家と言えよう。
日英共同開発のミーティア改をウエポンベイに4発内蔵出来たらステルス小型迎撃機なら必要充分かな。
テンペストベースの新型機ってこの前日本にも提案されてなかったっけ(うろ覚え)
独自っていうかグリペンみたいにBAEに発注する羽目になるのでは?
軍事研究別冊にグリペンに関わった企業の一覧が出て
飛行制御システム(LM),主翼設計・製造(BAE),脚(BAE),機体中胴(BAE)らしいよ。>グリペン
ほぼBAE製じゃんよ。
どうりで・・
状況的にスウェーデン一国で戦闘機が作れるわけがないと思ってた
しかし、それならそれでスウェーデンがBAEも参加してるテンペスト計画に参加するのも納得ではある
それ以外もこんなんですからね。
リンク
ただこれで結果として「自国に必要な戦闘機」を低価格で完成させてる訳だから別にバカにしたもんでもないと思うんですよね。
自国製品の採用率を争った挙句にクソ高いくせに誰得な「不幸の戦闘機」と化してる某欧州戦闘機よりははるかにマシかと。
同じBAEのはずなんですけどね>メイン設計及び製造
だから「実質BAE製じゃん」とグリペンを作ったスウェーデンをバカにするのは違うんじゃない?というお話。
そもそもスウェーデンにステルス機って必要なのかな?
普通にグリペンの進化機で十分のような気がするけど
どれだけアンチステルス技術が発展したとしても探知距離はステルス<非ステルスになるわけで
仮想的ロシアがステルス機を配備する以上
今から開発する機体で非ステルスにする理由が無いと思うんだよね
もちろん輸出も想定してるんだから、ステルス機能ないと売り込めないでしょ
必要性というより流行だね