米国のDefenseNewsは英国が主導するテンペストプログラムで責任者を務めるジョニー・モートン准将の発言に注目して「日本が計画の正式なパートナーになる可能性がある」と報じている。
参考:Japan could become partner nation on UK-led future fighter effort, says program director
テンペストのモックアップと共に掲げられた英国、スウェーデン、イタリア、日本の国旗、日本の合流はプログラムの柔軟性をテストする最初の機会
英国が開発を予定している未来戦闘航空システム(Future Combat Air System:欧州の計画と被るためFCAS/UKと呼ばれることも多い)とは無人運用も可能な有人戦闘機テンペストを中心とするファミリーシステムの総称(以降はテンペストプログラム)で、スウェーデンとイタリアがプログラムの正式なパートナーとして参加を決めているものの両国はテンペストを導入する予定は今のところない。

出典:BAE Systems テンペスト
スウェーデンがテンペストプログラムに参加を決めたのは第6世代戦闘機関連の技術獲得が目的でグリペンのアップグレードや独自の次世代戦闘機開発に活用することを予定、イタリアも導入予定はないが2035年までに20億ユーロ/約2,580億円をテンペスプログラムに投資すると発表、自国の防衛産業に第6世代戦闘機関連の開発経験(レオナルドはテンペスのセンサーやアビオニクス開発に携わっている)を積ませると同時にテンペストの研究・開発や製造におけるワークシェア確保を目指している。
つまりテンペストプログラムは共同調達が絶対条件と言っても過言ではない仏独西のFCAS計画とは異なると言う意味で、正式なパートナー国に拠点を構えていない企業(カナダのボンバルディア、米国のGEアビエーションやコリンズエアロスペース、フランスのタレスがチーム・テンペストに加わっている)でもテンペストプログラムに参加する道が用意されており、スウェーデンのように確保した技術や経験を独自の戦闘機開発に活用することも容認(当然出資した範囲の技術に限定される)されているため非常に柔軟性の高い開発プログラムだ。
Got 90 seconds? Here’s a snippet of the video on our stand at @DSEI_event! #DSEI2021 pic.twitter.com/v53HI9gdqV
— Team Tempest (@TeamTempestUK) September 16, 2021
今年7月には日本の岸防衛相と英国のウォレス国防相が会談を行い次期戦闘機用エンジンを両国で共同開発する方針が確認され注目を集めていたが、ロンドンで開催中の防衛装備品の展示会「DSEI 2021」でテンペストプログラムで責任者を務めるジョニー・モートン准将が「英国と日本の次世代戦闘機は開発スケジュールや想定されている脅威が似ているためレーダーや電子戦の能力開発までパートナーシップを拡大する可能性がある」と発言したと報じられている。
さらにモートン准将は「世界中のチャンスを受け入れる準備が整っており、テンペストプログラムは参加国が独自の変更を加えることが出来る自由を最も重要視している」と付け加え、彼が講演した壇上横にはテンペストのモックアップと英国、スウェーデン、イタリア、日本の国旗が掲げられていたため海外メディアは「日本の正式なパートナー国への昇格を期待させる」と報じているのが興味深い。
If you’re at @DSEI_event this week, come to visit us over at the @RoyalAirForce stand #DSEI2021 pic.twitter.com/1JcjXl2a3Q
— Team Tempest (@TeamTempestUK) September 14, 2021
DSEI 2021に参加しているチーム・テンペストのレオナルドも「このような大規模なプログラムを1つのパートナーシップに結びつける努力は間違いだ、新しい国がパートナーとして参加できる柔軟性を残しておくことこそが重要で日本の合流はプログラムの柔軟性をテストする最初の機会を提供してくれている」と語っており、日本の動向に関する関心の高さを示していると言えるだろう。
ただしモートン准将はエンジン以外の日本との協力については「まだマイナー段階だ」と言っているので、もしかすると日本側はエンジン以外の協力については関心がないのかもしれない。
🔴#PressRelease #Leonardo has placed the latest in a series of contracts with UK-based aviation services company @2Excel_Aviation to commence the next stage of the Tempest flight test aircraft programme https://t.co/FraZUyOWbi #DSEI @TeamTempestUK pic.twitter.com/xBAz0GlU7P
— Leonardo in the UK 🇬🇧 (@Leonardo_UK) September 15, 2021
余談だがテンペスのセンサーやアビオニクス開発に携わっているレオナルドは開発した機器を飛行状態でテストするためボーイング757を改造したテストベッド機の準備を開始したと発表、この機体はアーサー王の伝説的な剣に因んで「エクスカリバー」と命名された。
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※アイキャッチ画像の出典:TeamTempestUK
日本にとってはエンジンが一番のネックでそれ以外で海外に求める技術の優先度はあまり高くないからなぁ
あとはアビオニクスあたり?
どちらかと言うと随伴機の技術、おもにソフト面じゃないかな?
電子戦装備と射出座席はアメリカが輸入するくらいには超一流だよ
F-22やF-35やF-15EXの電子戦装備のメーカー調べてみればわかる
むしろ電子機器(デコイとか)のほうじゃあね?
無人機とのチーミングソフト関連技術は欲しいな
>あとはアビオニクスあたり?
いやいや、今の戦闘機のほとんどがアビオニクスとそのプログラムに費やされてる言っても過言ではないだろう。
第六世代に至っては第五世代より更に複雑化することは必至、テンペストが当初の予定通りの性能を簡単に会得できるとは到底思えない。
F-35で研鑽を積んだメーカーがアビオニクス担当してるテンペストで難航するなら、実機での研鑽を積んでない日本はもっと難航するってことだから、あまり他所を悪く言うもんじゃないぞ
テストベッド機の準備を開始・・・
これの準備終了までにエンジン以外への日本のパートナー出資有無を決定しろ、
ということで、裁定の剣の名前をつけたのかな
真っ逆さまに墜落して、岩に刺さる。
いや違う、
選ばれたパイロットしか離陸できない、かな?
勝手なことすんなや
勝手にやらせとけ
こっちはこっちと
英国としてはスウェーデンやイタリアの様に投資した技術を自国の戦闘機にフィードバックするのが狙いなのかね
F-35ではハード単位で分けて面倒なことになったから技術・ライセンス単位にして自由度を増すねらいもあるかも
一時話題になったF-2の設計チーム・リーダーの故・神田國一氏の本を読むと、 エンジンにしろインテグレーションにしろ、共同開発の度合いが増す程、むしろ安心するのは自分だけ?
単独では絶対に無理でしょ。
主翼複合材のヒビについて「その後このような誤りは犯さなかった(と信じる)」(P125)みたいに、随所に都合の良い書き方をしてた。あと260P近い文章の中で開発遅延や開発費超過に一言も触れてないのもね・・・納期やコストに対して意識が低いのはMRJの失敗に通底してる。
得意のレーダーもOPS-24やJ/APG-1みたいに設計時の想定通りのスペック発揮できなくて不満なんてこともあったからね
基礎技術あるからって慢心していざ作ってみたら思ったようにいかなかったなんていくらでもある話
別に日本に限らずアメリカでもどこでもやらかしてる
その通りですね。
失敗をやらかして原因究明の上で改善作業をやってれば次回には同じ系統の失敗をせずに済む。工業製品の開発ノウハウてのは大方失敗の累積でできている。
機器単独試験では問題なくとも実装時状態で配慮すべき考察が抜けてると計画通りの性能が出なかったりするわけで、リスク低減のためステルス戦闘機開発で実際に苦労してるLMにインテグレーション作業支援を発注する所以。
ヒビが入ったのって耐久テスト用の機体とか聞いた事あるな。どれだけ酷使すればヒビが入るか確かめるヤツ。
やっぱりあの本読んだらそうなりますよね。
ハッキリ言って三菱に開発して欲しいとすら思わない。
今回は予算超過、開発期間延長ぐらいで済むのだろうか…
自分も同じく
自分は単独では無理と断言する気はないけど、なんでもかんでも車輪の再発明をして国産化する余裕(時間・お金・人的・物的な)はないだろってツッコミ入れたくなる
ユーロファイターやA400Mみたく、主導権争いで互いに足引っ張らなければ共同開発はアリアリ。
F-2はジャパンバッシングや、技術提供の拒否によるフライ・バイ・ワイヤの独自開発などがあった中でよくやった方だと思うがね。問題は機体の仕様策定をちゃんと示せなかった自衛隊と、ブッシュ相手に屈するしかなかった政治家の方でしょ
F-2も実績・信頼性のある機体をベースにしたから、CFRPなど最先端でリスクある技術に注力できたと書いてましたね。
搾り取られるのを覚悟でアメリカ重視か、グッダグダのドロドロになるのを覚悟でイギリスと組むか……これって次期総裁の結果も関わってくるのかな?
イタリアはテンペストに出資してどんな戦闘機を得るつもりなんだろう
テンペストを配備したいとかじゃなく次の世代に向けた技術を蓄積して地位をあげたいって魂胆じゃないかな
日本にテンペストという戦闘機を採用しろといってるわけではなく
投資に応じた見返りを得るプログラムだから参加して損はないけどね
日本が金や技術を提供した部分を他の参加国が採用すれば儲かる
日本は苦手だけど他の参加国が得意な技術を得られる
初期から参加してるスウェーデンからして完成した戦闘機を採用する予定はない
F-3の丸ごと輸出しようとするよりは得意分野の部品輸出のほうがずっと現実的
つい昨日も英豪米で技術情報の共有団体作ったしね
いつまでも自国の技術を自国だけため込むだけじゃなく広げていかないとって思うわ
それね。
ガラパゴスの意味を考えて欲しい
ああゆう孤立しきった島以外では成立しない特殊な環境の生物、
それが国際化時代の日本でいいのか?
日本は特別なんだって自慢にならないんだよ。褒め言葉でないことに気がついてないのは痛すぎる
パートナーとして参加を期待されるのは良い事だと思うしお互い必要な技術を強力出来るのがベスト
正直風評被害が酷いんでやめてもらえませんかね?
これでF-3がイギリスのテンペストと同じとか言われるとか胸くそなんですが。
現状では部分的に技術協力するだけで機体設計自体は別物になるはずだからF-3とテンペストが同じ戦闘機だと思われることはないと思うけど、F-3がテンペスト計画の副産物と捉えられる可能性はありそう
エンジン回りはF-3よりイギリスのテンペストのほうがよほど国際的評価高いと思うよ
それが何か?
そもそも完成してない物を比べてもな〜
日本は実戦配備用の戦闘機のエンジンを完成させたことがないからね……
完成してるしてない以前に日英の比較そのものに意味がない、と言ってるんだよ。
問題は日本が必要とするエンジンを妥当な開発費で完成させられるかどうかだけで、
日英どっちが上かとかその国際評価がどうかどうでも良いのよ。
ただし「日本が必要とするエンジン」の要件には、「日本が自由に調達/改修/輸出できる」「日本の産業に寄与する(優先度低)」なんかも含まれるから、
英国の協力を得る事がトータルでプラスかマイナスかは意見の分かれるところだろう。
とりあえず本文をちゃんと読んでからコメントしよう
具体的に指摘してくれる?
読み返して見たけど正直ここの話題は記事本文からはかなり乖離してるからどこの事を言ってるのか分からない。
兵器は使えてなんぼなんだから、プライドなんて正直どうでも良い。
F35じゃ使い勝手の悪いところを埋める、というのが目的なんだから、少しでも早く・安く・確実に作る手段があるなら
利用するに越したことはない。それに少なくとも技術の情報交換は、F-2の時の一方的な物よりも有利な話なんだから。
まあイギリスだから、開けてみたら話が違うなんてこともあり得るから、そっちの方が不安だな。
>「テンペストプログラムは参加国が独自の変更を加えることが出来る自由を最も重要視している」
テンペスト:自由な海洋同盟
FCAS:ルールガチガチの大陸枢軸
的なイメージ戦略を感じる。(笑)
テンペスト∶ユーロファイターの徹は踏みたくない
FCAS:目指せユーロファイター
俺はそんな意思を感じる
イギリスが待望してくれてることに、日本には何のデメリットもなくて。
プランBC候補があるのは別に悪いことじゃない。
英国の太平洋重視の戦略もあって日本との協力も求めてるのかもね
嬉しいやら恥ずかしいやら・・・怖いやら。
技術交換会なら多国間でやる意義は薄いな
それぞれ付ける価値が違うから絶対揉める上に流出のリスクだけ跳ね上がる
参加国もイギリスの一存で拡大すんだろ?
今回イタリアスウェーデンに相談したとも思えないし
日英だけならまだ実のある交流になる可能性もあるんだが、
日英伊典で投入技術を共有、だと持ち出しの方が圧倒的に多くなりそうなんだよね(伊典を過小評価する気はないが、英単体に比べて伊典が加わる事で日本が得るメリットはあまり増える気がしない。一方で持ち出し分は確実に増える)。
しかも日本の持ち出し分まで全部プロジェクト主導国の英の手柄にされそうなんだよね。
指摘の通り流出のリスクもあるし、後から参加国が増えるリスクもある。
なんなら戦闘機や潜水艦、軽空母(計画中)で英典の協力を受けてるどこぞの半島国家がシレッと参加する可能性だって十分ある訳で。
日本に自信持ちすぎでは
日本企業が明確に優れてるのはセンサーぐらいのもので他は50歩100歩(開発能力はあるって意味だが、まだ実商品化できてないという意味では足元にも及んでない)
将来的に韓国も参加する可能性はあるが、その可能性を危惧して孤立するより自分の技術を収益につなげることのほうが重要だと思う。いわゆる鵜飼の鵜構造にできなければ日本単独ではいずれ行き詰るだけ
だから「日本が優越してる」んじゃなくて「協力相手としては(米+)英だけで事足りる」んだってば。
具体的に「米英からは得られなくてイタリアやスウェーデンからなら得られる日本が欲しい要素」って何かある?
あるいは他のどの国が参加してくれれば得られる要素が増える?
一方で参加国が増えれば持ち出し要素はほぼ確実に増える(例えば英相手なら仰る通りセンサー程度だが、スウェーデン相手だとエンジンやら素材やら一気に増える。イタリアはテンペスト計画で何をしたいんだか分からんので保留)。
つまり参加国が増えれば増えるほど、この傾向は悪化するんだよ。
強いて言えば(あり得ないけど)フランスが参加すれば技術面では持ち出しより得る物の方が増えるとは思うけど(ただしそれ以上に政治面その他でのデメリットが大きそうだが)。
で、一番問題なのはテンペスト計画の鵜飼はあくまで英国だって事なんだよ。
例えば仮にスウェーデンが「F9系エンジン」を採用したとしても日本にはほとんど見返りがない可能性も十分ある。
もちろんその辺は契約次第だが、それこそそこは日本が一番弱い部分だからなぁ。
テンペスト計画への参加はF-3の開発中止を意味してるわけではない(はず)
なのでテンペストの技術を得たいから入るんじゃなく、日本の技術をテンペストに入れ込むことが目的
それでリターンがあるかどうかは契約やエコシステムしだいだから不透明なのは確かではあるけど、もっと積極的に海外に出て日本の技術の評価を高めると同時に技術をマネタイズする方法を模索したほうが色々と有益だと思う
あ、あの防衛相会談の後エンジンの共同開発の発表あったんだ?メディアが主張してるのと、政府発表の「サブシステムの協力を模索」みたいなニュアンスの曖昧なモノしか知らなかった。
共通の部品(射出座席とか)を増やしても良いとは思うがね。もしも援軍に来てくれた時に、互いの部品流用できるのは間違いなくメリットだし
ドイツ「うちはイタリア抜きでやってますよ」
日本「うちもイタリア抜きなら考える」
ドイツもイタリアも現状はバリバリの親中派だから、挨拶ていどの仲に留めておきたい
逆じゃないのかなぁ
ドイツと一緒になって幸せになった例ってあるのかしら_
今のドイツに戦力や軍事技術関係で期待している国ってあるのだろうか
投資なんて日本はする側じゃ無くてしてもらう側にならなきゃダメ
テンペストがF-3に合流する方向を狙わないと
どこまでお人好しなんだ
それは実績と国際的な評価を得てる側が可能な事であってだな
今後米国製兵器購入時に足元見られないように英国との協力は必須かと思われる
今の日本における航空機産業は誰かさんが”F-2″調達中止を言った以降ほぼ壊滅している。
F-3も試作機レベルならまだしも量産するには町工場を転換、再転換させないと、結局は設計しただけでネジまで輸入した国産機になりかねないわな。
それで商売になるのか?という話になるから、結局はズルズルと他国の機体を導入しないと無理があるだろうな。
空自でF-15Jの後継機で100~150機導入とか言ってみ、それを信じる企業の経営者がいるかね?
皆さん、米国は狡くて英国は紳士だと思い込もうとしてませんか。
三菱F1 あれの物語を知るだけでどんだけメシマズ国がエグい国か忘れてませんか。
ほんの10年前に、日本は日沈む国要らん、チャイナ最高!ケツも掘ってくれ!
とありとあらゆる侮蔑をしてきた、極西の島国がありましたね。
それが一番不安だわな。はしご外しはイギリスの得意技。いくら外交が詐欺師同士の化かしあいとはいえ、欧州勢はえげつないからねえ。
最悪お金を積めば話が通じるアメリカの方が付き合いやすいまである。
イタリアってテンペストの導入予定無いのか…。てっきりタイフーンの後継にするとばかり思ってた。そういやエンジンに関しては試作段階とは言え日本の方が先行してるから英国側興味持ってるとかとの話が航空ファン有ったような。まぁ、エンジン丸ごとじゃ無くて個々の技術を融通し合うって感じが現実的らしいけど組むのは悪くないと思う。その代わりに日本側として今まで未経験な各種ソフトウェア手伝って貰うとかが良いんじゃないかね。